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6月(第1回)定例記者会見(6月6日)

石見銀山遺跡に係る専門職員のパリ派遣について


■知事コメント 

 

 石見銀山の説得活動、働きかけがパリのユネスコ本部において行われております。これにつきまして文化庁の職員、それから島根県の職員、大田市の職員、専門家を派遣する予定でございます。7日、8日、あす、あさってでありますけども、パリのユネスコ日本政府代表部におきまして、近藤大使と一緒に技術的な詰めをしたり、説得の戦略といいますか、そういう相談をすることになっております。派遣者は文化庁が記念物課の本中真主任文化財調査官であります。島根県からは文化財課世界遺産登録推進室、足立克己企画幹であります。それから大田市は大国晴雄教育部長であります。

 

■質疑応答

 

○山陰中央新報

 石見銀山に関連してなんですが、この間、文化庁と島根県と大田市の方で追加情報の資料がまとまって、7日、8日で職員さんを派遣されるということなんですけれども、イコモスからの勧告以降、普遍的な価値に疑問があるということが広がっておって、県民の理解を得るためにも、こういうところでしっかり価値があるんだという、その情報を県民に対してもオープンにする必要があるかと思うんですが、知事のお考えを教えていただきたいんですけども。

 

○溝口知事

 イコモスから指摘があった大きな問題点の概要は、文化庁において既に発表しておられますし、5点ばかりあったわけですけども、その点が一番主要な問題ですが、それは前回の記者会見のときにも申し上げましたが、現地のサイト、現場で文化財としての保護地域の指定の範囲が狭いんではないかといった問題、これは拡大をするといったようなことが始まっておりますし、あるいは文化施設の保存の完全性、これは日本のような木造建築などの場合にはいろんな変更がありますから、そのままということはありませんけれども、昔の地図によると地割、昔はここに何があったというところはちゃんとしているといった説明。あるいは港湾についても、積み出し港についての問題等々についてもそうですし、それが現場の問題ですけども、もう一つは文献的に石見銀山の銀の生産、輸出が世界的に他の地域にどういう影響を及ぼしたかと、これは文献的に証明をしていくというか、しなきゃいかんわけですけども、文献が必ずしも十分でないといった問題点もあるので、そういう点もよく考慮して評価をする必要があるという主張もしていますし、それから石見銀山と似たような鉱山がアジアにもあるんではないかと、そういうものと比較してどうかといった問題、これも日本の方は石見銀山はかなりヨーロッパにも文献が残っておるわけですけども、ほかについてはそもそも文献がないので比較ができないといった問題があるわけですね。しかし、そういう問題についてできるだけの追加的な説明を文化庁、島根県、大田市と一緒になって準備をして、もう大体英文にも直して、かなり厚い紙でありますし、さらにそのサマリーをつくって近藤大使自身が説明をされるということでありますし、近藤大使はこちらに来られた後、パリへ帰られて、2度くらい私も電話でお話しすることがあって、既にいろんなユネスコの場におきまして説得、働きかけの話し合いを進めておられます。それから先ほど申し上げましたように、専門家も今度、文化庁、島根県、大田市と参りまして、近藤大使のところで一緒になりまして最終的な打ち合わせをし、さらに働きかけをするということになっておるわけです。

 

○山陰中央テレビ

 2度ほど近藤大使から連絡があったということなんですが、教えていただける範囲で、どういうことを報告をされたか。

 

○溝口知事

 1回目は先週でしたけども、パリへ帰りまして、既にいろんな代表団の人に会ったり、あるいは大使の公邸に招かれたり、あるいはランチをともにしながら話をやっていますということが先週の連絡でして、2回目は昨日ですけども、今度、専門家の人を派遣することになりまして、そういう対応をありがとうございますと、相談しながら、またやっていきますというお話でしたね。

 

○中国新聞

 関連なんですけれども、2点ほど、これまでの石見銀山の登録に向けた巻き返しに向けた動きが順調に来ているかどうかというふうに感じられているかどうかと、あと、どうも国の方が情報をとにかく外交があるからということで出さないように出さないようにしているように思えるんですが、そのあたりに対する知事の見解、もっと出せるものは出せないかというようなところでの思いというのはいかがでしょうか。

 

○溝口知事

 申請書は国からユネスコに出しておりますから、それから文化庁ということもあるかもしれませんが、ユネスコ自身も詳細な公表は、この会議がまだ終わっていないわけですから、なるべく差し控えてもらいたいという話もあったと聞いておりますから、そこはそういうルールに沿ってやっているんだろうというふうに思っております。

 他方で、何が問題になっているかという大きな問題は、さっきも申し上げましたが、大体5点でありまして、あとの細かいいろんな事実関係の問題なんかは指摘事項にも多分あるんだろうと思いますが、その部分は全体の構図の中からいえば二次的なものじゃないかと私も思っていますし、いずれにしてもユネスコのルールに沿ってやっているものだというふうに理解しておりますが。

 

○中国新聞

 順調に動きは進んでいると思われますか。

 

○溝口知事

 それは一生懸命働きかけをやっておられますから、私自身は登録の可能性がもう既になくなっているとか、そんな感じは全くありませんね。一生懸命やることによって進展があるというふうに思っております。

 

○山陰中央テレビ

 そういう意味では、今回、県からもパリに向かって直接の説得活動を7、8日で始めるということなんですが、それに関して具体的にどういったことを期待されますでしょうか。

 

○溝口知事

 もちろん近藤大使もこの前、銀山を見られて、そのときに専門家の人たちと話を聞きながらやっているわけですが、もう既に幾つかの代表団とは話をしたりやっておられるわけですね。そういう過程の中で、どういうところを追加したらいいかとか、あるいはどういうところに関心があるから、どういうところを補強したらいいか、そんなようなことで今回、改めて専門家を招かれたということでありますから、そういう意味で戦略をさらに、これまで行った働きかけをもとに新たな展開をしようというふうに思っておりますけど。

 


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