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2月(第1回)定例記者会見(2月14日)

平成20年度当初予算案について


■知事コメント

 

 冒頭に、来年度の予算の概要につきまして御説明をし、もう一つ、小さい話ですけども、県のホームページをつくっておりますソフトウエアのプログラムをオープンソースにするということがあります。この2点を最初に説明いたします。

 

 予算の概要につきましては、資料で概略がわかるようにしておりますので、それをもとに説明いたしますが、20年度の予算は昨年に財政健全化のための作業をいろいろやってまいりまして、県民の方々の意見でありますとか改革推進会議の答申なども踏まえまして、健全化の基本方針というのを作成しまして、いわば財政運営の大枠について、大方の合意が得られまして、それに基づく最初の予算だということであります。それから、昨年は島根を活性化するための産業振興の戦略につきましても大きな枠組みを設定をすることができたわけでありまして、そういうものも今回の予算の中に織り込んでおるということでありまして、財政の健全化と島根の活性化のための、私が知事に就任して最初の予算だというような、これが基本的な性格だろうと考えております。

 

 概要に入りますけども、表をご覧いただきますと、平成20年度当初予算についてというのがあります。19年度当初と19年の6月補正後、それから今度の予算案が3つ並んでおりますね。当初予算は骨格予算でありましたから、今年度の実質的な当初予算は6月補正後ということがベースになると思います。それで、BとCを中心に見てまいりますと、まず予算の総額ですね、歳入歳出ともに同じですけども、来年度の当初予算としては5,012億円、前年に対しまして154億の減、伸び率にしますと3%の減であります。

 

 まず歳入の方から見ますと、県税収入は694億円で、前年の見通しと、予算と同じであります。それから2番目に交付税でありますが、これは臨時地方財政債を含むものでありますけども、実質的な交付税ということですが、これは2,041億円で、前年に対しまして30億円の増と。交付税の増加は、平成15年度以来、5年ぶりの島根県にとっては増額ということでありまして、これまで交付税が減少いたしまして、県の財政が非常に苦しくなる原因の一つでもあったわけでありますけども、昨年の暮れの政府の予算編成の過程で地方財政対策がとられまして、それに基づきまして、ほかの要因も若干変動要因もありますけども、ネットで30億円ふえるということになってるわけです。

 

 それから、県債が臨時財政特例債を除きまして427億円で、前年比36億円の減であります。これは、これまで公共事業等が減少してまいりまして、その財源を調達するための県債の発行が抑制をされてきているということが継続しているということです。

 

 それから国庫支出金は、これは見通しでありますが、若干の減でございます。

 歳入の主なところはそういうことでありますが、給与関係経費以下、歳出について見ますと、給与につきましては前年度比17億円の減、マイナス1.3%でございますが、実はこの中には昨年の財政健全化方針に基づきまして給与のベースを削減するということが行われておるわけでございますが、昨年というか、今年度も行われておりますけども、来年度もそれが織り込まれておるものでございますから、その分は対前年比ではマイナスになりませんけども、若干の増加がありますから、給与カットの増加をふやしておりますので若干の増はありますけども、主なものはそれ以外のものでして、昨年の秋の人事委員会の勧告によりまして期末・勤勉手当が削減になっております。0.2カ月分削減になっておりまして、これが来年度はフルに適用されるということで、この減などがありまして17億円の減と。

 

 それから、公債費は、県債の発行残高の減などによりまして減っておるわけであります。公債費の根っこにあります県債の残高は、20年度末には5年ぶりに1兆円を下回る見込みであります。9,995億円ぐらいに20年度末はなるだろうということであります。これも健全化に向けての影響が、効果が、過去の努力の結果、出てきておるということでありますね。

 

 それから、投資的経費は43億円、3.6%の減であります。このうち災害復旧の方が今のところ9億円の減ということでございますし、普通建設事業は34億円の減であります。シーリングもありますけども、今度の交付税の増加、あるいは県内の道路、あるいは河川等の維持補修が必要な部分がかなりありまして、安全・安心のためにそういうものを重視しようと、あるいは道路等の休止箇所がありますけども、そういうものもできる限り対応していこうということで、減少の幅は3.6%にとどまっておるということです。

 

 それから、扶助費は社会保障関係の経費でありますけども、老人医療制度が後期高齢者の制度に20年度から変わったりします。それから障害者自立支援の制度も19年度から変わっているわけでございますが、そういうことの影響もありまして、6億円の増、2%の増ということになっております。

 

 その他は、政策的経費等々でありますが、義務的なものもあります。この部分では、歳出の88億円の減でありますが、実はこの中にはそういう政策的に削減したというよりも、いろんな状況から、いわば傾向として減少が続いているものがございます。それが「除く制度融資等」でありますが、注にありますように、中小企業の制度融資貸付金というのがあります。中小企業が投資をしたりするために金融機関からお金を借りるときに、県が金融機関に対して預託をするということがあります。中小企業の資金需要が若干落ちておりますので、それが50億ぐらい減っておりまして、県から金融機関に預託する分がそのために減っているということでありまして、これは政策的な配慮というよりも、そういう実態に合わせた予算額の減が起こっておるということ。それから、公共事業等の抑制もありまして、用地の先行取得も若干、近年減る傾向にありまして、これがやはり10億円ぐらい減っておりまして、そういう特殊要因を除いたものが5の括弧の中にありますように、前年比20億円の減で2.2%の減ということで、こうした要素を除きまして、歳出全体を見ますと、一番下の括弧の欄でありますけども、20年度当初が4,541億円、前年が4,627億円で、86億円の減ということであります。実質1.9%ぐらいの減だろうということでございます。

