10月(第1回)定例記者会見(10月12日)
質問事項
1.財政健全化について
○山陰中央新報
きょう、議会で財政健全化特別委員会の委員長提案ですけれども、これに野党の方が反対討論をされた内容ですね、幾つかあったかと思うんですけれども、具体的なものがないというようなこととか、そういう指摘についてどういうふうに受けとめられたのか。やっぱりここの反対討論で言われたことも、ある程度意見として踏まえていくというようなお考えなのか、どういう受けとめをされているんでしょうか。
○溝口知事
見解の違うところももちろんあるわけですけども、例えば財政の健全化と並んで島根の産業発展あるいは総合発展、どんなふうになるのか示す必要があるといったような意見もありまして、これは私どもも総合発展計画の策定を通じてやりますと、それからそれは農林水産業についても同じでありますが、今の段階では、まだ準備を進めておりますけども、基本方針は予算を通じて現実化していくわけでありまして、予算編成はこれから行い、予算審議は2月になるわけでありますけども、そういう議会での審議の折には、今言ったような将来の姿なども明らかにしていきたいという答弁をしているわけでありまして、そういう答弁に沿ってやっていくとか、あるいはこれまで財政が悪化した原因は何であるかとか、その責任はだれとすべきとか、いろんな議論もございます。それについても説明をしておりますが、そういう点についても私どもも引き続き説明をよくしていきたいと思っておりますし、あるいは県職員の給与の特例減額などにつきまして、やはり人事委員会の勧告といった制度と違背するものであって、早く特例減額から脱却すべきであると、その時期を早く示すべきであるし、あるいは私どもが提案しておりますように、提案と申しますか、4年間は提案でありますけども、その先は見通しのようなものでありますけども、そういうものでは長過ぎるといった批判があるわけでございます。その批判はよくわかるわけでありますし、そういう提案をせざるを得ないのはまことに申しわけないことであると私どもも考えておりますけども、しかし、それにかわる財源、あるいは方法を見つけることは非常に困難でありまして、それをしないで放置しますと、結局は財政再建団体に転落をして、国の指導のもとに同じようなことをもっと厳しくやらなきゃいかんといったことがでてくるんで、それを避けたいので今提案しているような基本方針を出しているという説明をしておりますけれども、十分な御理解はいただいていないわけでございますけども、そういう問題についても引き続き御理解を願うように努力してまいりたいと思いますし、また、その過程でいろんな意見がありますから、そういうものもよくお聞きしながら対応していきたいというのが私の基本的な考えであります。
○読売新聞
関連するんですけれども、9月議会の財政健全化基本方針をめぐる議論の中で、知事自身が最終的な結論に反映させるべき意見としては、どのようなものがあるとお考えでしょうか。
○溝口知事
これは、やや具体的にありまして、給与の特例減額等に関しまして、最初の説明、それから健全化基本方針の冒頭の知事からのメッセージという中に、私は心苦しいことでありますが、そういう提案をせざるを得ないという説明をしているわけですけども、それに続けて、それは申しわけないことだという言葉が続くべきだという主張が、具体的な提案がありまして、私も書いておりませんけども、心苦しいことであり、申しわけないことだというふうに答えておりますから、そういう問題は、それを反映するように書くつもりで私はおりますけど。
○山陰中央新報
でも、その申しわけないというのは、県民に痛みを生じさせるということについてということですか。
○溝口知事
そういう提案をせざるを得ない状況にあって、そういうことを提案しているということについてということですね。
○山陰中央新報
県議会でもう一つ議論があったのは、やっぱり過去、こういう事態を招いたということに対しては、責任の明確化と、それに対してやっぱり謝罪が要るんじゃないかという論もあったかと思いますが。
○溝口知事
それはありますけどもね、そこは、原因等につきましては基本方針の中にいろいろ説明はしておるというつもりでありますけども。
○島根日日新聞
責任の方は。原因の方は説明して......。
○溝口知事
そこのところは何というんですか、過去のいろんな国の政策であるとか、あるいは県の政策であるとか、あるいは予算を通じての影響でありますとか、あるいは先行きが見通しがたい、いろんな要因があるわけでありますけども、原因の大きな要因としては、やはり交付税の減額といったものが大きな要因であり、また公債費の増嵩ということが大きな要因であるということで説明をしているわけですね。
○毎日新聞
交付税の減額にしても、過去の国の政策にしても、これは言っちゃなんですけど、全国一律にやってきたことでして、島根県と同様、財政力の弱い県というのはほかにもあるわけなんですけども、その中で際立って島根県の財政状況が、市町村も含めて悪いというのは、これは全国一律の交付税とか国の経済政策ということだけでは説明がつかないんじゃないかというふうに思うんですよ。例えば高知県とか鳥取県とか、いわゆるEグループと言われている県の中でも、なぜここまで島根県だけ、こんだけずば抜けて悪いのかという、そこのところについては一体どういう原因分析とかをされる予定なんでしょうか。
○溝口知事
それは、その時点時点で予算の編成が行われ、予算の承認が行われ、そういう長いプロセスの中で起こっているわけでありまして、そういう積み重ねが今日に至っているということですね。だから、そういうものは法制度的にいいますと、それは政策について政策論議が議会でもなされ、あるいはそれが選挙の過程で県民の評価を受けるというプロセスを通じてなされているんだろうと思いますね、政治のプロセスにおいては。
○毎日新聞
では、通常の手続をとってきたから、それは正当だと、そういうことなんですか。
○溝口知事
いや、そうじゃなくて、そこで例えば重大な見込み違いとか、そういうことがあれば、それはそういう問題になり得ると思うんですけども、それは不確定な要因があるわけです。財政の問題は予算の編成、承認、執行というプロセスを通じて、その都度なされているわけですね。
○毎日新聞
それを突き詰めると、じゃあ知事も議会も、それを選んだ県民も、全員同じ責任があるというふうになってしまうんですけど、どこかでやっぱり政策決定をしている人がいるわけですよね。そこのところの責任を、単なるプロセス論だけで片づけてしまうと、物すごく責任の所在があいまいになるんじゃないかという気がするんですよ。
○溝口知事
責任といった問題をどういうレベルでするか、何というんですか、そういうことと関連すると思いますけれども、政策のよしあしはやはり例えば予算の審議、承認を通じてなされるわけですし、それから知事としての政策は選挙における公約、あるいはその都度の政策の決定、それについての議会での審議、あるいは県民の方々の評価ということで、その都度なされているわけですね。そういうものを総体で見ますと、いろんな原因を集約してみますと、交付税の減額といったものがやはり大きな要素であり、それからもう一つは公共事業による社会資本整備が財政の状況よりも早く進んだといいますか、そこでバランスを欠くようになったということ、それによって公債費が増加したということですね。
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