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6月(第1回)定例記者会見(6月6日)

6月補正予算案の概要について


■知事コメント

 

 最後の話題は6月の補正予算の関連であります。

 補正予算の概要につきましては、既に詳しい説明が皆様には行っておるところでございますが、御承知のように本年度の当初予算におきましては骨格予算として編成、提出をされておりまして、判断を要するものについては選挙後に判断するということになっておりまして、それを受けまして私の最初の予算編成、補正予算として編成をいたしまして、13日の6月議会に提出をするわけでございます。総額59億の追加補正でございますが、いろんな特殊要因もございますが、選挙の中で産業振興等、あるいはそのための人材の育成、あるいは県政に直接、間接に県民の多くの方々が参加していただく、そういう公共的な活動を促進するための経費といったものが含まれておるわけでございます。実質的に非常に小ぶりな補正予算でありますけども、議会の皆様の御理解を得て早期に成立することを期待しているということであります。

 

■質疑応答

 

○朝日新聞

 6月の補正予算なんですけれども、この中に掲げた新規の事業の中で、マニフェストの項目というのは具体的に何項目ぐらいを網羅したというふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 とり方によって違いますが、広い意味ではすべてをカバーしているわけですが、特別なものといえば、例えば地域経済の活性化、産業の振興ということでいいますと、環境農業の対策の事業費5,000万円強でありますとか、あるいは地域資源産業活性化のための基金を創設するというものがありますが、これは県だけではなくて国の支援もあるわけでございますが、それから民間の出資もあるわけですが、そういうものを除きまして、県の歳出は4億円でありますけども、財源自体は既にあります中心市街地活性化推進事業基金を取り崩すことによって充てますので、一般財源としての負担はないものであります。

 それから、首都圏等の県産品の販路の拡大のための支出、あるいは観光交流ビジネスを支援する事業、あるいは健康食品産業、今、産業技術センターでいろんな研究を行っていますが、農産物の関連を中心としまして発酵技術でありますとか微粉砕にして、それを商品形成に当てるといった事業。あるいは情報産業、IT関連の産業を島根の地に誘致をする、あるいは島根の情報産業の分野における企業の育成、そのための人材育成をやろうとしていますが、そうしたもの。それから地域振興ということでU・Iターンの事業を市町村でいろいろやっていますが、これをさらに市町村と一緒になって強化しようといったもの。あるいはNPO、ボランティア団体等の公共的、公益的な活動を助成するとか、そんなようなものがあります。その次の人材育成も、今申し上げた部分と大体重複するものでございます。その他の部分は、総合計画の作成とか電子申告システムとか、これは事業の進行に応じて計上しているというようなものであります。

 公共事業の方は、やはり治山、治水、防災対策の観点から、早く実施をしなけりゃいかんものを計上しておるわけでございます。

 それから、大きい項目としては松江第五大橋の建設の整備促進がございますが、これはほとんどの経費が国の補助金でありますとか原発の交付金でありますとか等々で実施をされるものでありまして、事業を早くすることによって県費の負担がかからずに促進をしようということであります。

 それから、そのほか地域経済の活性化のための整備につきましては、当初、国の交付金をややかた目に見込んでおりましたけども、国からの交付金が10億弱でありますけども、多目に入るということになりますと、国の補助金をベースに、今まで単独事業であったものが補助事業になるわけですから、それが倍になるといったことがありまして、支出としては膨らんでおりますけども、県費の負担は増えていないというようなものであります。そんなものが公共事業の大きなものでございまして、冒頭申し上げました地域経済の活性化、産業の振興とか、あるいは地域の振興、あるいは人材の育成、こういったものは島根の産業の活性化にとって早く実施できるものはした方がいいという判断で計上していると、そういったものが公約の中に具体的にうたってきたものと直接的な関連が多いと、強いというふうに理解をいただければと思います。

 

○山陰中央新報

 産業振興関係のことを伺って、確かに大半が公約と重なり合うと思うんですが、編成作業の中で知事自身の考え、主体性とか、あるいは指導力とかというようなのは、どのような形で発揮されたのか、あるいは結果的にそれについてどのように自分で自己評価しておられますか。

 

