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8月(第2回)定例記者会見(8月29日)

質問事項

1.米子ソウル便について

 

○日本経済新聞

 米子ソウル便についてですけれども、当面の継続は一応決まったようなんですけれども、この問題についての島根県としてのスタンス、基本姿勢を改めてお伺いしたいのと、今後、島根県としてどんな支援策が可能なのか、その辺をお願いします。

 

○溝口知事

 米子ソウル便につきましては、今週初めに鳥取県の平井知事がソウルへ行きまして、アシアナ航空とも話をされるということが先週末、連絡がありまして、私の方も、島根も鳥取と一緒に中海、鳥取・島根を通じた観光の協力をしているわけでありまして、島根からも、ぜひとも担当者、責任者を出席をさせたいということで、山根商工労働部長を同行させることにしたわけです。鳥取県の方からも大変喜んでおられて、山根部長も現地での会合、アシアナ航空との話し合いにも出席をしたわけであります。

 やはり利用率が下がっておるということがアシアナ航空の突然の運航停止の発表だったわけでして、利用率を高めるような施策を講じていく必要があると考えておりまして、両県で協力していくことにつきまして、いろんな協議会も既にできているわけですから、民間の方々とも協力しながらやっていきたいと思っております。

 

○日本経済新聞

 何か具体的な支援策、新たな支援策のようなもの、今回、鳥取県は補てん額をふやすということで取り組むわけですけれども、その辺について島根県としてはいかがでしょうか。

 

○溝口知事

 それは鳥取の措置としておやりになるということで聞いておりまして、私どもに参加を求められているということではないと理解をしておりますし、大体今、利用率が50%を少し切るぐらいのことになっているわけですね。先方は、アシアナ航空の方はもっと高くということであって、鳥取県は7割を切るようなことになれば、その切る人数につき1人当たり9,000円程度の補てんといいますか、しようということを提案をされたようでありますが、これは一つの大きな支援措置だと思いますね。ただ、そういう財政に頼るということじゃなくて、韓国からの観光客が自然にふえるような体制づくりということが中期的には必要なことでありまして、その面において島根、鳥取で協力をしていくということだと思いますね。

 既に山陰国際観光協議会というところが設立をされておりまして、そこでは、例えば韓国での国際観光展の出展、今回もその行事があったわけでありますけども、それも島根からも参加をしておりますし、今後、そういう韓国内でのPRなどについても強化をしていく必要があると思いますし、それから、やはり韓国の人たちを島根に招いて、この地を見てもらってPRをするといったようなことも強化していく必要がありますね。それから例えばこれは向こうで出た話だそうですが、韓国ではゴルフをする方が非常に多くて、日本に来てされる方も多いわけでして、そういう面でこの山陰の地においてもそういう利用客がふえるような対応を考えるということも一つあるでしょうね。そうした具体的なことを、既に協議会という場ができて、それは官民一緒に協力する体制になっていますから、そういうところでさらに具体策を早くつくり、実行していくということじゃないかと思いますね。これは我々も一生懸命やりたいと思っております。

 

○日本経済新聞

 今のお話にちょっと水を差すようで申しわけないんですが、一部に、毎日ソウル便を運航している岡山空港をもっと活用すればいいんじゃないかというような指摘もあるやに聞いているんですけども、その辺、米子空港と岡山空港との、どちらを利用するというわけじゃないんでしょうけども、その辺の、岡山空港に毎日発着していることが影響しているという部分については、どのようにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 それは地域地域で観光資源を持っていますし、それから観光客の目的もいろいろあるわけですね。都市で買い物をしたい人もいるでしょうし、それからゆったりした自然の中でゴルフをしたいという人もいるでしょうし、あるいは温泉なども九州などに見られますように非常に韓国の観光客の方は好まれるところでして、そういうところについて見れば、山陰ですね、鳥取・島根はいろんなアドバンテージ持っているわけですし、それぞれの拠点拠点、地域地域でいろんな特徴、特質、アドバンテージ持っているわけですから、そういうものを地域地域で生かしていくということじゃないでしょうかね。

 

○山陰中央新報

 例えば島根県にとって米子空港のソウル便というものがいわゆるどういう意味を持っていて、要は欠くべからざるインフラだというふうに、島根にとってお考えなのかということと、それを踏まえて言うと、今の支援策ということで島根県がおっしゃったのは、今までの延長線上でしかなくて、鳥取県がああやって路線存続にいわば背水の陣で臨んでおられるものから見ると、非常に、やっぱり言葉はちょっと悪いですけど人ごとではないかなあという気もするんですけど、その辺って、やっぱり一歩踏み込んだ支援策というのを何か考えられるということはないんでしょうかね。

