6月(第2回)定例記者会見(6月29日)
質問事項
1.改革推進会議について
○読売新聞
改革推進会議の関連なんですけれども、きょうも第2回目ありますが、1回目も質問が出てたように、県としての考えなり主体性が見えないという部分があると思うんですけれども、例えば聖域なき事業の見直しということについて、知事自身がどこを、どの程度まで踏み込んでお考えなのかという、そういう一端でも示されないと、なかなか会議でも議論が出てこないんじゃないかと思われるんですが。
○溝口知事
そこは具体的に私どもの方から今の時点で申し上げるというよりも、やはり県の財政の状況を、いろいろ説明をまずさせていただいて、そこから感じとられる御意見をまずちょうだいする方がいいだろうと、私どもが一定の考えを申しますと、それが議論をリードすることになり、一定の方向がそこで進んでいくという可能性もあるわけでございまして、それよりは、なるべくそれぞれの立場でどう判断する、それは、例えば実態に違うものであっても差し支えないわけでありまして、むしろそういうことが、いろんな意見が出る方が議論をまとめていくのに大事だろうと思っているんです。
基本的な方向は、それは数字を見たり、財政の状況のグラフを見たりすれば大体のことはわかっているわけでして、最終的に落ちついていくべきところは、やはり財政の赤字が減っていって、それで財政の問題が心配ないという状況をつくり出すということでありまして、おのずから目指すところは大まかに言えば一致をしてるんだろうと思うんですね。それをどういうスピードで、どういうやり方でやっていくのがいいのかというところが問題でして、それについてはいろんな意見もあり得るわけでありまして、例えば一般財源のベースで見ますと、本年度の一般財源が充てられる分野というのは大体3分の1が人件費であり、3分の1が公債費であり、残り3分の1の相当部分も扶助費を中心とした義務性の高い経費であって、県の判断で若干の調整ができる分野というのは400億弱ぐらいだという説明もしているわけでございまして、そういう大きな枠組みの中で、何をすべきかというところが問われておるわけですね。あるいは何をどういうスピードでやっていくべきかということが問われているわけでして、議論すべき大きな枠組みというんですか、それは、もちろんしかし、そこはなかなか多くの人、県民の方々には御理解いただくことは難しいわけでございますから、そういう説明をよくして、その上でお考えを聞こうということでありまして、いずれにしましても、我々の考えは議論を踏まえた後、財政健全化のための方策の骨格というものを8月の末には出すわけでございまして、その時点では改革推進会議の議論も反映されますし、それから我々自身の考えもそういう骨子の中に出ていくということでありまして、そういうやり方の方が御理解いただくのにいいというのが私の考えであります。
○山陰中央新報
その関連なんですけれども、やっぱり今までの言い方からして、歳出の削減は聖域なくやると。一般財源確保のためには歳入を伸ばす。一つは自主財源の部分と、あともう一つは若干他力本願になるけれども、国の交付税のところをしっかり訴えていくんだと。そこの訴えていく部分は、主体は国になるわけで、要は県としてできることは歳入をふやすために増税をするのか、あとは歳出を削るのか。削るならどこを削るのかという議論に収れんされているわけでして、そこのところを言わないというのが私はどうも理解できないんですけれども、要は厳しさを認識してもらうということと、県が歳出削減にここまで取り組むという意思を示すことというのは、そこが何かリンクしているというのは、私どうも納得できないんです。
○溝口知事
いや、県で決めるんじゃなくて、それはやはり県民の声が反映されて、そういうものが県の案になっていくわけでして、予算もすべてそうでありまして、それは議会で審議をされて決定をされるわけですよね。
それから、県の具体的な考えは、毎年の予算編成ということで反映されていくわけですよ。それで、予算編成を毎年展望なく、見通しなくやるんでは中・長期的な整合性がとれないことがありますから、まず中・長期的な展望をつくりましょうと、だから予算のときは当然県の考えが反映されるわけですけども、その前の準備をしているということなんですね。
それから、予算を毎年編成していくわけですけども、その過程ではいずれにしても具体的なものが県の考えとして出ますが、それもやはり県民の多くの方がこういうバランスがいいだろうと判断して予算の編成をやるわけでありまして、今の中期的な展望はどこまで細かい、予算編成のようなところまでは細かくは多分できないじゃないかと予想しておりますけども、具体的なものが予算になってくるというふうにお考えいただいたらいいんじゃないですか。
○中国新聞
そうしますと、今度の8月補正にまとめる方針というふうに一応言われてますけれども、どこまで具体的なスクラップ・アンド・ビルドを示していくのかというのが、逆に言えばわからないという。
