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急性灰白髄炎(ポリオ)
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急性灰白髄炎(ポリオ)

発生状況
 1988年、世界保健機関(WHO)は世界ポリオ根絶計画を提唱し、各国と協力して対策を強化している疾患です。この計画により、ポリオの症例数及び流行地域は減少していますが、パキスタン及びアフガニスタンでは流行が続いています。
 日本では、1960(昭和35)年に、患者数が5千人を超える大流行となりましたが、ポリオワクチンを緊急輸入し、一斉投与により流行は終息しました。その後、国産のワクチンが導入され、1980(昭和55)年の1例を最後に、現在まで、野生株ポリオウイルスによる新たな患者は出ていません。
病原体
 病原体はポリオウイルスです。エンテロウイルスに属し、ポリオウイルス1型、2型、3型があり、各型間に交差免疫はありません。
 世界ポリオ根絶計画により、ポリオ症例数及び流行地域は減少しており、2016年1月現在、ポリオウイルス1〜3型のうち、現在も伝播が継続しているのは1型のみとなっています。
感染経路
 感染者の糞便又は咽頭分泌液からの経口感染です。接触感染や飛沫感染もあります。ウイルスは、感染者の咽頭には1週間程度、便中には数週間にわたり排泄されます。
 感染力は極めて強いのですが、野生株に感染しても90〜95%は不顕性感染で経過し、典型的な麻痺型ポリオを発症するのは0.1〜2%と言われています。
潜伏期
潜伏期間は、4〜35日(平均15日)です。
臨床症状
 発熱(3日間程度)、全身倦怠感、頭痛、吐き気、項部・背部硬直 などの髄膜刺劇症状が現れますが、軽症例(不全型)では軽い感冒様症状又は胃腸症状で終わることもあります。 髄膜炎症状だけで麻痺を来さないもの(非麻痺型)もありますが、重症例(麻痺型)では発熱に引き続きあるいは一旦解熱し再び発熱した後に、突然四肢の随意筋(多くは 下肢)の弛緩性麻痺が現れます。 罹患部位の腱反射は減弱ないし消失し、知覚感覚異常を伴いません。
病原体診断
 便(24時間以上の間隔をあけて少なくとも2回以上)からのウイルス分離、同定による病原体の検出が届出時に必要です。
治療と予防
 特異的根治療法はありません。安静保温、薬物療法(ATP+ビタミン筋注)による対症療法が中心となります。
 有効な予防方法は、予防接種です。ワクチンには生ワクチン(経口)と不活化ワクチンの2種類があります。日本の定期接種には生ワクチン(経口)のポリオワクチンが使われていましたが、2012年9月1日に単独の不活化ポリオワクチンが導入され、2012年11月1日には4種混合の不活化ポリオワクチンが導入されています。
◆予防接種リンク◆
 厚生労働省:ポリオ(急性灰白髄炎)
 島根県薬事衛生課:定期の予防接種
感染症法での取扱い
 診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断がなされたものについて、ワクチン株ウイルスのよるものであっても、2類感染症として最寄の保健所に届出ることが義務づけられています。
 ただし、ワクチン株のウイルスが分離・同定されても、急性灰白髄炎(ポリオ)の臨床症状がない場合は、届出の対象ではありません。 


リンク
島根県感染症情報センター