3月(第2回)定例記者会見(3月27日)
質問事項
1.2年間を振り返っての所感
○山陰中央新報
年度末で、新年度が逆に近い、もうすぐということと、それと、さらにもう少したつと1期目の折り返しの時点を迎えるということで、こういう景気情勢ではあるんですけど、折り返し、この2年間、1期目の総括、御自身としての総括と、これからの2年間に向けての所信といいますか、お聞かせください。
○溝口知事
やっぱり県の大きな課題は、少子高齢化が進み、人口の減少も続いておりますから、産業を振興すると、これがずうっと続く基本的な課題ですね。それには県内の産業の育成、これは農林水産業、それから中小企業、商業、製造業等々あります。いろんな施策を講じてきておると。それから県外からも企業誘致を図ると、そういったことをやっておりますが、これはさらに今後も政策の中核をなすものとして続けていかなければならないということであります。
それから、そういう施策を打つためにも、悪化した財政の健全化を図るということが当初の大きな課題でありましたが、それは19年度におきまして中・長期的なプロセスを示す計画ができて、それを毎年毎年ローリングをしていくことによって財政の健全化をある程度時間をかけながら県経済、県民生活等に大きな影響をなるべく避けながら実行するということで進んできているということであります。これもだからそういう意味で毎年、秋の段階等で経済情勢、国の情勢なんかを見ながら調整をしながら進んでいくということでありますね。
それで、当面の課題としては、先ほど申し上げた世界の景気後退というのが、だれもが予想しないような形で起こったわけでありまして、これに対する対応が当面の最も大きな課題であると。ただ、この対応と産業振興等とは背反するものじゃありませんから、そういう経済対策、雇用対策の中でいろんな県として必要な施策も講ずることができるということであります。
それと、財政再建との関連では、国の方も地方に対する配慮といいますか、政策が少し変わってまいりましたね。そういう印象を持っているわけですけれども、前の福田内閣ぐらいから地方の交付税を少しふやさないといけないとか、あるいは今回の経済・雇用対策の中では、一様に財源を付与しないと実際の事業が行えないといったようなことから特例交付金でありますとか、あるいは交付税の増額措置とか、いろんな措置がとられてきた。
あるいは雇用についても地方で雇用してもらうということで特例的な交付金を交付するといったようなことがありまして、国がかなり地方配慮といいますか、経済・雇用対策の中でも配慮してきていますから、そういう意味で、そういうものを活用しながら県もいろんな対策を打つことができたと。2月議会で成立をさせていただきました補正予算、来年度当初予算においても大体そういうことになりまして、いわば地方に大きな負担、島根県でいえば県、市町村の財政等に大きな負担をかけないでいろんな事業ができるような体制を国がとられましたから、我々としてはそういうものを今後もさらに引き続き国に要請をしていくということであります。
したがいまして、今後の課題としては、やはり中・長期的に産業の振興を引き続き行っていくと。ただ、これは景気情勢とも大きく関連しますね。企業は設備投資を抑制をしばらくはするということでありますから、難しい状況はありますけども、しかし、需要がふえるようなものもあるわけでして、そういうものをとらえていくと。あるいは景気情勢に余り影響を受けないような業種、会社もありますから、そういうところに働きかけるとか、そういうことをやっていくということであります。
○山陰中央新報
知事が就任前に抱いておられたスキームというか方向性というか、達成度というのはどれぐらい御自身で今のところできているのか、ほかに例えば県民の方との対話だったりとか、産業振興以外にもいろいろと柱となるものが掲げられ、雇用のことなんかは当初から入ってましたけども、その辺のの達成度をどう評価するかということは。
○溝口知事
大きな流れでいえば、考えていた方向に進んでいるというふうに思いますね。やはり島根県が持つ優位性というのがいろいろありまして、豊かな自然を生かすとか、それから古い歴史、文化等を生かして観光振興を行っていくとか、それからそういう経済的な活動、ダイレクトに直接産業経済活動以外に、いわゆる地域社会の活動だとか、NPOの方々とか自治会とか、そういう活動をやっぱり活発にするということが大事だと。
