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9月(第2回)定例記者会見(9月21日)

質問事項

2.財政健全化について

 

○日本経済新聞

 財政健全化とか総合計画の素案が今まとまりつつあるわけですけども、県民からのパブリックコメントですとか、あるいはきのうあった市町村長からの意見とか、この辺を今お聞きになって、どう受けとめていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 県の財政、あるいは市町村の財政が厳しい状況にあるということについての理解というんですか、それは少しずつ報道などを通じて広がっていっていると思います。そういう意味で、改革の必要性についても理解が少しずつですけれども広がっておると思います。しかし、現実にそれを実施するとなると、いろんな影響が出てくるんで、そういう面によく配慮してもらいたいということ、それから早くそうした改革を経て健全な財政状況に戻るようにしてほしいということが全般的な情勢じゃないかと思いますね。

 きのうの市町村長さんとの会合では、やはり例えば社会的な弱者の方々に対する配慮とか、あるいは地域地域で必要性が違うから、地域の実情にもよく配慮してほしいと、やっぱり道路整備がおくれているようなところでは、そういうものに対する配慮をしてほしいとか、あるいは福祉などでいいますと、県と市町村が一緒にやっているような事業などの場合に、県がやめるといっても市町村の方は地元の要請からなかなかやめるわけにいかない、そうするとやっぱり実質的に市町村の負担がふえるということが起こりますから、それは県の負担を押しつけるということじゃないんですけども、そういう形で起こり得るんで、そういうことにも配慮しながら見直しをやってほしいというような声がありましたよね。

 それから、県の施策の転換をするときには、前広に市町村とよく相談をしてほしいと。突如変わりました、あとお願いしますということじゃなくて、早くから調整、意見交換をやってほしいということでありまして、いずれもごもっともな御意見でありまして、私どもの方も市町村との連携、しっかりやっていくように、きのうの行革推進本部の会議でも、私から各部長さん方に伝えたところでありましてね。

 

○日本経済新聞

 そういう意味では、運営に当たってそういった配慮をしていくということで、その素案の中身を大きく書きかえるようなものではないという理解でよろしいんでしょうか。

 

○溝口知事

 そうですね。もう一つ、さっきの中で言及しなかった点は、やはり県と市町村の行政全般を見渡して効率化を図るということが大事なんで、県の事務を市町村に移して、そこで総合的にやる方がいいような事務は市町村に移すとか、あるいはそうでなくて、もう事務事業を、市町村も含め、停止、中止をすべきようなものはそうしていくといった役割分担についての見直しも、市町村との間でよくやっていく必要があります。そういうことを含めまして、計画の大枠、中期的に財政の健全化を実現するための大きな枠組みについては、ほかに選択の余地が余り現実にないわけでして、そういう面で、それに対する、それを批判するといいますか、変えるという議論は余りなかったと思いますね。やり方をよく相談しながらやっていく、それから現実の状況に柔軟に対応していく、あるいは地域の状況の違いによる対応をよくやっていくといったようなことに心がけていくということであります。

 

○中国新聞

 関連してなんですけれども、県職員の給与カットの継続についてなんですが、計画の中に盛り込まれていると思うんですけれども、一方で今、組合とは交渉中ですよね。一方で交渉中でありながら既に盛り込んだ計画案を公表して、パブリックコメントまでされるというところについての、その手続的な面での知事のお考えというのはどのようになるんでしょうか。

 

○溝口知事

 それは、数字、大きな枠組みが決まりませんと、職員組合の人たちに、なぜ給与のカットが必要であるという説明ができませんですわね。それとこの給与をどうするかと、枠組みと、この中で給与の部分というのは大きな部分を占めていますから、それは一緒に作成し、それは一つの前提を置いて作成するほかないわけでして、そういうものとして発表しましたが、職員組合の人たちにつきましては、そういう大枠を説明しながら、なぜ給与の特例減額を継続しなければならないかという考えを説明しながら話し合いを始めているということですね。

