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6月(第1回)定例記者会見(6月12日)

質問事項

6.JA雲南に対する業務改善命令について

 

○山陰中央テレビ

 先ほど、JA雲南に対して業務改善命令を出されたわけなんですけれども、これに対して、まずJA雲南に改めて求めたいことを一言いただけますでしょうか。

 

○溝口知事

 この問題は、職員が不正経理といいますか、不正に組合の金を使用したわけでありますから、一つはやっぱり内部のそういう管理体制をきちっとやっていくということ、これは組合に限らず企業、あらゆるところで同じでありますけれども、ちゃんとしなければならないと、そういうことも県の立場から指導を行っております。

 

 それから、もう一つの問題は、そういうことが判明した後に対応がおくれたということがありますから、そういう組織内でのコンプライアンスとか、そういう問題についても注意をしているわけでありまして、いずれにしましても、そうしたことが起きないように、今回の事件をよく考えて、適切な体制、対応をお願いをしたいと指導しているということであります。

 

○山陰中央テレビ

 聞くところによると、着服を知りながら隠していたというふうな体制もあったと。着服を知りながら隠していたという体制がちょっと問題かなと思うんですけれども。

 

○溝口知事

 それは企業内の、組織内の執行体制の問題でありますから、そういう点について適切な仕組み、体制ができるように指導しているということであります。

 

○山陰中央新報

 先日、重点要望の際に知事と議会が、自民党の道州制の検討、意見交換会というのがあったと思うんですけど、中四国でかなり意見が分かれている状況があったと思うんですけど、中四国の中の道州制に関する考え方がかなり異なってるかなあという印象を受けたんですけど、知事は、あの議論を聞いて何か印象を持たれたことはありますでしょうか。

 

○溝口知事

 道州制の考え方についての違いですか。

 

○山陰中央新報

 ええ、各県で、要は地域によって全然違う、あるいは知事によって全然考え方が違うということだったと思うんですけど、あの議論を聞いて、知事は何か印象を持たれたのかと。

 

○溝口知事

 私は何か基本的なところではかなり一致してるなあという印象を受けましたね。一つは、道州制にしたら、やり方もいろいろありますけども、いろんな問題が解決していくということだけじゃなくて、道州間で例えば財源調整のようなものを一体どうするのかとか、それがないと道州制をしてもうまくいかないと。道州制を考える場合には、そういう全国的な、いわば公共施設インフラの整備だとか、そういう問題について大きな格差がないようにまずやってからやらなければならないとか、道州制は大きな流れとしては賛成だけども、準備がいろいろ要るという話が共通してたと思いますね。

 

 それから、道州内においてもそういう仕組みを一体どうするのかと。特に市町村合併などによりまして、小さい領域ですけども、それに似たようなことが起こっているわけですね。そういう反省もあると思いますけども、まず財源の調整、あるいは整備水準の違いの是正、そういうものをまずやっていかないと、道州制そのものがうまくワークするんだろうかという問題提起がなされたというのが一つですね。

 

 それから、例えばそういう関連ではいろんな権限を道州に移譲するというけども、権限を移譲するときの財源の手当ては一体どうするんですかと。それは特に三位一体改革との関連で、これは多くの知事の方々が、三位一体改革による財源の補てんですね、移転ですね、それは適当じゃなかったと、結局地方税源を地方に移譲して、あとは交付税で地方の中の調整をしたということになっているんだけども、結果を見ると、やはり地方税の少ない、発展がおくれたところがマイナスの影響を強く受けたということを言う人が非常に多かったですね。そういう認識は私も去年、知事会などに出始めてから、だんだん広がってるような印象を受けていますね。

 

 だから、単に仕事を切り分けるということじゃなくて、切り分け自体についていろいろな検討が必要ですけども、それに今のところ議論はいろいろありますけども、その前に具体的にどうするんだということを検討しないと、そういう切り分け自体がいい悪いという判断ができないという主張をされる方はかなりありましたね。その2点が私の得た印象のうち大きな部分ですけども、私はそういう考えを前から言っておりまして、だんだんそういう現実論に入ろうとすると、現実的なところをちゃんと詰めていかないと話がこれ以上進まないなという印象を受けましたね。だから、基本的に住民に近い行政、あるいは地域に密着した行政は基礎的な自治体に仕事をおろしていくと、こういう基本的な考えはいいと思うんですよ。そのときにやり方を結局どうするかということがないと、現実論としてうまくいかないだろうと。

 

 それから、私自身が申し上げた違う点は、企業の合併なんかを見ましても、いろいろ長年準備しても、いろいろな不都合が起こってくるわけですね。そうすると、道州が一挙にできるというようなことはあんまり現実的ではないように感じられますから、単に道州制に移る前の準備じゃなくて、移るプロセスに入ってからも、いろんなフェーズに分けてやっていくということが必要なんじゃないかと、そういう道州制の議論が進むにつれて、より現実的なところをよく検討しないと、そういう状況に差しかかっていると。そこが済まないと、なかなかいい悪いの議論は難しいということですね。

