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感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

(平成10年10月2日法律第104号)
最終改正:平成20年5月12日法律第30号
第一章 総則(第一条〜第八条)
第二章 基本指針等(第九条〜第十一条)
第三章 感染症に関する情報の収集及び公表(第十二条〜第十六条二)
第四章 健康診断、就業制限及び入院(第十七条〜第二十六条の二)
第五章 消毒その他の措置(第二十七条〜第三十六条)
第六章 医療(第三十七条〜第四十四条)
第七章 新型インフルエンザ等感染症(第四十四条の二〜第四十四条の五)
第八章 新感染症(第四十四条の六〜第五十三条)
第九章 結核(第五十三条の二〜第五十三条の十五)
第十章 感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する措置(第五十四条〜第五十六条の二)
第十一章 特定病原体等(第五十六条の三〜第五十六条の三十八)
 第一節 一種病原体等(第五十六条の三〜第五十六条の五)
 第二節 二種病原体等(第五十六条の六〜第五十六条の十五)
 第三節 三種病原体等(第五十六条の十六〜第五十六条の十七)
 第四節 所持者等の義務(第五十六条の十八〜第五十六条の二十九)
 第五節 監督(第五十六条の三十〜第五十六条の三十八)
第十二章 費用負担(第五十七条〜第六十三条)
第十三章 雑則(第六十三条の二〜第六十六条)
第十四章 罰則(第六十七条〜第八十一条)
附則

人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。ペスト、痘そう、コレラ等の感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追いやり、感染症を根絶することは、正に人類の悲願と言えるものである. 医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。 一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。 このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。 ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条
 この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
(基本理念)
第二条
 感染症の発生の予防及びそのまん延の防止を目的として国及び地方公共団体が講ずる施策は、これらを目的とする施策に関する国際的動向を踏まえつつ、保健医療を取り巻く環境の変化、国際交流の進展等に即応し、新感染症その他の感染症に迅速かつ適確に対応することができるよう、感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し、これらの者の人権を尊重しつつ、総合的かつ計画的に推進されることを基本理念とする。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条
 国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じた感染症に関する正しい知識の普及、感染症に関する情報の収集、整理、分析及び提供、感染症に関する研究の推進、病原体等の検査能力の向上並びに感染症の予防に係る人材の養成及び資質の向上を図るとともに、社会福祉等の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ感染症の患者が良質かつ適切な医療を受けられるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。この場合において、国及び地方公共団体は、感染症の患者等の人権を尊重しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、地域の特性に配慮しつつ、感染症の予防に関する施策が総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。
3 国は、感染症及び病原体等に関する情報の収集及び研究並びに感染症に係る医療のための医薬品の研究開発の推進、病原体等の検査の実施等を図るための体制を整備し、国際的な連携を確保するよう努めるとともに、地方公共団体に対し前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的及び財政的援助を与えることに努めなければならない。
(国民の責務)
第四条
 国民は、感染症に関する正しい知識を持ち、その予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、感染症の患者等の人権が損なわれることがないようにしなければならない。
(医師等の責務)
第五条
 医師その他の医療関係者は、感染症の予防に関し国及び地方公共団体が講ずる施策に協力し、その予防に寄与するよう努めるとともに、感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し、良質かつ適切な医療を行うとともに、当該医療について適切な説明を行い、当該患者等の理解を得るよう努めなければならない。
2 病院、診療所、病原体等の検査を行っている機関、老人福祉施設等の施設の開設者及び管理者は、当該施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(獣医師等の責務)
第五条の二
 獣医師その他の獣医療関係者は、感染症の予防に関し国及び地方公共団体が講ずる施策に協力するとともに、その予防に寄与するよう努めなければならない。
2 動物等取扱業者(動物又はその死体の輸入、保管、貸出し、販売又は遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設若しくは場所における展示を業として行う者をいう。)は、その輸入し、保管し、貸出しを行い、販売し、又は展示する動物又はその死体が感染症を人に感染させることがないように、感染症の予防に関する知識及び技術の習得、動物又はその死体の適切な管理その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第六条
 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
2 この法律において「一類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 エボラ出血熱
二 クリミア・コンゴ出血熱
三 痘そう
四 南米出血熱
五 ペスト
六 マールブルグ病
七 ラッサ熱
3 この法律において「二類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 急性灰白髄炎
二 結核
三 ジフテリア
四 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)
五 鳥インフルエンザ(病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型がH五N一であるものに限る。第五項第七号において「鳥インフルエンザ(H五N一)」という。)
4 この法律において「三類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 コレラ
二 細菌性赤痢
三 腸管出血性大腸菌感染症
四 腸チフス
五 パラチフス
5 この法律において「四類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 E型肝炎
二 A型肝炎
三 黄熱
四 Q熱
五 狂犬病
六 炭疽
七 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)を除く。)
八 ボツリヌス症
九 マラリア
十 野兎病
十一 前各号に掲げるもののほか、既に知られている感染性の疾病であって、動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、前各号に掲げるものと同程度に国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるもの
6 この法律において「五類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)
二 ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く。)
三 クリプトスポリジウム症
四 後天性免疫不全症候群
五 性器クラミジア感染症
六 梅毒
七 麻しん
八 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
九 前各号に掲げるもののほか、既に知られている感染性の疾病(四類感染症を除く。)であって、前各号に掲げるものと同程度に国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの
7 この法律において「新型インフルエンザ等感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 新型インフルエンザ(新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
二 再興型インフルエンザ(かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
8 この法律において「指定感染症」とは、既に知られている感染性の疾病(一類感染症、二類感染症、三類感染症 及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)であって、第三章から第七章までの規定の全部又は一部を準用しなければ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。
9 この法律において「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。
10 この法律において「疑似症患者」とは、感染症の疑似症を呈している者をいう。
11 この法律において「無症状病原体保有者」とは、感染症の病原体を保有している者であって当該感染症の症状を呈していないものをいう。
12 この法律において「感染症指定医療機関」とは、特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関、第二種感染症指定医療機関及び結核指定医療機関をいう。
13 この法律において「特定感染症指定医療機関」とは、新感染症の所見がある者又は一類感染症、二類感染症 若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として厚生労働大臣が指定した病院をいう。
14 この法律において「第一種感染症指定医療機関」とは、一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として都道府県知事が指定した病院をいう。
15 この法律において「第二種感染症指定医療機関」とは、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として都道府県知事が指定した病院をいう。
16 この法律において「結核指定医療機関」とは、結核患者に対する適正な医療を担当させる医療機関として都道府県知事が指定した病院若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)又は薬局をいう。
17 この法律において「病原体等」とは、感染症の病原体及び毒素をいう。
18 この法律において「毒素」とは、感染症の病原体によって産生される物質であって、人の生体内に入った場合に人を発病させ、又は死亡させるもの(人工的に合成された物質で、その構造式がいずれかの毒素の構造式と同一であるもの(以下「人工合成毒素」という。)を含む。)をいう。
19 この法律において「特定病原体等」とは、一種病原体等、二種病原体等、三種病原体等及び四種病原体等をいう。
20 この法律において「一種病原体等」とは、次に掲げる病原体等(薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第一項の規定による承認を受けた医薬品に含有されるものその他これに準ずる病原体等(以下「医薬品等」という。)であって、人を発病させるおそれがほとんどないものとして厚生労働大臣が指定するものを除く。)をいう。
一 アレナウイルス属ガナリトウイルス、サビアウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス及びラッサウイルス
二 エボラウイルス属アイボリーコーストエボラウイルス、ザイールウイルス、スーダンエボラウイルス及びレストンエボラウイルス
三 オルソポックスウイルス属バリオラウイルス(別名痘そうウイルス)
四 ナイロウイルス属クリミア・コンゴヘモラジックフィーバーウイルス(別名クリミア・コンゴ出血熱ウイルス)
五 マールブルグウイルス属レイクビクトリアマールブルグウイルス
六 前各号に掲げるもののほか、前各号に掲げるものと同程度に病原性を有し、国民の生命及び健康に極めて重大な影響を与えるおそれがある病原体等として政令で定めるもの
21 この法律において「二種病原体等」とは、次に掲げる病原体等(医薬品等であって、人を発病させるおそれがほとんどないものとして厚生労働大臣が指定するものを除く。)をいう。
一 エルシニア属ペスティス(別名ペスト菌)
二 クロストリジウム属ボツリヌム(別名ボツリヌス菌)
三 コロナウイルス属SARSコロナウイルス
四 バシラス属アントラシス(別名炭疽菌)
五 フランシセラ属ツラレンシス種(別名野兎病菌)亜種ツラレンシス及びホルアークティカ
六 ボツリヌス毒素(人工合成毒素であって、その構造式がボツリヌス毒素の構造式と同一であるものを含む。)
七 前各号に掲げるもののほか、前各号に掲げるものと同程度に病原性を有し、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある病原体等として政令で定めるもの
22 この法律において「三種病原体等」とは、次に掲げる病原体等(医薬品等であって、人を発病させるおそれがほとんどないものとして厚生労働大臣が指定するものを除く。)をいう。
一 コクシエラ属バーネッティイ
二 マイコバクテリウム属ツベルクローシス(別名結核菌)(イソニコチン酸ヒドラジド及びリファンピシンに対し耐性を有するものに限る。)
三 リッサウイルス属レイビーズウイルス(別名狂犬病ウイルス)
四 前三号に掲げるもののほか、前三号に掲げるものと同程度に病原性を有し、国民の生命及び健康に影響を与えるおそれがある病原体等として政令で定めるもの
23 この法律において「四種病原体等」とは、次に掲げる病原体等(医薬品等であって、人を発病させるおそれがほとんどないものとして厚生労働大臣が指定するものを除く。)をいう。
一 インフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルス(血清亜型がH二N二、H五N一若しくはH七N七であるもの(新型インフルエンザ等感染症の病原体を除く。)又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に限る。)
二 エシェリヒア属コリー(別名大腸菌)(腸管出血性大腸菌に限る。)
三 エンテロウイルス属ポリオウイルス
四 クリプトスポリジウム属パルバム(遺伝子型が一型又は二型であるものに限る。)
五 サルモネラ属エンテリカ(血清亜型がタイフィ又はパラタイフィAであるものに限る。)
六 志賀毒素(人工合成毒素であって、その構造式が志賀毒素の構造式と同一であるものを含む。)
七 シゲラ属(別名赤痢菌)ソンネイ、デイゼンテリエ、フレキシネリー及びボイデイ
八 ビブリオ属コレラ(別名コレラ菌)(血清型がO一又はO一三九であるものに限る。)
九 フラビウイルス属イエローフィーバーウイルス(別名黄熱ウイルス)
十 マイコバクテリウム属ツベルクローシス(前項第二号に掲げる病原体を除く。)
十一 前各号に掲げるもののほか、前各号に掲げるものと同程度に病原性を有し、国民の健康に影響を与えるおそれがある病原体等として政令で定めるもの
(指定感染症に対するこの法律の準用)
第七条
 指定感染症については、一年以内の政令で定める期間に限り、政令で定めるところにより次条、第三章から第七章まで、第十章 、第十二章及び第十三章の規定の全部又は一部を準用する。
2 前項の政令で定められた期間は、当該政令で定められた疾病について同項の政令により準用することとされた規定を当該期間の経過後なお準用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。
3 厚生労働大臣は、前二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
(疑似症患者及び無症状病原体保有者に対するこの法律の適用)
第八条
 一類感染症の疑似症患者又は二類感染症のうち政令で定めるものの疑似症患者については、それぞれ一類感染症の患者又は二類感染症の患者とみなして、この法律の規定を適用する。
2 前項の政令で定められた期間は、当該政令で定められた疾病について同項の政令により準用することとされた規定を当該期間の経過後なお準用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。
3 一類感染症の無症状病原体保有者又は新型インフルエンザ等感染症の無症状病原体保有者については、それぞれ一類感染症の患者又は新型インフルエンザ等感染症の患者とみなして、この法律の規定を適用する。
第二章 基本指針等
(基本指針)
第九条
 厚生労働大臣は、感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。
2 基本指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 感染症の予防の推進の基本的な方向
二 感染症の発生の予防のための施策に関する事項
三 感染症のまん延の防止のための施策に関する事項
四 感染症に係る医療を提供する体制の確保に関する事項
五 感染症及び病原体等に関する調査及び研究に関する事項
六 感染症に係る医療のための医薬品の研究開発の推進に関する事項
七 病原体等の検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項
八 感染症の予防に関する人材の養成に関する事項
九 感染症に関する啓発及び知識の普及並びに感染症の患者等の人権の尊重に関する事項
十 特定病原体等を適正に取り扱う体制の確保に関する事項
十一 緊急時における感染症の発生の予防及びまん延の防止並びに医療の提供のための施策(国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡体制の確保を含む。)に関する事項
十二 その他感染症の予防の推進に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、感染症の予防に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに基本指針に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
4 厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
5 厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(予防計画)
第十条
 都道府県は、基本指針に即して、感染症の予防のための施策の実施に関する計画(以下この条において「予防計画」という。)を定めなければならない。
2 予防計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 地域の実情に即した感染症の発生の予防及びまん延の防止のための施策に関する事項
二 地域における感染症に係る医療を提供する体制の確保に関する事項
三 緊急時における感染症の発生の予防及びまん延の防止並びに医療の提供のための施策(国との連携及び地方公共団体相互間の連絡体制の確保を含む。)に関する事項
四 感染症に関する研究の推進、人材の養成、知識の普及その他地域の実情に即した感染症の予防のための施策に関する重要事項
3 都道府県は、基本指針が変更された場合には、予防計画に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。都道府県が予防計画の実施状況に関する調査、分析及び評価を行い、必要があると認めるときも、同様とする。
4 都道府県は、予防計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、市町村及び診療に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。
5 都道府県は、予防計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に提出するとともに、公表しなければならない。
(特定感染症予防指針)
第十一条
