平成18(2006)年
1.平成18年豪雪・平成18年7月豪雨
- 平成17年12月中旬から平成18年1月にかけて降り続いた大雪により、死者2名などの人的被害のほか、農林被害などの被害総額は約6億円におよんだ。
- また、7月の大雨により、死者・行方不明者5名という人的被害のほか、公共土木施設や農作物等の農林被害などの被害総額は約365億円におよんだ。
- 県では、危険箇所の警戒や、住民の救助、施設の応急復旧、被災者支援などの対策を講じるとともに、災害復旧のために必要な事業費などを補正予算措置した。
2.澄田知事今期限りでの引退表明
- 澄田知事は、11月27日に開かれた県議会において、来春の知事選挙に出馬しないことを表明した。
- 昭和62年4月に就任し、島根県では最長となる5期20年、県政運営を担った。この間、「県民本意・地域主体」を基本理念とし、宍道湖・中海の干拓・淡水化問題や社会生活基盤の整備などに全力をあげた。
3.新隠岐空港開港・ジェット機就航
- 2000メートル滑走路を備えた新空港が7月6日開港し、8月31日までの約2ヶ月間、隠岐空港と大阪伊丹空港間に念願のジェット機が就航した。期間中には、多くの方にご利用いただき、利用者数は延べ約1万6千人、利用率は87.8%となった。
- 今後もジェット便運航など航空路線の充実により交流人口の拡大を図り、観光を中心とする隠岐の地域振興につなげていく。
4.全国知事会議の開催
- 全国知事会議が、今年7月に松江市で開催された。各都道府県知事が一堂に会し、今後の地方分権改革の進め方などについて、真摯な議論を交わした。
- 「地方分権推進・一括法」の制定や、「地方行財政会議」の設置に向けた働きかけなど、地方分権第2期改革の基本戦略について合意が得られた。また、全国知事会として「竹島問題に関する緊急声明」が採択されたことは、大きな成果であった。
5.プルサーマル計画に対する基本了解
- 平成17年9月に中国電力から島根原子力発電所2号機でのプルサーマル計画について、安全協定に基づく事前了解の申し入れがあった。
- これに対し、有識者で構成する「プルトニウム混合燃料に関する懇談会」での議論や専門家の意見を踏まえて、慎重に検討を行った結果、10月23日に基本了解する旨の回答を中国電力に対して行った。
6.高速道路ネットワークの着実な延伸宍道〜斐川間開通など
- 山陰自動車道(宍道JCT〜斐川IC間)が11月25日に開通した。
- さらに、国道9号多伎朝山道路も今年度より事業着手となり、高速道路網の整備が推進されることとなった。
7.初めての「竹島の日」と広がる輪
- 2月22日に、「竹島の日を定める条例」が施行されて初めての「竹島の日」を迎え、県議会、竹島・北方領土返還要求島根県民会議とともに「竹島の日の集い」を開催した。
- 衆参両院で「竹島の領土権の早期確立に関する請願」が採択されるなど、竹島問題への関心は飛躍的に高まり、条例制定の目的である国民世論の喚起という点で大きな成果をあげるとともに、歴史に新しい1ページを刻むこととなった。
8.医師確保に向けた取り組みの強化
- 離島や中山間地域で、また、産婦人科、麻酔科、精神科などの特定の診療科で、勤務医師の不足が深刻化。
- 県では、今年度から「医師確保対策室」を設置し、即戦力となる医師の確保とともに、地域の医療を担う医師を養成する取り組みを強化。
- 隠岐病院の産婦人科については、県外から医師に赴任いただき、また県立中央病院から医師を派遣することにより、出産を再開することができたが、引き続き医師の確保に努めていく必要がある。
(写真提供/山陰中央新報)
9.全国最大規模の漁協「漁業協同組合JFしまね」が誕生
- 1月1日に20沿海漁協が合併し、全国最大規模の漁協「漁業協同組合JFしまね」が誕生した。
- JFしまねの誕生により、水産業の健全な発展を担う漁協の経営基盤が強化され、流通対策や就業者確保などの課題に対して、組織的な取り組みが一層促進されることとなった。
10.「島根県がん対策推進条例」の制定
- 9月定例県議会において議員提案により、全国で初めてがん対策を目的とした「島根県がん対策推進条例」が成立した。
- がん対策基本法の施行を前に、本県における質の高いがん医療の実現とがんの予防および早期発見のため、医療機関や行政等が一体となって施策を推進するとともに、がん患者や家族等の活動を支援し、県民が安心してがん医療を受けることが出来るよう、がん対策の一層の充実を目指すこととしている。
(写真提供/山陰中央新報)
番外.島根発新産業・事業化へ
- 5つのテーマで研究開発に取り組んでいる「新産業創出プロジェクト」について、開始から3年が経過した。
- 各プロジェクトについて順調な成果をあげているが、特に「プラズマ利用技術開発」「バーチャルリアリティ技術開発」「健康食品産業の創出」については、今年、事業化の段階まで進展し、開発した商品の全国展開など数々の成果をあげた。
番外.高等学校における必修科目の未履修問題
- 今年の10月末に全国的に明らかになった高等学校における必修科目の未履修問題が、本県においても判明した。
- 教育委員会において生徒の負担軽減等の措置の検討がなされ、現在、未履修が判明した県立高等学校においては、3年生の補充授業等が行われている。
しまね子育て応援パスポート事業‘Coccolo(こっころ)'スタート!
- 7月から、子育てを社会全体で応援する気運醸成を目的として、県と県内全市町村の共同事業である「しまね子育て応援パスポート事業‘Coccolo'(こっころ)」がスタートした。
- 県内の子育て家庭・企業から好評を得ており、全国的にも注目を集めた。
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