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島根県SARS関連情報
重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2007年4月1日以降2類感染症になり、2類感染症としての対応となるため、下記行動計画は廃止となっています。
島根県重症急性呼吸器症候群(SARS)対応行動計画(第1版)
平成15年4月25日
島根県健康福祉部
この計画は、2002年(平成14年)11月以降、世界各国から報告されている重症急性呼吸器症候群
(SARS)に対応するため県、各機関及び県民の役割を示した行動計画です。
重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者等の人権を尊重しつつ、患者等に対する良質かつ適切な医療
の提供を確保するとともに、まん延防止のための調査を迅速かつ的確に対応するために、
患者等の受診体制、搬送体制、患者発生時の疫学調査の実施、患者の人権に配慮しつつ、
県民に対する適切な情報提供を行うための具体的な行動計画を定めるものです。
なお、本計画は、重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する新たな知見、日本国内における発生状況の変化、
厚生労働省からの通知等により、随時見直すこととします。
第一 重症急性呼吸器症候群(SARS)に対応するための県、各機関及び県民の役割
重症急性呼吸器症候群(SARS)のまん延防止及び患者に対する良質かつ適切な医療の提供を
確保するための県、各機関及び県民の役割は次のとおりです。
(1)県の果たすべき役割
- 適切な情報提供
- 県民や医療機関等に対して重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する正しい知識を提供します。
- 県民及び医療機関等からの相談への対応
- 県庁感染症対策室及び各保健所は、県民及び医療機関等からの相談に対応します。
- 入院受け入れ病院の確保
- 「疑い例」「可能性例」患者の移送
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)の症例定義により「疑い例」及び「可能性例」と診断された患者の
入院受け入れ病院(表1参照)への移送については、診断した医師の指導・助言を得ながら、
必要に応じて消防本部と連携を図りつつこれを行います。
- 確定例患者の入院及び移送
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)患者(確定例)が届け出られた場合は、患者の入院先病院及び
移送について、厚生労働大臣の技術的指導・助言を得ながら適切な対応を行います。
- 患者及び接触者の調査及び必要な措置の実施
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)患者が発生した場合は、人権に配慮しつつ、患者の行動調査、
患者の接触者の調査を行うとともに、環境調査等必要な調査を行い、感染源、感染経路の究明を行います。
また、調査の結果、接触者の健康診断、消毒等の措置が必要と判断される場合は、
厚生労働大臣の技術的指導・助言を得ながら適切な措置を実施します。
(2)医療機関の果たすべき役割
- 院内感染防止対策の徹底
- 患者の診察
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)が疑われる患者から受診の求めがあった場合は、
他の患者に感染させないような措置を講じた上、問診、診察等を行い、厚生労働省が示した
重症急性呼吸器症候群(SARS)の症例定義にあてはまるかどうかを速やかに診断します。
- 「疑い例」「可能性例」の保健所への報告
- 入院の必要性の判断
- 「可能性例」と診断した場合は、患者に対し、原則として入院受け入れ病院(表1参照)
への入院を勧告することとします。また、「疑い例」と診断した場合であって、医師の判断により
入院が必要と認めた場合も、患者に対し、上記入院受け入れ病院への入院を勧告することとします。
- 患者及び接触者への指導
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)の症例定義により「疑い例」と診断した患者で、入院は必要
