10月(第2回)定例記者会見(10月26日)
株式会社紀ノ国屋との食品産業振興に関する提携ついて
■知事コメント
資料でお配りしておりますけども、産業振興の一環として、東京のスーパーマーケットの紀ノ国屋と島根の食品産業の振興について提携をするということになりまして、大体これが合意ができまして、11月の9日に紀ノ国屋の代表取締役社長の増井徳太郎さんをお招きして調印式を行いますし、松江の地で農業関係の方々、あるいは食品加工産業の方々にお集まりをいただいて、増井社長からお話をしていただくと。都市の消費者がどんなものを望んでいるかとか、どういうことが必要だというような話を来県された際に講演会をしていただくというようなことを考えておりました。
島根県が小売店と提携をするというのは今回が初めてであります。実は8月の22日に東京でミュージカルがありましたが、そのときに私参りまして、そのときに昼食会で紀ノ国屋の増井社長などと食事をしまして、増井さんの方が、実はこういう取り組みを高知県としているんですけども、島根県とどうですかという話が私にありまして、私の方からすぐ担当の課に指示をいたしまして、取り組みをまとめるようにして、それがまとまったということでございます。
紀ノ国屋が地方公共団体と提携するのは、高知県に次いで2番目でございます。紀ノ国屋の概要については別の資料にありますけれども、明治以来続いている商店でありますけども、東京では最も高級な食材等を供給するスーパーとして有名であるところであります。
どういう協力をするかということでありますけども、具体的には県が開催いたします産地の調査とか、あるいは商談会をいろんなところで開きますけども、そういうところに紀ノ国屋の担当のバイヤーの人、買い付けをする人に来てもらったりしまして、商品開発のための助言をしていただくと。こういう商品はこういうところを注意して、こういうところを強化した方がいいですよとか、そういう助言、情報をいただくということであります。それをもとに県内の生産者の方々が工夫をすると。また、そういうものがいいものになりますと、紀ノ国屋の店頭でお売りをするということでありまして、実は紀ノ国屋自身とは平成16年度から島根県の産品、おつき合いがありまして、産品を紀ノ国屋で売っていただいているわけですけども、島根フェアでありますとか多伎のいちじくフェアを初めといたしますミニフェアを紀ノ国屋自身で6回ぐらい、昨年までに実施をしてもらっておるわけです。多伎のいちじくなども紀ノ国屋で既に売られておるわけでございます。それで、取り扱い商品は、イチジク、西条柿、あんぽ柿、米、加工品では和菓子、干物、練り物、調味料、牛乳など、多くの県産品をお取り扱いいただいておるわけですが、今後も安心・安全の高品質の島根の産品を提案していきたいということであります。こういう努力を通じまして、県内の生産者の方々が自分の産品、製品をブラッシュアップしていくと。それで紀ノ国屋にも取り扱っていただくと。紀ノ国屋で取り扱われるということは、一種のブランド化するというようなことでありまして、その波及的な効果は大きいんじゃないかと思っているわけです。〔資料(外部サイト)〕
■質疑応答
○日本経済新聞
先ほどの紀ノ国屋との提携にも多少関係するんですけれども、いわゆる食品の表示をめぐる不正が全国的に今、表面化して話題になっているわけですけれども、宮崎県の知事が釈明するような事態になっているわけですけども、この問題について溝口知事の御意見なり対応なりがあれば......。
○溝口知事
表示というと、表示のどういう問題ですか。
○日本経済新聞
食品表示をめぐる不正だとかが明らかになっているわけですけども、こういうことが島根県でまたあっては困るわけですね。そのあたりについての知事の御意見なり対応なりがあれば、お願いします。
○溝口知事
賞味期限などをめぐる問題ですか。
○日本経済新聞
はい。
○溝口知事
新聞でいろいろ取り上げられておって、この問題は繰り返しいろんなところで起きておるわけですね。あれだけ報道されながら、しかしそういうことが自省されないという事態が起こっておりまして、やっぱりそれぞれの会社内部で事の重要性についての伝達、会社内での伝達、あるいはそれに対して是正をするといったメカニズムが十分発揮されないケースがあり得ると、これはやや意外な感じがいたしますね。あれだけああいうことが起こりますと企業イメージのダウンが起こるわけでありまして、企業自身が当然やらなきゃいかんことであると思います。私どもも具体的にどういうやり方をするかということは、これから検討するにいたしましても、関係の業界団体などを通じて、そういう安全に関する規制ですね、それを重視するといったことを徹底するように要請するようなことも考えてみたいと思いますが、私の感じでは、あれだけ企業にダメージがくるような話が普通のところでは当然対応なされると。しかし、会社によってはそういう上下の意思の伝達だとかが不十分、あるいは本部と末端との間で不十分だとか、いろんなことがあり得ますんで、そういう意味で注意喚起などもどういうふうにしたらいいか検討していきたいと思いますけど。
○島根日日新聞
この紀ノ国屋の件ですけれども、この事務折衝を行ったのは、これはどこの課なんでしょうか。
○溝口知事
商工労働部のブランド推進課ですね。
ちょうど青山のしまねインで昼食をしましてね、島根和牛なども試してくださいというので社長さん以下と、今の商工労働部長、それからブランド推進課の課長さんなんかも一緒に食事をしまして、そのときに先方から話の話題の中で、高知ともやっているんですが、どうですかというお話がありまして、これは願ってもないオファーなんで、すぐやりましょうということで、実際の交渉はブランド推進課の課長さんがやられていると、こういうことです。それでまとまったということですね。
それから、せっかくそういう調印をやるわけですから、そういう先進的な大都市のスーパーの経営者たちがどういうことを考えておられるか、商品を都市の消費者に売り込むためには何が必要かということを多くの方々にお話をしてというのは大変いい機会じゃないかと思いまして、あれは11月9日でしたか、松江市内で、県民会館でしたか。
○しまねブランド推進課
ホテル一畑です。
○溝口知事
ホテル一畑で講演会をするということであります。県下からも農業関係の方、加工業の方、多く参加することに期待して、今案内をしているところです。
○山陰中央テレビ
具体的に増井社長から島根県の食材についてはどういった評価の言葉が聞かれたんでしょうか。
○溝口知事
やっぱりいいものが相当ありますねという感じでしたね。そのときに話題に出ましたのは、多伎のいちじくなんかはあそこで扱っておられますからね。あるいは海産物といったもの、あるいはお菓子とか加工品のたぐい、牛乳もたしかそうだったと思いますが、非常に高品質のすぐれたものがあるということですね。
島根県の問題は、いいものはたくさんあるんですけども、なかなか量の確保が難しいというのが割と共通した課題ですね。なかなかやっぱりスーパーとか大きいところですと、きょうはあるけどもあしたはないというんじゃ、なかなか商品として成り立ちにくいわけですね。ある程度一定のシーズンにずうっとそういうものが出てくるというふうにならなきゃいかんわけでして、しかし、そういうものは少量生産ということですよね。大量生産、大量販売というのは、なかなか島根の立地では難しいということでありますが、しかし、都市の人々は、いいものであれば高い値段でも買いたいという人が非常にふえていますからね、そういう意味では島根の少量・高品質生産というのは、かなりの私は都市において潜在的な需要を持っているんじゃないかと思います。したがいまして、もう少しちょっと工夫をしたりして、ほかと違うといったようなことから、そういうものがブランドとして都市の消費者に好まれるということをやっていくということが大事じゃないかと思っています。
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