島根総合計画■第2章時代の動きと基本認識
新しい世紀の基本認識
21世紀は、人々が地域社会のかけがえのない一員として地球社会の持続的発展のために貢献することが求められています。時代の動きを「社会と個人」との関わり方や役割を通して描きます。
変革の時代
普遍的な価値観やルールによる国際的なシステムのもとで経済活動のボーダレス化が進み、異なる価値・存在を認め合い多様な地域や民族が共生していくことが求められます。
<社会は>新しい社会経済システムを構築する時代
<個人は>異なる価値・存在を認め合う時代
ITの進展と経済社会の動き
IT(情報通信技術)の飛躍的進歩は世界的規模の情報ネットワークを形成し、国境を越えた地域間・企業間競争を一層激化させます。また、産業・企業間の労働移動や多様な雇用・就業形態を生み、地域での新しいビジネスチャンスを創出します。
<社会は>競争力のある産業集積や新しいビジネスが創出される時代
<個人は>自分のライフスタイルに合わせ能力を発揮して働く時代
少子高齢化の進展
子どもを生む世代が減少する中で、多様な生き方の選択、子育てへの不安や負担感の増大等により少子化が一層進行します。また、いわゆる団塊の世代が高齢期を迎え平成26年(2014年)には4人に1人が高齢者になるなど、本格的な高齢社会を迎えます。
<社会は>地域全体での子育て支援など住民が相互に支えあう時代
<個人は>年齢に関わりなく積極的に社会参加する時代
環境問題への対応と自然との共生
資源を浪費し、大量の廃棄物を生む20世紀型経済社会システムは、地域や世代を超えた環境問題を引き起こしました。かけがえのない地球環境の中で、一人ひとりが環境問題に取り組み、多様な生物と共生し、恵み豊かな環境を将来へと引き継ぐ責務を負っています。
<社会は>将来にわたり恵み豊かな環境を次の世代へ引き継ぐ時代
<個人は>「地球市民」として地球環境問題に取り組む時代
新しい時代の地域づくり
地方分権の進展により、自己決定・自己責任の原則に基づく、行政、住民、企業、NPOなど多様な主体の協働による地域づくりが求められます。どの地域も等しく画一的な基盤整備のみを行うことが困難な中で、地域の将来を住民自ら考え、地域資源を活用して地域の魅力を高め、その補完・連携を進めることが求められます。
<社会は>魅力ある地域が相互に補完・連携していく時代
<個人は>魅力ある地域づくりに住民自ら主体的に取り組む時代
島根県の現状と課題
新しい時代の地域づくり
〔現状〕
- 経済のグローバル化、景気の低迷等による厳しい企業の経営環境
- 産地間競争の激化や担い手不足など長期低迷の続く農林水産業
- 公共事業の縮減が続く建設業
〔課題〕
- 地域経済を活性化し雇用の場の創出を図るため、新産業の創出、既存企業等の強化・拡大、企業誘致などを総合的に進めるとともに、地域資源を有効に利用し地域のニーズに応じた商品・サービスを提供する域内経済循環の活性化
県民生活の現状と課題
〔現状〕
- 凶悪・悪質犯罪などの増加による治安の悪化
- BSEや鳥インフルエンザなどの発生、産地の偽装表示など「食の安全」に対する不安・不信の拡大
- 医師確保や医療提供体制における地域間格差の解消など急がれる医療
- 加速化する少子高齢化
〔課題〕
- 犯罪の発生しにくい環境づくりの推進
- 健康危機管理体制の充実、食の安全の確保
- 安心して必要な医療が受けられる医療体制の整備
- 社会全体で子育てを支える「子育ての社会化」の実現、生涯を通じた健康づくりの取り組みと中高年が活躍できる社会システムの構築
生活環境の現状と課題
〔現状〕
- 廃棄物の排出量の増加、地球温暖化など地球規模の環境問題の発生
- 豊かな自然と多様な生態系、全国に誇りうる豊かな歴史・文化の存在
- 日常生活面での利便性・機能性向上へのニーズの高まり
〔課題〕
- 環境への負荷の少ない持続可能な循環型社会の実現
- 豊かな自然の恵みを享受できる環境の保全
- 全国に誇りうる文化資源を活用した新しい文化の創造や地域づくり
- 生活交通網の確保など快適で便利な暮らしの実現
子どもたちの教育の現状と課題
〔現状〕
- 学校教育では、学力低下への懸念、いじめ問題、不登校児童生徒の増加
- 家庭の教育力、地域の教育力の低下
- 非行少年、不良行為少年数の増加
〔課題〕
- 学校・家庭・地域社会がそれぞれの役割を果たしながら一体となった取り組み
- 子ども達の健全な育成を図るため専門家や関係機関等が連携した取り組み
交流、連携基盤の現状と課題
〔現状〕
- 大都市部との交流や地域間の連携促進による地域経済の活性化等に必要な高速道路の供用率が低い
- 県内全域でブロードバンドを利用できる全国屈指の情報通信環境を着実に実現
〔課題〕
- 地域に適合した整備手法による山陰道や尾道松江線の早期完成が喫緊の課題
- 急速に進展する「IT革命」に対応できる基盤の整備と県民生活や産業活動におけるIT利活用の促進
本県の財政状況
〔現状〕
- 一般財源約3千億円のうち2/3を人件費と県債償還金が占める柔軟性に乏しい歳出構造
- 国・県を通した財政構造改革の中で、毎年度の不足財源が400億円を超え、このままでは財政再建団体に陥る危機的な状況
〔課題〕
- 人件費総額の一層の圧縮を始め、行財政のあり方の徹底した見直しによる事業の厳選など、県行政全般にわたる徹底した改革が急務
島根発展計画■第3章基本目標と政策の基本方向
本県のめざすべき将来像を『自立的に発展できる快適で活力のある島根』として掲げ、この実現を基本目標とします。
政策5本の柱
政策の柱1
活力と働きの場を生み出す産業が力強く発展する島根の国造り
- 地域産業は、地域が持続的に発展していくための原動力となるものです。新たな産業の創出など地域経済の活性化や就業機会の増加をもたらす産業振興を進めます。
政策の柱2
それぞれの地域で安全安心な生活ができる島根の国造り
災害等に備えるとともに、良好な治安を確保し、人々が共に支え合い一人ひとりが住み慣れた地域で、安心して子どもを生み育て、生涯にわたり健康で明るく安全安心な生活ができる社会をめざします。
政策の柱3
豊かな環境のもとに快適な生活ができる島根の国造り
人々が自然と共生し、優れた自然景観や歴史・文化に彩られた潤いのある地域で、一人ひとりが利便性の高い快適な生活空間のなかで真に豊かな生活ができる社会をめざします。
政策の柱4
新しい時代を切り拓く人材を育む島根の国造り
- 未来を切り拓く創造力や挑戦する精神に富み、生涯にわたり自己の能力を高め、自らの判断のもとに行動できる人づくりを進めます。
政策の柱5
産業・交流・連携を支える島根の国造り
- 活力ある産業や他地域との多様な交流・連携を支える高速交通・情報通信基盤の整備を進めます。
島根の豊かな地域資源や、これまで取り組んできた各種基盤や諸施策 の成果を最大限活かしながら、本県の独自性・魅力を高める取り組みを 「五つの“国造り”」として、多様な主体と協働しながら推進していきます。 |
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