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2月(第2回)定例記者会見(2月25日)

質問事項

1.竹島問題について

 

○山陰中央新報

 きょう韓国の新大統領が就任なされるということですけれども、先週、竹島の日がございましたように、日韓関係、いろんな問題の中の一つとして竹島問題というのもあろうかと思うんですけども、この辺、新大統領就任によってそういう期待とか、これに当たって、この竹島問題の進展に何か期待するようなことがございますでしょうか。

 

○溝口知事

 竹島の問題は、やはり関係の両国で外交的な話し合いを経ないと最終的には決着が難しいところでありますから、したがって、私どもとしては、日本の国内で理解が高まり、それから国民全般の支持も必要でありますね。他方で、交渉はやっぱり相手方があるわけでありまして、相手方がやはりそういう客観的な事実等に基づいて話をしましょうということにならないと解決が難しい問題ですから、そういう意味におきまして、韓国の新しい大統領は、日韓の外交関係を重視をしておられる発言をしておられますから、そういう意味で両国のまず首脳外交が緊密に行われていく、そういうことが大事ですね。我々もそういう方向になるように見守っていく必要がありますね。

 

 他方で、外交交渉というのはやっぱり国民全体の意向を受けて政府が行うものですから、韓国内ではまだそういう状況になっていませんからね。しかし、そういう動きが出てくるようにしないと、いつまでたっても話し合いができないわけでして、いずれにしても話し合いができるような環境をやっぱり両国で醸成していくということじゃないでしょうかね。だから、日本においては、やはり国民の方が必ずしも十分な知識と理解をお持ちにならないこともあるわけですから、啓発、それから知識を広める活動を我々としてはやっていかなきゃいけません。それから韓国に対しましても、そういう両国間の話し合いができるような対応をしてもらうように我々も努めていくと。両々相まって交渉というのが実現できるわけでありまして、そういう方向に向けて取り組みしなければならないというふうに思っています。

 

○山陰中央新報

 これが一朝一夕にすぐに進展するということはなかなか難しい状況ではありますけれども、新大統領、かなり日韓関係重視ということを意識的におっしゃっているようにも見えるんで、その辺の期待感というのは多少、難しい問題だということはあるんでしょうけど、この問題に対しての取り組みの姿勢というんですか、そういう意味での期待感というのはありますか。

 

○溝口知事

 それはリーダーがまずそういうお考えを持ちませんと、国民を代表するわけですから、そういう方がそういう考えに立つということは必須の条件ですね。しかし、それだけではなかなか進みませんね。やっぱりその背後にあるいろんな人々が思いを同じにするということになりませんと、外交の交渉というのは始まりませんし、できないわけですね。それで日本においても課題があると、先方においても大きな課題を抱えておられると。難しい状況にやっぱり両首脳はあるわけですね。

 

 

○読売新聞

 竹島の関連で、この解決には、知事がおっしゃるように国民の理解を深めてもらって、機運を盛り上げていくというのがまず第一歩だと思うんですが、これまでの3年間で取り組みを見ると、おおむね県内向きといいますか、外の関心を高めるような取り組みが不足していると思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 私は知事になる前は、そんなに竹島の問題についてたくさん知識を持っていたわけじゃありませんけども、知事になって感じますことは、やはり地道な研究の努力、歴史的な資料、文献を発掘して、その中でどちらの主張が適正といいますか、正しいのかという研究を随分なされて、特に一昨年、昨年と研究会が勉強されて研究報告をまとめられて、それなどを見ると、いろんな新しい事実が出てきておりますね。そういうものをもう少し日本の国内でもわかりやすくお話をしていく、啓発をしていくというのが大事だと思いますね。

 

 それから、韓国の方々にもそういう資料をよく見てもらう。そういう意味で、ウェブ上に竹島問題研究所というのをつくりまして、いろんな方が意見を言ったり、そこで議論ができるような場をつくったわけでありますけども、やはり政治的な交渉と同時に、客観的な、歴史的な事実を整理をしていく、考え方、見方を共有していくということが大事だろうと思いますね。

 

 やっぱり韓国の方々ともそういうベースでまず議論するようなことを模索する必要があると私は思っています。いきなり交渉ということは難しいですよね。だから、日本の国内でもそういう客観的な事実をよく理解してもらうように啓発をする。それから、領土問題が解決されないことによって、漁業者の方々とか、いろんな問題が生じているということも日本の国内ではよく理解をしてもらう。

 

 それから、韓国との関係では、やはり韓国の国民の方々は強い意見をお持ちで、そういう意見について、日本とのいろんな解釈が違う点が大きな問題として残っているわけですね。それについてやっぱり客観的に議論をするような努力を我々しなきゃいかんのじゃないかと思います。なかなかこれも難しいと思いますけども、しかし、そういう努力をしないと、糸口が出てきませんね。