 

○中国新聞

 先ほどおっしゃられていましたけども、基本的な大枠は変えないというふうにおっしゃられたかと思うんですけれども、そうすると、結局結論とすれば、もう組合に理解を求めていくというスタンスしかないのか、余りこうする余地がないのかなあと思うんですけど。

 

○溝口知事

 しかし、職員組合は職員組合としての意見がありますから、それはよくお聞きをし、議論もしたいと思いますけども、そこをしないということじゃないんですね。それはできるだけ多く意見交換したいと思いますね。

 それから、組合の主張が具体的に何であるかということも、よく頭に入れていきたいと思いますね。

 

○中国新聞

 基本的にはその計画を、10月末までには組合とも合意をしたいということなんですか。

 

○溝口知事

 可能であればそうしたい、それが望ましいと思っていますけれどもね。

 

○山陰中央新報

 その組合との交渉の中でもそうだと思うんですけれども、改革をした先の将来像と、ビジョンみたいなものがはっきりわからない中で進んでいるんじゃないかという話が出てきたと思うんですけれども、それは県職員がわからないんであれば、県民はもっとわからないと思うんですけれども、その辺の説明なんかはどのようにしていかれる考えなんでしょうか。

 

○溝口知事

 その点は、基本方針のペーパーの中にも書いてありますけれどもね、書き込みましたが、財政の健全化をやりつつ産業の振興、雇用の確保を進め、さらにそういう施策等を通じまして、島根県全体の総合的な発展をどう我々が考えておって、そのための戦略をどう位置づけようとしているかということにつきましても、並行して検討しているわけですね。

 それは例えば産業振興、雇用等でありますと、11月の段階で最終的な当面の戦略方針等を発表するつもりです。それから総合発展計画につきましては、11月の段階で基本構想を発表できるようにしたいと思います。それから年度末には全体の最終計画を決定して、実施に移していくということを考えておりまして、その両者を通じて財政の健全化、あるいは将来の島根の姿、方向がわかるようにしたいと思っています。

 健全化自身は一つの枠組みでありまして、それに沿っていくということを前提にしておりますけども、実際の予算、施策というのは予算編成の中で、予算措置を伴うものについては予算の中で決まっていくわけでして、その予算の編成は年内から来春にかけて、それから議会の審議はその後の2月議会であるわけですから、その中で具体的な議論が可能だろうというふうに思っておりますけれどもね。

 

○島根日日新聞

 組合との交渉ですけれども、4年間のカット率と、あと収支均衡になるまで給与カットを続けていくという骨組みといいますか、幹の部分では譲歩はしないというお考えですか。

 

○溝口知事

 譲歩するとかということじゃなくて、いろんな検討を加えた結果、今提示している案が私どもとしては最善の道であるというふうに考えているということですね。

 それから、給与の特例減額は、集中改革期間4年間のこととして提示をしています。したがいまして、条例では4年間のところを手当てしていただくように議会にお願いするということになりますが、特例期間後どうするかということについては、その後の特例期間後の経済の状況でありますとか、あるいは特例期間中のいろんな改革の、あるいは財政健全化の進行状況等々を考えて対応していくと。その段階でまた考えていくというのは基本的な我々の方針でありまして、ただ、見通しとしていえば、27年度ぐらいまでは特例減額を続ける必要がある一方で、私どもとしてはおおむね10年後には、平成29年度ごろには、いわば特例減額といった特例的な措置なくして収支が均衡するようにしたいと、それは我々の、そういう方針で計画をつくっていますという見通しですね。したがって、そこを今、了解するとかしないとかということを議論するわけではありませんけども、もちろんそういう見通しがいいのか、そういうことでいいのかという議論は当然あるわけです。

 

