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5月(第2回)定例記者会見(5月27日)


■知事コメント

 

 本日は、冒頭に私から、先週から起こっております医療器具の不適正使用の問題につきましてお話を申し上げたいと思います。

 

 先週の水曜に新聞発表して以来、どの病院でどういう取り扱いをしていたかという調査を県としてやっておりますが、その過程でいろんな事情がありますけれども、県民の皆様の不安に十分対応してないとか、いろんな面で問題が生じておりますことをまことに遺憾に思っておりまして、この機会に皆さんにおわびを申し上げる次第でございます。

 

 そこで、今の状況を私なりにちょっと整理をしてお話をしたいと思いますけども、4月30日に益田のおちハートクリニックから不適切な使用があったということで連絡が保健所にあって、それで問題が確認をされたわけでありますね。調べているうちに問題が大きく言って2つあるということがわかったわけですね。おちハートクリニックの場合は、同じ針で採血を複数の人にしておったということでございました。これはもう当然ながら許されることじゃなくて、ただ、おちハートクリニックの場合も針は交換されているんだという誤解の上にそういうことがなされておったわけであります。これにつきましては、おちハートクリニックの方も直ちにやめて、それによる感染のおそれの波及というのは、その段階でとまったと思います。

 

 それから、しかし針は変えたけれども、針を注射器に接着させる部分については、皮膚に触れる部分については取り替えないと問題があり得るということで、18年3月3日に厚生労働省の方から、個人が、一人一人がお使いになるのは構わないけども、複数使用は適切でないという通達を出したわけですね。これは県にも来たわけですが、そのときの適切な対応がなされていなかったこともありまして通達が出ていないということが判明をしたわけであります。ただ、この問題につきましては、厚生労働省の方は医師会でありますとか歯科医師会でありますとか製薬業界でありますとか、いろんなルートを通じて出されておりますし、それから製品そのものに不適切な、複数使用は避けるようにというシールを張って、これを使う人にはわかるような仕組みにはなっていたわけでありますけども、その段階で県として通達をちゃんと出さなかったということは適切でなかったということだと思います。

 

 それから、この問題につきましては、そういう問題について通達が出た後、どういう体制になっているかというのを県も、それから通知を受けた病院も、あるいは国もフォローアップをしなきゃいかんわけでありますけども、そういう対応が十分なされていなかったためにこういう問題が今日に出てきていると思っております。その問題にも対処する必要があるというふうに考えているところでございます。

 

 そこで、今度は第2のタイプですね、さっき申し上げた、針は取りかえるけども皮膚に付着する用具については、これは複数使用しないということが守られているかどうかというのをチェックし、守られていないところがありましたら、感染の疑いがあるのかどうか、患者さんを特定をしてチェックをしなきゃいかんという問題があるわけですね。疑いが証明されると、それに対した治療とかをしなきゃいかんということになるわけです。現段階は、その第2の問題について県下の病院を、まず電話で調査をし、それでその器具を複数使用した可能性がある病院については申し出がありますから、そこを立ち入って検査をしておるということですね。

 

 それで、聞きますと、小さい病院で患者さんが多くないようなところは比較的、糖尿病で採血をするわけですからわかりやすいわけでしょうが、大病院なんかになりますと、カルテだけではなかなかわからないという問題があり、それからその器具を使われるのは看護師さんが採血をされたりするわけですから聞いたりしなきゃいかんということで、複数使用された患者さんの特定が非常に困難だという問題があるわけですね。それを今、県は保健所がこの問題を担当するわけですけども、各保健所に督励をしてやってもらっているということでありますが、そこが病院側のカルテだけではわからない、あるいは看護師さんに聞かなければならない、いろんなことがあって、まだおくれているのはおくれている状況にあるわけでございます。これを当面急いでやるということが我々の直面している大きな課題でありまして、そこをやっておるということでございます。

 

 それに関連をしまして、そういう複数者使用をしている病院の名前が明らかになっていないので不安をお感じになる人もいる、これはよく承知をしているわけでございます。他方で、病院名だけ出しますと、その複数使用、糖尿病とかの病気がなくて、そういうことのない方々も御心配になるという別の問題も引き起こすわけでありまして、それから多くの方が病院に照会をされても特定できない場合があるわけですね。そうすると、結局名前が、準備がしてありませんと、ある程度準備が進んでいませんと、必ずしも不安だとかの解消につながらないという面があるわけでありまして、その準備を今、督励をしているということなんですね。

 

 一つの意見として、早く名前を出してほしいというのがありますが、それはやはりいい面と、かえって新しい問題を起こすということがありまして、そこをやっぱり考えながらやらざるを得ない。それが今、県の立場でございまして、当面はやはり病院における複数使用された可能性のある患者さんを特定すると。特定しますと、その患者さん方に病院から連絡をして、来ていただくなりして状況をお話しして、複数使用の疑いのある方は検査をやると。検査の結果、処置が必要な場合は処置をしていただくということだろうと思うんです。

 