○溝口知事

 私の公約は、選挙の前から何度かに分けて発表いたしておりまして、県の当局もそういうものをどうしたら実現できるかというのは、勉強もされておりましたし、それから当選いたしましたのが4月の8日でございまして、就任をいたしましたのは4月の30日でございまして、その間、いろいろ県のスタッフの人々と意見交換をし、私の考えもよく説明をし、6月の補正に間に合うもの、必要なものは計上するように、そういう話の中で指示をしたわけでございまして、すべて私の考えに基づくものであるというふうに御理解いただいてよろしいと思います。

 

○NHK

 知事が御自身、小ぶりで実質的な予算だとおっしゃった、逆に言うと重厚長大のようなものにはもはやお金は使えないという状況だと思うんですが、その中でこれは溝口色だなというものを2、3、自分の思いで入れさせた、あるいは自分の思いで増額させた、公約を実現するためにこうしたんだという、具体的に紹介していただければと思いますが。

 

○溝口知事

 ITの中核人材育成、これは県内の技術者のレベルアップを図るための研修を中心とした経費でありますが、私はやはり製造業もやって、振興していかなければなりませんけども、情報産業の振興はこれから非常に大事な時期に差しかかっているので、この面での対策をとるように指示をしてきたところであります。

 それから、もう一つ、県民いきいき活動促進事業、私はやはり県民の方々が県政に深い関心を持たれ、あるいは県の公共セクターの仕事と純粋の民間セクターの仕事の間にある領域が拡大をしていくと、公益的な活動ですね、そういうものを促進するということが大事だということを訴えてまいったわけですが、ここの経費などはそういうものであります。

 それからあと、観光ビジネスとか県産品の販路拡大とか等々、産業振興に関連するものを県のスタッフも考えておりましたし、私も同じように考えていったといったようなものだというふうに理解いただければよろしいかと思いますね。

 

○NHK

 そうすると物量よりもアイデアで勝負の時代だと、もう島根県は。ITのように。

 

○溝口知事

 やはり厳しい中で効果的、効率的な経費の使い方、あるいはある面に集中していく、そんな考えが必要なわけでありまして、そういう部分の一部がこの補正予算にも反映されているというふうにお考えいただいたらいいと思います。

 

○中国新聞

 改めて初めて予算を手がけた感想と、この財政難の中でいかに、今回の初めての予算が制約された部分があると思うんですけれども、そこら辺の御感想をお伺いしたいんですけど。

 

○溝口知事

 どういう点で苦労をしたかということですか。

 そうですね、やはりどういうものが効果的だという判断をする、それは重要な要素ですね。今までいろんなことをやってきておるわけですから、そういうものの評価の上に立って新しいもの、あるいはやり方を変えていかなきゃいかんわけでありまして、まだそういう意味で集中と選択というのは、ごく一部が始まったというようなのが私の率直な感じですね。これからやはり既存の施策、あるいはプロジェクト等もよく見直しまして、来年度の予算編成に向けて、戦略会議の意見でありますとか、あるいは財政の関連の改革推進会議の提言でありますとか、あるいは雇用推進会議の理論、そのほかにも私が県内各地に出向きましていろんな人とお会いし、そういう方々の意見もよく聞いて、そういう選択と集中、あるいは事業の見直し、再編、そういうものをやっていきたいというふうに考えております。

 

○中国新聞

 今回の6月補正で盛り込みたくても盛り込めなかったものというのはございますか。

 

○溝口知事

 大体金額は小さくなっておりますけども、必要なものは、今の時点で構想として大体成熟しておるといったものは織り込んでいるというふうに思っていますね。多くのものをこれから構想の成熟とか準備とかを重ねていって、さらに新しいもの、先ほど申し上げましたようないろんな人の考え、意見もお聞きして、そういうものを来年度予算に盛り込んでいきたいというふうに思っております。

 ただ、全体のボリュームをどうするかということになりますと、それはやはり財政再建という大きな枠組みがはっきり固まってまいりませんとスタンスが決まりませんね。そういう意味で財政改革推進会議の提言、それに基づく中期的な健全化の方針を10月末までには完成をさせて、その大きな枠組みの中で選択と集中、事業の見直し、再編をやっていきたいというふうに考えております。

 