 厚生労働大臣は、感染症のうち、特に総合的に予防のための施策を推進する必要があるものとして厚生労働省令で定めるものについて、当該感染症に係る原因の究明、発生の予防及びまん延の防止、医療の提供、研究開発の推進、国際的な連携その他当該感染症に応じた予防の総合的な推進を図るための指針(次項において「特定感染症予防指針」という。)を作成し、公表するものとする。
2 厚生労働大臣は、特定感染症予防指針を作成し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
第三章 感染症に関する情報の収集及び公表
(医師の届出)
第十二条
 医師は、次に掲げる者を診断したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、第一号に掲げる者については直ちにその者の氏名、年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を、第二号に掲げる者については七日以内にその者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
一 一類感染症の患者、二類感染症、三類感染症,、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者及び新感染症にかかっていると疑われる者
二 厚生労働省令で定める五類感染症の患者(厚生労働省令で定める五類感染症の無症状病原体保有者を含む。)
2 前項の規定による届出を受けた都道府県知事は、同項第一号に掲げる者に係るものについては直ちに、同項第二号に掲げる者に係るものについては厚生労働省令で定める期間内に当該届出の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。
3 都道府県知事は、その管轄する区域外に居住する者について第一項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を、その者の居住地を管轄する都道府県知事に通報しなければならない。
4 厚生労働省令で定める慢性の感染症の患者を治療する医師は、毎年度、厚生労働省令で定めるところにより、その患者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
5 第二項及び第三項の規定は、前項の規定による届出について準用する。この場合において、第二項中「同項第一号に掲げる者に係るものについては直ちに、同項第二号に掲げる者に係るものについては厚生労働省令で定める期間内」とあるのは、「厚生労働省令で定める期間内」と読み替えるものとする。
6 第一項から第三項までの規定は、医師が第一項各号に規定する感染症により死亡した者(当該感染症により死亡したと疑われる者を含む。)の死体を検案した場合について準用する。
(獣医師の届出)
第十三条
 獣医師は、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のうちエボラ出血熱、マールブルグ病その他の政令で定める感染症ごとに当該感染症を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定めるサルその他の動物について、当該動物が当該感染症にかかり、又はかかっている疑いがあると診断したときは、直ちに、当該動物の所有者(所有者以外の者が管理する場合においては、その者。以下この条において同じ。)の氏名その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
2 前項の政令で定める動物の所有者は、獣医師の診断を受けない場合において、当該動物が同項の政令で定める感染症にかかり、又はかかっている疑いがあると認めたときは、同項の規定による届出を行わなければならない。
3 前二項の規定による届出を受けた都道府県知事は、直ちに、当該届出の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。
4 都道府県知事は、その管轄する区域外において飼育されていた動物について第一項又は第二項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を、当該動物が飼育されていた場所を管轄する都道府県知事に通報しなければならない。
5 第一項及び前二項の規定は獣医師が第一項の政令で定める動物の死体について当該動物が同項の政令で定める感染症にかかり、又はかかっていた疑いがあると検案した場合について、前三項の規定は所有者が第一項の政令で定める動物の死体について当該動物が同項の政令で定める感染症にかかり、又はかかっていた疑いがあると認めた場合について準用する。
(感染症の発生の状況及び動向の把握)
第十四条
 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、開設者の同意を得て、五類感染症のうち厚生労働省令で定めるもの又は二類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは五類感染症の疑似症のうち厚生労働省令で定めるものの発生の状況の届出を担当させる病院又は診療所(以下この条において「指定届出機関」という。)を指定する。
2 指定届出機関の管理者は、当該指定届出機関の医師が前項の厚生労働省令で定める五類感染症の患者(厚生労働省令で定める五類感染症の無症状病原体保有者を含む。以下この項において同じ。)若しくは前項の二類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは五類感染症の疑似症のうち厚生労働省令で定めるものの患者を診断し、又は同項の厚生労働省令で定める五類感染症により死亡した者の死体を検案したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該患者又は当該死亡した者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を当該指定届出機関の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
3 前項の規定による届出を受けた都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、当該届出の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。
4 指定届出機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
5 都道府県知事は、指定届出機関の管理者が第二項の規定に違反したとき、又は指定届出機関が同項の規定による届出を担当するについて不適当であると認められるに至ったときは、その指定を取り消すことができる。
(感染症の発生の状況、動向及び原因の調査)
第十五条
 都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
2 厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
3 一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者は、前二項の規定による質問又は必要な調査に協力するよう努めなければならない。
4 第一項及び第二項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
5 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
6 都道府県知事は、第一項の規定を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に感染症の治療の方法の研究、病原体等の検査その他の感染症に関する試験研究又は検査を行っている機関の職員の派遣その他同項の規定による質問又は必要な調査を実施するため必要な協力を求めることができる。
7 第四項の規定は、前項の規定により派遣された職員について準用する。
8 第四項の証明書に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(検疫所長との連携)
第十五条の二
 都道府県知事は、検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)第十八条第三項(同法第三十四条の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)の規定により検疫所長から健康状態に異状を生じた者に対し指示した事項その他の厚生労働省令で定める事項の通知(同法第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)を受けたときは、当該都道府県の職員に、当該健康状態に異状を生じた者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
2 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
3 前条第四項の規定は、都道府県知事が当該職員に第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。

 

第十五条の三
 
都道府県知事は、検疫法第十八条第五項(同法第三十四条の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)の規定により検疫所長から同法第十八条第四項に規定する者について同項の規定により報告された事項の通知(同法第三十四条の二第三項の規定により実施される場合を含む。)を受けたときは、当該者に対し、同法第十八条第一項の規定により検疫所長が定めた期間内において当該者の体温その他の健康状態について報告を求め、又は当該都道府県の職員に質問させることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による報告又は質問の結果、健康状態に異状を生じた者を確認したときは、厚生労働省令で定めるところにより、直ちにその旨を厚生労働大臣に報告するとともに、当該職員に当該者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
3 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
4 第十五条第四項の規定は、都道府県知事が当該職員に第一項及び第二項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
(情報の公表)
第十六条
 厚生労働大臣及び都道府県知事は、第十二条から前条までの規定により収集した感染症に関する情報について分析を行い、感染症の発生の状況、動向及び原因に関する情報並びに当該感染症の予防及び治療に必要な情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により積極的に公表しなければならない。
2 前項の情報を公表するに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。
(協力の要請)
第十六条の二
 厚生労働大臣及び都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、感染症の患者の病状、数その他感染症の発生及びまん延の状況を勘案して、当該感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置を定め、医師その他の医療関係者に対し、当該措置の実施に対する必要な協力を求めることができる。
第四章 健康診断、就業制限及び入院
(健康診断)
第十七条
 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し当該感染症にかかっているかどうかに関する医師の健康診断を受け、又はその保護者(親権を行う者又は後見人をいう。以下同じ。)に対し当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に健康診断を受けさせるべきことを勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者について、当該職員に健康診断を行わせることができる。
3 都道府県知事は、第一項に規定する健康診断の勧告をし、又は前項に規定する健康診断の措置を実施する場合には、同時に、当該勧告をし、又は当該措置を実施する理由その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで健康診断の勧告をし、又は健康診断の措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
4 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該健康診断の勧告又は措置の後相当の期間内に、同項の理由その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
(就業制限)
第十八条
 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症又は三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。
3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第二項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該患者又は無症状病原体保有者の居住地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
6 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その通知をした内容について当該協議会に報告しなければならない。
(入院)
第十九条
 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告をする場合には、当該勧告に係る患者又はその保護者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る患者を特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
4 第一項及び前項の規定に係る入院の期間は、七十二時間を超えてはならない。
5 都道府県知事は、緊急その他やむを得ない理由があるときは、第一項又は第三項の規定により入院している患者を、当該患者が入院している病院又は診療所以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
6 第一項又は第三項の規定に係る入院の期間と前項の規定に係る入院の期間とを合算した期間は、七十二時間を超えてはならない。
7 都道府県知事は、第一項の規定による勧告又は第三項の規定による入院の措置をしたときは、遅滞なく、当該患者が入院している病院又は診療所の所在地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会に報告しなければならない。
第二十条
 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者であって前条の規定により入院しているものに対し十日以内の期間を定めて特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該入院に係る患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、十日以内の期間を定めて、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、十日以内の期間を定めて、当該勧告に係る患者を特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
3 都道府県知事は、緊急その他やむを得ない理由があるときは、前二項の規定により入院している患者を、前二項の規定により入院したときから起算して十日以内の期間を定めて、当該患者が入院している病院又は診療所以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
4 都道府県知事は、前三項の規定に係る入院の期間の経過後、当該入院に係る患者について入院を継続する必要があると認めるときは、十日以内の期間を定めて、入院の期間を延長することができる。当該延長に係る入院の期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
5 都道府県知事は、第一項の規定による勧告又は前項の規定による入院の期間を延長しようとするときは、あらかじめ、当該患者が入院している病院又は診療所の所在地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。
6 都道府県知事は、第一項の規定による勧告をしようとする場合には、当該患者又はその保護者に、適切な説明を行い、その理解を得るよう努めるとともに、都道府県知事が指定する職員に対して意見を述べる機会を与えなければならない。この場合においては、当該患者又はその保護者に対し、あらかじめ、意見を述べるべき日時、場所及びその勧告の原因となる事実を通知しなければならない。
7 前項の規定による通知を受けた当該患者又はその保護者は、代理人を出頭させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
8 第六項の規定による意見を聴取した者は、聴取書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
(移送)
第二十一条
 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前二条の規定により入院する患者を、当該入院に係る病院又は診療所に移送しなければならない。
(退院)
第二十二条
 都道府県知事は、第十九条又は第二十条の規定により入院している患者について、当該入院に係る一類感染症の病原体を保有していないことが確認されたときは、当該入院している患者を退院させなければならない。
2 病院又は診療所の管理者は、第十九条又は第二十条の規定により入院している患者について、当該入院に係る一類感染症の病原体を保有していないことを確認したときは、都道府県知事に、その旨を通知しなければならない。
3 第十九条若しくは第二十条の規定により入院している患者又はその保護者は、都道府県知事に対し、当該患者の退院を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による退院の求めがあったときは、当該患者について、当該入院に係る一類感染症の病原体を保有しているかどうかの確認をしなければならない。
(最小限度の措置)
第二十二条の二
 第十七条から第二十一条までの規定により実施される措置は、感染症を公衆にまん延させるおそれ、感染症にかかった場合の病状の程度その他の事情に照らして、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
(書面による通知)
第二十三条
 第十七条第三項及び第四項の規定は、都道府県知事が第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する入院の勧告、第十九条第三項及び第五項並びに第二十条第二項及び第三項に規定する入院の措置並びに同条第四項に規定する入院の期間の延長をする場合について準用する。
(感染症の診査に関する協議会)
第二十四条
 各保健所に感染症の診査に関する協議会(以下この条において「協議会」という。)を置く。
2 前項の規定にかかわらず、二以上の保健所を設置する都道府県において、特に必要があると認めるときは、二以上の保健所について一の協議会を置くことができる。
3 協議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 都道府県知事の諮問に応じ、第十八条第一項の規定による通知、第二十条第一項(第二十六条において準用する場合を含む。)の規定による勧告及び第二十条第四項(第二十六条において準用する場合を含む。)の規定による入院の期間の延長並びに第三十七条の二第一項の規定による申請に基づく費用の負担に関し必要な事項を審議すること。
二 第十八条第六項及び第十九条第七項(第二十六条において準用する場合を含む。)の規定による報告に関し、意見を述べること。
4 協議会は、委員三人以上で組織する。
5 委員は、感染症指定医療機関の医師、感染症の患者の医療に関し学識経験を有する者(感染症指定医療機関の医師を除く。)、法律に関し学識経験を有する者並びに医療及び法律以外の学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。ただし、その過半数は、医師のうちから任命しなければならない。
6 この法律に規定するもののほか、協議会に関し必要な事項は、条例で定める。
(都道府県知事に対する苦情の申出)
第二十四条の二
 第十九条若しくは第二十条の規定により入院している患者又はその保護者は、当該患者が受けた処遇について、文書又は口頭により、都道府県知事に対し、苦情の申出をすることができる。
2 前項に規定する患者又はその保護者が口頭で同項の苦情の申出をしようとするときは、都道府県知事は、その指定する職員にその内容を聴取させることができる。
3 都道府県知事は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。