 

 そうした結果、当初予算段階で収支改善を、この中期計画では大体95億円の収支改善を見込んでおりましたが、実際の予算案では98億円の改善ということになりまして、ほぼ中期計画で見通しておりました収支改善のペースに一応沿った予算になっておるということであります。

 

 その次のページをめくっていただきますと、活力あるしまねと、それからその次のページ、安心して暮らせるしまね、心豊かなしまね、この2つの主要な分野、政策目的についての主な事業が載っておりまして、最終ページには中山間地域対策、県民・民間団体の社会貢献活動の支援等、特に配慮をしておるものの大きな例を示しておるものであります。

 

 ちょっと付言をしますと、2ページ目の上は活力あるしまねということで、産業振興、雇用の確保等であります。最初のしまねのものづくり産業活性化プロジェクトは1億800万円になっております。これは皆増とありますが、もとにある予算を再編成したものでありますが、若干の増加を含めて1億800万円ということであります。アドバイザーをふやすとか、あるいは販路拡大を強化するということです。

 

 それから、IT産業振興につきましても、これは従来から申し上げておりますけども、IT人材を島根の地でふやすという、そうしたための予算であります。

 

 企業誘致体制の強化ということで、東京、大阪、広島等に民間の専門員を雇いまして、そういう人たちが会社回りをして企業誘致をするということをやってるわけですが、現在4名おりますが、これを6名ふやして10名にするということで、そのための体制のために経費をふやしているということであります。

 

 

 

 企業誘致につきましては、県庁の中でも県の職員自体をふやすということもやっておりますし、それにつきましてちょっと横にそれますが、若干付言をしますと、企業誘致につきましては、企業立地課の要員でありますとか、あるいは大阪事務所における要員、それから中小企業支援のための要員等、県職員もいろんな振りかえもありますけども、6人ぐらいふやす体制にしておると。それからさっき申し上げました専門員は民間の専門職員で、民間から雇う専門職員でありますけども、それをふやすということで、定員の削減は大体1,000人計画に基づいて20年度も実行を継続いたします。大体そのベースですと130人ぐらい減りますが、そういう中で産業振興のためには6名ふやしておると。その枠外でありますけども、民間の要員も6人ふやすというようなことであります。

 

 産業活性化のためのもう一つの要素といたしましては、これまで経営支援課と言っておりましたが、それを中小企業課という課名に変え、さらに中小企業の振興を重点的に行うスタッフも1名増加するというようなことも図っております。

 

 ソフトウエアのビジネスを島根の地で拡大をするということで、産業振興課内に情報産業振興室を設置をいたしまして、4名ぐらいの体制で活動を行っていくということで、組織面でもバックアップする体制を強化しておるということであります。

 

 それから、もとに戻りますと、企業誘致のための各種助成、それから地域産業人材の育成、これなどは去年、雇用推進会議などでいろいろ議論しましたが、県内にいい企業がたくさんあるんですけども、必ずしも県の大学生、高校生などが十分御存知でないとか、家庭の保護者の方も御存知ないとか、あるいは教育の現場も十分知らないということで、情報のある意味でミスマッチがあるということで、そこを解消するということで企業見学だとか、そんなようなことをやっていく新しい事業であります。

 

 農業等につきましては、これは、これまであるいろんな事業をまとめまして、総合補助金という使いやすい補助金にして、農林水産業、農山村、漁村の活性化を行っていこうということであります。

 

 3ページ目は建設産業の公共事業の減少に伴いまして、建設産業の異業種への進出を支援してきておりますが、これらにも500万円の増額を図っております。

 

 石見銀山の保全事業、あるいは石見銀山に来られる人の利便がよくなるようにいろんな対策をしておりますけども、約5,900万円の増加をしております。この中には説明に書いてありますように、地方自治法60周年記念の貨幣が来年、3県で発行され、北海道、京都、それで石見銀山遺跡が世界遺産登録された島根が出すということになっています。1,000円銀貨は、銀貨の額面よりも高い金額で発行される、売られるわけですね。政府に貨幣発行益が出ますので、その一部をその県のために交付をするという制度が新たにできまして、大体3,500万円ぐらい、国から県に予算が行きます。私どもとしては、石見銀山遺跡があって、この最初の発行県になったということでありますから、大田市の方に石見銀山関連の整備がいろいろ大変でありますから、特に環境が認められて、環境の保全ということを認められて石見銀山が世界遺産になったわけでして、大田市が石見銀山地区における環境保全のために使ってもらうと。特にバスがあの狭いところを回りますから、排ガスが出たりして住民の方もお困りでありますし、まさにそうした環境対策を十分やるということが石見銀山を保護するということにとって大切なことでありますから、そういうことのために使ってもらうということです。

 

 安心・安全で暮らせるしまねということにつきましては、障害者自立支援に向けた特別支援事業というのがあります。17、18、19年度と行ってまいりまして、3カ年の計画でございましたが、やはり自立支援の特別な対策、これ県の単独事業でありますが、実施を継続する必要があると私どもは判断し、さらに若干の増額をしております。障害者が、例えば地域で一緒になって生活をするといったケアホームでありますとかグループホームの整備計画というのが23年度までの計画として出ておりますけども、そういうものを前倒ししてやろうとか、そういったものに当てるということであります。