としないと判断した患者に対し、「重症急性呼吸器症候群(SARS)管理指針」の
I-5.に基づき適切な指導を行います。
- また、患者の家族等患者との濃厚接触者に対しても「重症急性呼吸器症候群(SARS)管理指針」
IIIに基づき適切な指導を行います。
(3)消防本部等の果たすべき役割
- 感染防止対策の徹底
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)が疑われる患者の救急搬送に備え、重症急性呼吸器症候群(SARS)
に関する知識を得るとともに、あらかじめ感染防止対策を講じます。
- 119番通報による救急搬送依頼があった場合、症状等から重症急性呼吸器症候群(SARS)が疑われる
患者であった場合は、入院受け入れ病院と連絡をとり、入院受け入れ病院に搬送します。
- 上記疑い患者を搬送した場合は、消防本部から最寄りの保健所に報告することとします。
- 「疑い例」「可能性例」患者の入院受け入れ病院移送への協力
- 医療機関で「疑い例」「可能性例」と診断された患者の搬送は、原則として県(保健所)
が行いますが、診断した医師の判断に基づき、保健所から消防本部に救急搬送(医療機関間転送)
の要請があった場合は、これに協力します。
(4)県民の果たすべき役割
- 厚生労働省から提供される重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する
情報提供、
外務省から提供される渡航情報をもとに、
重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する正しい知識をもち、その予防に必要な注意を払うよう努めます。
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)が心配される時は、事前に医療機関に電話で渡航国、
渡航時期及び症状などを説明した上で受診するようにします。
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者等の人権を損なわないようにします。
第二 「疑い例」「可能性例」患者の入院等
(1)入院受け入れ病院名
- 厚生労働省通知による重症急性呼吸器症候群(SARS)の症例定義に基づき「疑い例」及び
「可能性例」と診断した患者のうち、入院治療が必要となった人については、表1の6病院
に入院の受け入れを依頼することとします。
表1.「疑い例」「可能性例」患者の入院受け入れ病院
病院名 |
住所 |
代表電話番号 |
国立療養所松江病院
松江赤十字病院
松江市立病院
島根県立中央病院
国立浜田病院
益田赤十字病院 |
松江市上乃木5丁目8−31
松江市母衣町200
松江市灘町101
出雲市姫原町4−4−1
浜田市黒川町3748
益田市乙吉町イ103−1 |
0852-21-6131
0852-24-2111
0852-23-1000
0853-22-5111
0855-22-2300
0856-22-1480 |
(2)入院受け入れ病院への入院に至る手順について
- 医療機関又は保健所への電話相談の結果、入院が必要と判断された場合
- 患者から医療機関への電話相談により、医師が症例定義の「疑い例」に該当し、かつ、
症状等から入院が必要な状況にあると判断した場合は、直ちに医療機関から保健所にその旨を連絡します。
- 医療機関から連絡を受けた保健所は、直ちに入院受け入れ病院に連絡し、患者の受け入れを要請します。
- また、患者から保健所への電話相談により、保健所医師が症例定義の「疑い例」に該当し、
かつ、症状等から入院が必要な状況にあると判断した場合は、保健所は直ちに入院受け入れ病院に連絡し、
患者の受け入れを要請します。
- 入院受け入れ病院への患者移送は原則として保健所が行います。ただし、相談を受けた医師が
救急搬送が必要であると判断した場合は、保健所から消防本部に救急搬送を要請します。
- 電話相談をした患者は、移送車又は救急車が到着するまで自宅で待機します。
- 医師が診察した結果、入院が必要と判断された場合
ア.「疑い例」「可能性例」患者の診断、届出、入院の必要性の確認
- 医師は、重症急性呼吸器症候群(SARS)が疑われる患者が受診した場合、直ちに感染防止対策をとった上で、
患者の問診、診察及び必要に応じ検査を実施します。その結果、厚生労働省通知による
重症急性呼吸器症候群(SARS)の症例定義に基づく「疑い例」又は「可能性例」と診断した場合は、