(審査請求の特例)
第二十五条
 第二十条第二項若しくは第三項の規定により入院している患者であって当該入院の期間が三十日を超えるもの又はその保護者は、同条第二項又は第三項に規定する入院の措置について文書又は口頭により、厚生労働大臣に審査請求(再審査請求を含む。以下この条において同じ。)をすることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の審査請求があったときは、当該審査請求があった日から起算して五日以内に、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
3 第二十条第二項若しくは第三項の規定により入院している患者であって当該入院の期間が三十日を超えないもの又はその保護者が、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)に基づき厚生労働大臣に審査請求をしたときは、厚生労働大臣は、当該審査請求に係る入院している患者が同条第二項又は第三項の規定により入院した日から起算して三十五日以内に、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
4 第二十条第二項若しくは第三項の規定により入院している患者であって当該入院の期間が三十日を超えないもの又はその保護者が、行政不服審査法に基づき都道府県知事に審査請求をし、かつ、当該入院している患者の入院の期間が三十日を超えたときは、都道府県知事は、直ちに、事件を厚生労働大臣に移送し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
5 前項の規定により事件が移送されたときは、はじめから、厚生労働大臣に審査請求があったものとみなして、第三項の規定を適用する。
6 厚生労働大臣は、第二項の裁決又は第三項の裁決(入院の期間が三十日を超える患者に係るものに限る。)をしようとするときは、あらかじめ、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。
(準用)
第二十六条
第十九条から第二十三条まで、第二十四条の二及び前条の規定は、二類感染症及び新型インフルエンザ等感染症の患者について準用する。この場合において、第十九条第一項及び第三項並びに第二十条第一項及び第二項中「特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関」とあるのは「特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関若しくは第二種感染症指定医療機関」と、第十九条第三項及び第二十条第二項中「特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関」とあるのは「特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関又は第二種感染症指定医療機関」と、第二十一条中「移送しなければならない」とあるのは「移送することができる」と、第二十二条第一項及び第二項中「一類感染症の病原体を保有していないこと」とあるのは「二類感染症の病原体を保有していないこと若しくは当該感染症の症状が消失したこと又は新型インフルエンザ等感染症の病原体を保有していないこと」と、同条第四項中「一類感染症の病原体を保有しているかどうか」とあるのは「二類感染症の病原体を保有しているかどうか、若しくは当該感染症の症状が消失したかどうか、又は新型インフルエンザ等感染症の病原体を保有しているかどうか」と読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
(結核患者に係る入院に関する特例)
第二十六条の二
 結核患者に対する前条において読み替えて準用する第十九条及び第二十条の規定の適用については、第十九条第七項中「当該患者が入院している病院又は診療所の所在地」とあるのは「当該患者の居住地」と、第二十条第一項本文中「十日以内」とあるのは「三十日以内」と、同条第四項中「十日以内」とあるのは「十日以内(第一項本文の規定に係る入院にあっては、三十日以内)」と、同条第五項中「当該患者が入院している病院又は診療所の所在地」とあるのは「当該患者の居住地」とする。
第五章 消毒その他の措置
(感染症の病原体に汚染された場所の消毒)
第二十七条
 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の患者がいる場所又はいた場所、当該感染症により死亡した者の死体がある場所又はあった場所その他当該感染症の病原体に汚染された場所又は汚染された疑いがある場所について、当該患者若しくはその保護者又はその場所の管理をする者若しくはその代理をする者に対し、消毒すべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の患者がいる場所又はいた場所、当該感染症により死亡した者の死体がある場所又はあった場所その他当該感染症の病原体に汚染された場所又は汚染された疑いがある場所について、市町村に消毒するよう指示し、又は当該都道府県の職員に消毒させることができる。
(ねずみ族、昆虫等の駆除)
第二十八条
 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は四類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねずみ族、昆虫等が存在する区域を指定し、当該区域の管理をする者又はその代理をする者に対し、当該ねずみ族、昆虫等を駆除すべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症又は四類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねずみ族、昆虫等が存在する区域を指定し、当該区域を管轄する市町村に当該ねずみ族、昆虫等を駆除するよう指示し、又は当該都道府県の職員に当該ねずみ族、昆虫等を駆除させることができる。
(物件に係る措置)
第二十九条
 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類、寝具その他の物件について、その所持者に対し、当該物件の移動を制限し、若しくは禁止し、消毒、廃棄その他当該感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類、寝具その他の物件について、市町村に消毒するよう指示し、又は当該都道府県の職員に消毒、廃棄その他当該感染症の発生を予防し、若しくはそのまん延を防止するために必要な措置をとらせることができる。
(死体の移動制限等)
第三十条
 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体の移動を制限し、又は禁止することができる。
2 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、火葬しなければならない。ただし、十分な消毒を行い、都道府県知事の許可を受けたときは、埋葬することができる。
3 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。
(生活の用に供される水の使用制限等)
第三十一条
 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は三類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある生活の用に供される水について、その管理者に対し、期間を定めて、その使用又は給水を制限し、又は禁止すべきことを命ずることができる。
2 市町村は、都道府県知事が前項の規定により生活の用に供される水の使用又は給水を制限し、又は禁止すべきことを命じたときは、同項に規定する期間中、都道府県知事の指示に従い、当該生活の用に供される水の使用者に対し、生活の用に供される水を供給しなければならない。
(建物に係る措置)
第三十二条
 都道府県知事は、一類感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある建物について、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認める場合であって、消毒により難いときは、厚生労働省令で定めるところにより、期間を定めて、当該建物への立入りを制限し、又は禁止することができる。
2 都道府県知事は、前項に規定する措置によっても一類感染症のまん延を防止できない場合であって、緊急の必要があると認められるときに限り、政令で定める基準に従い、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある建物について封鎖その他当該感染症のまん延の防止のために必要な措置を講ずることができる。
(交通の制限又は遮断)
第三十三条
 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認める場合であって、消毒により難いときは、政令で定める基準に従い、七十二時間以内の期間を定めて、当該感染症の患者がいる場所その他当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある場所の交通を制限し、又は遮断することができる。
(必要な最小限度の措置)
第三十四条
 第二十七条から前条までの規定により実施される措置は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
(質問及び調査)
第三十五条
 都道府県知事は、第二十七条から第三十三条までに規定する措置を実施するため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症 、四類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者がいる場所若しくはいた場所、当該感染症により死亡した者の死体がある場所若しくはあった場所、当該感染症を人に感染させるおそれがある動物がいる場所若しくはいた場所、当該感染症により死亡した動物の死体がある場所若しくはあった場所その他当該感染症の病原体に汚染された場所若しくは汚染された疑いがある場所に立ち入り、一類感染症、二類感染症、三類感染症 、四類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者若しくは無症状病原体保有者若しくは当該感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
4 前三項の規定は、市町村長が第二十七条第二項、第二十八条第二項、第二十九条第二項又は第三十一条第二項に規定する措置を実施するため必要があると認める場合について準用する。
5 第二項の証明書に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(書面による通知)
第三十六条
 都道府県知事は、第二十七条第一項若しくは第二項、第二十八条第一項若しくは第二項、第二十九条第一項若しくは第二項、第三十条第一項又は第三十一条第一項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合には、その名あて人又はその保護者に対し、当該措置を実施する旨及びその理由その他厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
2 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該措置を実施した後相当の期間内に、当該措置を実施した旨及びその理由その他同項の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を当該措置の名あて人又はその保護者に交付しなければならない。
3 都道府県知事は、第三十二条又は第三十三条に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合には、適当な場所に当該措置を実施する旨及びその理由その他厚生労働省令で定める事項を掲示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定は、市町村長が当該職員に第二十七条第二項、第二十八条第二項又は第二十九条第二項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
第六章 医療
(入院患者の医療)
第三十七条
 都道府県は、都道府県知事が第十九条若しくは第二十条(これらの規定を第二十六条において準用する場合を含む。)又は第四十六条の規定により入院の勧告又は入院の措置を実施した場合において、当該入院に係る患者(新感染症の所見がある者を含む。以下この条において同じ。)又はその保護者から申請があったときは、当該患者が感染症指定医療機関において受ける次に掲げる医療に要する費用を負担する。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 医学的処置、手術及びその他の治療
四 病院への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
2 都道府県は、前項に規定する患者若しくはその配偶者又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十七条第一項に定める扶養義務者が前項の費用の全部又は一部を負担することができると認められるときは、同項の規定にかかわらず、その限度において、同項の規定による負担をすることを要しない。
3 第一項の申請は、当該患者の居住地を管轄する保健所長を経由して都道府県知事に対してしなければならない。
(結核患者の医療)
第三十七条の二
 都道府県は、結核の適正な医療を普及するため、その区域内に居住する結核患者又はその保護者から申請があったときは、当該結核患者が結核指定医療機関において厚生労働省令で定める医療を受けるために必要な費用の百分の九十五に相当する額を負担することができる。
2 前項の申請は、当該結核患者の居住地を管轄する保健所長を経由して都道府県知事に対してしなければならない。
3 都道府県知事は、前項の申請に対して決定をするには、当該保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。
4 第一項の申請があってから六月を経過したときは、当該申請に基づく費用の負担は、打ち切られるものとする。
(感染症指定医療機関)
第三十八条
 特定感染症指定医療機関の指定は、その開設者の同意を得て、当該病院の所在地を管轄する都道府県知事と協議した上、厚生労働大臣が行うものとする。
2 第一種感染症指定医療機関、第二種感染症指定医療機関及び結核指定医療機関の指定は、厚生労働大臣の定める基準に適合する病院(結核指定医療機関にあっては、病院若しくは診療所(第六条第十 六項の政令で定めるものを含む。)又は薬局)について、その開設者の同意を得て、都道府県知事が行うものとする。
3 感染症指定医療機関は、厚生労働大臣の定めるところにより、前二条の規定により都道府県が費用を負担する感染症の患者及び新感染症の所見がある者の医療を担当しなければならない。
4 特定感染症指定医療機関は、第三十七条第一項各号に掲げる医療のうち新感染症の所見がある者並びに一類感染症、二類感染症 及び新型インフルエンザ等感染症の患者に係る医療について、厚生労働大臣が行う指導に従わなければならない。
5 第一種感染症指定医療機関は、第三十七条第一項各号に掲げる医療のうち一類感染症、二類感染症及び新型インフルエンザ等感染症の患者に係る医療について、厚生労働省令で定めるところにより都道府県知事が行う指導に従わなければならない。
6 第二種感染症指定医療機関は、第三十七条第一項各号に掲げる医療のうち二類感染症の患者に係る医療について、厚生労働省令で定めるところにより都道府県知事が行う指導に従わなければならない。
7 結核指定医療機関は、前条第一項に規定する医療について、厚生労働省令で定めるところにより都道府県知事が行う指導に従わなければならない。
8 感染症指定医療機関は、その指定を辞退しようとするときは、辞退の日の一年前(結核指定医療機関にあっては、三十日前)までに、特定感染症指定医療機関については厚生労働大臣に、第一種感染症指定医療機関、第二種感染症指定医療機関及び結核指定医療機関については都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
9 感染症指定医療機関が、第三項から第七項までの規定に違反したとき、その他前二条に規定する医療を行うについて不適当であると認められるに至ったときは、特定感染症指定医療機関については厚生労働大臣、第一種感染症指定医療機関、第二種感染症指定医療機関及び結核指定医療機関については都道府県知事は、その指定を取り消すことができる。
(他の法律による医療に関する給付との調整)
第三十九条
 第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の規定により費用の負担を受ける感染症の患者(新感染症の所見がある者を除く。)が、健康保険法(大正十一年法律第七十号)、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定により医療に関する給付を受けることができる者であるときは、都道府県は、その限度において、第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の規定による負担をすることを要しない。
2 第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の規定は、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)の規定により医療を受けることができる結核患者については、適用しない。
3 第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の規定による費用の負担を受ける結核患者が、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の規定による療育の給付を受けることができる者であるときは、当該患者について都道府県が費用の負担をする限度において、同法の規定による療育の給付は、行わない。
(診療報酬の請求、審査及び支払)
第四十条
 感染症指定医療機関は、診療報酬のうち、第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の規定により都道府県が負担する費用を、都道府県に請求するものとする。
2 都道府県は、前項の費用を当該感染症指定医療機関に支払わなければならない。
3 都道府県知事は、感染症指定医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、かつ、感染症指定医療機関が第一項の規定によって請求することができる診療報酬の額を決定することができる。
4 感染症指定医療機関は、都道府県知事が行う前項の規定による決定に従わなければならない。
5 都道府県知事は、第三項の規定により診療報酬の額を決定するに当たっては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
6 都道府県は、感染症指定医療機関に対する診療報酬の支払に関する事務を、社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険団体連合会その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
7 第三項の規定による診療報酬の額の決定については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
(診療報酬の基準)
第四十一条
 感染症指定医療機関が行う第三十七条第一項各号に掲げる医療又は第三十七条の二第一項に規定する厚生労働省令で定める医療に関する診療報酬は、健康保険の診療報酬の例によるものとする。
2 前項に規定する診療報酬の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療報酬は、厚生労働大臣の定めるところによる。
(緊急時等の医療に係る特例)
第四十二条
 都道府県は、第十九条若しくは第二十条(これらの規定を第二十六条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)若しくは第四十六条の規定により感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所に入院した患者(新感染症の所見がある者を含む。以下この条において同じ。)が、当該病院若しくは診療所から第三十七条第一項各号に掲げる医療を受けた場合又はその区域内に居住する結核患者(第二十六条において読み替えて準用する第十九条又は第二十条の規定により入院した患者を除く。以下この項において同じ。)が、緊急その他やむを得ない理由により、結核指定医療機関以外の病院若しくは診療所(第六条第十 六項の政令で定めるものを含む。)若しくは薬局から第三十七条の二第一項に規定する厚生労働省令で定める医療を受けた場合においては、その医療に要した費用につき、当該患者又はその保護者の申請により、第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の規定によって負担する額の例により算定した額の療養費を支給することができる。第十九条若しくは第二十条若しくは第四十六条の規定により感染症指定医療機関に入院した患者が感染症指定医療機関から第三十七条第一項各号に掲げる医療を受けた場合又はその区域内に居住する結核患者が結核指定医療機関から第三十七条の二第一項に規定する厚生労働省令で定める医療を受けた場合において、当該医療が緊急その他やむを得ない理由により第三十七条第一項又は第三十七条の二第一項の申請をしないで行われたものであるときも、同様とする。
