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12月(第1回)定例記者会見(12月14日)

質問事項

3.法人事業税の再配分について

 

○毎日新聞

 法人事業税のことについてなんですが、確かに知事の持論としては、地方税は地方税のままで財源を調整する仕組みが必要だというのは確かに知事の持論じゃなかったかと思うんですけど、今回の政府・与党案というのは、一遍国税に戻しちゃうということでして、それは再配分のやり方としては必ずしも、知事がこれまで言ってた新たな財源調整の仕組みというのとは一致しない面もあるのかなあと思うんですけれども、その辺のことについては。

 

○溝口知事

 実質余り変わらないと思います。要するに地方が基準を決めて徴収するという仕組みは変わらないわけですから。

 

○毎日新聞

 じゃあ一遍国税として再配分するというやり方でも構わないという......。

 

○溝口知事

 いや、それはやり方の問題ですから、各県とかに上がってきた事業税をそのまま保管しといて、計算上はこういうことになりますから超過したところはどこかに出してくださいよと、消費税が今それをやってますけども、それをやるのと、国の特別会計に入れて、特別会計で最初から配るのと、経済的な効果は変わらないと思いますよ。

 

○毎日新聞

 じゃあ、要は財源が移ったという実をとるという、他府県ですと、要はそれは地方分権に逆行してるんじゃないかと、要は地方の財源を一遍国税に戻すわけですから......。

 

○溝口知事

 いや、交付税じゃないでしょ。交付税じゃなくて譲与税に近いもんじゃないかと思ってますけども。

 今、道路の揮発油税なんて、そういうことをしてるわけですね。国で徴収して、あるいは消費税がそうですね。消費税の場合は国の特別会計通さないで、各県ごとに徴収した金額と、それから本来、計算上もらうべき金額はそれぞれ調整をするということでやってるわけですけども、そこは要するにやり方の問題であって、それほど変わらないですね。

 

 それで、地方の知事会などで我々が言っていましたのは、そういうやり方ではなくて、例えば法人事業税の2分の1なら2分の1を国の消費税と交換をして、消費税のやり方で配ったらどうですかということなんですね。消費税は今、地方消費税も国の消費税もみんな国が徴収してるわけですよ。それを配るわけですから、それがいいというのが地方団体の主張でありまして、他方で法人事業税については、やはり企業誘致だとか各県の努力だとか、いろいろとありますから、そういうものをやっぱり残しておいた方がいいだろうという考えがありますね。今回は2分の1は残すというか、2分の1も国に取り上げられるんじゃなくて、配り直すだけですからね。

 

 それで島根などは配り直すことによって増えるわけです。そういうことなんです。それで増えたときに、結局減るところは法人事業税が多く入っている東京都でありますとか愛知県といったようなところですね、そういうところは、今度は法人事業税が配り直すことによって減りますから、東京都などでは、いわば基準財政需要を超えている、基準財政収入が減るということになるわけですね。あるいは地方税が減ると言ってもいいですが、その分がほかの交付税の交付団体で地方税がふえると。地方税が増えますと、地方全体の財源不足が減りますから、計算上。それで地方交付税が余るということになるわけです。それを国が吸い上げると、それは地方の財源を国に吸い上げたということになりますが、それは、今度は地方団体に交付税として配りましょうというのが今回の考え方だと思いますよ。

 

 だから結局変わるのは地方団体ごとに、地方税の額と交付税の額が変わるということであります。その調整によって財政力の弱い県など、市町村も対象になるという話も出ておるようでありますけども、財政力の弱いところの一般財源が増えるような、地方税、交付税が中心でありますけども、増えるような形になると。

 

○毎日新聞

 いや、要は多分国が集めようが地方が集めようが、結局地方の懐に入るわけだからどちらでもいいという考え方もあると思うんですけど、大きな地方分権という考え方をすれば、国が集めてたものを地方が集めるような形にして、地方がそれを自由に使えるというのがやっぱり税源移譲の流れかなと思うんですけど。

 

○溝口知事

 いやいや、それは地方税が増えるときは、やっぱり地方税の少ない地方団体が困ることになるんですよ。要するに財源調整を行いませんと。それが今必要になってるということなんですね。