○山陰中央新報

 今の財政に絡んで、今回、中期財政見通しを改定されていると思うんですけれども、ここで200億円台後半の、むしろ赤字の幅というのは拡大している状況にある。そこで改革推進会議に臨まれるわけですけれども、ここに知事としてどういうスタンスで、委員さんの意見を聞くというのはあると思うんですけれども、そこで知事自身がこの赤字の幅をどういう方向でやっていきたいのかということがいま一つ見えないところがあると思うんですけども、その辺、お考えがあれば。

 

○溝口知事

 それは、やはり財政の見通しに基づいて、割とはっきりしていますのは、何もしないと、今600億強ぐらいある積立金がなくなるわけですから、なくなるような状況になれば、計画があるなしにかかわらずやらなきゃいかんわけですね。それは、でも大変急激なショックをもたらすことになりますし、見通しがはっきりしないままそういうことになると、県の経済、あるいは企業活動、あるいは県民の方々の生活に大きな影響を与えるわけですから、そういうことがないように、財政が急激なショックをもたらさないように財政赤字を減らしていくと。それは何年かけてやるかということにも関連しますけども、そこら辺は委員の方々に現状と見通しをよく説明して御意見も聞く必要がありますが、前から申し上げていますけども、既に相当厳しい削減を行っているわけですね。公共事業などは、16年度からみれば7割、それから過去に応じてみれば相当な減額を既にしておりますから、それもさらにやるとしても、非常に大きな岩盤のようなところがあるわけでありますし、ほかの事業も福祉に関するもの、あるいは産業育成に関するもの、すべての分野において非常に急激に、さらに削減していくというのは容易でない状況ですから、常識的に考えまして、ある程度時間をかけながら徐々にやっていくということ、そういう意味で言えば、急激なショックをもたらさないような形で財政の赤字が減っていくということがいろいろある選択肢の非常に可能性の高い選択肢だろうと私は見ていますが、そこはいろんな判断にもよるところがあるわけですから、そこは県の方から最初にこうだという方向を出して議論するよりも、現状と見通しをよく説明して、どうしてこういう事態が生じているかをよく理解をしていただいて、その上で具体的な方向に進むということが改革推進会議における議論の進め方でありまして、1回目、12日には私どもの方からこれまでの財政の問題が起こってきた状況等を説明をし、それから3回ぐらい公聴会という形で外部の方をお呼びして御意見をお聞きするということをやり、その上で改革推進会議のメンバーの方々がどういうスタンスでこの問題に取り組んでいった方が県民の方々全体に対していいか、あるいは県全体に対していいかというような議論をしていただいて、それで大きな方向が固まっていくというふうに考えておりますけども。

 

○山陰中央新報

 一つは委員の意見を聞くというのはいいと思うんですけれども、いわゆる知事御自身が、要は、一つは県自身の組織であり人員であり人件費であり、それから事業であり、県自身が痛みを伴う改革というのはあると思うんですね。それと、その次に県民が痛みを負いかねない事業の見直しというのはあります。知事が今おっしゃっているのは、痛みを伴うものについては、やっぱり徐々に、急激にやるものは避けたいということだと思うんですけれども......。

 

○溝口知事

 いえいえ、そうではなくて、すべて検討対象にしてやってまいりますし、そこはおのずと、もちろん立場の違い、いろいろあると思いますけれども、やはり県民の方々の大きな方向がどうであるということをやっぱり押さえて進むと。若干時間がかかるかもしれませんが、いずれにしても期限は切ってあるわけでありまして、そこは10月の末までに県の方針を固めるためには、9月の中旬ぐらいまでには案をまとめていかなきゃいかん。県としての案がまとまるためには、この改革推進会議の議論が8月のある時期には最終的にできていなきゃいかんということでありまして、むしろ非常に速いスピードでしなければ、来年の予算編成に間に合わないという状況でありますし、私が申すまでもなく、いろんな削減、いろんな施策がこれまでもとられておるわけでありまして、それをベースにしながら、そのやり方だけでは赤字が減らないだろうというのが私の基本的な見方でありますから、おのずとその方向は既に出ているものだと、大きな流れはですね、そういうふうに考えておりますが。

 

○山陰中央新報

 具体的にはやっぱりある程度の時期を設定した上で、収支均衡体質というのをつくるということ...。

 

○溝口知事

 ということですね。

 

○山陰中央新報

 その目標の設定の仕方ということになる...。

 