2 第三十七条第三項の規定は、前項の申請について準用する。
3 第一項の療養費は、当該患者が当該医療を受けた当時それが必要であったと認められる場合に限り、支給するものとする。
(報告の請求及び検査)
第四十三条
 都道府県知事(特定感染症指定医療機関にあっては、厚生労働大臣又は都道府県知事とする。次項において同じ。)は、第三十七条第一項及び第三十七条の二第一項に規定する費用の負担を適正なものとするため必要があると認めるときは、感染症指定医療機関の管理者に対して必要な報告を求め、又は当該職員に感染症指定医療機関についてその管理者の同意を得て実地に診療録その他の帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させることができる。
2 感染症指定医療機関が、正当な理由がなく、前項の報告の求めに応ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の同意を拒んだときは、都道府県知事は、当該感染症指定医療機関に対する診療報酬の支払を一時差し止めるよう指示し、又は差し止めることができる。
(厚生労働省令への委任)
第四十四条
 この法律に規定するもののほか、第三十七条第一項及び第三十七条の二第一項の申請の手続、第四十条の診療報酬の請求並びに支払及びその事務の委託の手続その他この章で規定する費用の負担に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第七章 新型インフルエンザ等感染症
(新型インフルエンザ等感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表)
第四十四条の二 
厚生労働大臣は、新型インフルエンザ等感染症が発生したと認めたときは、速やかに、その旨及び発生した地域を公表するとともに、当該感染症について、第十六条の規定による情報の公表を行うほか、病原体であるウイルスの血清亜型及び検査方法、症状、診断及び治療並びに感染の防止の方法、この法律の規定により実施する措置その他の当該感染症の発生の予防又はそのまん延の防止に必要な情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により逐次公表しなければならない。
2 前項の情報を公表するに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定により情報を公表した感染症について、国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得したこと等により新型インフルエンザ等感染症と認められなくなったときは、速やかに、その旨を公表しなければならない。
(感染を防止するための協力)
第四十四条の三
 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し、当該感染症の潜伏期間を考慮して定めた期間内において、当該者の体温その他の健康状態について報告を求めることができる。
2 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により報告を求めた者に対し、同項の規定により定めた期間内において、当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
3 前二項の規定により報告又は協力を求められた者は、これに応ずるよう努めなければならない。
4 都道府県知事は、第二項の規定により協力を求めるときは、必要に応じ、食事の提供、日用品の支給その他日常生活を営むために必要なサービスの提供又は物品の支給(次項において「食事の提供等」という。)に努めなければならない。
5 都道府県知事は、前項の規定により、必要な食事の提供等を行った場合は、当該食事の提供等を受けた者又はその保護者から、当該食事の提供等に要した実費を徴収することができる。
(建物に係る措置等の規定の適用)
第四十四条の四
 国は、新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため、特に必要があると認められる場合は、二年以内の政令で定める期間に限り、政令で定めるところにより、当該感染症を一類感染症とみなして、第二十八条及び第三十一条から第三十三条までの規定並びに第三十四条から第三十六条まで、第十二章及び第十三章の規定(第二十八条又は第三十一条から第三十三条までの規定により実施される措置に係る部分に限る。)の全部又は一部を適用することができる。
2 前項の政令で定められた期間は、当該感染症について同項の政令により適用することとされた規定を当該期間の経過後なお適用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。当該延長に係る政令で定める期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
3 厚生労働大臣は、前二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。ただし、第一項の政令の制定又は改廃につき緊急を要する場合で、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
4 前項ただし書に規定する場合において、厚生労働大臣は、速やかに、その立案した政令の内容について厚生科学審議会に報告しなければならない。
(新型インフルエンザ等感染症に係る経過の報告)
第四十四条の五
 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症に関し、この法律又はこの法律に基づく政令の規定による事務を行った場合は、厚生労働省令で定めるところにより、その内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。
2 前項の規定は、市町村長が、新型インフルエンザ等感染症に関し、第三十五条第四項において準用する同条第一項に規定する措置を当該職員に実施させた場合について準用する。
第八章 新感染症
(新感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表)
第四十四条の六
 厚生労働大臣は、新感染症が発生したと認めたときは、速やかに、その旨及び発生した地域を公表するとともに、当該新感染症について、第十六条の規定による情報の公表を行うほか、病原体の検査方法、症状、診断及び治療並びに感染の防止の方法、この法律の規定により実施する措置その他の当該新感染症の発生の予防又はそのまん延の防止に必要な情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により逐次公表しなければならない。
2 前項の情報を公表するに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。
(新感染症に係る健康診断)
第四十五条
 都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し当該新感染症にかかっているかどうかに関する医師の健康診断を受け、又はその保護者に対し当該新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に健康診断を受けさせるべきことを勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者について、当該職員に健康診断を行わせることができる。
3 第十七条第三項及び第四項の規定は、都道府県知事が第一項に規定する健康診断の勧告又は前項に規定する健康診断の措置を実施する場合について準用する。
(新感染症の所見がある者の入院)
第四十六条
 都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、新感染症の所見がある者に対し十日以内の期間を定めて特定感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該新感染症の所見がある者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関以外の病院であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該新感染症の所見がある者を入院させるべきことを勧告することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、十日以内の期間を定めて、当該勧告に係る新感染症の所見がある者を特定感染症指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関以外の病院であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
3 都道府県知事は、緊急その他やむを得ない理由があるときは、前二項の規定により入院している新感染症の所見がある者を、前二項の規定により入院したときから起算して十日以内の期間を定めて、当該新感染症の所見がある者が入院している病院以外の病院であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
4 都道府県知事は、前三項の規定に係る入院の期間の経過後、当該入院に係る新感染症の所見がある者について入院を継続する必要があると認めるときは、十日以内の期間を定めて入院の期間を延長することができる。当該延長に係る入院の期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
5 都道府県知事は、第一項の規定による勧告をしようとする場合には、当該新感染症の所見がある者又はその保護者に、適切な説明を行い、その理解を得るよう努めるとともに、都道府県知事が指定する職員に対して意見を述べる機会を与えなければならない。この場合においては、当該新感染症の所見がある者又はその保護者に対し、あらかじめ、意見を述べるべき日時、場所及びその勧告の原因となる事実を通知しなければならない。
6 前項の規定による通知を受けた当該新感染症の所見がある者又はその保護者は、代理人を出頭させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7 第五項の規定による意見を聴取した者は、聴取書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
(新感染症の所見がある者の移送)
第四十七条
 都道府県知事は、前条の規定により入院する新感染症の所見がある者を当該入院に係る病院に移送しなければならない。
(新感染症の所見がある者の退院)
第四十八条
 都道府県知事は、第四十六条の規定により入院している者について、当該入院に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないことが確認されたときは、当該入院している者を退院させなければならない。
2 病院の管理者は、都道府県知事に対し、第四十六条の規定により入院している者について、当該入院に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがない旨の意見を述べることができる。
3 第四十六条の規定により入院している者又はその保護者は、都道府県知事に対し、当該入院している者の退院を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による退院の求めがあったときは、当該入院している者について、当該入院に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないかどうかの確認をしなければならない。
(最小限度の措置)
第四十八条の二
 第四十五条から第四十七条までの規定により実施される措置は、新感染症を公衆にまん延させるおそれ、新感染症にかかった場合の病状の程度その他の事情に照らして、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
(新感染症の所見がある者の入院に係る書面による通知)
第四十九条
 第十七条第三項及び第四項の規定は、都道府県知事が第四十六条第一項に規定する入院の勧告、同条第二項及び第三項に規定する入院の措置並びに同条第四項に規定する入院の期間の延長をする場合について準用する。
(都道府県知事に対する苦情の申出)
第四十九条の二
 第二十四条の二の規定は、第四十六条の規定により入院している新感染症の所見がある者について準用する。
(新感染症に係る消毒その他の措置)
第五十条
 都道府県知事は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該新感染症を一類感染症とみなして、第二十七条から第三十三条まで及び第三十五条第一項に規定する措置の全部又は一部を実施し、又は当該職員に実施させることができる。
2 第三十五条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により都道府県知事が当該職員に同条第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
3 第三十六条第一項及び第二項の規定は、第一項の規定により都道府県知事が第二十七条第一項若しくは第二項、第二十八条第一項若しくは第二項、第二十九条第一項若しくは第二項、第三十条第一項又は第三十一条第一項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
4 第三十六条第三項の規定は、第一項の規定により都道府県知事が第三十二条又は第三十三条に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
5 市町村長は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該新感染症を一類感染症とみなして、第三十五条第四項において準用する同条第一項に規定する措置を当該職員に実施させることができる。
6 第三十五条第四項において準用する同条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により当該職員に同条第四項において準用する同条第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
7 第三十六条第四項において準用する同条第一項及び第二項の規定は、第一項の規定により実施される第二十七条第二項、第二十八条第二項又は第二十九条第二項の規定による都道府県知事の指示に従い、市町村長が当該職員に第二十七条第二項、第二十八条第二項又は第二十九条第二項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
8 第一項又は第五項の規定により実施される措置は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
(感染を防止するための協力)
第五十条の二
 都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し、当該新感染症の潜伏期間と想定される期間を考慮して定めた期間内において、当該者の体温その他の健康状態について報告を求めることができる。
2 都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により報告を求めた者に対し、同項の規定により定めた期間内において、当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の当該新感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
3 前二項の規定により報告又は協力を求められた者は、これに応ずるよう努めなければならない。
4 第四十四条の三第四項及び第五項の規定は、都道府県知事が第二項の規定により協力を求める場合について準用する。
(厚生労働大臣の技術的指導及び助言)
第五十一条
 都道府県知事は、第四十五条第一項、第四十六条第一項、第三項若しくは第四項、第四十七条若しくは第四十八条第一項若しくは第四項に規定する措置又は第五十条第一稿の規定により第二十七条から第三十三条まで若しくは第三十五条第一項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させようとする場合には、あらかじめ、当該措置の内容及び当該措置を実施する時期その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に通報し、厚生労働大臣と密接な連携を図った上で当該措置を講じなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による通報を受けたときは、第四十五条から第四十八条まで及び第五十条第一項に規定する措置を適正なものとするため、当該都道府県知事に対して技術的な指導及び助言をしなければならない。
3 厚生労働大臣は、前項の規定により都道府県知事に対して技術的な指導及び助言をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
4 前三項の規定は、市町村長が第五十条第五項の規定により第三十五条第四項において準用する同条第一項に規定する措置を当該職員に実施させる場合について準用する。
(厚生労働大臣の指示)
第五十一条の二
 厚生労働大臣は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第四十五条第一項、第四十六条第一項、第三項若しくは第四項、第四十七条、第四十八条第一項若しくは第四項、第五十条第一項又は第五十条の二第一項若しくは第二項の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により都道府県知事に対して指示をしようとするときは、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
3 前項ただし書に規定する場合において、厚生労働大臣は、速やかに、その指示した措置について厚生科学審議会に報告しなければならない。
(新感染症に係る経過の報告)
第五十二条
 都道府県知事は、第四十五条から第四十八条まで又は第五十条第一項に規定する措置を実施し、若しくは当該職員に実施させた場合又は第五十条の二第一項若しくは第二項の規定による事務を行った場合は、その内容及びその後の経過を逐次厚生労働大臣に報告しなければならない。
2 前項の規定は、市町村長が、第五十条第五項に規定する措置を当該職員に実施させた場合について準用する。
(新感染症の政令による指定)
第五十三条
 国は、新感染症に係る情報の収集及び分析により、当該新感染症の固有の病状及びまん延の防止のために講ずべき措置を示すことができるようになったときは、速やかに、政令で定めるところにより、新感染症及び新感染症の所見がある者を一年以内の政令で定める期間に限り、それぞれ、一類感染症及び一類感染症の患者とみなして第三章から第六章まで、第十章、第十二章及び第十三章の規定の全部又は一部を適用する措置を講じなければならない。
2 前項の政令で定められた期間は、当該政令で定められた新感染症について同項の政令により適用することとされた規定を当該期間の経過後なお適用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。当該延長に係る政令で定める期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
3 厚生労働大臣は、前二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
第九章 結核
(定期の健康診断)
第五十三条の二
 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二条第三号に規定する事業者(以下この章及び第十二章において「事業者」という。)、学校(専修学校及び各種学校を含み、修業年限が一年未満のものを除く。以下同じ。)の長又は矯正施設その他の施設で政令で定めるもの(以下この章及び第十二章において「施設」という。)の長は、それぞれ当該事業者の行う事業において業務に従事する者、当該学校の学生、生徒若しくは児童又は当該施設に収容されている者(小学校就学の始期に達しない者を除く。)であって政令で定めるものに対して、政令で定める定期において、期日又は期間を指定して、結核に係る定期の健康診断を行わなければならない。
2 保健所長は、事業者(国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区を除く。)又は学校若しくは施設(国、都道府県、保健所を設置する市又は特別区の設置する学校又は施設を除く。)の長に対し、前項の規定による定期の健康診断の期日又は期間の指定に関して指示することができる。
