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ジアルジア症
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海外旅行の下痢症に多いジアルジア症

はじめに
 ジアルジア症の病原体の嚢子(のうし、シスト)は塩素消毒に対して抵抗性があり、 水道水への汚染が問題となっています。
ジアルジア症年齢別発生割合
発生状況
 熱帯、亜熱帯地域に多発しますが、世界的にみられます。
海外旅行者下痢症の主要な原因のひとつとなっていますが、同時に国内にも感染源が存在しています。
 また、上水道を介した集団発生も報告されています。
病原体
 ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)。
 自然界に排泄された嚢子は乾燥、加熱(50℃)には弱いですが、適度の湿度があれば比較的 長期間生存可能で、水道水の塩素消毒では死滅しません。
感染経路
 患者、無症状感染者、家畜等の糞便中に排泄された感染性嚢子に汚染された 手指、食物、水を介し経口感染をします。
ジアルジア症月別報告数
潜伏期
 2〜3週間です。
臨床症状
 感染虫体量によって無症状から発熱を伴わない水様下痢症、泥状便、脂肪性下痢まで多様性がみられます。 細菌培養陰性、抗菌薬無効で慢性非出血性の鼓腸、上腹部痛、食欲不振を伴う下痢症は本症を考慮する必要があります。
 免疫不全者、分泌型IgA欠損患者では重症化と症状の遷延化がみられます。
検査室診断
 顕微鏡下で感染者糞便中の嚢子の検出を行います。
治療と予防
 感染防止に関する衛生教育と手洗い、飲食物の加熱処理、飲料水の濾過滅菌徹底。 また、感染者の早期発見 治療と、感染動物からの排泄される嚢子による汚染防止を行います。
 治療にはメトロニダゾール、チニダゾールが処方されます。
感染症法での取扱い
 患者を診断した医師は最寄の保健所に5類全数届出感染症として届け出ます。

ジアルジア症
リンク
島根県感染症情報センター