 

 それから、医師確保対策につきましても、奨学金でありますとか、あるいは診療科の偏在対策などで1,300万円ふやしております。

 

 それから、子育て支援ということでありますけども、従来、市町村が子育てのための支援を第3子以降、3歳未満の児童に対して行っているケースが多うございまして、それに対しましては、県も市町村と同額を支援するということでありましたが、3歳未満ではなくて、もう少し広げてやっているような、年齢を高くしているような場合には、この補助対象になっておりませんでして、そうした地方団体からは、もう少し柔軟に県の補助金を交付してほしいということがありまして、3歳未満以下、以上に対しても支援をしている場合でも、未満の分について支援をするというふうに制度を改善して、そのために増額をしているということであります。

 

 ドメスティック・バイオレンスの被害者の自立支援につきましても強化が必要だと判断をし、300万円の増額をしております。

 

 そのほか、次のページではいじめ・不登校対策事業についての増額。それから学校の生活に不適応な児童生徒に対しましては、自学教室を設置している学校があるわけですけども、そうしたところに非常勤講師を配置するといったこと、そういうサポート事業を新たに行うと。

 

 中山間地域の活性化を強化するということで、コミュニティーづくりでありますとか生活交通システム等について、市町村を通じて支援をするということで8,900万円の新規の事業を行うということにしております。

 

 地域貢献型集落営農の確保ですね、それについて6,000万円。あるいは道路、河川等の維持補修でありまして、側溝等が壊れてるとか、あるいは橋にクラックですね、ひびが入っておって危険だとか、そういう維持補修、あるいは河川に土砂が堆積して、これがいろんな悪影響を及ぼしている、そういうものを除去するということで、そういうものに対しまして9億円ぐらいの増加を図っておるということであります。

 

 最後のところは、中山間地域は先ほど申し上げたとおりでありますし、水と緑の森づくり事業につきましても、やや従来の仕組みではなかなか事業が進めにくいというところがありまして、もう少し森づくりがしやすいように、事業が促進するためにそういう仕組みを直しまして、それに応じまして金額をふやしておるということであります。

 

 鳥獣被害がいろんなところで問題になっておりますので、集落ぐるみで総合的な取り組みをされるようなところに対しましてモデル事業的に補助をするということであります。集落のリーダーを養成したり、あるいは緩衝地帯を設置したりするということであります。

 

 それから、4番目は、私がいろんなとこで言っておりますが、公的な部門と民間の経済活動の間に、この2つの領域が重なり合うところがあって、その領域が近年拡大をしておって、その領域の活動が活発になるということが島根の活性化にも大変重要な分野だということであります。特に県民いきいき活動促進事業が行われておりますが、1,200万円の増額をして、NPO法人でありますとか自治会、ボランティア団体等、多くの県民のユニークな発想や企画力を生かして、地域課題の解決や地域の活性化につながる公共性、公益性の高い活動を支援しようということであります。

 

 教育の面におきましても、学校と地域の協力ということが大変大事でありまして、多様な形態の学校支援のボランタリー活動を掘り起こすというようなことで8,000万円の新たな事業を行うということでございますが、これは国の事業を県が行うというものでございますけども、新規に当事業が組まれておるということであります。

 

 以上が予算の概略でございます。私どもの基本的な考え方を説明したところであります。

 

 〔資料

■質疑応答

 

○山陰中央新報

 新年度の当初予算ですけれども、まず予算編成そのものというのは、知事が活力あるしまねなど3つの分野を上げておられますですね。こういうところに力を入れようという部分で十分な対応ができたというふうにお考えかどうかということで、要は、この予算を編成するに当たって、満足度といいますか、自分なりの達成感というのはどういうふうにお持ちでしょうか。

 

○溝口知事

 十分かどうかというのは相対的なものでありますが、冒頭の予算のフレームにありますように、歳入の制約というのがありますから、その制約の枠内ではかなり、相当程度めり張りがついた予算になったではないかと思っております。それはやはり財政の健全化を行いながら活力あるしまねを築くための予算としては、そういう制約の中で相当配慮ができたと思っております。

 

 一つは、やはり活力あるしまねのためには産業の活性化ということを行わなければならないわけでありまして、それに対する予算はある程度確保し、あるいは人員もある程度強化できたと。実際の今度、来年度の予算の執行を見まして、さらにどうするかを考えていかなきゃいかん問題はたくさんあると思いますが、この制約の中ではそういうことだったということですし、それから安心・安全のためのしまねを築くとか、あるいは障害者の自立支援を継続するとか、あるいはDV対策を行うとか、あるいは、これは補正予算で行いますけども、エネルギー価格高騰に伴う影響を緩和するとか、いわばいろんな面で不自由を感じておられる方、あるいは社会的に弱い立場にある自立者の方、そういうものに対する支援もある程度資金を重点的に回すこともできたと思ってます。もちろん十分ではないと思いますね、個々にとってみますと。それは全体の制約があるからでありますけれども、今後も予算の、来年度の執行状況を見ながら、さらに検討していきたいというふうに思っております。

 

 