3 市町村長は、その管轄する区域内に居住する者(小学校就学の始期に達しない者を除く。)のうち、第一項の健康診断の対象者以外の者であって政令で定めるものに対して、政令で定める定期において、保健所長(特別区及び保健所を設置する市にあっては、都道府県知事)の指示を受け期日又は期間を指定して、結核に係る定期の健康診断を行わなければならない。
4 第一項の健康診断の対象者に対して労働安全衛生法、学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)その他の法律又はこれらに基づく命令若しくは規則の規定によって健康診断が行われた場合において、その健康診断が第五十三条の九の技術的基準に適合するものであるときは、当該対象者に対してそれぞれ事業者又は学校若しくは施設の長が、同項の規定による定期の健康診断を行ったものとみなす。
5 第一項及び第三項の規定による健康診断の回数は、政令で定める。
(受診義務)
第五十三条の三
 前条第一項又は第三項の健康診断の対象者は、それぞれ指定された期日又は期間内に、事業者、学校若しくは施設の長又は市町村長の行う健康診断を受けなければならない。
2 前項の規定により健康診断を受けるべき者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者において、その者に健康診断を受けさせるために必要な措置を講じなければならない。
(他で受けた健康診断)
第五十三条の四
 定期の健康診断を受けるべき者が、健康診断を受けるべき期日又は期間満了前三月以内に第五十三条の九の技術的基準に適合する健康診断を受け、かつ、当該期日又は期間満了の日までに医師の診断書その他その健康診断の内容を証明する文書を当該健康診断の実施者に提出したときは、定期の健康診断を受けたものとみなす。
(定期の健康診断を受けなかった者)
第五十三条の五
 疾病その他やむを得ない事故のため定期の健康診断を受けることができなかった者は、その事故が二月以内に消滅したときは、その事故の消滅後一月以内に、健康診断を受け、かつ、その健康診断の内容を記載した医師の診断書その他その健康診断の内容を証明する文書を当該健康診断の実施者に提出しなければならない。
(定期の健康診断に関する記録)
第五十三条の六
 定期の健康診断の実施者(以下この章において「健康診断実施者」という。)は、定期の健康診断を行い、又は前二条の規定による診断書その他の文書の提出を受けたときは、遅滞なく、健康診断に関する記録を作成し、かつ、これを保存しなければならない。
2 健康診断実施者は、定期の健康診断を受けた者から前項の規定により作成された記録の開示を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
(通報又は報告)
第五十三条の七
 健康診断実施者は、定期の健康診断を行ったときは、その健康診断(第五十三条の四又は第五十三条の五の規定による診断書その他の文書の提出を受けた健康診断を含む。)につき、受診者の数その他厚生労働省令で定める事項を当該健康診断を行った場所を管轄する保健所長(その場所が保健所を設置する市又は特別区の区域内であるときは、保健所長及び市長又は区長)を経由して、都道府県知事に通報又は報告しなければならない。
2 前項の規定は、他の法律又はこれに基づく命令若しくは規則の規定による健康診断実施者が、第五十三条の二第四項の規定により同条第一項の規定による健康診断とみなされる健康診断を行った場合について準用する。
(他の行政機関との協議)
第五十三条の八
 保健所長は、第五十三条の二第二項の規定により、事業者の行う事業において業務に従事する者で労働安全衛生法の適用を受けるものに関し、当該事業者に対して指示をするに当たっては、あらかじめ、当該事業の所在地を管轄する労働基準監督署長と協議しなければならない。
2 保健所長は、教育委員会の所管に属する学校については、第五十三条の二第二項の指示に代えて、その指示すべき事項を当該教育委員会に通知するものとする。
3 教育委員会は、前項の通知があったときは、必要な事項を当該学校に指示するものとする。
(厚生労働省令への委任)
第五十三条の九
 定期の健康診断の方法及び技術的基準、第五十三条の四又は第五十三条の五に規定する診断書その他の文書の記載事項並びに健康診断に関する記録の様式及び保存期間は、厚生労働省令で定める。
(結核患者の届出の通知)
第五十三条の十
 都道府県知事は、第十二条第一項の規定による結核患者に係る届出を受けた場合において、当該届出がその者の居住地を管轄する保健所長以外の保健所長を経由して行われたときは、直ちに当該届出の内容をその者の居住地を管轄する保健所長に通知しなければならない。
(病院管理者の届出)
第五十三条の十一
 病院の管理者は、結核患者が入院したとき、又は入院している結核患者が退院したときは、七日以内に、当該患者について厚生労働省令で定める事項を、最寄りの保健所長に届け出なければならない。
2 保健所長は、その管轄する区域内に居住する者以外の者について前項の届出を受けたときは、その届出の内容を、当該患者の居住地を管轄する保健所長に通知しなければならない。
(結核登録票)
第五十三条の十二
 保健所長は、結核登録票を備え、これに、その管轄する区域内に居住する結核患者及び厚生労働省令で定める結核回復者に関する事項を記録しなければならない。
2 前項の記録は、第十二条第一項の規定による届出又は第五十三条の十の規定による通知があった者について行うものとする。
3 結核登録票に記載すべき事項、その移管及び保存期間その他登録票に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(精密検査)
第五十三条の十三
 保健所長は、結核登録票に登録されている者に対して、結核の予防又は医療上必要があると認めるときは、エックス線検査その他厚生労働省令で定める方法による精密検査を行うものとする。
(家庭訪問指導)
第五十三条の十四
 保健所長は、結核登録票に登録されている者について、結核の予防又は医療上必要があると認めるときは、保健師又はその他の職員をして、その者の家庭を訪問させ、処方された薬剤を確実に服用することその他必要な指導を行わせるものとする。
(医師の指示)
第五十三条の十五
 医師は、結核患者を診療したときは、本人又はその保護者若しくは現にその患者を看護する者に対して、処方した薬剤を確実に服用することその他厚生労働省令で定める患者の治療に必要な事項及び消毒その他厚生労働省令で定める感染の防止に必要な事項を指示しなければならない。
第十章 感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する措置
(輸入禁止)
第五十四条
 何人も、感染症を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定める動物(以下「指定動物」という。)であって次に掲げるものを輸入してはならない。ただし、第一号の厚生労働省令、農林水産省令で定める地域から輸入しなければならない特別の理由がある場合において、厚生労働大臣及び農林水産大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
一 感染症の発生の状況その他の事情を考慮して指定動物ごとに厚生労働省令、農林水産省令で定める地域から発送されたもの
二 前号の厚生労働省令、農林水産省令で定める地域を経由したもの
(輸入検疫)
第五十五条
 指定動物を輸入しようとする者(以下「輸入者」という。)は、輸出国における検査の結果、指定動物ごとに政令で定める感染症にかかっていない旨又はかかっている疑いがない旨その他厚生労働省令、農林水産省令で定める事項を記載した輸出国の政府機関により発行された証明書又はその写しを添付しなければならない。
2 指定動物は、農林水産省令で定める港又は飛行場以外の場所で輸入してはならない。
3 輸入者は、農林水産省令で定めるところにより、当該指定動物の種類及び数量、輸入の時期及び場所その他農林水産省令で定める事項を動物検疫所に届け出なければならない。この場合において、動物検疫所長は、次項の検査を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る輸入の時期又は場所を変更すべきことを指示することができる。
4 輸入者は、動物検疫所又は第二項の規定により定められた港若しくは飛行場内の家畜防疫官が指定した場所において、指定動物について、第一項の政令で定める感染症にかかっているかどうか、又はその疑いがあるかどうかについての家畜防疫官による検査を受けなければならない。ただし、特別の理由があるときは、農林水産大臣の指定するその他の場所で検査を行うことができる。
5 家畜防疫官は、前項の検査を実施するため必要があると認めるときは、当該検査を受ける者に対し、必要な指示をすることができる。
6 前各項に規定するもののほか、指定動物の検疫に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
(検査に基づく措置)
第五十六条
 家畜防疫官が、前条第四項の検査において、同条第一項の政令で定める感染症にかかり、又はかかっている疑いがある指定動物を発見した場合については、第十三条の規定は、適用しない。この場合において、動物検疫所長は、直ちに、当該指定動物の輸入者の氏名その他同条第一項の厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に通知するものとする。
2 前項の規定による通知を受けた都道府県知事は、直ちに、当該通知の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。
3 動物検疫所長は、第一項に規定する指定動物について、農林水産省令で定めるところにより、家畜防疫官に隔離、消毒、殺処分その他必要な措置をとらせることができる。
(輸入届出)
第五十六条の二
 動物(指定動物を除く。)のうち感染症を人に感染させるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの又は動物の死体のうち感染症を人に感染させるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び第六十九条第九号において「届出動物等」という。)を輸入しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該届出動物等の種類、数量その他厚生労働省令で定める事項を記載した届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、輸出国における検査の結果、届出動物等ごとに厚生労働省令で定める感染症にかかっていない旨又はかかっている疑いがない旨その他厚生労働省令で定める事項を記載した輸出国の政府機関により発行された証明書又はその写しを添付しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、届出動物等の輸入の届出に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第十一章 特定病原体等
第一節 一種病原体等
(一種病原体等の所持の禁止)
第五十六条の三
 何人も、一種病原体等を所持してはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 特定一種病原体等所持者が、試験研究が必要な一種病原体等として政令で定めるもの(以下「特定一種病原体等」という。)を、厚生労働大臣が指定する施設における試験研究のために所持する場合
二 第五十六条の二十二第一項の規定により一種病原体等の滅菌若しくは無害化(以下「滅菌等」という。)をし、又は譲渡しをしなければならない者(以下「一種滅菌譲渡義務者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、滅菌等又は譲渡し(以下「滅菌譲渡」という。)をするまでの間一種病原体等を所持する場合
三 前二号に規定する者から運搬を委託された者が、その委託に係る一種病原体等を当該運搬のために所持する場合
四 前三号に規定する者の従業者が、その職務上一種病原体等を所持する場合
2 前項第一号の特定一種病原体等所持者とは、国又は独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)その他の政令で定める法人であって特定一種病原体等の種類ごとに当該特定一種病原体等を適切に所持できるものとして厚生労働大臣が指定した者をいう。
(一種病原体等の輸入の禁止)
第五十六条の四
 何人も、一種病原体等を輸入してはならない。ただし、特定一種病原体等所持者(前条第二項に規定する特定一種病原体等所持者をいう。以下同じ。)が、特定一種病原体等であって外国から調達する必要があるものとして厚生労働大臣が指定するものを輸入する場合は、この限りでない。
(一種病原体等の譲渡し及び譲受けの禁止)
第五十六条の五
 何人も、一種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 特定一種病原体等所持者が、特定一種病原体等を、厚生労働大臣の承認を得て、他の特定一種病原体等所持者に譲り渡し、又は他の特定一種病原体等所持者若しくは一種滅菌譲渡義務者から譲り受ける場合
二 一種滅菌譲渡義務者が、特定一種病原体等を、厚生労働省令で定めるところにより、特定一種病原体等所持者に譲り渡す場合
第二節 二種病原体等
(二種病原体等の所持の許可)
第五十六条の六
 二種病原体等を所持しようとする者は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 第五十六条の二十二第一項の規定により二種病原体等の滅菌譲渡をしなければならない者(以下「二種滅菌譲渡義務者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、滅菌譲渡をするまでの間二種病原体等を所持しようとする場合
二 この項本文の許可を受けた者(以下「二種病原体等許可所持者」という。)又は二種滅菌譲渡義務者から運搬を委託された者が、その委託に係る二種病原体等を当該運搬のために所持しようとする場合
三 二種病原体等許可所持者又は前二号に規定する者の従業者が、その職務上二種病原体等を所持しようとする場合
2 前項本文の許可を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 二種病原体等の種類(毒素にあっては、種類及び数量)
三 所持の目的及び方法
四 二種病原体等の保管、使用及び滅菌等をする施設(以下「二種病原体等取扱施設」という。)の位置、構造及び設備
(欠格条項)
第五十六条の七
 次の各号のいずれかに該当する者には、前条第一項本文の許可を与えない。
一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
二 禁錮こ以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
三 この法律、狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)若しくは検疫法又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
四 第五十六条の三十五第二項の規定により許可を取り消され、取消しの日から五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であった者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
五 第五十六条の三十五第二項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第五十六条の二十二第二項の規定による届出をした者(当該届出について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過しないもの
六 前号に規定する期間内に第五十六条の二十二第二項の規定による届出があった場合において、同号の通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人(当該届出について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人であった者又は当該届出に係る個人(当該届出について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であった者であって、当該届出の日から五年を経過しないもの
七 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
八 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者のあるもの
九 個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者のあるもの
(許可の基準)
第五十六条の八
 厚生労働大臣は、第五十六条の六第一項本文の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項本文の許可をしてはならない。
一 所持の目的が検査、治療、医薬品その他厚生労働省令で定める製品の製造又は試験研究であること。
二 二種病原体等取扱施設の位置、構造及び設備が厚生労働省令で定める技術上の基準に適合するものであることその他二種病原体等による感染症が発生し、又はまん延するおそれがないこと。
(許可の条件)
第五十六条の九
 第五十六条の六第一項本文の許可には、条件を付することができる。
2 前項の条件は、二種病原体等による感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
(許可証)
第五十六条の十
 厚生労働大臣は、第五十六条の六第一項本文の許可をしたときは、その許可に係る二種病原体等の種類(毒素にあっては、種類及び数量)その他厚生労働省令で定める事項を記載した許可証を交付しなければならない。
2 許可証の再交付及び返納その他許可証に関する手続的事項は、厚生労働省令で定める。
(許可事項の変更)
第五十六条の十一
 二種病原体等許可所持者は、第五十六条の六第二項第二号から第四号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。ただし、その変更が厚生労働省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
2 二種病原体等許可所持者は、前項ただし書に規定する軽微な変更をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
3 二種病原体等許可所持者は、第五十六条の六第二項第一号に掲げる事項を変更したときは、厚生労働省令で定めるところにより、変更の日から三十日以内に、厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 第五十六条の八及び第五十六条の九の規定は、第一項本文の許可について準用する。
(二種病原体等の輸入の許可)
第五十六条の十二
二種病原体等を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
 
2 前項の許可を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 輸入しようとする二種病原体等の種類(毒素にあっては、種類及び数量)
三 輸入の目的
四 輸出者の氏名又は名称及び住所
五 輸入の期間
六 輸送の方法
七 輸入港名
(許可の基準)
第五十六条の十三
 厚生労働大臣は、前条第一項の許可の申請があった場合においては、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 申請者が二種病原体等許可所持者であること。
二 輸入の目的が検査、治療、医薬品その他厚生労働省令で定める製品の製造又は試験研究であること。
三 二種病原体等による感染症が発生し、又はまん延するおそれがないこと。
(準用)
第五十六条の十四
 第五十六条の九の規定は第五十六条の十二第一項の許可について、第五十六条の十の規定は第五十六条の十二第一項の許可に係る許可証について、第五十六条の十一の規定は第五十六条の十二第一項の許可を受けた者について準用する。この場合において、第五十六条の十一第一項中「第五十六条の六第二項第二号から第四号まで」とあるのは「第五十六条の十二第二項第二号から第七号まで」と、同条第三項中「第五十六条の六第二項第一号」とあるのは「第五十六条の十二第二項第一号」と、同条第四項中「第五十六条の八及び第五十六条の九」とあるのは「第五十六条の九及び第五十六条の十三」と読み替えるものとする。
(二種病原体等の譲渡し及び譲受けの制限)
第五十六条の十五
 二種病原体等は、次の各号のいずれかに該当する場合のほか、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
一 二種病原体等許可所持者がその許可に係る二種病原体等を、他の二種病原体等許可所持者に譲り渡し、又は他の二種病原体等許可所持者若しくは二種滅菌譲渡義務者から譲り受ける場合
二 二種滅菌譲渡義務者が二種病原体等を、厚生労働省令で定めるところにより、二種病原体等許可所持者に譲り渡す場合
第三節 三種病原体等
(三種病原体等の所持の届出)
第五十六条の十六
 三種病原体等を所持する者は、政令で定めるところにより、当該三種病原体等の所持の開始の日から七日以内に、当該三種病原体等の種類その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 病院若しくは診療所又は病原体等の検査を行っている機関が、業務に伴い三種病原体等を所持することとなった場合において、厚生労働省令で定めるところにより、滅菌譲渡をするまでの間三種病原体等を所持するとき。