○中国新聞

 昨日の市町村長との意見交換の中でも、県の奨励的補助金の取り扱いといいますか、行方というのに不安の声が結構集まっていたと思うんですけれども、要は何をどれだけ減らすかというような部分での不安だと思うんですが、その点について、減らす、それを補助金とか削減する事業のリストみたいなものを先に、減らすかどうかは別としても、そういうのを先に一覧を提示するというようなお考えはございませんか。その場合に、ただ不安が...。

 

○溝口知事

 それはですね、個別に積み上げていくということは当然要るわけですけども、今の段階ではやはり大きな枠組みを先に、そういう作業の前提としてつくりませんと、その作業自体が進まないということでして、今はいわば、そういう作業の前提といいますか、枠組みのようなものをまずつくりまして、もちろんそれをつくる過程では、じゃあ経費の性質によって削減が、削減の難しさとか違うわけですよね。だから大まかな分類で主要経費についてはカット率のめどのようなものを示しておりますけども、カット率のめどを示す段階では、もちろん内部的には各部も個別に経費をチェックしていって、可能かどうか、あるいはどういう影響があるかというのは検討しているわけですよ。ただ、個別にやると、今度は個別にそれぞれ関係する人たちが違うわけですから、それをそういう作業を基準なくしては、これはできませんね。それはこれからやっていくわけです。

 

○中国新聞

 市町村内での予算編成との兼ね合いもあるんでしょうけど、市町村との関係は置いといて、一県民にしてみれば、じゃあ予算編成で明示されるというのが、いきなり目の前にぽんと削減、これを、この事業は削減されますというのが出てくる状況になるわけですよね。そういった削減の過程を表に出すことで、県民からの信頼といいますか、耐震ショックといいますか、そういう心の備えとか、これを減らすんだったら、こっちの方が先じゃないかとか、そういう優先順位をいかにつけるかというのも県民からの納得とか支援を得る大きな要素だと思うんですけれども、そこら辺は、手続論になるんですけれども、ちょっといま一つ大枠を決めてからやるというのも、それはそうなんでしょうけど、もう一つちょっと踏み込んだものが欲しいというのが、きのうの市町村長の意見だったと思うんですけども、そこら辺についていかがお考えですか。

 

○溝口知事

 そこは、カテゴリーとして、どういう経費が該当するかどうかというのはやや技術的なところもありますし、やはり予算の中で、予算をつくる段階でやるほかないんですね、それは。

だからこそ予算は、県の執行部はつくりますが、それは議会に提案をして、議会で、県民の声を代表する県会議員の方々の議論の中でそういうものが反映されるというのが、いわば現行の地方自治の仕組みになっておるわけですね。

 もちろんそういう議会の審議だけじゃなくて、県民の方々から、それはぜひ、私どもに対して声が伝わってきますし、あるいは私どもが各地へ出かけたときに聞くわけでありまして、それは私に限らず、各部、各課も、あるいは各事務所も同じでして、いわばそういう県民との交渉といいますか、対話といいますかが随時行われているわけですよ。それがいろんな施策に反映されて、それが予算にできるわけであって、なるわけでして、突如新しいものが始まるわけじゃないわけですね。

 そういう意味で、最終的には議会で予算が承認されるかどうかということにかかわりますけども、それ以前の段階で、あるいは日常のプロセスの中で、私どもは県民の方々の意見をできるだけ多く聞き、それをやっぱり総合的に判断するほかないですね。県民の声も一つじゃないですから、一つの問題についていろんな意見があるわけですから、それをやはり総合的に私どもで判断して一つの選択肢をピックアップしていくということが予算編成のプロセスでして、そういう形で反映をされていくというふうに考えておりまして、そういう意味で、県民の方々の意見をよく聴取する、対話を重ねる、これを今後もやっていきたいと思っているわけです。

 