 

○溝口知事

 一つは、やはり山陰ですね、鳥取・島根、山口県の日本海側も含め、アジアの大陸との直航便というのはないわけですね。それで数年前ですか、米子空港と出雲空港、それぞれ路線を開設するということで競争した経緯があるわけでして、そういう面で島根も大陸から、特に韓国からの観光客を誘致すると、誘引するということは大事な課題だというふうに、その状況は変わってないと思いますね。したがいまして、出雲ではなくて米子空港の方にソウル直航便が開設されたわけですけども、利害をともにしているということは変わらないですね。もちろん地の利も違いますから、若干の違いは当然あるでしょうが、長い目で見れば、広い目で見れば共通の利害を有していると。だからこそ鳥取県、島根、一緒になって協力しているわけですね。

 それから、もう少し長い目で見ますと、やはり観光に限らず、中海を中心として、あるいは宍道湖まで含められるでしょうが、島根、鳥取両県の経済的な交流というのは自然に進んでいくわけですね。それは両方にとっていいことでありますから、それはだから、そういう意味で観光の振興というのは産業振興の一つであるわけでして、そういう観点からも取り組む必要があるだろうと。

 ただ、韓国から来られる観光客の数でいえば、現在が、どうでしょう、1万5,000人とか、そのぐらいのオーダーでしたですかね、それは観光全体から見れば多くありませんけども、将来を見渡したときには、やはり観光は国内だけじゃなくて、海外からも来られるわけでありまして、そういう意味で将来を見ながら、苦しくても路線を継続していくということは大事な課題じゃないかと思いますね。

 

○山陰中央新報

 島根県として具体的に支援策というのは、今伺ったところでは具体的なものがないように思えるんですけれど、その辺は今後、さらに検討される......。

 

○溝口知事

 それは、鳥取県が提案されたのは、いわば短期的な財政で支えるということでして、それをずっと続けるわけにはいかないわけですよね。やはりその基礎には自然に観光客がそういう支援がなくても多く来られるようなことを考えなきゃいかんわけです。そのためには、一つは韓国の人たちによく知ってもらうということがありますよね。観光展のようなこと、あるいは韓国の有識者、影響力のある、例えばジャーナリストのような方、そういう人を呼んで、見てもらうとか、それから今度は受け入れる山陰の方で韓国の観光客の求めるようなものを用意していくということがありますわね。例えばさっき、それはお話ししましたゴルフが好きな人たちがおられ、そういうことがしやすいような環境をつくるとか、あるいは米子に着いて島根の西の方にまで足を伸ばすためには、いろんな不自由もあるわけですね。なれないということもあるでしょうから、そういうものの支援をするとか、それは既に一部、米子空港への送迎等について支援も行っていますけれども、そういうものをさらに見直していくとか、あるいは受け入れる観光地で、これは随分、例えば韓国語の表示などはいろんなところで進んでおりますけども、それ以外のものでも韓国の観光客の方々が困っておられるような、あるいは望んでおられるようなことをよく調査をしたり聞いたりして対応していくということがあると思いますね。そういうものを官民の協議の場がありますから、そこで早急に詰め、それを中期的な展望のもとに着実に進めていくということが大事な課題じゃないでしょうかね。

 

○新日本海新聞

 今、韓国からの集客についての対応策についていろいろ述べられましたが、逆に島根県側からソウル便を利用した送客をふやす対策については、何かお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 それも一つの課題ですよね、搭乗率がふえるということ。ほかの空港を利用してそういう韓国に行かれる方もおられますけども、米子空港をさらに使えるような、それのPRでありますとか、あるいは旅行会社を通じての呼びかけとか、そういうことを強化していくということが考えられると思いますね。

 

○山陰中央新報

 それは、さっき米子空港を使うようなPRの強化というのは、それは島根側からもやって、米子空港を使ってくださいという呼びかけをするという意味......。

 

○溝口知事

 そうですね、韓国に行くためには、もちろん米子以外にもありますけれども、そういう米子空港を活用した旅行商品の開発だとか、そういうことを検討するということもあり得るでしょうね。

 