 だから、地方税というのは地方が使える、島根県などでは地方税は今、700億円ぐらいですから、県の財政の10数%ですから、そこはそんなには増えないわけですよ。だから、私どもが言っているのは、地方税、地方交付税を含めた、あるいは譲与税を含めた一般財源が増えるということが大事なんです。

 だから、今度のやつは一般財源が増えるような措置、増えるような方向に働くだろうという、それはさっき申し上げましたように、それを消費税と交換するのがもっといいんでしょうね、収入が安定してますから。ただ、それは消費税自体について政党、自民党もそうですけども、将来の社会保障財源にしていこうということがありますから、その議論が残っているんで、今の段階では消費税との交換ということは実現しなかったということですよ。しかし、それは今後の税制改正の中でそういうことを検討していこうというようなことになってきたと思いますよ。だから、それは将来の課題として我々が言っていくということでしょうが。

 

○山陰中央新報

 今回の法人事業税のことによる調整が、結局地方にとってはゼロ、2009年度からということになって、ここに1年タイムラグがあるということで、きのう、何か若干地方債の発行を認めるというような発言もありましたけれども、この辺のちょっと、若干後退なのかなというところと、東京都知事と総理との話では、暫定措置というところがやっぱり強く打ち出されている、不安定要素もあるのかなと思うんですけど、この辺ちょっと受けとる側の知事としてはどういう思いなのかなと思いましてですね。

 

○溝口知事

 いや、私もそこら辺の詳細はよく知りませんので、報道なんかで見れば、結局法案が通ってあれでしょう、執行するまでに半年ぐらいがかかるから、そういう制度を実際に動かすのは再来年度になるんじゃないかという報道がありますが、そこはよくわかりません。

 他方で、そうでなくても財源手当をすればいいわけであって、そういう意味では財源対策債みたいなのがありますね、そういうもので暫定的に対応していくということも、それは案としては不可能なことじゃないように思いますけども、どうなるかは、まだ承知をしておりません。

 それが一つで、それから暫定というのはあれでしょう、やはり将来のそういう税源交換としては、消費税と交換するというふうなことが地方団体にとってもいいんだろうと思いますね。法人事業税はやっぱり景気に非常に反応して上がったり下がったりしますから。そういう意味で、ただ消費税全体がどうなるかというのは、これはまた大きな政治問題ですから、今の段階ではわからないわけでしょう。だけど、将来そういう制度を議論するときに、この問題も議論していくという意味で暫定的と言われているんじゃないかと想像しておりますけどもね。

 

○山陰中央新報

 要は再来年度からになるかどうかというのは決まらないんですけど、地方の側から見れば、今生じている地方の税収格差を直ちに埋めてほしいというのが基本的なスタンスだと思うんですけど、再来年度からと言われるとちょっとどうかなと思うんですけど、その辺、どういう要望になるんでしょうか。

 

○溝口知事

 それは、早ければ早いほどいいと思います。

 

○山陰中央新報

 ただ、それが間に合わないんであれば、さっき言われるように、来年度の予算から手当てがされるような......。

 

○溝口知事

 一番大事なことは、こういう制度がやっぱり永続していくということでしょうね。財政再建というのは単年度で終わるわけじゃなくて、ずうっとそういう安定した制度になるということが大事だと思いますけどもね。だけど、おっしゃるように、これは早くそういう調整が行われる方が、財政力の弱い県、あるいはそのためにいろんな改革をやっている県にとってはありがたいことですからね、早くやっていただくということを求めたいと思いますけどもね。

 

○山陰中央新報

 それは例えば法人事業税の再配分が間に合わなくても、先ほど言われたような地財対策の中でそういうものを、格差是正につながるような対策というものを、それの前提として打つというような。

 

○溝口知事

 それは今の財源対策債みたいなもんですわね。財源対策債の発行許可を各地方公共団体に許可をしまして、その元利償還金は後で上がる交付税の増額等によって手当てをしていくと。原理的には可能だと思いますよ。だけどそこは、我々としては一般論として早く調整しよう、やってほしいということはありますが、国としてもどういう方法がいいか、よく考えてもらいたいということだと思います。

 


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