二 三種病原体等を所持する者から運搬を委託された者が、その委託に係る三種病原体等を当該運搬のために所持する場合
三 三種病原体等を所持する者の従業者が、その職務上三種病原体等を所持する場合
2 前項本文の規定による届出をした三種病原体等を所持する者は、その届出に係る事項を変更したときは、厚生労働省令で定めるところにより、変更の日から七日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。その届出に係る三種病原体等を所持しないこととなったときも、同様とする。
(三種病原体等の輸入の届出)
第五十六条の十七
 三種病原体等を輸入した者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該三種病原体等の輸入の日から七日以内に、次の事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 輸入した三種病原体等の種類(毒素にあっては、種類及び数量)
三 輸入の目的
四 輸出者の氏名又は名称及び住所
五 輸入の年月日
六 輸送の方法
七 輸入港名
第四節 所持者等の義務
(感染症発生予防規程の作成等)
第五十六条の十八
 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者は、当該病原体等による感染症の発生を予防し、及びそのまん延を防止するため、厚生労働省令で定めるところにより、当該病原体等の所持を開始する前に、感染症発生予防規程を作成し、厚生労働大臣に届け出なければならない。
2 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者は、感染症発生予防規程を変更したときは、変更の日から三十日以内に、厚生労働大臣に届け出なければならない。
(病原体等取扱主任者の選任等)
第五十六条の十九
 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者は、当該病原体等による感染症の発生の予防及びまん延の防止について監督を行わせるため、当該病原体等の取扱いの知識経験に関する要件として厚生労働省令で定めるものを備える者のうちから、病原体等取扱主任者を選任しなければならない。
2 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者は、病原体等取扱主任者を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、選任した日から三十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
(病原体等取扱主任者の責務等)
第五十六条の二十
 病原体等取扱主任者は、誠実にその職務を遂行しなければならない。
2 特定一種病原体等の保管、使用及び滅菌等をする施設(以下「一種病原体等取扱施設」という。)又は二種病原体等取扱施設に立ち入る者は、病原体等取扱主任者がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは感染症発生予防規程の実施を確保するためにする指示に従わなければならない。
3 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者は、当該病原体等による感染症の発生の予防及びまん延の防止に関し、病原体等取扱主任者の意見を尊重しなければならない。
(教育訓練)
第五十六条の二十一
 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者は、一種病原体等取扱施設又は二種病原体等取扱施設に立ち入る者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、感染症発生予防規程の周知を図るほか、当該病原体等による感染症の発生を予防し、及びそのまん延を防止するために必要な教育及び訓練を施さなければならない。
(滅菌等)
第五十六条の二十二
次の各号に掲げる者が当該各号に定める場合に該当するときは、その所持する一種病原体等又は二種病原体等の滅菌若しくは無害化をし、又は譲渡しをしなければならない。
一 特定一種病原体等所持者又は二種病原体等許可所持者 特定一種病原体等若しくは二種病原体等について所持することを要しなくなった場合又は第五十六条の三第二項の指定若しくは第五十六条の六第一項本文の許可を取り消され、若しくはその指定若しくは許可の効力を停止された場合
二 病院若しくは診療所又は病原体等の検査を行っている機関 業務に伴い一種病原体等又は二種病原体等を所持することとなった場合
2 前項の規定により一種病原体等又は二種病原体等の滅菌譲渡をしなければならない者が、当該病原体等の滅菌譲渡をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該病原体等の種類、滅菌譲渡の方法その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
3 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者が、その所持する病原体等を所持することを要しなくなった場合において、前項の規定による届出をしたときは、第五十六条の三第二項の指定又は第五十六条の六第一項本文の許可は、その効力を失う。
(記帳義務)
第五十六条の二十三
 特定一種病原体等所持者、二種病原体等許可所持者及び三種病原体等を所持する者(第五十六条の十六第一項第三号に規定する従業者を除く。以下「三種病原体等所持者」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、当該病原体等の保管、使用及び滅菌等に関する事項その他当該病原体等による感染症の発生の予防及びまん延の防止に関し必要な事項を記載しなければならない。
2 前項の帳簿は、厚生労働省令で定めるところにより、保存しなければならない。
(施設の基準)
第五十六条の二十四
 特定一種病原体等所持者、二種病原体等許可所持者、三種病原体等所持者及び四種病原体等を所持する者(四種病原体等を所持する者の従業者であって、その職務上当該四種病原体等を所持するものを除く。以下「四種病原体等所持者」という。)は、その特定病原体等の保管、使用又は滅菌等をする施設の位置、構造及び設備を厚生労働省令で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
(保管等の基準)
第五十六条の二十五
 特定一種病原体等所持者及び二種病原体等許可所持者並びにこれらの者から運搬を委託された者、三種病原体等所持者並びに四種病原体等所持者(以下「特定病原体等所持者」という。)は、特定病原体等の保管、使用、運搬(船舶又は航空機による運搬を除く。次条第四項を除き、以下同じ。)又は滅菌等をする場合においては、厚生労働省令で定める技術上の基準に従って特定病原体等による感染症の発生の予防及びまん延の防止のために必要な措置を講じなければならない。
(適用除外)
第五十六条の二十六
 前三条及び第五十六条の三十二の規定は、第五十六条の十六第一項第一号に掲げる場合には、適用しない。
2 第五十六条の二十三、第五十六条の二十四及び第五十六条の三十二第一項の規定は、第五十六条の十六第一項第二号に掲げる場合には、適用しない。
3 前二条及び第五十六条の三十二の規定は、病院若しくは診療所又は病原体等の検査を行っている機関が、業務に伴い四種病原体等を所持することとなった場合において、厚生労働省令で定めるところにより、滅菌譲渡をするまでの間四種病原体等を所持するときは、適用しない。
4 第五十六条の二十四及び第五十六条の三十二第一項の規定は、四種病原体等所持者から運搬を委託された者が、その委託に係る四種病原体等を当該運搬のために所持する場合には、適用しない。
(運搬の届出等)
第五十六条の二十七
 特定一種病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者、二種病原体等許可所持者及び二種滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者並びに三種病原体等所持者は、その一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等を事業所の外において運搬する場合(船舶又は航空機により運搬する場合を除く。)においては、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を都道府県公安委員会に届け出て、届出を証明する文書(以下「運搬証明書」という。)の交付を受けなければならない。
2 都道府県公安委員会は、前項の規定による届出があった場合において、その運搬する一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等について盗取、所在不明その他の事故の発生を防止するため必要があると認めるときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、運搬の日時、経路その他国家公安委員会規則で定める事項について、必要な指示をすることができる。
3 都道府県公安委員会は、前項の指示をしたときは、その指示の内容を運搬証明書に記載しなければならない。
4 第一項に規定する場合において、運搬証明書の交付を受けたときは、特定一種病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者、二種病原体等許可所持者及び二種滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者並びに三種病原体等所持者は、当該運搬証明書を携帯し、かつ、当該運搬証明書に記載された内容に従って運搬しなければならない。
5 警察官は、自動車又は軽車両により運搬される一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等について盗取、所在不明その他の事故の発生を防止するため、特に必要があると認めるときは、当該自動車又は軽車両を停止させ、これらを運搬する者に対し、運搬証明書の提示を求め、若しくは、国家公安委員会規則で定めるところにより、運搬証明書に記載された内容に従って運搬しているかどうかについて検査し、又は当該病原体等について盗取、所在不明その他の事故の発生を防止するため、第一項、第二項及び前項の規定の実施に必要な限度で経路の変更その他の適当な措置を講ずることを命ずることができる。
6 前項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
7 運搬証明書の書換え、再交付及び不要となった場合における返納並びに運搬が二以上の都道府県にわたることとなる場合における第一項の届出、第二項の指示並びに運搬証明書の交付、書換え、再交付及び返納に関し必要な都道府県公安委員会の間の連絡については、政令で定める。
(事故届)
第五十六条の二十八
 特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、その所持する特定病原体等について盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、遅滞なく、その旨を警察官又は海上保安官に届け出なければならない。
(災害時の応急措置)
第五十六条の二十九
 特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、その所持する特定病原体等に関し、地震、火災その他の災害が起こったことにより、当該特定病原体等による感染症が発生し、若しくはまん延した場合又は当該特定病原体等による感染症が発生し、若しくはまん延するおそれがある場合においては、直ちに、厚生労働省令で定めるところにより、応急の措置を講じなければならない。
2 前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を警察官又は海上保安官に通報しなければならない。
3 特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者は、第一項の事態が生じた場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第五節 監督
(報告徴収)
第五十六条の三十
 厚生労働大臣又は都道府県公安委員会は、この章の規定(都道府県公安委員会にあっては、第五十六条の二十七第二項の規定)の施行に必要な限度で、特定病原体等所持者、三種病原体等を輸入した者、四種病原体等を輸入した者、一種滅菌譲渡義務者及び二種滅菌譲渡義務者(以下「特定病原体等所持者等」という。)に対し、報告をさせることができる。
(立入検査)
第五十六条の三十一
 厚生労働大臣又は都道府県公安委員会は、この章の規定(都道府県公安委員会にあっては、第五十六条の二十七第二項の規定)の施行に必要な限度で、当該職員(都道府県公安委員会にあっては、警察職員)に、特定病原体等所持者等の事務所又は事業所に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のため必要な最小限度において、特定病原体等若しくは特定病原体等によって汚染された物を無償で収去させることができる。
2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(改善命令)
第五十六条の三十二
 厚生労働大臣は、特定病原体等の保管、使用又は滅菌等をする施設の位置、構造又は設備が第五十六条の二十四の技術上の基準に適合していないと認めるときは、特定一種病原体等所持者、二種病原体等許可所持者、三種病原体等所持者又は四種病原体等所持者に対し、当該施設の修理又は改造その他特定病原体等による感染症の発生の予防又はまん延の防止のために必要な措置を命ずることができる。
2 厚生労働大臣は、特定病原体等の保管、使用、運搬又は滅菌等に関する措置が第五十六条の二十五の技術上の基準に適合していないと認めるときは、特定病原体等所持者に対し、保管、使用、運搬又は滅菌等の方法の変更その他特定病原体等による感染症の発生の予防又はまん延の防止のために必要な措置を命ずることができる。
(感染症発生予防規程の変更命令)
第五十六条の三十三
 厚生労働大臣は、特定一種病原体等又は二種病原体等による感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要があると認めるときは、特定一種病原体等所持者又は二種病原体等許可所持者に対し、感染症発生予防規程の変更を命ずることができる。
(解任命令)
第五十六条の三十四
 厚生労働大臣は、病原体等取扱主任者が、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、特定一種病原体等所持者又は二種病原体等許可所持者に対し、病原体等取扱主任者の解任を命ずることができる。
(指定の取消し等)
第五十六条の三十五
 厚生労働大臣は、特定一種病原体等所持者が次の各号のいずれかに該当する場合は、第五十六条の三第二項の規定による指定を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその指定の効力を停止することができる。
一 この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
二 一種病原体等取扱施設の位置、構造又は設備が厚生労働省令で定める技術上の基準に適合しなくなったとき。
三 特定一種病原体等を適切に所持できないと認められるとき。
2 厚生労働大臣は、二種病原体等許可所持者が次の各号のいずれかに該当する場合は、第五十六条の六第一項本文の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその許可の効力を停止することができる。
一 第五十六条の七各号のいずれかに該当するに至ったとき。
二 この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
三 二種病原体等取扱施設の位置、構造又は設備が第五十六条の八第二号の技術上の基準に適合しなくなったとき。
四 第五十六条の九第一項(第五十六条の十一第四項において準用する場合を含む。)の条件に違反した場合
(滅菌等の措置命令)
第五十六条の三十六
 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、第五十六条の二十二第一項の規定により一種病原体等又は二種病原体等の滅菌譲渡をしなければならない者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該病原体等の滅菌譲渡の方法の変更その他当該病原体等による感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(災害時の措置命令)
第五十六条の三十七
 厚生労働大臣は、第五十六条の二十九第一項の場合において、特定病原体等による感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者又は二種滅菌譲渡義務者に対し、特定病原体等の保管場所の変更、特定病原体等の滅菌等その他特定病原体等による感染症の発生の予防又はまん延の防止のために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(厚生労働大臣と警察庁長官等との関係)
第五十六条の三十八
 警察庁長官又は海上保安庁長官は、公共の安全の維持又は海上の安全の維持のため特に必要があると認めるときは、第五十六条の十八第一項、第五十六条の十九第一項、第五十六条の二十、第五十六条の二十一、第五十六条の二十二第一項、第五十六条の二十三から第五十六条の二十五まで、第五十六条の二十八、第五十六条の二十九第一項又は第五十六条の三十二から前条までの規定の運用に関し、厚生労働大臣に、それぞれ意見を述べることができる。
2 警察庁長官又は海上保安庁長官は、前項の規定の施行に必要な限度において、当該職員に、特定病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者又は二種滅菌譲渡義務者の事務所又は事業所に立ち入り、帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3 第五十六条の三十一第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
4 厚生労働大臣は、第五十六条の三第一項第一号の施設若しくは同条第二項の法人の指定をし、第五十六条の六第一項本文、第五十六条の十一第一項本文(第五十六条の十四において準用する場合を含む。)若しくは第五十六条の十二第一項の許可をし、第五十六条の五第一号の承認をし、第五十六条の三十五の規定により処分をし、又は第五十六条の十一第二項若しくは第三項(第五十六条の十四において準用する場合を含む。)、第五十六条の十六から第五十六条の十八まで、第五十六条の十九第二項、第五十六条の二十二第二項若しくは第五十六条の二十九第三項の規定による届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を警察庁長官、海上保安庁長官又は消防庁長官に連絡しなければならない。
5 警察官又は海上保安官は、第五十六条の二十八の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に通報しなければならない。
6 厚生労働大臣は、特定病原体等による感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該特定病原体等を取り扱う事業者の事業を所管する大臣に対し、当該事業者による特定病原体等の適切な取扱いを確保するために必要な措置を講ずることを要請することができる。
7 厚生労働大臣は、国民の生命及び身体を保護するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、感染症に関する試験研究又は検査を行っている機関の職員の派遣その他特定病原体等による感染症の発生の予防又はまん延の防止のために必要な協力を要請することができる。
第十二章 費用負担
(市町村の支弁すべき費用)
第五十七条
 市町村は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。
一 第二十七条第二項の規定により市町村が行う消毒(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
二 第二十八条第二項の規定により市町村が行うねずみ族、昆虫等の駆除(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
三 第二十九条第二項の規定により市町村が行う消毒(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
四 第三十一条第二項の規定により市町村が行う生活の用に供される水の供給(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
五 第五十三条の二第一項の規定により、事業者である市町村又は市町村の設置する学校若しくは施設の長が行う定期の健康診断に要する費用
六 第五十三条の二第三項の規定により市町村長が行う定期の健康診断に要する費用
(都道府県の支弁すべき費用)
第五十八条