○山陰中央新報

 あと、さっき受け入れる側の体制づくりなんかも必要だし、韓国へ島根県のPRというのも必要というふうにおっしゃって、これまでもこういうことは必要だったわけで、今から焦ってやるということではなく、これから、今までの体制づくりというのが重要だったと思うんですけど、さっき言われた隠岐空港のジェット便も、今81.6%ということで順調ということなんですが、来年度以降の利用の見込みですとか、あと定期便に向けた、もっと着実な体制づくりというふうなことはどういうふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 それはやはり実際の需要の予測に基づいて、それに合った上のものをしませんと、無理なものをしても、それは永続できませんし、それからコストがかかり過ぎても、それは無理なわけでして、地道にそういうものがふえていくと、それからこの路線が維持されると、基礎的なそういう条件を維持しながら着実にやっていくというところが大切でしょうね。一時的にというよりも、やはり基礎的な条件、今の国際線、ソウル−米子線が維持されるというのは、これは基礎的な一つの条件ですから、そういうものを維持しながら観光客の方が自然にこちらに来られるといった体制づくりをするということじゃないでしょうか。だからそう妙案があって、ぱっとふえるということでもないわけでして、しかし、そういう努力を継続しなきゃいけないということだと思いますね。

 

○山陰中央新報

 ソウル便では、利用客が数年前にどんと減ってる時期があるんですけど、例の竹島の問題があって、島根と慶尚北道との交流も途絶えた状況になってるわけですけれども、あるいはこういう機会を通じて、韓国と島根県との関係改善というようなところにある程度結びつけながら、それをある程度戦略的にやっていくというような時期に来てるんかなあとも思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。

 

○溝口知事

 それは大事なポイントですね。交流はいろんなレベル、いろんなチャンネルで太くしていかなきゃいけないと思ってますね。官レベルの交流としては慶州北道との交流があるわけですが、これが中断をしているわけですね。これ、なるべく早く再開する努力を今後やらなきゃいかんと思いますし、それからそういう官レベルの公的な交流以外に、民間の交流、あるいは児童生徒の交流なんかもありまして、ちょうど数日前ですか、夏休みに韓国を訪問した島根県の小学生が50名ぐらいおられますけども、行ってきた報告をされに私のところへ来られましたけども、そういった青少年の交流なども進めていったらいいと思いますし、民間の交流も、それ以外にもいろんな形であり得ると思いますから、これを強化するように、私どもも努めていきたいと思います。

 あるいは産業でもそうですね、最近、島根の誘致企業の支援の中で、韓国企業と合弁をして新会社をつくり、韓国の技術も活用して新しい事業を始めるといったことも起こっていますし、産業面での交流のチャンスも私はかなりあるんじゃないかと思いますね。そういうものをいろいろ工夫していく必要があるというふうに考えています。

 この前もあれでしたね、全国高校総合文化祭のときも韓国の高校生が来られて交流をしておられましたけども、非常に皆さん、島根の高校生と仲よく交流をしておりまして、そういうものについては、私は何ら障害がないわけでありまして、そういう国際交流を進めるということは、観光だけじゃなくて、大事な要素じゃないかと思っております。

 

○山陰中央新報

 それと確認ですけれど、鳥取県は財政的に支援しておられるんですけど、島根県としては、現在のところ、そういった財政支援については行う考えがないというところでよろしいですか。

 

○溝口知事

 それは一応先方にも理解いただいております。搭乗率に関してのことですけどね。

 

○山陰放送

 島根県の方から米子ソウル便を利用するために使うように呼びかけるというのは、具体的にはどう進めていきたいとお考えですか。

 

○溝口知事

 呼びかけるというか、それは例えばそういう旅行商品を旅行会社に企画してもらうということがやっぱり大きいだろうと思いますね。韓国の方も日本側の方も、個人ベースで出かけられる方もおられるでしょうけども、お互いになれない旅行でしょうから、そういうふうにまとまって行くということがかなりありますから、予約をしたり、いろんなこと、あるいは交通の便の手当てをするとか現地の案内とかありますから、やはり団体旅行の企画などを通じてやっていくということが主体になるんじゃないかと思っておりますけど。

 

○山陰放送

 松江市のサッカーの交流団があした釜山に行かれるのに岡山から行かれるんですよ。そういったところへ結構米子ソウル便を使うように呼びかけるような形なんかができないかなと思うんですけれども、いかがでございましょうか。

 

○溝口知事

 それは私が具体的な問題についてコメントするのは適当でないと思いますけども、松江市も鳥取、中海を中心とした協力ということは大事に考えておられますから、そういう枠組みの中で今後もさらに工夫をしていくことはお考えになるんじゃないかと思いますね。また、そういうことを考えていくことが必要かもしれませんね。

 

○山陰放送

 ただ行政としても、利用する場合には......。

 

○溝口知事

 そこはいろんな民間の活動にどこまで、個別のやつでするというのは難しいと思いますね、それぞれ事情があるでしょうから。ただ、全般的な協力というPRの中でそういうことをやっていくことは可能でしょうね。

 


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