○山陰中央新報

 地方再生対策費、地方交付税の増の分ですけれども、実際には30億円ということだったと思うんですが、要はこの制度ができるというときに、知事は県民生活であるとか、やっぱりある種の財政的な備えであるとか、それから借金の返済を含む、いろんな選択肢を持っておられたかと思うんですけれども、最終的にこの30億円をやっぱり県民サービスに充てようということを決断されたと思うんですけど、この辺の心境の変化といいますか、判断といいますか、その辺はどういう思いだったんでしょうか。

 

○溝口知事

 それはやはり、いろんな人の意見も聞きませんといけませんね。あるいは状況の変化もありますから、そういうものを見ながら最終的に判断をしてるわけですが、ネットで増額した30億円については、先ほど申し上げたような活性化でありますとか、あるいは社会的にお困りな立場にある方々に対する支援であるとか、あるいは安心・安全な県民生活を実現するための道路、あるいは河川、あるいは橋梁ですね、そういうものの補修ですね、修繕、そうした身近なところの事業を拡大をしたということであります。

 

○山陰中央新報

 ここはやっぱり景気の面ですとか、例えば公共事業の削減による建設業界の厳しい状況とか、そういうある種県民生活のところへ配慮しようという......。

 

○溝口知事

 そういうものをもろもろ総合的に考えて決めたということですね。

 

○中国新聞

 関連して、この再生対策費そのものが知事のメリハリの部分とかカラーの部分というふうに重なるところが多いんですけども、仮定の話で恐縮ですけど、この対策費がなければ、どういう予算になっていたとお考えでいらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 そこは、はっきりは言えませんけども、予算の大きな枠組みとしては、基本方針で定めた一種のシーリングのようなものがあり、そのシーリングが全部をカバーしてるわけじゃありませんけども、例えばその中で経常経費は5%減ぐらいを予定してたわけですけども、そういうところでは修繕なんかではそれに該当するわけですけども、そういうものに対して手当てができるとか、あるいは自立支援などは3カ年の事業として、当初、できたときには19年度で終了するということでありましたが、6億円近いお金がこれまで投ぜられてきましたが、20年度は継続した上で増額をするというようなことをしたわけでありまして、そういうところにも、そういう施策も実現することができたと。

 

 あるいは産業振興などにつきましても、組織の充実でありますとか、あるいは専門調査員をふやすとか、そういうことにも充てることができたというふうに考えております。

 

○山陰中央テレビ

 関連なんですけれども、本当に仮定の話をして申しわけないんですが、財政健全化の基本方針をつくられたときに、この地方再生対策費というのは見込んでなかったわけですよね。参議院選挙を受けて出てきた話だと思うんですが、これがなかった場合、知事はやはり自分のカラーを出して、今、いわゆる30億円でメリハリをつけた部分を出そうと思われたのか、それともこれを全くやめてしまうのか、それとも何かほかのところを削ってでもやっぱりやろうとされたのか、仮に......。

 

○溝口知事

 いや、年末の前の段階で、私はある程度対策が打たれるだろうと、議会でもたしかお話はしてましたが、そういうものも見て、最終的に決めなきゃいかんと思っておりましたけども、実際に交付税の額が大体この程度になりそうだというのは1月のもう終わり近くでありますけども、予算編成の最終の調整の段階には間に合ったわけです。そういうことで、なかった場合にどうかというところまでは、はっきりしませんけども、いずれ年末の段階である程度増額されるだろうということがありまして、そういうものも念頭に入れながら、実質的にそういうものを考慮しながら、1月に入ってからも調整をしておりましたけども、そういう意味では、さっき申し上げたように、ここに書いてありますように、活力あるしまねを築くためだとか、安心して暮らせるしまね、あるいは心豊かなしまねの中で重点的に行った方がいいと、急を要するといったものを取り上げて予算の増額を図ったということです。

 

○山陰中央テレビ

 なかったことは考えなかったということでよろしいですか。

 

○溝口知事

 いや、だからある程度蓋然として、政府も一生懸命やっておられるし、我々の方も知事会等で、官邸などでも要望しましたし、それからいろんな情報を見ても、ある程度は実現されるだろうということはあったわけですね。しかし、幾らなのかというのは、これは、それがわかりませんと予算で組めませんからね。

 

○山陰中央テレビ

 それとあと、ちょっと来年度予算をネーミングするなら、一言でネーミングするなら何予算だというふうな、何かありますか。

 

○溝口知事

 ネーミングはあんまりあれしてないんですけども、ちょっと長いですけども、財政健全化と島根活性化のための初年度の予算と、こういうようなことでしょうね。

 

○山陰中央テレビ

 ちょっと何かそのまま......。

 

○溝口知事

 だからね、あんまり簡単なネーミングにはなかなかなりづらい、難しい状況を抱えているということですね。

 

○読売新聞

 知事にお伺いしたいんですけれども、この間、就任されてから、かなり県内あちこちに出かけられて、いろんな人との対話を直接されてるんですが、この予算編成に当たって、それがどういうところに生かされたかというのを、二、三、例を挙げて御説明いただきたいんですが。

 