 都道府県は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。
一 第十四条から第十六条までの規定(第十五条第二項を除く。)により実施される事務に要する費用
二 第十七条又は第四十五条の規定による健康診断に要する費用
三 第十八条第四項、第二十二条第四項(第二十六条において準用する場合を含む。)又は第四十八条第四項の規定による確認に要する費用
四 第二十一条(第二十六条において準用する場合を含む。)又は第四十七条の規定による移送に要する費用
五 第二十七条第二項の規定による消毒(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
六 第二十八条第二項の規定によるねずみ族、昆虫等の駆除(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
七 第二十九条第二項の規定による措置(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
八 第三十二条第二項の規定による建物に係る措置(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
九 第三十三条の規定による交通の制限又は遮断(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に要する費用
十 第三十七条第一項の規定により負担する費用
十一 第三十七条の二第一項の規定により負担する費用
十二 第四十二条第一項の規定による療養費の支給に要する費用
十三 第五十三条の二第一項の規定により、事業者である都道府県又は都道府県の設置する学校若しくは施設の長が行う定期の健康診断に要する費用
十四 第五十三条の十三の規定により保健所長が行う精密検査に要する費用
(事業者の支弁すべき費用)
第五十八条の二
 事業者(国、都道府県及び市町村を除く。)は、第五十三条の二第一項の規定による定期の健康診断に要する費用を支弁しなければならない。
(学校又は施設の設置者の支弁すべき費用)
第五十八条の三
 学校又は施設(国、都道府県又は市町村の設置する学校又は施設を除く。)の設置者は、第五十三条の二第一項の規定により、学校又は施設の長が行う定期の健康診断に要する費用を支弁しなければならない。
(都道府県の負担)
第五十九条
 都道府県は、第五十七条第一号から第四号までの費用に対して、政令で定めるところにより、その三分の二を負担する。
(都道府県の補助)
第六十条
 都道府県は、第五十八条の三の費用に対して、政令で定めるところにより、その三分の二を補助するものとする。
2 都道府県は、第一種感染症指定医療機関又は第二種感染症指定医療機関の設置者に対し、政令で定めるところにより、第一種感染症指定医療機関又は第二種感染症指定医療機関の設置及び運営に要する費用の全部又は一部を補助することができる。
(国の負担)
第六十一条
 国は、第五十五条の規定による輸入検疫に要する費用(輸入検疫中の指定動物の飼育管理費を除く。)を負担しなければならない。
2 国は、第五十八条第十号の費用及び同条第十二号の費用(第三十七条の二第一項に規定する厚生労働省令で定める医療に係るものを除く。)に対して、政令で定めるところにより、その四分の三を負担する。
3 国は、第五十八条第一号から第九号まで及び第十四号並びに第五十九条の費用に対して、政令で定めるところにより、その二分の一を負担する。
(国の補助)
第六十二条
 国は、第五十八条第十一号の費用及び同条第十二号の費用(第三十七条の二第一項に規定する厚生労働省令で定める医療に係るものに限る。)に対して、政令で定めるところにより、その二分の一を補助するものとする。
2 国は、第六十条第二項の費用に対して、政令で定めるところにより、その二分の一以内を補助することができる。
3 国は、特定感染症指定医療機関の設置者に対し、政令で定めるところにより、予算の範囲内で、特定感染症指定医療機関の設置及び運営に要する費用の一部を補助することができる。
(費用の徴収)
第六十三条
 市町村長は、第二十七条第二項の規定により、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者がいる場所又はいた場所、当該感染症に係る死体がある場所又はあった場所その他当該感染症の病原体に汚染された場所又は汚染された疑いがある場所を消毒させた場合(第五十条第一項の規定により実施された場合を含む。)は、当該患者若しくはその保護者又はその場所の管理をする者若しくはその代理をする者から消毒に要した実費を徴収することができる。
2 市町村長は、第二十八条第二項の規定により、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症又は四類感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねずみ族、昆虫等を駆除させた場合(第五十条第一項の規定により実施された場合を含む。)は、当該ねずみ族、昆虫等が存在する区域の管理をする者又はその代理をする者からねずみ族、昆虫等の駆除に要した実費を徴収することができる。
3 市町村長は、第二十九条第二項の規定により、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類、寝具その他の物件を消毒させた場合(第五十条第一項の規定により実施された場合を含む。)は、当該飲食物、衣類、寝具その他の物件の所持者から消毒に要した実費を徴収することができる。
4 前三項の規定は、都道府県知事が、第二十七条第二項に規定する消毒、第二十八条第二項に規定するねずみ族、昆虫等の駆除又は第二十九条第二項に規定する消毒の措置を当該職員に実施させた場合について準用する。
第十三章 雑則
(厚生労働大臣の指示)
第六十三条の二
 厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、この法律(第八章を除く。)又はこの法律に基づく政令の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。
(保健所を設置する市又は特別区)
第六十四条
 保健所を設置する市又は特別区にあっては、第三章から前章までの規定(第十四条第一項及び第五項、第三十八条第一項、第二項及び第五項から第九項まで、第四十条第三項から第五項まで、第四十三条、第五十三条の二第三項、第五十三条の七第一項、第五十六条の二十七第七項並びに第六十条を除く。)及び前条中「都道府県知事」とあるのは「市長」又は「区長」と、「都道府県」とあるのは「市」又は「区」とする。
2 特別区にあっては、第三十一条第二項及び第五十七条(第四号の規定に係る部分に限る。)中「市町村」とあるのは、「都」とする。
(大都市等の特例)
第六十四条の二
 前条に規定するもののほか、この法律中都道府県が処理することとされている事務(結核の予防に係るものに限る。)で政令で定めるものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。
(再審査請求)
第六十五条
 この法律に規定する事務のうち保健所を設置する市又は特別区の長が行う処分(地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務に係るものに限る。)についての審査請求の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができる。
(事務の区分)
第六十五条の二
 第三章(第十二条第四項、同条第五項において準用する同条第二項及び第三項、第十四条、第十六条並びに第十六条の二を除く。)、第四章(第十八条第五項及び第六項、第十九条第二項及び第七項並びに第二十条第六項及び第八項(第二十六条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第二十四条並びに第二十四条の二(第二十六条及び第四十九条の二において準用する場合を含む。)を除く。)、第三十二条、第三十三条、第三十八条第二項(第一種感染症指定医療機関に係る部分に限る。)及び第五項、同条第八項及び第九項(第一種感染症指定医療機関に係る部分に限る。)、第四十四条の三第一項から第三項まで、第四十四条の五、第八章(第四十六条第五項及び第七項、第五十条第五項、同条第七項において準用する第三十六条第四項において準用する同条第一項及び第二項、第五十条の二第四項において準用する第四十四条の三第四項及び第五項並びに第五十一条第四項において準用する同条第一項から第三項までを除く。)並びに第十章の規定により都道府県、保健所を設置する市又は特別区が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(権限の委任)
第六十五条の三
 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
(経過措置)
第六十六条
 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第十四章 罰則
第六十七条
 一種病原体等をみだりに発散させて公共の危険を生じさせた者は、無期若しくは二年以上の懲役又は千万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
3 第一項の罪を犯す目的でその予備をした者は、五年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。ただし、同項の罪の実行の着手前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
第六十八条
 第五十六条の四の規定に違反した者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
2 前条第一項の犯罪の用に供する目的で前項の罪を犯した者は、十五年以下の懲役又は七百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
4 第一項又は第二項の罪を犯す目的でその予備をした者は、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
第六十九条
 次の各号のいずれかに該当する者は、七年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第五十六条の三の規定に違反して一種病原体等を所持した者
二 第五十六条の五の規定に違反して、一種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けた者
2 第六十七条第一項の犯罪の用に供する目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
第七十条
 第五十六条の十二第一項の許可を受けないで二種病原体等を輸入した者は、五年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。
第七十一条
 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
一 第五十六条の六第一項本文の許可を受けないで二種病原体等を所持した者
二 第五十六条の十五の規定に違反して、二種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けた者
第七十二条
 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第五十六条の十一第一項本文の許可を受けないで第五十六条の六第二項第二号から第四号までに掲げる事項を変更した者
二 第五十六条の十四において読み替えて準用する第五十六条の十一第一項の規定に違反して同項本文の許可を受けないで第五十六条の十二第二項第二号から第七号までに掲げる事項を変更した者
三 第五十六条の十九第一項の規定に違反した者
四 第五十六条の二十二第一項の規定に違反した者
五 第五十六条の二十九第一項の規定に違反し、又は第五十六条の三十七の規定による命令に違反した者
六 第五十六条の三十の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
七 第五十六条の三十一第一項の規定による立入り、検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
八 第五十六条の三十八第二項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第七十三条
 医師が、感染症の患者(疑似症患者及び無症状病原体保有者並びに新感染症の所見がある者を含む。次条第一項において同じ。)であるかどうかに関する健康診断又は当該感染症の治療に際して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 第十二条から第十四条までの規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合(同条第二項の政令により、同条第一項の政令の期間が延長される場合を含む。以下この項及び第七十七条において同じ。)及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合(同条第二項の政令により、同条第一項の政令の期間が延長される場合を含む。以下この項及び第七十七条において同じ。)を含む。)による届出の受理、第十五条(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第十五条の二第一項若しくは第十五条の三第二項の規定による質問若しくは調査、同条第一項の規定による報告若しくは質問、第十七条(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第四十五条若しくは第五十三条の二の規定による健康診断、第十九条、第二十条若しくは第二十六条において準用する第十九条若しくは第二十条の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第四十六条の規定による入院、第二十七条(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第二十八条(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第四十四条の四第一項の規定に基づく政令によって適用される場合(同条第二項の政令により、同条第一項の政令の期間が延長される場合を含む。以下この項及び第七十七条において同じ。)及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第二十九条若しくは第三十条の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第三十一条から第三十三条まで若しくは第三十五条の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第四十四条の四第一項の規定に基づく政令によって適用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)による措置(第五十条第一項又は第五項の規定により実施される場合を含む。)、第四十四条の三第一項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)若しくは第五十条の二第一項の規定による報告、第四十四条の三第二項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)若しくは第五十条の二第二項の規定による協力の求め、第四十四条の三第四項若しくは第五項の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)若しくは第五十条の二第四項において準用する第四十四条の三第四項若しくは第五項の規定による食事の提供等又は第五十三条の十三の規定による精密検査に関する事務に従事した公務員又は公務員であった者が、その職務の執行に関して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときも、前項と同様とする。
3 職務上前項の秘密を知り得た他の公務員又は公務員であった者が、正当な理由がなくその秘密を漏らしたときも、第一項と同様とする。
第七十四条
 感染症の患者であるとの人の秘密を業務上知り得た者が、正当な理由がなくその秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 第十五条の三第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第七十五条
 次の各号のいずれかに該当する者は、三百万円以下の罰金に処する。
一 第五十六条の九第一項(第五十六条の十一第四項及び第五十六条の十四において準用する場合を含む。)の条件に違反した者
二 第五十六条の十六第一項本文及び第五十六条の十七の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第五十六条の二十二第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
四 第五十六条の二十四の規定(特定一種病原体等所持者又は二種病原体等許可所持者に係るものに限る。)に違反した者
五 第五十六条の二十七第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等を運搬した者
六 第五十六条の二十七第四項の規定に違反した者
七 第五十六条の三十二の規定による命令に違反した者
八 第五十六条の三十六の規定による命令に違反した者
第七十六条
 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一 第五十六条の十一第二項(第五十六条の十四において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして第五十六条の十一第一項ただし書に規定する変更をした者
二 第五十六条の十六第二項、第五十六条の二十八又は第五十六条の二十九第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第五十六条の二十一の規定に違反した者
四 第五十六条の二十三第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかった者
五 第五十六条の二十七第五項の規定による警察官の停止命令に従わず、提示の要求を拒み、検査を拒み、若しくは妨げ、又は同項の規定による命令に従わなかった者
第七十七条
 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十二条第一項若しくは第四項又は同条第六項において準用する同条第一項の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)による届出(新感染症に係るものを除く。)をしなかった医師
二 第十三条第一項又は同条第五項において準用する同条第一項の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)による届出をしなかった獣医師
三 第十五条の二第一項若しくは第十五条の三第二項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による当該職員の調査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
四 第十八条第一項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定による通知を受けた者であって第十八条第二項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)の規定に違反した者
五 第二十七条第一項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第二十八条第一項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第四十四条の四第一項の規定に基づく政令によって適用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)、第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)又は第三十一条第一項、第三十二条第一項若しくは第三十三条の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第四十四条の四第一項の規定に基づく政令によって適用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)による都道府県知事(保健所を設置する市及び特別区の長を含む。)の命令(第五十条第一項の規定により実施される場合を含む。)に従わなかった者
六 第三十条第二項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)又は第五十条第一項の規定により実施される第三十条第二項の規定に違反した者