 そういう意味で、もう少し大病院等について時間がかかっておるようでございますから、もうちょっとその間、御辛抱いただきたいと思うわけでございます。もう1週間近く問題が起こりましてからなっていますから、患者さんの特定を急ぐと。それからその間、いろんな御心配がありますから、県の方でも相談所を設け、御相談に応じておりますし、病院の方も御自分の病院の患者さんなどにつきましてはそれぞれ御照会に応じて対応されているというふうに思うわけでございます。

 

 それが今の当面の問題でございますが、ややこの問題は当面の問題だけじゃなくて、中・長期的に対応しなきゃいかん問題を含んでいると考えるわけでございます。最初におちクリニックからあった後、できるだけそういう準備を早く進めなきゃいかんわけですね。そういう点で問題はなかったのかとか、あるいはおちクリニックから問題があり、検査をし、それでおちクリニックは37人の複数使用の患者さんに対して検査をしたりしました後、別の問題についてどう対応するか、あるいはこの問題がどういうものであるかというのは、もう少し早い段階で詳しく説明をすべきではなかったかというような問題もありますし、あるいはさっき申し上げましたように、国からいろんな通達がいっぱい出るようですね。そういうもののチェックの体制、あるいは通達が出た後のフォローアップの体制、あるいは国に対してこういう問題があるというようなことを国に対して伝えていくとか、あるいは国もそういう状況を踏まえてどう対応していくかといったような現場と県、国、そういう役割をどう見直していったらいいのかといった問題もあると思います。

 

 それから、県庁内におきましても現場の保健所と本庁との間の連携、あるいは県の中での連絡の体制、そういう問題があると私は反省をしておるわけでございまして、そういう意味におきまして、今、皆さんのところにお配りをしていますが、業務点検委員会というのを設置をして、医療に限らず、ほかの分野についても検討して、必要な改善を図っていこうということにしたわけでございますが、当座、医療の問題につきまして、今申し上げたような点を含め、所管部がまず作業をし、それを作業委員会でチェック、質問をし、それから有識者の方々にも意見を聞いたり、それから関係者の方ですね、もちろん関係者は医療ですとやっぱり病院などについてどういう対応が必要なのか、どういうところが問題なのかというようなことも聞かなければならないと思いますが、聞きまして、具体的な改善策をまとめて、それを早く実行するようにしたいということで、1枚紙をお配りをしておるということであります。

 

 それから、医療のあとほかの問題につきましても、例えば危機管理に関連いたしまして、鳥インフルエンザだとか、あるいは人のインフルエンザだとか、あるいはPTAの資金の不正使用といった問題なども広がりのある問題ですから、そういう問題だとかを取り上げて、県の業務を一回新しい目で見直してみようというふうに考えているところでございます。

 

 業務点検委員会の設置について(外部サイト)

 

 医療機器の不適正使用についての冒頭の私の説明は以上でありますが、あともう1点だけ、冒頭にお話を申し上げますと、道路財源問題が5月の13日に衆議院の法案の再可決によりまして、20年度につきましては一定の決着が図られまして、その後、国の補助事業あるいは交付金事業の内示等もあり、それに伴いまして県単事業の見直しもいたしまして、今まで留保してきたものを全部解除し、それから直轄事業などについても国がどういう規模で、予算で対応するかというのもわかってまいりまして、県の道路予算全体の姿が明確になってまいりました。もちろん今後の変動要因になりますが、総括をしますと、暫定税率の1カ月間の停止によって、国も県も税収等が減ったわけでございますけども、それに伴います県の道路予算には余り大きな影響は生じなかったと見ています。

 

 一つには、国から県に参ります交付金事業がありますが、それは島根県などは整備がおくれておりますから、交付金の事業が我々が当初見込んでいたよりも10億円ぐらい事業が拡大をして実施をされるということになっております。それから5月13日に通りました法案によりまして、交付金の交付率というのがありますね、補助率と似たようなものでありますが、これはこれまでは全国一律で55%でありましたけども、財政力によって70%まで国から事業費に対する交付金の交付率を高めるという条項が入りまして、島根県は財政力が低いので70%になったわけでありまして、交付金事業は10億ぐらいふえましたけども、県が負担しなきゃいかん事業費のうちの経費は約20億見当減りました。この減った県の道路財源は、やはり県単事業が抑制をされ、県道で歩道の整備がおくれているとか、危険箇所があるとか、そういう問題、急を要する問題が残っていますから、そういう問題に充てようと考えておりまして、6月の議会で補正予算を提出する考えでありまして、そのことにつきまして昨日の議会の全員協議会で私の考えを説明したところでございます。予算の規模としては、交付金事業の歳出が10億見当増加、それから県負担の減少による県単独事業が約20億見当増加、あと若干の微調整の要素もありますが、30億円ぐらいの追加補正を提案したいと思っています。

 

 過去におきましても、国の公共事業の促進などによりまして、国の補正に伴いまして県もこういう事業についてだけ補正をしたという例もありまして、そういう例に倣い、なるべく使用できる財源は早く使えるようにするということも、県民の生活あるいは県の経済活動にも有効だろうということで、そういう措置をとるようにしたということであります。

 


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