○溝口知事

 例えば3ページの、一つは障害者の自立支援に向けた特別事業でありますけども、これは6億6,200万円ということで、前年に対して2,500万円ふえておるわけですね。当初の計画としては3年の計画でしたけども、これを継続するということでありまして、さらに額をふやすということですね。額の増加はグループホーム、ケアホームといった、集団で一緒に何人かが障害者の方が暮らせるようなホームをつくるというようなことがありまして、それを前倒しをしてつくるということがありますね。これなんかは現実にそういうものができますから目に見えると思います。それから第3子以降の保育料の軽減事業など、これは市町村の財政支援でありますけども、今まで県の補助基準に合わなかった市、松江市などがその一つの典型ですけども、そういうところにも支援のお金が行きますから、その分は今度、松江市の方で財源が助かるわけでありまして、それを活用して、またいろんな事業ができるだろうと思いますし、それから地域貢献ということでいえば、4ページにありますように、道路、河川等の維持補修費がふえておりますね。これは現実に側溝等、道路の維持補修が必要で、安全にも問題があるような箇所がいっぱいあるわけですね。あるいは橋梁などについても、ひびが入ったりするようなものがありますし、河川では土砂の堆積なんかがありますから、そういうものがこの予算の範囲内で増加してできるし、それからここにはありませんけども、あと道路の災害防除ですね、落石防止なんかの予算もふやしております。こういうものは、そういう危険箇所が予算の制約上、実施できないでいるようなところが実施に移せるといったことで、これも個別に出てくるでしょうね。どこが工事されるかというのは、これは執行の段階でまた、これから県内の整備事務所などの意見を踏まえて決めていくということですね。あるいは地域の住民の方の要望なども踏まえて決めていくということでありますが、そういうところにも出るでしょう。それからその上の学びのいきいきサポート、この学校不適応児童生徒のための非常勤講師の派遣なども、実際に非常勤の講師が派遣されますけども、これは国の事業として一緒にやるわけでありますけども、そういうところにも現実に非常勤の講師がふえるというようなことでわかると思います。それから5ページにありますように、県民いきいき活動促進ということで、これは6月補正のときに私が就任して既にふやしましたけども、それを超えてさらにふやすということですね。やはりこの部分で各地を回りますと、地域の婦人の方々、あるいは高齢者の方々、これは物をつくったりすることもやられますし、あるいは健康のための運動みたいなこともやられますし、あるいは最近では子供たちが登下校する際に自治会の人などが見守るという行動をやっていますし、各地でそういうあれがあります。あるいは防犯のための活動も随分盛んなわけでありますし、あるいは道路の清掃でありますとか、いろんな雑草を取るとか、環境を保護するというような活動もいろいろありまして、そういうところに、少額ですけども、支援のシードマネーを差し上げて、そういうものがモデル事業になっていくという効果、これは現実に見えるものだろうと思います。それから石見銀山の保全などにつきましても、先ほどの、特にあの地域を走るバスなどを環境に配慮した車両にかえていくということを、大田市もいろいろお考えですけども、3,500万円の交付金などもその目的のために使ってもらうということで、環境の改善といいますか、排ガス等々に対する対策などとしても出てくるだろうというふうに思いますし、それから産業振興、いろいろ人員の増加だとかやっておりますが、こういうものが、それはすぐにではないかと思いますけども、企業進出というような形で出てくるだろうというふうに思っております。

 

○中国新聞

 事務事業の見直しについてなんですけども、今回の、基本方針の初年度ということで、段階的に削減幅がふえていく4年間の最初ということで、そうなりますと、事務事業の見直しと行政の効率・スリム化というのが今後の削減の柱になろうかと思いますが、今回、見直しの内容を見ていると、従来の延長線上でしかないかなあという印象を受けるんですが、この先、もっと事務事業を大胆に見直すおつもりといいますか、どういう見直し方が逆に言えばいいのか、知事のお考えはいかがでいらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 一つは、非常に効率的にやるという、経費をできるだけ節減するという非常に地道な作業は継続していかなきゃいけませんね。今年度のそういう予算の中では、例えば庁舎の清掃の回数なんかも減らすというような、かなり地味なあれですけども、そういうことをやるとか、あるいは職員の福利厚生費の減なんかもありますが、そうしたものは地道でありますけども継続しなきゃいけんと思います。しかし、そういうところで大きな財源がどんと出るということはなかなかないわけでして、やはり事業そのものを見直すということでありますが、それはやはり必要度、緊要度を見てやっていくということですね。いろんなものの整備をするのにも、結局タイミングとかかわってるところがあるわけでして、やはり緊要度の高いものは早くしなきゃいけませんし、少し延ばせるものは、後になれば、また順番が回ってくるということがあるわけでして、未来永劫になくなるということじゃなくて、後になって整備をされるというようなものもありますから、それは財政の状況を見て調整をしていく。さらに今度は本当にやめるとかといったやつは、いろんな手法があると思いますね。民間にお任せするとか、あるいはもうここまで行政がしなくてもいいものがあるではないかというような検討をしなきゃいかんと思います。そういうものは順次やっていくほかないですね。一挙にはできません。そういう意味で、今後もさらに継続をしていくということですね。継続をするための大きな枠組みを一応設定してますから、その枠組みにはまるように、なるべくやっていくということですね。

 

 それから、ことし、今年度といいますか、来年度の地方財政対策にありましたように、やはり国の地方に対する対策をさらに充実してもらうように、国に対して要望していくということですね。そういう意味におきましては、道路特定財源の問題なんていうのは非常に大事なことでありまして、この予算は道路特定財源、暫定税率が維持されるという前提でできておりますから、これがなくなりますと、たしか200億ぐらいの影響が出るわけですね。