○山陰中央新報

 きのう行革本部の中で、外郭団体の見直しの指示があったと思うんですけれども、これは基本方針案の中にも含まれていると思うんですけども、知事自身、外郭団体というのは県の行政を行う上で機動的にという形でずうっと拡大してきた面もあると思うんですけれども、その辺を今、財政的にこの局面で、外郭団体というのは方向的にどういうふうに進めていくべきかということと、そういうことを踏まえると、現状ではやっぱり、県からの支出もそうでしょうけども、団体そのもののあり方というのをかなり踏み込んで検討すべきという方針も出とると思うんですけど、現段階で具体的にどういうイメージをお持ちなんでしょうか、改革の方向として。

 

○溝口知事

 方向としては、これまでに澄田知事のもとで見直しも行われて、一定の変更、改革も行われていますから、まずその中をよくレビューしまして、さらに厳しい財政の状況、さらに厳しい状況が今後も続くという情勢の中で、何が適切かということを個別にチェックをしていこうというのが私の現段階の考えですね。それをやりませんと、一般論ではなかなか言えないと思いますね。団体団体によって必要性、あるいは活動の重要性、あるいは仕事の効率性、いろいろ違うでしょうから、そこら辺はやはり過去のパフォーマンスをよく見たり、それから県民の方々の意見もあるでしょうから、そういうチェックをして、そういう中で必要な改革を考えていくという段階ですね、まだ。したがいまして、当座は部内の各部、各課においてそういうチェックをしまして、その上で具体案をまとめたり、あるいはその過程で改革推進会議の意見を求めたり、あるいは小委員会などで検討してもらうということを考えておりますけれども。

 

○山陰中央新報

 一つ手法として、きのうもちょっと思ったんですけれども、外郭団体の見直しを、その担当する部局に見直しを任せたんでは、これは自分の足を自分で切ることができるかどうかということではないかと思うんですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 必ずしもそうではないでしょうね。やはり各部も予算の制約があって、いろんな歳出の削減もしなきゃいかんということはよくわかり、その結果、ほかの分野でどういう影響が出るかということもよく承知をしているわけですから、そういうものを踏まえた上で外郭団体の活動というのはバランスがとれているかという判断は、やはりそういう現場の感覚も大事ですね。それが一つ。しかし、おっしゃるように部内だけの意見ではいけないので、部外の意見も聞くようにしたいというのが私の考えですね。したがいまして、そういう過程におきましては、改革推進会議における専門委員会のようなものを立ち上げまして、そこでも話をしていくと。そのためには、もう少し今言った部内的な評価、チェックが必要ですね。それなしじゃ、なかなか技術的な問題もありますから、作業が進まないと思いますから、まず部内のそういう評価の作業を行うと。その上で必要な改革について外部の意見も聞いていくと、その過程では改革推進会議の専門委員会なども活用させていただきたいというのが私の考えですね。

 

○山陰中央新報

 専門部会って、あれ、要綱ができておったですか。

 

○溝口知事

 ええ、要綱はできて、いつでも設置して、委員を決めて開始、及び体制はつくってあります。

 

○山陰中央新報

 いつごろ立ち上げる......。

 

○溝口知事

 今の部内の作業がありますね。それから各部もこれから予算編成に向けて個別にやっていかなきゃいかんことがありますから、それと並行しながら外郭団体等の評価の作業をやっていって、実際の具体案の検討は、年を明けてからということになると思いますね。

 

○山陰中央新報

 委員さんのイメージですけど、ある程度そういった、何というか、専門家というか...。

 

○溝口知事

 専門的なところがわかる方々になっていただこうかと思っていますけどね。

 

○山陰中央新報

 それは改革推進会議のメンバーとは別に。

 

○溝口知事

 メンバーの人がなる、一部の方がなることもあるし、推進会議のメンバーでない方をお招きするということもありますね。

 

○山陰中央新報

 例えば会計士だとか、要はそういったことがわかる者だとか。

 

○溝口知事

 そうですね、そういう問題が議論でき得る方ですね。あるいは企業経営者といったようなこともあるでしょうし。

 


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