3月(第2回)定例記者会見(3月26日)
質問事項
5.大橋川改修事業について
○読売新聞
大橋川の改修のことでお伺いしたいんですが、先日、知事も出席されて尾原ダムの方で定礎式が行われまして、上流のダムと中流の放水路については数年内に順調に完成するという見込みになっているんですけれども、下流の方ではいろいろ拡幅に反対する意見も出てまして、合意形成が難しいような、事業化がめどが立たない状況なんですけど、この状況を知事はどのようにごらんになっていますか。
○溝口知事
やはり洪水の被害をどうやって守っていくかということが最も大きな課題なわけですね。そのために上流、中流、下流と必要と考えられる対応をしてきておるわけですね。それで、上流、中流の方は工事がその方向に向かって動いておりますから、結局下流の松江市の方々がまだ洪水の被害を受ける可能性から解放されてないわけですね。そういう意味で、洪水対策として何が必要かということをよく当局も説明をし、住民の方に理解をしていただく必要があると思いますが、その際、今出ている問題は、大きな問題としては2つぐらいあるんでしょうか、一つはやはり松江市の中心市街地を流れる河川の拡幅、改修ですから、まちの景観でありますとか、あるいはそこに住んでおられる方々に影響を及ぼすわけですね。そういう影響がどうなるのか、そのための対策はどうなるのかということをいろいろ議論をしていただいてるわけですね。その作業をやはり、住民の方々の意見もよく聞きながら対応をちゃんとしていく必要があると思います。それが一つの問題ですね。
もう一つは、拡幅に伴いまして水流が変わるわけですね。それによる環境への影響、宍道湖、中海、あるいは大橋川自身もそうですけども、そういういろんな影響を与えますから、そっちの方は国土交通省の方の環境評価の見通しが、評価書が出てきて、それに対してどういう対応をするかというのが文書の形で出ておりますから、それを今、関係市町村もよく検討しておられますし、住民の方々にも説明しているという状況ですね。我々県の方も、そういう議論を踏まえまして、県としても必要な意見を言っていくという段階にあるというのが現状だと思いますね。いずれにしても、できるだけ早く洪水の被害から解放されるようにしなければいけないというのが県の役割であり、任務であり、あるいは関係市町村の任務でありますから、それに向かって関係機関が協力して早く進行するように努力していくべきであるし、我々もそうしたいというのが私の考えであります。
○山陰中央テレビ
それで、以前も聞いたんですけれども、この中で問題になるのは松江大橋の話だと思うんですが、現計画でやると、どうしてもかけかえざるを得ないですよね。とはいえ住民団体から、現状の松江大橋を残してほしいという声が出ていると。この問題に知事はどういうふうに対処していこうと思われますか。
○溝口知事
松江大橋の話は、これも2つぐらい違う問題があると思いますね。違うといいますか、関連した問題が。一つはやはり伝統ある松江大橋の景観をどのように残していくかと。残すためには、そのまま残した方がいいということになるわけですけども、違ったやり方はないのかということですね。拡幅をして橋をつけかえても、今ある欄干だとか、そういうものをうまく活用するということは技術的に可能のようですから、そういうものでは景観という問題が解決できないのかという問題も検討しなきゃいけませんね。
それからもう一つは、橋をつけかえるということになりますと、工事期間がどうしても長くなるようですから、そうすると大橋川の橋詰めの近くにある方々は影響を受けるわけですね。特にビジネスをやられている方々には商売に影響があるわけですから、そういう人に対するそうした影響にどう対応できるかということですね。それもよく検討しなきゃいけませんね。
例えば工期を早くするような道はないのかとか、あるいは補償の問題もありますね、補償の話も前から出ているわけですけども、そういう問題についても適切なやり方はないのかということがありますし、私どもとしては、できるだけ住民の方々に大きな影響が及ばないような方法はないのかということもあわせ考えていきたいと思いますし、そういうことを事業者であります国に対し、国交省に対してもお願いしているところであります。
○山陰中央テレビ
知事の今、頭の中には、かけかえはやはりやらなければいけないということは、イコール拡幅はしなきゃいけないということでよろしいんですかね。
○溝口知事
何らかの形でしないと無理でしょうね。横に広げるか、底を深くするか、水量の問題ですから。
○山陰中央テレビ
そこで、底に深くするということは、今までやってらっしゃる......。
○溝口知事
あんまりないでしょうね。
○山陰中央テレビ
今やっている環境問題というのがすべてゼロになるという......。
○溝口知事
そうでしょう。だから、そういう問題もいろんな代替的な問題、手段も含めて、どういう影響が出るかということをちゃんとチェックして前に進めないといかんということですね。ただ、私もそういう技術的なとこまではまだわかりませんから。
○山陰中央テレビ
知事、今までの流れをすべて、初めて知事がおっしゃられたことは、今や進んでる環境調査というのは、国交省の現計画に基づいてやってるわけであって、仮に川底を深く掘り下げてしまうと、すべてが......。
○溝口知事
だから、それは要するに理論的な可能性としてはありますが、中の水量をふやさないとそこが障害になるわけでありますし、しかし、上に塀みたいなのを立てるんじゃあ、これはまた景観に影響があるというので、何らかの形で拡幅しなきゃいかんということでしょうね。そのときに大橋をどうするかというのは、残したままできるのかどうかという問題もあるでしょうしね。あるいはできないかもしれないし、そこら辺をさらによく、そういう可能性も含めてよく検討する必要があるということでしょうね。
あるいは景観ということであれば、違うやり方でつけかえても、同じような景観を保つことができるのか、あるいはそれで許容できるのかという問題ですね。そういう議論が、これからまだ十分できてませんから、そこら辺を一生懸命やっていくということだと思いますね。
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