ただちに最寄りの保健所に報告します。
- 医師は、「可能性例」と診断した患者又は「疑い例」で入院が必要と判断した患者に対し、
入院受け入れ病院への入院を勧告します。
- 保健所は、医療機関から厚生労働省通知による重症急性呼吸器症候群(SARS)の症例定義に基づく
「疑い例」又は「可能性例」にあてはまる患者を診断したとの報告を受けた場合、
診察した医師に入院が必要かどうかの判断を確認します。
- 入院の必要性についての患者・家族等への説明及び入院先病院についての患者・家族等の
希望確認は、診断した医師と保健所で連絡調整を行いながら、診断した医師が行います。
イ.入院受け入れ病院との連絡調整
- 「疑い例」の患者のうち入院が必要と医師が判断した患者又は「可能性例」と診断された
患者の入院受け入れ病院との連絡調整は患者を移送する保健所が行います。
- 診断した医師が入院が必要と判断した場合、患者を移送する保健所は、入院受け入れ病院
に連絡し、患者の受け入れを要請します。
- 患者の病状及び検査結果等は、診察した医師から受け入れ病院の医師に直接連絡することとします。
- 入院受け入れ病院への患者移送は原則として保健所が行います。ただし、診察を行った医師が
救急搬送が必要であると判断した場合は、保健所から消防本部に救急搬送を要請します。
- 患者は、移送車又は救急車が到着するまで、診察を行った医療機関が経過観察します。
(3)確定例患者の入院先病院
- 厚生労働省通知に基づく重症急性呼吸器症候群(SARS)の通報対象(確定例)患者の入院先病院
については、厚生労働大臣の助言・指導を踏まえながら適切な対応をとることとします。
- なお、島根県内には特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関はありませんが、
第一種感染症指定医療機関機能を委託している泉佐野市立泉佐野病院への移送も含めて検討することとします。
第三 患者発生時の対応
患者発生時の対応の流れは次のとおりです。
第四 患者発生時の調査、健康診断及び必要な措置
(1)症例定義に基づく「疑い例」又は「可能性例」の報告があった場合
- 保健所
医療機関から症例定義に基づく「疑い例」又は「可能性例」の報告を受けた保健所は、
下記の調査を実施します。
ア.患者の行動調査
- 医療機関から症例定義に基づく「疑い例」又は「可能性例」の患者報告を受けた保健所は、
直ちに診断した医療機関又は患者搬送先医療機関へ向かい、患者の行動調査を行います。
イ.患者との接触者の健康調査、行動調査
- 患者との接触者を確認し、患者との接触者の健康状況の調査、行動調査を実施します。
- 患者との接触者の健康調査の結果、症例定義にあてはまる症状が認められた場合は、
保健所から医療機関に事前連絡をとった上で、医療機関への受診を勧奨します。
ウ.患者及び接触者への指導
- 「重症急性呼吸器症候群(SARS)管理指針」に基づき、患者及び患者との接触者に対して、
必要な指導を行います。
エ.患者検体採取の依頼及び検体搬送
- 患者の重症急性呼吸器症候群(SARS)病原体検査のための検体の採取は、原則として
入院患者に対し行うこととし、保健所は入院受け入れ病院の患者主治医に検体採取を依頼します。
- 検体の採取は、受け入れ病院が行います。
- 検体の搬送は、保健所が行います。
- 検体の搬送は、検体採取後速やかに行う必要があることから、保健所は、
あらかじめ受け入れ病院及び保健環境科学研究所との間で検体採取時間等を打ち合わせておきます。
- 検体は、検体採取後速やかに保健環境科学研究所に搬送します。
- 保健環境科学研究所
- 感染症対策室から「疑い例」又は「可能性例」患者届出の連絡を受けた保健環境科学研究所は
保健所及び国立感染症研究所と連携を図りながら、患者検体の病原体検査を行います。
- また、保健環境科学研究所は、保健所が実施する患者の行動調査、接触者の健康調査、
行動調査について、必要な助言・指導を行います。
(2)確定例の患者届出がなされた場合
確定例患者発生時の調査、健康診断及び必要な措置についての流れは次のとおりです。
第五 県における事前対応体制
(1)保健所における事前対応体制
- 相談体制の確立
- 保健所は、県民及び医療機関等からの相談に対応できるよう資料等をそろえておくとともに、
相談に対応できる体制を確立します。
- なお、各保健所の相談窓口は、表2のとおりです。
表2.本庁及び各保健所の相談窓口