○溝口知事

 ええ。だから、それはいつまでに、どのぐらいかかってやる方が最適であるかどうかというようなことを考えながら決めていくということですね。

 

○山陰中央新報

 補正予算の離島患者と宿泊施設整備事業のことでお伺いしたいんですけれども、これ、隠岐が昨年、一昨年と産婦人科医不足で島で産めなくなるという状況が問題になりまして、ことしの春からは医師1人で、助産師のもとでローリスクの分娩ということで、ハイリスクの方は本土でという状況の中でこの事業だと思うんですけれども、この位置づけが、要は隠岐はやっぱりこれからも医師を確保して2人体制以上で出産をすべきだと思うが、今は緊急的な避難としてこうするということなのか、それとも、もう今、全体的に厳しい状況の中であきらめざるを得ない状況があるので、こういう、いわゆる分娩村のような、こういう構想を拡充していくという、この第一歩ということなのか、隠岐の出産の体制をどういうふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 2人おられた産科の先生が1人になって、おっしゃったような難しい分娩の場合はこちらに来てということになっておりまして、地元隠岐の方では2人の体制を強く希望されておりますが、現実に中央病院から派遣をしているわけですけども、県内のほかの地域でも似たような状況があって、拠点病院に産科を集中していくというような動きもありますから、そういう中で隠岐の問題も考えていくわけですから、当座、すぐに解決するという見通しがあるわけではありませんが、いずれにいたしましても、隠岐の方々の不自由がないよう、できるだけの対応をしていかなきゃいけないと思っておりますが、隠岐の2つの広域病院に対しましては、県も助成を毎年行っておりますし、それから今後の課題ですけども、医療ヘリもあるわけでありますけども、そういうものの充実をどうしていくか、よく検討していきたいというふうに考えておりますけれども。

 

○NHK

 予算のことを、ちょっとニュアンスの確認をしたいんですが、選挙戦でもちらっと伺ったことがあるんですが、先ほどのお話をまとめると、既に相当厳しい歳出の削減努力を行っていると、これまでの施策を継続しながら。それだけでは減らないだろう、おのずと方向は出る。ただし急激な削減はできない、徐々にやっていきたい。そういうこと、多分公共事業の削減とか県職員の給与カットを念頭におっしゃっているのではないかと思うんですが、こうした努力を重ねつつ、さらに削減の努力を急激ではないけど行っていきたいと、そういうことなんでしょうか。

 

○溝口知事

 今のは私の発言ですか。

 

○NHK

 はい。

 

○溝口知事

 そこはやはり財政の赤字が中期的に増えないように、減るようにするための対策が必要だということでありますね。そこは削減のスピードの可能性とか、そういうものに対していろんな削減のやり方はありますけども、そういう選択肢の中でどういうスピードでいくか、どういうやり方でいくか、よく考え、多くの方々が理解される中で具体的な案を作成していこうということでありまして、具体的な中身は、県の方からこうですと言うよりも、まず一回議論をし、意見をよく聞いた上でそこに収れんするような議論をまとめていっていただきたいということであります。

 

○NHK

 県民としては、さらに痛みを伴うのであろうが激変は避けたいというのが知事の本音なのかどうか、多分そこだと思うんですが。

 

○溝口知事

 激変かどうかは、それは実際の中身によるだろうと思いますね。

 例えば非常に極端な例を言えば、毎年250億を超える赤字が続いている、それで続くだろうという中で、それを1年で、あるいは2年でやろうとすると、それは巨額の削減を強い、いろんな施策に影響が及びますわね。だから、1年ではなかなか無理でしょうと。そういうところを、どういう影響が出るか、それからどういう方策であれば皆さんの御理解も得られるか、そこら辺を議論の中で探り、最終点に到達するようにしていきたいということであります。だからある意味で、策はそうたくさんあるわけじゃありませんから、絵をかくだけなら簡単にといいますか、数字だけ並べるんであればできるわけですけども、その数字が実現できるかどうか、それについて皆さんが理解をし、やむを得ない措置だというふうに思ってくださるか、そういうところが焦点なわけですね、今、我々が直面している問題は。そういう面で、そういう意味で、なるべくいろんな意見を聞き、議論をし、その上で総合的な判断をしていくのが正しいやり方だろうというのが私の考えだというふうに御理解いただいたらよろしいかと思います。

 

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