○溝口知事
それは、私の考えでは、我々がこうしてくださいというよりも、やはり有識者の方で委員の方々、あるいは公聴会等で出た意見を改革推進会議の場で総合化して御提言いただくということになるわけですから、今の段階ではこうでなきゃいかんとか、こうだということはないわけです。しかし、提言そのものが県の改革すべてになるわけじゃなくて、それは各界の意見をまとめられた改革推進会議の御意見として我々はこれからの作業の参考にするということですね。その上で議会とも中期的な健全化の方針について議論をし、その上で県として決定をすると。それが県としての考えですね。県というより県執行部としての考えですね。それで、それもすべてを拘束するわけじゃなくて、具体的な施策というのは毎年度の予算編成の中で決まっていくわけですね。ただ、決めるときにそういう基本方針をベースにして、私どもは予算を編成していきますよということなんですよ。だから、予算編成の前の段階の作業をしているわけでありまして、県の考え方は、通常であれば予算、県の執行部が編成した予算案の中に反映されていると、そこに考えが出ているというふうにお考えいただいたらいいですね。
○山陰中央テレビ
この改革推進会議なんですけれども、きょう公聴会を開かれて、報道界、建設業界、あといわゆる県職労の組合ですね、組合委員長を呼ばれるわけなんですが、知事自身、聖域なきということで、すべてのものを見直すと言ってらっしゃる中で、あえていわゆる県職員と建設業界というふうな、この2分野の方をお招きになられると。例えば福祉分野とか、今後お招きになられる予定とかはあるんですか。
○溝口知事
各地で、各地といいますか、2回、3回は公聴会という形で委員以外の方、それから一般の方、あるいは応募される方、そういう方からお話を聞くということにしてますから、そういう中で当然入ってくるわけです。
○山陰中央テレビ
じゃあ、今回はあえて建設と、いわゆる県職員、組合の委員長を選定された理由というのは、なぜですか。
○溝口知事
それは、先ほど申し上げましたように、これまでも厳しい財政状況が続いて、厳しい対応がとられておるわけですね。そういう中で、大きな柱はやはり拡大をした公共事業の削減というのが一つの大きな柱ですよね。それから臨時的な措置ではありますけれども、県職員組合の理解も得まして給与の抑制ということをやってるわけですね。過去の削減策の中の大きな柱でありますから、当然そうしたものについて今後どうしていくべきか、それぞれ関係の方からまず聞かないといかんですね。
それから、例えば産業の振興というのが大きな柱でもありますし、県の財政の再建にとりましても、それが産業界、あるいは市町村との関係はどうするかということも大事なところでございますからお呼びしていると。これまでの健全化の努力の大きな部分を占めてきている分野の関係の人に最初にお話聞くというのが適当だろうということで、そういうことをしておるということでありますね。
○山陰中央テレビ
知事自身、いわゆる、ここをまず削りたいという意味で呼んでらっしゃるわけではないということでよろしいですね。
○溝口知事
これまでそういう削減をしてきておるわけですから、そういう問題について関係の方がどういう考えであるというのはよく聞きませんと、そういう分野をどうしていくかというのは、我々だけの判断ではいけませんですわね。いろんな意見を聞かないといかんです。
○山陰中央テレビ
まずここ削減ありきではないという意味で、今回呼ばれるということでよろしいですね。
○溝口知事
今どうするということは、さっき申し上げましたように、我々としてどうするということは、後でいろんな意見を総合して考えるのが適当だろうということです。
そういう意味において、委員の方々と活発な議論がされて、関係の方々も御自分の考えは披瀝されても、それについて意見のある委員の方もおられるわけですから、そういう議論がその場でなされるということが大事なわけですね。それを県民の方々も、そういう議論を見られる、聞かれる、そういうことが大事だと思ってます。そういうことが県民の方々の理解の促進に役立つということです。
○NHK
言い方を変えると、先ほどの質問にもありましたけど、県の財政を再建するためにはどれだけ痛みが必要なのか、あるいはどれだけ痛みがあってもやるべきなのか、そういうことで議論してもらうということですね。
○溝口知事
それは、これまでも削減をしたことによって大きな影響が出てるわけですね、現実に。そういう人たちが、自分たちとしてはこういう感じを持っているというのを率直に言っていただくというのは、判断をする上で大変大事なことですよね。あるいはそれをほかの人々がどういうふうに感じておられるかということを議論する。もっともそういうことをなくして、どういう道を進むべきかなんていうのは出てこないというのが私の考えですね。
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