 

○島根日日新聞

 県税収入なんですけども、これが今年度と比べてほぼ横ばい。財政健全化基本方針の見込みより14億円少ないと。

 

○溝口知事

 そうですね。

 

○島根日日新聞

 最終年度の平成23年度になると760億円ぐらいの県税収入を見込んでますけど、島根県は人口も減っていってますし、日本の経済の先行きもなかなか不透明な面もある。今後、県税収入が伸びる余地というのがなかなか考えにくいんですけれども、この見通しについては、ちょっとやや甘いんではないかなあというふうに感じるんですけども。

 

○溝口知事

 今年度の決算もまだ出てませんから、今年度の決算の状況、それから来年度に入っての動き、それから世界経済の動きなどもよく見た上で、また中期の見通しを見直す作業を毎年やることになっておりますので、そういう過程でよく研究して、大体例年、秋ぐらいでありますけども、経済情勢の変化でありますとか、あるいは国の政策の変更等に伴うものなども織り込んで見直していきます、そこは。例えばその結果、今のままでやると財政の収支の赤字が悪くなるというようなことがあれば、やはり改善の努力をさらに強化しなきゃいかんということになりますし、あるいは逆に改善するというんであれば、今、収支が大体均衡する、給与の特例減額なしで均衡するためには10年ぐらいかかると言ってるわけですが、改善するというんであれば、それが今後少し早く改善するというような絵も描けるでしょうし、そういう状況を見ながら調整をしていくということであります。そうしないと現実的な指針になりませんからね。

 

○山陰中央新報

 今回の予算は、先ほどメリハリというのができたというふうにおっしゃったのは、そこの30億円の部分についてのところかなあと思って聞いたんですけれども、20年ぶりに知事が交代して、県民の期待というところも、大胆な政策転換といいますか、そういうものがメッセージとして、やっぱり実感できるということをある種期待したと思うんですけれども、何かこう見ると、メリハリというよりもバランスの方を重視されたというような感じにも受けるんですけれども、そういう先に、議会などでもよく声が出ているんですけど、要はこの島根県がこれから何を目指していくのか、どういう糧といいますか、そういうものでやっていくのか、その辺が見えにくいという声というのがずっとあると思うんですけれども......。

 

○溝口知事

 それは、予算は一部ですからね、この経済の活動に与える影響だとか、あるいはそういう意味では経済全体の中で見なきゃいかんわけでして、そこは前から申し上げておりますように、総合発展計画というのをずっと財政健全化、産業振興と並行してやってきておりまして、それは議会審議に間に合うように、来週には答申の案が出ますから、議会での審議の際にもそういうものについても議論をいただきたいと思いますし、県民の方々にもそれをお示しをして、ホームページ等で御意見ももらうということです。

 

 それは、予算は公的なセクターの部分ですから、それですべて経済を動かしているわけじゃないんで、経済はやはり民間の工夫でありますとか、あるいは民間の活動でありますとか、あるいはさっき申し上げましたように中間の領域ですね、そういうところの活動がするということは大きく影響するわけでして、そういう面からいいますと、やはり活力あるしまねを築いていくということでありまして、県はその後押しをするということですね。それで私が常々言ってますのは、島根は島根らしい発展が可能だろうと。それは島根が持つアドバンテージがあるからだということですね。一つは豊かな自然があり、山林あり、田園あり、河川あり、海あり。そういうとこでやはり農林水産業が活性化していくと。そのためにはいろんな工夫が要りますね。やはり拡大するのは都市のマーケットですから、大都市の人々が選好するようなものをつくっていく、そのための販路の拡大の支援をするとか、あるいは新しい品種改良をして、それは県なんかの試験場なんかも手伝いをしますが、それで新しいものをつくっていく。それから観光資源ですね、歴史、文化が各地にあるわけですね。石見銀山もその一つでありまして、長い間埋もれてたわけですけども、地元の人たちがあれを掘り起こして表に出されて、その効果が出てるわけでありまして、そういうものをやっぱり掘り起こしていくということがありますね。それも県などが支援をするということもあるわけですね。石見銀山の場合ですと、発掘をして、そういう、あるいは研究をするといったようなこともあります。

 

 もう一つは製造業、ものづくり産業がこの地でかなりの集積があるわけですね。それは安来から出雲にかけての地域ですけども、製造業の集積があり、特に安来近辺は金属加工ということでかなり集積がありますから、そこら辺になりますと、もうみずからのビジネスとして拡大をしておりますね。それから出雲、雲南にかけましては電子産業もあるわけですね。そういうところの企業誘致ということを、県はそういうところで活性化を図ろうとしているわけですね。

 

 そういう企業誘致ということで見れば、従来はやはり大きな平地が必要だったんですけども、最近の産業というのはソフトビジネスでありますとか、あるいは非常に小さい部品をつくるといったようなことで、大事なのは平たい土地じゃなくて、まじめに働く人々だというような時代になってきておるんですね。特に大都市の技術を持った中小企業などは、大都市でそういうまじめに働いて技術を継承する人を育てるというのが非常に難しくなってて、そういう面で地方に立地をしようと。あるいは大都市近辺で集積をし過ぎているんで、その分散をしようと。そういう意味では、その集積がまだ起こってない島根などは、そういう候補地になるわけでして、そういう面で誘致をするということも可能なので、それをしていこうと。そういうことが島根全体の将来の形づくるわけでありまして、そういうものは総合発展計画の中にいろいろな考え方を整理して載せておるということです。それもよく県民の皆さんにもお示しをし、議会でも議論をしてもらおうと。そういう中で足らない部分があって、こういうところをもう少し重視したらいいというようなことが、これまた出てくるでしょうから、そういうものも参考にしながら、次のステップで考慮していくというふうに考えていますけど。

