1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)[ ]は無症状病原体保有者を再掲
結核が11件[3](松江圏域5件[1]、出雲圏域1件、大田圏域2件、浜田圏域2件[1]、益田圏域1件[1]、
後天性免疫不全症候群が1件(松江圏域)、侵襲性肺炎球菌感染症が4件(雲南圏域1件、出雲圏域
2件、益田圏域1件)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が3件(出雲圏域1件、益田圏域2件)報告されています。
*週報報告医療機関からの報告患者数(4週換算) : 11月 1,927件 12月 2,140件 1月 3,351件
2)インフルエンザおよび小児科定点報告( )内は月の定点当たり報告数(4週換算) [ ]は週当り定点当り報告数
○インフルエンザ
:(56.9)。県内全域の患者報告数は急増し、1月中旬第3週[20.4]以降、注意報レベル[10.0]を超える流行が
続いています。特に、松江圏域(91)では第3週[31.4]及び第4週[33.0]に、雲南圏域(73)では第4週[31.7]に
警報レベル[30.0]を超える流行となっています。A型を中心に、少数ながらB型も医療機関で検出(迅速診断)
されています。予防接種、うがい、手洗い、咳エチケット等感染予防を心掛けましょう。
○感染性胃腸炎
:(26.6)。薬事衛生課から冬季の食中毒注意報が発表されています。県内全域の患者報告数は12月に比べほ
ぼ半減していますが、隠岐圏域(98)では12月下旬以降(第1週を除き)警報レベル[20.0]を超える流行が続いて
いるほか、各圏域で患者発生報告があります。冬季はノロウイルスを中心としたウイルス性食中毒が発生しや
すい時期です。手洗いの励行と食品の取扱いに注意しましょう。
○A群溶連菌咽頭炎
:(8.1)。県内全域の患者報告数はほぼ横ばいです。松江圏域(16)及び出雲圏域(10)を中心に、隠岐圏域を除
く各圏域で患者発生報告があります。合併症を来さないよう早期診断と確実な治療が重要です。
○流行性耳下腺炎
:(5.7)。県内全域の患者報告数は12月に比べ増加しており、過去5年間の同期に比べ多い状況が続いていま
す。特に、雲南圏域(30)では12月中旬以降流行が続いており、1月も第1週[10.0]、第2週[8.5]及び第4週
[8.0]と警報レベル[6.0]を超える流行が続いているほか、大田圏域及び隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報
告があり、注意が必要です。有効な予防方法は予防接種で、現在、任意予防接種として1歳以上で接種するこ
とができます。
○伝染性紅斑
:(2.5)。県内全域の患者報告数は過去5年間の同期に比べ多い状況が続いており、特に、隠岐圏域(9)、益田
圏域(6)及び浜田圏域(6)では2016年秋以降流行が続いています。1月も隠岐圏域で第1週[2.0]、第2週
[3.0]、第3週[3.0]及び益田圏域で第3週[3.0]に定点当り患者報告数が警報レベル[2.0]を超える流行となっ
ているほか、各圏域で患者発生報告があり、引き続き注意が必要です。
○水痘
:(1.8)。水痘ワクチンの定期接種化に伴い、県内全域の患者報告数は過去5年間の同期に比べ少ない状況で
す。12月に比べやや減少していますが、大田圏域(4)ほか、隠岐圏域を除く各圏域で患者発生報告があります。
〇RSウイルス感染症
:(1.6)。松江圏域(3)、雲南圏域(2)、益田圏域(2)及び出雲圏域(1)で患者発生報告があります。
○咽頭結膜熱
:(1.2)。松江圏域(2)、雲南圏域(2)、出雲圏域(2)及び益田圏域(1)で患者発生報告があります。
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎が1件(出雲圏域)の患者発生報告があります。手洗い等感染予防を心掛けましょう。
4)性感染症報告
性器クラミジア感染症が5件、性器ヘルペスウイルス感染症が1件及び淋菌感染症が5件の患者発生報告があります。
5)基幹病院報告
○無菌性髄膜炎
:4件(4週換算)。出雲圏域3件及び松江圏域1件の患者発生報告があります。
○マイコプラズマ肺炎
:18件(4週換算)。12月に比べ増加しており、雲南圏域では12件と患者報告数の多い状態が続いているほか、松江圏域2件、出雲圏1件、大田圏域1件及び浜田圏域1件の患者発生報告があります。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
:19件。地区別では西部からの報告が15件(79%)を、年代別では70歳以上が11件(58%)を占めています。
○薬剤耐性緑膿菌感染症
:1件。西部で70歳代以上1件の報告があります。
2.病原体検出情報(2016年12月〜2017年1月までの検出結果)
インフルエンザは、8月にA香港型が検出されて以降、県内全域でA香港型のみ検出されています。感染性胃腸炎は、ノロウイルス
GUが主に検出されています。咽頭結膜熱は、アデノウイルス2型及び5型が、手足口病は、8月以降コクサッキーウイルスA6型が継
続して検出されています。無菌性髄膜炎からは、エコーウイルス6型が検出されています。エコーウイルス6型は、様々な診断名の症
例から検出されています。
ウイルス名 | アデノ | コクサッキーA | コクサッキーB | エコー | インフルエンザ | ライノ | ノロ | 合 計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
型 | 1 | 2 | 3 | 5 | 6 | 5 | 3 | 6 | AH3 | G1 | G2 | ||
インフルエンザ | 40 | 40 | |||||||||||
感染性胃腸炎 | 1 | 1 | 1 | 10 | 13 | ||||||||
咽頭結膜熱 | 1 | 4 | 1 | 3 | 1 | 10 | |||||||
手足口病 | 1 | 2 | 3 | ||||||||||
咽頭炎 | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 | ||||||||
肺・気管支炎 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | ||||||||
熱性疾患 | 1 | 1 | |||||||||||
無菌性髄膜炎 | 2 | 2 |