 

 それから、もう一つは区割りですとか、あるいは道州の州都をどうするかというような議論もありますが、一部の人はあんまりそういう議論に具体的には、だから入らない段階で、わかりやすい問題ではありますけども、どうかという議論もありましたね。私もその点はそういう考えと一緒ですね。

 

○山陰中央新報

 その道州制に関連して、少し話が先走りますけども、仮に今、道州制が実現した場合に、その州都とその周辺地域との格差ですね、財政、経済、そういった州都内の州都と周辺地域の格差、これはさらに拡大していくのかどうかという問題と、それから例えば州都内の財源の再配分ですね、所得再配分。例えば仮に中国地方としますと、例えば同じ州都の中で山陽地区の税収を山陰方面に再配分することが可能かどうか、その州都内でそれが合意できるかどうか、そこら辺の問題はどうでしょうか。

 

○溝口知事

 だから、そこら辺の問題は、まだ何も具体的な案がないんですね。そういうことをやらなきゃいかんという認識はあるわけですけども、その前にやっぱり道州間でもあるわけですね。今やっぱり都道府県間であると、似たような問題が。道になったって同じ問題が残るわけです。じゃあそういう調整を一体どうするのかというような議論はまだ進んでませんから、そういうことを見ないと、道州制そのものがいいかどうかというのは、なかなか判断が難しいという議論が先般の自民党の道州制に関する懇談会ではあったということですね。

 

 それでおっしゃるように、道州内でどうするかというのは難しい問題だと思いますね。日本という国を見ると、国民国家として一体性ができていますから、全国同じように基礎的な行政サービスは確保しようと、そのために補助金でありますとか、あるいは交付税でありますとかとして出てくる税収を配分しているわけですけども、そういうようなことが道州内においてどの程度できるかというのは、道州内、道州というものがそういう道州民意識がないとなかなか難しい問題もありますね。多分そういうのは時間がかかると思います。そうすると、やっぱり徐々にやっていくというようなことを考えなきゃいけませんでしょうし、現実的な議論をこれからやっていくべきだと、やっていかないとなかなか進まないという認識はかなりあったということじゃないかと思いますね。

 

 それから、もう一つは、これはいろいろ言っておられましたが、東京にあらゆる決定が集中して、東京に行かないと物事が決まらないと、それを直すのが道州制だという議論がありました。一方、しかし、今度は例えば道州が8つできると、8つの小東京ができるというんじゃ、もっと状況は悪くなるかもしれませんから、そういう点がうまくできるのかどうか、そんなような問題も考えなければいけないということ、そういう主張もありましたね。そういう意味で、これから分権を進めるためには道州制というのは一つの方法、手段だろうと思いますけども、現実的な議論をさらに積み重ねていく必要があるだろうということでありますね。

 

○山陰中央新報

 先ほど移る過程でいろんな方法があるというものがあったと思うんですけど、これは例えば都道府県合併とか、そういうようなことも含めて相談していく......。

 

○溝口知事

 いろいろなことがあり得るでしょうし、あるいは広域行政を県境を越えてやるとか、やっぱり広域的な行政をいろんな分野でやっていくということはあるでしょう。例えば市町村合併なんかも、その前に広域行政というのがいろいろ進められておったわけでしょう。そういうこともやりながら一体意識を醸成するとか、あるいは広域になっても行政は支障なくやっていけるとか、そういう試行のようなことが多分必要だろうなと。

 

○山陰中央新報

 それは、例えばその広域行政というのは、いろんな県との連携というようなことの延長線上で、例えば具体的な施策において都道府県が勝手にやるというような意味なのか、それとも制度的に各県が一部事務組合でもないですけど、そういった組織をつくってというようなイメージなんですか、どっちなんでしょう。

 

○溝口知事

 いろいろあるでしょう。

 

○山陰中央新報

 それもいろんなイメージがある......。

 

○溝口知事

 ええ、いろいろあるでしょうね。どういうふうに、事務組合みたいなのをつくってやるのもあるし、法的に広域行政圏みたいなものをつくってやるやり方もあるでしょうし、いろんなことを考えてやる必要があるんではないかと。一般論ですけどもね。

 

○山陰中央新報

 どんと一遍にというのではなくて、そこはいろんな段階があっていいというのが主張ということですか。

 

○溝口知事

 ええ、ということです。準備にはかなり時間が要るだろうという議論はありますけども、移行を始めてから、やっぱりいろんな段階を経てやっていくという現実的な考えをそろそろ勉強し始めないといけないんじゃないかということでありますね。

 


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