 

○山陰中央新報

 今のおっしゃり方の中でも、やっぱり県が、都市部に比べると島根県というのは県の存在というのが大きいんですよね。やっぱり東京における東京都と島根県における島根県というのは、この存在意義というのは全然違うと思う。そこの意味で、県知事を先頭に県が果たすべき役割というのが相対的にやっぱり非常に大きいし、そこの動きいかんというのがやっぱり県民生活にかなり直結してる部分が大きいという意味で、今回の予算というのが、じゃあ今までとどこが違ったんだろうといったときに、逆にバランスというところがやっぱり知事の中にあるのか、要は大胆な、もう少し部局も含めて、そういうシェアを大胆に見直していくというようなメッセージというのが出せなかったのかなというふうに感じるところがあるんですけど。

 

○溝口知事

 それはこれからさらに強化をしてやっていかなきゃいかんということですね。振り返りますと、やはり大枠というのがないと、いろんなことが、それに照らしてどうだということが議論できないわけですから、昨年までの段階では、この大枠を一応、いわゆるそれも合意がある程度なりませんと、自分だけの考えでこうだとつくっても役に立たないわけで、やっぱり各界の意見などもよくお聞きして、それを集約して、もちろん同じものにはならないわけですけども、集約して、ほぼこういう方向でいこうかなというのができたということじゃないかと思いますね。それが財政の健全化であり、産業振興ですね、そういうものが今度の予算の中にかなり反映されてきた。それから総合発展計画の中で、さらに活力あるしまねのためにいろんなことが計画され、施策も展開されているわけですけども、またそういうものをベースに進めていくということであります。

 

○朝日新聞

 その収支改善のための第一歩ということで、今回は結局、特に事務事業について、どういう部分をカットされたのか、それをカットするに当たっては、結局どういうふうなお考えでやられたのかというとこを、ちょっと詳しくお伺いしたいんですけど。

 

○溝口知事

 それは、基本方針でも申し上げましたが、経費の中の3分の1が人件費で、3分の1が公債費で、それから残り3分の1も扶助費といった義務的経費が多いわけですから、政策的に縮減とかができる部分というのはそう多くないわけです。しかし、人件費も少し長い目で見れば、それは調整が可能なわけですね。定員の削減計画というのを実行してますから、効果は徐々に出ていくということですね。それからいろんな経費の削減もそうですね。それから政策的経費については、各部、各課で工夫をしてもらうためにも、ある程度一律な手法で制約をかけて、その制約の中で各課、各部で工夫をして、全体は、小口の事業は、例えば10%減少の枠をもらうけども、その中で必要なものは各部、各課で5%にして、ほかをもっと削減するというようなことを通じて工夫がきいてくるわけですね。今度はそれが部長の段階に上がり、あるいは私の段階に上がってきたときに、さらに全体的に部を超えて調整をしておるという形で事務事業の削減もできておる、なっておりますし、あるいは定員、それから定員に関連する組織の変更なども、そうしたプロセスを通じてなされてきておりまして、事務事業の見直し、今は健全化の方策として事務事業の見直しとしては、例えば80億円ぐらいの削減がなされているわけですね。給与の特例減額の継続、上乗せで65億円ぐらいありますし、人事委員会勧告の期末手当の減少でありますとか内部管理費等の減少、これがかなり大きな、中期見通しと比べれば、してますし、事務事業でいえば、一般施策経費を15%減、経常経費等の減ですね、そういうことをやってきておるということです。

 

○朝日新聞

 人件費や、それから執行段階の節減というのは、ある程度今後も見通しが立ってる部分だと思うんです。それ以外の事務事業の見直しで、今回14億円ぐらい削られてる。そこがいわば県民の生活とつながってくるような部分になると思うんですけども、その14億円というのは、今回、どういうふうな視点で、こことここを減らそうというふうに決められたのかというのと......。

 

○溝口知事

 それは、やっぱり個別の事業の効果等を個別に判断をして、評価をしてやってまいりましたね。

 

○朝日新聞

 具体的にこういう部分に配慮してやったとか、この部分は自分として政策的な判断の中で削らざるを得ないと思って削ったとか、何かそういうふうなお考えというのがあれば、お伺いしたいんですけど。

 

○溝口知事

 それは、例えばモデル事業的にいろんな市町村を通じてやるなんていうようなことがありますが、それは直接には奨励的な意味合いが強いものですから、そういうものは事業を県としてはやめるというようなことはありますね。そういうものはしかし、直ちに県民の生活には直結はしないわけでありますけども、私としては、やはり県民の生活に直結するようなところと、あるいは社会的に弱い立場にある人々に対する施策が不足しているようなところ、そういうところには重点的に資金が回るようにしたということですね。だから、そのためにはそれ以外のところである程度薄く削減をしていくということも行ったわけですね。

 

