島根県統計グラフコンクール全体講評
審査員長
石野眞(国立大学法人島根大学名誉教授)
今年度の応募は全体で37点と、少なくなりましたが、例年に勝るとも劣らない力作が揃いました。
今回応募された作品は、身近な事象や自分の気づきをテーマに実験やインタビューなど自ら目的を持って調査をしている姿が作品から伺え、熱意と努力が感じられました。また、ICTを活用してアンケート調査を行うなど、新たな手法でデータを集約する工夫も見られました。
小学校低学年では、納豆の伸びなどの身近な疑問や、物価などニュースで耳にする話題を継続的に調査し、自分の考察を加えまとめている作品がありました。また、学年が上がるにつれて、自分の興味・関心から学校生活や地域、災害などに視野を広げ、独自の着眼点で分析する作品が見受けられました。目的や調査対象別にデータを上手く選択し分かりやすくまとめており、表現方法も工夫した心を打つ作品ばかりでした。
最近では、学習指導要領が改正され、統計教育が重要視されています。学習指導要領では、社会生活などの様々な場面において、必要なデータを収集して分析し、その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることがねらいのひとつとされていますが、その学習の成果が作品に活かされ、子どもたちの課題設定能力や多面的思考が着実に伸びていることが伺えました。
今後ともこのグラフコンクールを活用して、データ活用の学習に取り組んでいただき、多くの作品が応募されることを期待いたします。
最後に、作品制作に取り組んだ皆様の努力と、ご指導いただいた先生など関係者の方々のご尽力に敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。
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島根県政策企画局統計調査課
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