葉隠れ桜の中のスズメバチ
令和6年11月11日(月)
事の始まりは2週間前。センターの施設管理を預かる田邊さんからのお話し。
出勤時、正面玄関近くに植わっているサクラ(ソメイヨシノ) の木の下で、農林大学校林業科の学生数人が、木の中ほどを指してわいわい話をしています。
指さす方向を見ると、スズメバチの巣があるとのこと。
話を伺い行ってみると、木の中ほどに形状・大きさともにラグビーボールくらいの巣がありました。
先日来の強風で、茂っていた葉が吹き飛ばされ、隠されていた巣が露わになったのです。
巣がこの大きさになるまでハチたちが増殖したのですが、誰にも気がつかれなかったようです。
施設出入り口付近にあるスズメバチの巣。
通常ならば駆除対象とするのですが、既に 11 月になろうという時期。
ハチの増殖も最盛期を過ぎ、次世代の新女王・雄バチが育ち、旅立って行ったと思われます。
最盛期の巣では、ひっきりなしにハチが出入りするのですが、この巣に出入りするハチは1分間に 1 頭程度で、働きバチの数もかなり減少しているようです。
体色などからハチの種類はコガタスズメバチか、ヒメスズメバチと思われました。
最盛期をかなり過ぎた今頃なら、巣を作っている木をゆすったり、無用な刺激を与えなければ、ハチたちもこちらに向かって来ることは無い。と判断し 田邊さんと相談して、木の周辺に「立ち入り規制線」と「ハチの巣あり」の注意喚起のみの対応としました。
新女王たちが旅立ち、残った働きバチも寿命を迎えると、巣は無住の館となります。
スズメバチの巣は、どんなに大きく造営されようと、使用されるのは1年限り。
翌春、越冬から目覚めた新女王が、新たな場所に巣作りを始め、王国(女王国)を築いてゆきます。
何かと危険視されるスズメバチ類ですが、生態系における構成員の一部で、色々な役目を持っています。
人間に被害を及ぼす恐れが無ければ、無用な殺生は避け、無事に次代へ命を引き継いでほしいものです。
11 月 11 日現在、巣を出入りするハチは見られなくなりました。人的被害の発生も無く、ハチたちも旅立ったようです。
広げた枝葉の中心部に作られた巣
巣の着生状況
***農林技術部福井***
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