○山陰中央新報

 今回の知事の初めての編成の予算ということだったわけですけれども、やっぱり一つは予算的な制約がかなり厳しい、これが10年前の知事であれば、ドンと施設もつくって派手見せもできたというところもあるんではないかと思うんですけど、この厳しい時期に知事を引き受けて予算編成をしてみて、やっぱり厳しさというのを実感されたんじゃないかと思うんですけれども、県の財政と、そういう意味での今の時期に知事をやることになって、その辺、知事は今どういうふうにお考えなのかなというふうに思うんですけど。

 

○溝口知事

 私も大蔵省にいるころ、予算はやりましたけども、僕らの時代ぐらいから、大体予算というのは厳しい制約の中でやるという感じですね。余り、特に国の方はやはり赤字国債がどんどんふえていく状況で、いつも財政を厳しくするという、それで事務事業を見直すということをやってますから、そう私自身にとっては、いわば通常の予算編成というような感じですよね。こんなものが長く続いているわけですね。だから、それは一朝一夕にはなかなか解決しないんで、地道にやっていくほかないというのが私の考え方ですね。

 

 やっぱり島根自身の経済も、人口が減るとか、難しい状況にあるわけですから、そういうところになるべく過激な影響が出ないようにやっていくということも大事なことですね。

 

 それから、みんなが厳しいわけですね。どこかが非常にいいということじゃ必ずしもないわけですから、そういう意味で、そういう影響度などについても、やっぱり弱い立場にある人たちに大きな影響を及ぼさないというのも一つの柱ですね。そういう意味で、日本全体、この島根県に限らず大きな目で見れば、公的部門の活動を見直すというのをずうっと継続してるわけですね。

 

○日本経済新聞

 県債残高についてなんですけれども、平成20年度でようやく1兆円を切ることにはなったわけですけども、まだ同規模の自治体に比べれば高いということで、厳しい財政の中で繰り上げ償還もまだしていかなきゃいけないのかなと思うんですが、このあたり、県債の残高水準について、知事のお考えを改めてお聞かせいただけますか。

 

○溝口知事

 財政などで見通しよりも節約が多くなるとか、執行の段階で、あるいは歳入が予想以上にふえるといったようなことがあれば、やはり債務を減らしていくということも一つの財源の使い方として考えていかなきゃいけませんね。やはりその一方で、県民あるいは県経済に対する影響も考えていくということですね。そういう意味ではバランスとおっしゃったけども、そういう横のバランスはよく考えないといけませんね。

 

 それから、結局いろんなことを急激にやると、やっぱり後で反動が来ますから、国の政策の変換もありますが、おくれた公共施設の充実、大事な課題をやって、一方、経済の状況が悪くなると削減をしなきゃいかんということになると、やっぱり安定的な財政運営というのは、私は県民にとっても大事なことだろうと考えておりますね。

 

○日本経済新聞

 約1兆円という数字については、必ずしも高過ぎないということなんでしょうか。

 

○溝口知事

 今のところ初年度でありますけども、健全化の大きな枠組みの中に沿ってやれてるわけですよ。沿ってやれるということは、県債残高が徐々に減っていくということですね。それから公債費も徐々に減っていくということですから、軌道に乗っているということですね。だから、それを毎年毎年チェックしていくということですね。

 

○山陰中央新報

 産業活性化、産業振興のことで、予算でちょっとお聞きしたいんですけども、これまで、このしまねのものづくり産業活性化プロジェクトの前身の競争力強化プロジェクトというのと新産業創出プロジェクトの両輪でこれまでやってこようということになってたと思うんですが、もちろん新産業創出プロジェクトもこのまま継続で、ことし3億ぐらい予算は計上されてるんですけれども、今回、企業誘致にすごい力を、てこ入れ度がちょっと目立つというか、そういうふうにされたというのは、何かねらいがあるのかというのがちょっと知りたい......。企業誘致に結構力を入れられるのは、地場産業の育成とともに、島根の産業をどうしていくかといったときに、地場産業の育成と、もう一つ企業誘致で活性化を図っていくんだというふうな、そういった方向性が......。

 

○溝口知事

 両方強化しなきゃいかんだろうと。

 

○山陰中央新報

 その両輪でやるということになる、大きくコーディネート......。

 

○溝口知事

 誘致をするし、地場の産業の支援も行うと。あるいは販路の拡大も行う。あらゆることをやっていこうということですね。

 

 誘致の方は、やはり企業を回りませんと、いわば取っかかりがあって、先方がどういうことをして、関心があるところに回らないと、なかなかないところに行っても効果は上がらないわけでして、そのためにはやっぱり足で回る人をふやす必要があるということで、そこをふやしてみようということですね。

 

○島根日日新聞

 補正段階で50億円程度の収支改善を今後ともやっていくようなんですけど、それで知事のお考えなり意気込みなり、どういったところを削っていくとか、そういうことをお教えいただきたいんですけど。

 

○溝口知事

 まだ私のところにも上がってきてませんので具体的なことは言えませんけども、例年、節約だとか不用とかがあって、一定の財源は出てきますけども、もう年度末でありますし、それから先ほど申し上げましたように県債をやっぱり減らしていくということは早く財政の再建につながるわけですから、そういうことも考えて、適切な対応をしたいと思いますし、若干補正要因で、6月補正の後、必要なものもありますから、そういうものにも充てていくということになろうと思いますが、まだ詳細といいますか、具体的なとこまで申し上げれる段階にありません。


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