- 所内連絡体制及び関係機関との連絡体制の確立
- 「疑い例」又は「可能性例」患者の発生に備え、あらかじめ医療機関や消防本部等からの
緊急連絡に対して、24時間対応できる連絡体制を整えておきます。
- 患者の発生に備え、あらかじめ所内連絡体制及び本庁及び関係機関との連絡体制を整えておきます。
- 各種マニュアルの確認
- 患者発生時の対応体制の確立
(「第六 患者発生時の対応体制」を参照のこと。)
- 患者搬送時及び調査時における感染防止対策の確立
- 患者搬送時及び調査時の二次感染を防止するため、あらかじめN95マスク、防護服、
消毒薬等必要な物品を備えておきます。
(2)保健環境科学研究所における事前対応体制
- 所内連絡体制及び関係機関との連絡体制の確立
- 病原体検査の実施に備え、あらかじめ入院受け入れ病院、感染症対策室や保健所からの
緊急連絡に対して、24時間対応できる連絡体制を整えておきます。
- また、あらかじめ所内連絡体制を整えておきます。
- 各種マニュアルの確認
- 患者発生時の対応体制の確立
(「第六 患者発生時の対応体制」を参照のこと。)
- 病原体検査時における感染防止対策の確立
- 病原体検査時の二次感染を防止するため、あらかじめN95マスク、防護服、消毒薬等必要な
物品を備えておきます。
(3)本庁における事前対応体制
- 庁内連絡体制及び関係機関との連絡体制の確立
- 「疑い例」又は「可能性例」患者の発生に備え、あらかじめ保健所や関係機関からの
緊急連絡に対して、24時間対応できる連絡体制を整えておきます。
- 患者の発生に備え、あらかじめ庁内連絡体制及び関係機関との連絡体制を整えておきます。
- 各種マニュアルの確認
- 患者発生時の対応体制の確立
(「第六 患者発生時の対応体制」を参照のこと。)
- 調査時における感染防止対策の確立
- 調査時の二次感染を防止するため、あらかじめN95マスク、防護服、消毒薬等必要な物品を備えておきます。
第六 患者発生時の対応体制
(1)保健所
- 保健所は、医療機関から重症急性呼吸器症候群(SARS)「疑い例」又は「可能性例」患者の報告を受け、
これが症例定義に合致することが確認された場合、自動的に島根県感染症対策要領に基づく
保健所感染症対策会議(SARS現地対策本部)を設置します。
- 保健所感染症対策会議(SARS現地対策本部)の構成は、下記のとおりです。
隠岐支庁長又は健康福祉センター所長 〔本部長〕
保健所長 〔保健所感染症対策会議会長〕
環境衛生部長 〔保健所感染症対策会議副会長〕
衛生指導課長
地域保健課長
検査課長
環境保全課長
その他関係課長
- 保健所感染症対策会議(SARS現地対策本部)は、下記の班編成を行い、初動対応を行います。
- 総括責任者
- 連絡窓口班(本庁、保健環境科学研究所、関係機関連絡担当)
- 患者移送班
- 患者調査班
- 接触者調査班
- 環境調査班
- 検体搬送班
(2)保健環境科学研究所
- 保健環境科学研究所は、感染症対策室から重症急性呼吸器症候群(SARS)「疑い例」又は「可能性例」
患者発生の報告を受けた場合、速やかに病原体検査が実施できる体制を整えます。
(3)健康福祉部
- 健康福祉部は、保健所又は医療機関から重症急性呼吸器症候群(SARS)「疑い例」又は
「可能性例」患者の報告を受け、これが症例定義に合致することが確認された場合、自動的に
島根県感染症対策要領に基づく健康福祉部感染症対策会議(健康福祉部SARS対策本部)を設置します。
- 健康福祉部感染症対策会議(健康福祉部SARS対策本部)の構成は、下記のとおりです。
健康福祉部長 〔本部長(健康福祉部感染症対策会議会長)〕
健康福祉部次長 〔副本部長(健康福祉部感染症対策会議副会長)〕
健康福祉総務課長
医療対策課長
健康推進課長
障害者福祉課長
感染症対策室長
保健環境科学研究所長
必要に応じその他関係課長等
- また、健康福祉部感染症対策会議(健康福祉部SARS対策本部)は、下記の班編成を行い、初動対応を行います。
- 総括責任者
- 消防防災課連絡担当(危機管理連絡会議、危機管理対策本部担当)
- 連絡窓口担当(厚生労働省担当)
- 連絡窓口担当(保健所、保健環境科学研究所担当)
- 相談窓口担当
(4)消防防災課
- 健康福祉部は、保健所から重症急性呼吸器症候群(SARS)「疑い例」又は「可能性例」
患者の報告を受けた場合、直ちに消防防災課に報告します。
- 報告を受けた消防防災課は、危機管理対応マニュアルにより対応します。