それは県内でいろんな人がそういう考えに共鳴をされて、活動も広がっているように思いますね。そういう意味で、これまでやってきている方向をさらに進めると。それから実際にやっぱり行う場合に、県内いろんな方の意見もありますし、地域地域でも抱える問題なんかも違いますから、引き続き各地域、あるいは各分野の方々の意見などもよく聞きながら、実際の政策を遂行していきたいというふうに考えています。
○山陰中央新報
議会の方からは、議会の質問なんかでどこを目指しているのかわかりにくいというような趣旨の質問もあったように思いますが、議会も含めて、県民も含めて、知事の姿勢なり方向性なりというのは、知事自身は理解されていると思われますか。
○溝口知事
島根の難しい問題、抱えている問題、それから進むべき方向については、皆さん、大きな枠組みについては共有されていると思いますね。県の政策、施策等について、できるだけわかりやすく説明をしたり、あるいは直接対話をしたり、そういうことを通じ、あるいは県の広報という手段もありますし、そういうことを通じて、さらに県の進めている政策等について理解、支援、支持を求めていくという活動もさらにやっていきますし、議会とはもちろん、議会を通じて、あるいは議会外でもいろんな対応、話をしておりますから、それを続けていくということでありますね。
○山陰中央新報
若干話が前後するんですけど、財務省におられて国際金融を手がけられてきて、今の世界の経済状況なんかを見ていると、言われたように、世界レベルの各国協調の対応が多分必要な次元の景況だと思うんですよね。そういう中で、今回、景気対策で200億円余りのものがつきましたけれども、どこか見ていて、いわゆる都道府県とか市町村でできる施策の限界みたいなものを私は個人的に感じないでもないんですけれども、知事はどのようにお考えですか。緊急避難的なものというのはよく理解できるんですが、片方で、さっき言われたように中・長期的にこの機に産業振興策を図っていかなきゃいけないという難しいハンドリングが必要なんだろうなと思っていまして、これは国際金融の視点からも交えて、ちょっとお尋ねしてみたいんですけども。
○溝口知事
今のこの景気情勢に対しては、あるいは経済情勢に対しては、国レベルでやらなきゃいかん課題、いろいろありますね。例えば金融を緩和するとか、あるいは金融のシステムを確保するために金融機関に対するいろんな施策を打つとか。ただ、この面は、日本はほかの国ほど金融機関が影響を受けていませんから、その分は少ないと思いますが、ほかでは大変ですね。
それから、やはり民間の需要が減退しているわけですから、これは緊急ということじゃなくて、そういう異常な状況ですから、特にやはり財政で需要の追加、補てんをしていくというのは、これ必要なことですね。それは政府の方でかなりやっておられると。ただ、政府だけではできないんで、特にいろんな事業の実施というようなことになりますと、地方に対して、地方がやらなきゃいけませんから、地方のそういうことがやれる体制を国が確立をするということが大事ですね。そういう面では、先ほど申し上げましたように、国もかなりの配慮をされるようになってきているということですね。
それから、まだ世界景気、あるいは日本の景気、底を打って立ち上がるという状況が見えていませんから、そういう状況が見えませんと、引き続きさっき申し上げたような金融、財政両面で必要な対策を打っていく必要があるだろうというふうに思いますね。
○山陰中央テレビ
先ほどの達成度ですね、間もなく2年が過ぎられるということで、達成度について、よろしければ100点満点で何点ぐらいかというのをおっしゃっていただきたいなと。もしそれが仮に100点でないならば、残りの点が、どういう点が足りないからこれだけ減らしてみましたというのがおっしゃられるようであれば、お願いします。
○溝口知事
自分で採点するというのは適当じゃないので申し上げませんけども、やはり産業の振興とか島根の活性化とか、やるべき課題は山積しておりますから、そういう問題に向けて引き続き全力を挙げていきたいということでありますね。
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