7月(第1回)定例記者会見(7月15日)
質問事項
2.竹島の学習指導要領の解説への記載について
○NHK
昨日の竹島をめぐる解説書の記載についてなんですが、きょうの午前中に韓国の駐日大使が外務省の方に訪れられて、これによって日本は大事なものを失うことになるというように強く抗議をされたということなんですけれども、そういった韓国側の反発に対しては、知事はどのように受けとめておられますか。
○溝口知事
この問題は日韓間で見解の違いがあるわけですから、それぞれの立場に立ってそれぞれの立場を説明し、発言をするというのは自然なことでありまして、むしろそれぞれがそれぞれの立場を同じ土俵の場で交わす、つまり対話をすることによってこの問題を解決する努力が必要とされておるわけでして、私どもとしては、やはり外交の場を通じまして問題を解決するように努力をしてもらいたいということであります。
特に外交の問題は政府の役割ですから、私どもは政府に対しまして引き続きそういうことを求めていきます。ただ、外交交渉を行うためには、やはり国民の多くの方々がこの問題に理解をしていただかないといけないわけでありますから、啓発でありますとか、あるいは教育の場で子供たちにも教えていただくとか、そういうことも引き続きやっていかなければならないというふうに思っています。
○NHK
国民への啓発というか、そういったことに関しては、島根県でもより一層、これまで以上に力を入れたりとか、そういうお考えはありますでしょうか。
○溝口知事
これまでも随分やってきておりますが、県自身もこれまで以上に努力をしていきますが、国としても啓発のために活動を強化してもらいたいということでありまして、そういう問題につきましては、引き続き国に対して強く申し入れをしていきたいというふうに考えております。
いずれにしましても、両国で見解が違い領土問題というのが現に存在をしているわけでありますから、そのためには意見の違う立場同士で話し合うことが大切なわけでして、そういう機運が盛り上がるようにもしていかなければならないというふうに思います。
○山陰中央新報
今回、今朝ほどの韓国側の対応というのは、そういう意味でいうと、知事がおっしゃっているような外交交渉の場というまでには至らずに、その前段で感情的な部分というのが出てくるのかなというふうに......。
○溝口知事 まだ至っていませんね。
○山陰中央新報
そこを、今回そういう、韓国側が態度に出てこられることというのはある程度予想できることかもわかりませんけども、韓国側にもやっぱりもう少し冷静に議論をしてもらいたいというような意味合いというのは知事にありますか。
○溝口知事
ありますね。我々はこういう問題はやっぱり客観的な資料とか、歴史的な資料に基づいて議論をすべきであるというのが島根県の立場ですね。そういう意味から、去年でありますけども、2年かけていろんな資料を県内外、あるいは外国の資料なども研究会、専門家の方々が集まってまとめられて、そういうものを私どもも県のホームページの中でWeb竹島研究所ということを設けまして、そこにはいろんな人が意見を言えるような形にしていますし、一部は韓国語などにもしまして、韓国の方も意見をその場で言っていただきたい、そういう対話ですね。
抗議をするだけじゃなくて、あるいは自分の主張をするだけじゃなくて、相手の話も聞くと、対話をするというようなことを、そういう道筋をつけていきませんと対話は成り立たないわけでして、相手と見解が違う以上、それをどうやって折り合いをつけるかということをせざるを得ないと思いますね。それで、その手段としては、やはり国と国との関係では外交交渉ということが基本になるだろうということでありますね。
○山陰放送
知事、済みません、解説書には「日本固有の」という文言がないということですけど、このことについて改めて、韓国がこういうふうに反発してくるのであれば、最初から入れていればよかったのにとか、そういうような思いっておありではないですか。
○溝口知事
そこは政府の中でいろんな議論をした結果、そういうことになったわけでありまして、それに関していろんな思いもあり、いろんな主張もあると思いますが、これまでなかなか学習指導要領等において記述することが難しい問題だったわけですから、それが初めて指導要領の解説書ということで記述をされるようになったわけですから、小さいですけども一歩前進があったわけです。
この問題はそういうふうに一歩一歩粘り強くやっていく必要がある問題だと思いますね。長い経過の中でこういう問題が起こってるわけですから、一朝一夕に解決できるような問題じゃないですね。非常にそれぞれの国民が大きな関心を持っている事項でありますから、やはり国民全体がそれぞれ理解をし合うような状況にならないと、なかなか解決は難しいですね。そういう意味で、粘り強い努力を我々はしていく必要があるというふうに思っていますね。
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