 

 そういう意味で、私は近年のそういう文献の整理でありますとか、新たな資料の発掘というのを随分努力をされて、大きな成果を上げたと思っております。そういうものを専門家の方々は見られたりして、なるほどこういうことかというような理解が進むと少し違ってくるでしょうね。そのものを日本の国内あるいは韓国に対しても呼びかけるようなことをしたらいいんじゃないかと。ちょっとそのやり方についてはいろいろ検討もしなきゃいけませんけども基本的にそういう考え方を持っています。

 

○山陰中央テレビ

 非常に文献的には大きな研究ができた中で、よく言われているように、県民世論調査で竹島に対する関心が低くなっている現状がありますよね。それでWeb研究所でもいろいろ来年度に向けた方策なども考えていらっしゃるんですけれども、もうちょっと島根県頑張れだとか、予算を上積みしてほしいだとか、そういう意見が聞かれると思うんですが、ちょっと、来年度予算の予算案が出た段階でどうだと思うんですけれども、補正だったりとか、再来年度に向けてもうちょっと上積んでいきたいとか、今、現時点で知事はどういうふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 国にもお願いをして、竹島問題についての理解が進むように国としても窓口を設けてもらう、あるいは国も啓発の活動をやられる。そういう中で大事なことは、一つは、過去の歴史的な長い、昔からですけども、そういう問題をよく整理をして、そういうものをやっぱり客観的に見ていただく。それで、その上で韓国の方々とも議論をするというようなことが大事だろうと思いまして、そういう面で、どういうやり方がさらにあり得るのか研究をしていきたいと思います。

 

○山陰中央テレビ

 おひざ元の島根県からちょっと機運が盛り下がっていることに関しては、何か。世論調査の結果がすべてではないと思うんですけれども。

 

○溝口知事

 その世論調査のあれはありますが、私はやっぱり大事なことは、正しい理解をしていくということが基礎だろうと思いますね。そういう面をもう少しやっていくと。ウェブ上の竹島問題研究所の活動をさらに活発化するとかいうことですね。それから各地で講演会とか説明会を開くとかね。

 

○山陰中央テレビ

 とはいえ、ウェブ上は非常に専門家しかなかなか見ないところがありますよね。

 

○溝口知事

 だから、そこら辺をわかりやすくする工夫をしないといかんと思いますね。それはやはり正しく理解するためには、そういう報告書を読んだり文献を見たりしないとなかなかわからないところがありますから、なるべくそういうところをわかりやすくすると。

 

 もう一つは、韓国の方々にもそういうことを読んでもらうと。我々の主張をよく聞いてもらうと。それで、我々の方も韓国の人々の主張をよく聞いていくべきでしょうね。だから、そのためにはそういう話し合いの場が、研究者の間で話し合いの場なんかができていくということがその始まりじゃないかと思いますけどね。

 

○NHK

 韓国の方にわかっていただくためには交流も必要だと思うんですが、知事のこの間のあいさつでもありましたけれども、行政間で知事が直接あちらに行くとか、担当者レベルではなくて、もうちょっと積極的な交流再開とか、交流に向けてのアピールとか提案というのは、何か動きを考えておられますか。

 

○溝口知事

 だから、交流も幾つかパターンといいますか、タイプがあるわけですね。一番草の根的なものは、小学生とかあるいは高校生とかがやっておられますけれども、そういうのをやっていくということも大事ですね。それはやっぱり相互の国民が、みんな自分たちと同じような考えで同じような生活をしているというような一般的な認識がある程度大事ですよね。それは非常に広いバックグラウンド、両国の関係の親善のために大きな役割を果たすわけですけど、それはやっていかないといけませんし、それは今もやっています。それから経済交流もできるだけやっていかなきゃいけませんね。これもやろうとしているわけですね。韓国の方を島根に来てもらうような活動、これもさらにやっていかなきゃいけませんね。それから経済交流は民間レベルでも行われますけれども、そういうことがなるべく進むようなことをしなきゃいけませんね。

 

 それからもう一つは、竹島問題の専門家の方々の間で、やはり学術的な研究の上に立った意見交換をするというようなことをやらないといかんと思いますね。そういうものの方がおくれているような感じがしますね。

 

 ただ、竹島研究所をウェブ上に立ち上げましたから、これはどこからでもアクセスができますし、私もなるべく日本の資料は韓国語に、ちょっと時間かかりますけれども、翻訳するように指示をしておりまして、一部は韓国語にもなっていますけれども、韓国の方々の中でも日本語で研究できる方もおられると思いますけども、一般の方がやっぱり韓国語で我々の主張を知っていただく、それにアクセスができるといったようなことも大事な課題じゃないかと思っています。


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