七 第三十五条第一項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第四十四条の四第一項の規定に基づく政令によって適用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第五十条第一項若しくは第五項の規定により実施される第三十五条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項(第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合、第四十四条の四第一項の規定に基づく政令によって適用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)若しくは第五十条第一項若しくは第五項の規定により実施される第三十五条第一項の規定による当該職員の調査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
八 第五十四条又は第五十五条第一項、第二項若しくは第四項の規定(これらの規定が第七条第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十三条第一項の規定に基づく政令によって適用される場合を含む。)に違反して指定動物を輸入した者
九 第五十六条の二第一項の規定に違反して届出動物等を輸入した者
第七十八条
 第六十七条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二の例に従う。
第七十九条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十七条の罪を犯し、又は第六十八条から第七十二条まで、第七十五条、第七十六条若しくは第七十七条第八号若しくは第九号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第八十条
 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
一 第五十六条の十八第一項の規定に違反した者
二 第五十六条の十九第二項の規定による届出をしなかった者
三 第五十六条の三十三の規定による命令に違反した者
第八十一条
 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の過料に処する。
一 第五十六条の十一第三項(第五十六条の十四において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による届出をしなかった者
二 第五十六条の十八第二項の規定による届出をしなかった者


附則 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、平成十一年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第十三条の規定 公布の日
二 第八章の規定、第六十一条第一項及び第六十九条第七号の規定並びに附則第三十四条の規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
(検討)
第二条
 この法律の規定については、この法律の施行後五年を目途として、感染症の流行の状況、医学医療の進歩の推移、国際交流の進展、感染症に関する知識の普及の状況その他この法律の施行の状況等を勘案しつつ検討するものとし、必要があると認められるときは、所要の措置を講ずるものとする。
2 第六条に規定する感染症の範囲及びその類型については、少なくとも五年ごとに、医学医療の進歩の推移、国際交流の進展等を勘案しつつ検討するものとし、必要があると認められるときは、所要の措置を講ずるものとする。
(伝染病予防法等の廃止)
第三条
 次に掲げる法律は、廃止する。
一 伝染病予防法(明治三十年法律第三十六号)
二 性病予防法(昭和二十三年法律第百六十七号)
三 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律(平成元年法律第二号)
(伝染病予防法の廃止に伴う経過措置)
第四条
 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に行われた医師の診断又は検案に係る前条の規定による廃止前の伝染病予防法(以下「旧伝染病予防法」という。)第三条及び第三条ノ二の規定による届出については、なお従前の例による。
第五条
 施行日前に行われた旧伝染病予防法第十二条第一項の規定による許可は、第三十条第二項の規定による許可とみなす。
第六条
 施行日前に行われた措置に係る旧伝染病予防法第二十一条に規定する費用についての市町村の支弁、都道府県の支出及び国庫の負担並びに旧伝染病予防法第二十二条及び第二十二条ノ二に規定する費用についての都道府県又は保健所を設置する市の支弁及び国庫の負担については、なお従前の例による。
第七条
 施行日前に行われた措置に係る旧伝染病予防法第二十六条又は第二十七条の規定に基づく費用の追徴については、なお従前の例による。
(感染症指定医療機関の指定の特例)
第八条
 都道府県知事は、当該地域において感染症指定医療機関が不足し、感染症のまん延の防止に著しい支障が生ずると認められる場合には、第三十八条第二項の規定にかかわらず、この法律の施行の際現に存する旧伝染病予防法第十七条に規定する伝染病院又は隔離病舎であって適当と認めるものを一回を限り第二種感染症指定医療機関に指定することができる。
2 前項の規定による指定は、施行日から五年を経過したときは、その効力を失うものとする。
3 市町村は、感染症指定医療機関が充足するまでの間、第一項の規定による都道府県知事の措置に協力しなければならない。
(性病予防法の廃止に伴う経過措置)
第九条
 施行日前に行われた医師の診断に係る附則第三条の規定による廃止前の性病予防法(次条において「旧性病予防法」という。)第六条第一項の規定による届出については、なお従前の例による。
第十条
 施行日前に行われた措置に係る旧性病予防法第十七条各号に掲げる費用についての都道府県、保健所を設置する市又は特別区の支弁及び国庫の負担並びに旧性病予防法第十八条に規定する費用についての市町村の支弁及び国庫の負担については、なお従前の例による。
(後天性免疫不全症候群の予防に関する法律の廃止に伴う経過措置)
第十一条
 施行日前に行われた医師の診断に係る附則第三条の規定による廃止前の後天性免疫不全症候群の予防に関する法律(次条において「旧後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」という。)第五条の規定による報告については、なお従前の例による。
第十二条
 施行日前に行われた旧後天性免疫不全症候群の予防に関する法律第十一条第一項の規定により適用するものとされた旧伝染病予防法第二十二条及び第二十二条ノ二に規定する措置に要する費用についての都道府県又は保健所を設置する市の支弁及び国庫の負担については、なお従前の例による。
(施行のために必要な準備)
第十三条
 厚生大臣は、第九条に規定する基本指針又は第十一条に規定する特定感染症予防指針を定めようとするときは、施行日前においても公衆衛生審議会の意見を聴くこと及び関係行政機関の長との協議をすることができる。
(罰則に関する経過措置)
第十四条
 施行日前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(従前の例による事務等に関する経過措置)
第六十九条
 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第三十二条第一項、第七十八条第一項並びに第八十七条第一項及び第十三項の規定によりなお従前の例によることとされた事項に係る都道府県知事の事務、権限又は職権(以下この条において「事務等」という。)については、この法律による改正後の国民年金法、厚生年金保険法及び船員保険法又はこれらの法律に基づく命令の規定により当該事務等に相当する事務又は権限を行うこととされた厚生大臣若しくは社会保険庁長官又はこれらの者から委任を受けた地方社会保険事務局長若しくはその地方社会保険事務局長から委任を受けた社会保険事務所長の事務又は権限とする。
(新地方自治法第百五十六条第四項の適用の特例)
第七十条
 第百六十六条の規定による改正後の厚生省設置法第十四条の地方社会保険事務局及び社会保険事務所であって、この法律の施行の際旧地方自治法附則第八条の事務を処理するための都道府県の機関(社会保険関係事務を取り扱うものに限る。)の位置と同一の位置に設けられるもの(地方社会保険事務局にあっては、都道府県庁の置かれている市(特別区を含む。)に設けられるものに限る。)については、新地方自治法第百五十六条第四項の規定は、適用しない。
(社会保険関係地方事務官に関する経過措置)
第七十一条
 この法律の施行の際現に旧地方自治法附則第八条に規定する職員(厚生大臣又はその委任を受けた者により任命された者に限る。附則第百五十八条において「社会保険関係地方事務官」という。)である者は、別に辞令が発せられない限り、相当の地方社会保険事務局又は社会保険事務所の職員となるものとする。
(地方社会保険医療協議会に関する経過措置)
第七十二条
 第百六十九条の規定による改正前の社会保険医療協議会法の規定による地方社会保険医療協議会並びにその会長、委員及び専門委員は、相当の地方社会保険事務局の地方社会保険医療協議会並びにその会長、委員及び専門委員となり、同一性をもって存続するものとする。
(準備行為)
第七十三条
 第二百条の規定による改正後の国民年金法第九十二条の三第一項第二号の規定による指定及び同条第二項の規定による公示は、第二百条の規定の施行前においても行うことができる。
(厚生大臣に対する再審査請求に係る経過措置)
第七十四条
 施行日前にされた行政庁の処分に係る第百四十九条から第百五十一条まで、第百五十七条、第百五十八条、第百六十五条、第百六十八条、第百七十条、第百七十二条、第百七十三条、第百七十五条、第百七十六条、第百八十三条、第百八十八条、第百九十五条、第二百一条、第二百八条、第二百十四条、第二百十九条から第二百二十一条まで、第二百二十九条又は第二百三十八条の規定による改正前の児童福祉法第五十九条の四第二項、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十二条の四、食品衛生法第二十九条の四、旅館業法第九条の三、公衆浴場法第七条の三、医療法第七十一条の三、身体障害者福祉法第四十三条の二第二項、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五十一条の十二第二項、クリーニング業法第十四条の二第二項、狂犬病予防法第二十五条の二、社会福祉事業法第八十三条の二第二項、結核予防法第六十九条、と畜場法第二十条、歯科技工士法第二十七条の二、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律第二十条の八の二、知的障害者福祉法第三十条第二項、老人福祉法第三十四条第二項、母子保健法第二十六条第二項、柔道整復師法第二十三条、建築物における衛生的環境の確保に関する法律第十四条第二項、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二十四条、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第四十一条第三項又は◆感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律◆第六十五条の規定に基づく再審査請求については、なお従前の例による。
(厚生大臣又は都道府県知事その他の地方公共団体の機関がした事業の停止命令その他の処分に関する経過措置)
第七十五条
 この法律による改正前の児童福祉法第四十六条第四項若しくは第五十九条第一項若しくは第三項、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第八条第一項(同法第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)、食品衛生法第二十二条、医療法第五条第二項若しくは第二十五条第一項、毒物及び劇物取締法第十七条第一項(同法第二十二条第四項及び第五項で準用する場合を含む。)、厚生年金保険法第百条第一項、水道法第三十九条第一項、国民年金法第百六 条第一項、薬事法第六十九条第一項若しくは第七十二条又は柔道整復師法第十八条第一項の規定により厚生大臣又は都道府県知事その他の地方公共団体の機関がした事業の停止命令その他の処分は、それぞれ、この法律による改正後の児童福祉法第四十六条第四項若しくは第五十九条第一項若しくは第三項、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第八条第一項(同法第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)、食品衛生法第二十二条若しくは第二十三条、医療法第五条第二項若しくは第二十五条第一項、毒物及び劇物取締法第十七条第一項若しくは第二項(同法第二十二条第四項及び第五項で準用する場合を含む。)、厚生年金保険法第百条第一項、水道法第三十九条第一項若しくは第二項、国民年金法第百六条第一項、薬事法第六十九条第一項若しくは第二項若しくは第七十二条第二項又は柔道整復師法第十八条第一項の規定により厚生大臣又は地方公共団体がした事業の停止命令その他の処分とみなす。
(国等の事務)
第百五十九条
 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条
 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条
 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条
 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条
 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条
 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条
 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条
 政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則 (平成一五年一〇月一六日法律第一四五号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第一条中◆感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律◆第五十六条の次に一条を加える改正規定及び同法第六十九条に一号を加える改正規定は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(◆感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律◆の一部改正に伴う経過措置)
第二条
 この法律の施行前に行われた医師の診断に係る第一条の規定による改正前の◆感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律◆第十二条第一項の規定による届出については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第三条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第四条
 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成一六年六月二三日法律第一三三号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。
附則 (平成一六年一二月一日法律第一五〇号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第四条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成一八年六月二一日法律第八三号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、平成十八年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 第十条並びに附則第四条、第三十三条から第三十六条まで、第五十二条第一項及び第二項、第百五条、第百二十四条並びに第百三十一条から第百三十三条までの規定 公布の日
二 第二十二条及び附則第五十二条第三項の規定 平成十九年三月一日
三 第二条、第十二条及び第十八条並びに附則第七条から第十一条まで、第四十八条から第五十一条まで、第五十四条、第五十六条、第六十二条、第六十三条、第六十五条、第七十一条、第七十二条、第七十四条及び第八十六条の規定 平成十九年四月一日
四 第三条、第七条、第十三条、第十六条、第十九条及び第二十四条並びに附則第二条第二項、第三十七条から第三十九条まで、第四十一条、第四十二条、第四十四条、第五十七条、第六十六条、第七十五条、第七十六条、第七十八条、第七十九条、第八十一条、第八十四条、第八十五条、第八十七条、第八十九条、第九十三条から第九十五条まで、第九十七条から第百条まで、第百三条、第百九条、第百十四条、第百十七条、第百二十条、第百二十三条、第百二十六条、第百二十八条及び第百三十条の規定 平成二十年四月一日
五 第四条、第八条及び第二十五条並びに附則第十六条、第十七条、第十八条第一項及び第二項、第十九条から第三十一条まで、第八十条、第八十二条、第八十八条、第九十二条、第百一条、第百四条、第百七条、第百八条、第百十五条、第百十六条、第百十八条、第百二十一条並びに第百二十九条の規定 平成二十年十月一日
六 第五条、第九条、第十四条、第二十条及び第二十六条並びに附則第五十三条、第五十八条、第六十七条、第九十条、第九十一条、第九十六条及び第百十一条の規定 平成二十四年四月一日
(罰則に関する経過措置)
第百三十一条
 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(処分、手続等に関する経過措置)
第百三十二条
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく命令に別段の定めがあるものを除き、これを、改正後のそれぞれの法律中の相当の規定により手続がされていないものとみなして、改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百三十三条
 附則第三条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成一八年一二月八日法律第一〇六号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、第一条中の改正規定(「第二十六条」を「第二十六条の二」に改める部分及び「第七章 新感染症(第四十五条―第五十三条)」を「第七章 新感染症(第四十五条―第五十三条) 第七章の二 結核(第五十三条の二―第五十三条の十五)」に改める部分に限る。)、同法第六条第二項から第六項までの改正規定(同条第三項第二号に係る部分に限る。)及び同条第十一項の改正規定、同条に八項を加える改正規定(同条第十五項、第二十一項第二号及び第二十二項第十号に係る部分に限る。)、同法第十条第六項を削る改正規定、同法第十八条から第二十条まで、第二十三条及び第二十四条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、同法第二十六条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、同法第三十七条の次に一条を加える改正規定、同法第三十八条から第四十四条まで及び第四十六条の改正規定、同法第四十九条の次に一条を加える改正規定、同法第七章の次に一章を加える改正規定、同法第五十七条及び第五十八条の改正規定、同条の次に二条を加える改正規定、同法第五十九条から第六十二条まで及び第六十四条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定並びに同法第六十五条、第六十五条の二(第三章に係る部分を除く。)及び第六十七条第二項の改正規定、第二条の規定並びに次条から附則第七条まで、附則第十三条(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)別表第一の項の改正規定中第三章に係る部分を除く。)及び附則第十四条から第二十三条までの規定は、平成十九年四月一日から施行する。
(病原体等に関する経過措置)
第八条
 この法律の施行の際現に新感染症法第六条第二十項に規定する二種病原体等(以下「二種病原体等」という。)を所持している者は、この法律の施行の日から三十日を経過するまでの間(以下「猶予期間」という。)に新感染症法第五十六条の六第一項本文の許可の申請をしなかった場合にあっては猶予期間の経過後遅滞なく、猶予期間に申請した許可を拒否された場合にあってはその処分後遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その所持する二種病原体等の滅菌若しくは無害化(以下「滅菌等」という。)又は譲渡し(以下「滅菌譲渡」という。)をしなければならない。
2 この法律の施行の際現に二種病原体等を所持している者は、次に掲げる期間は、新感染症法第五十六条の六第一項本文の許可を受けないで、その二種病原体等を所持することができる。その者の従業者がその職務上所持する場合及びその者から運搬又は滅菌等を委託された者(その従業者を含む。)がその委託に係る二種病原体等を当該運搬又は滅菌等のために所持する場合も、同様とする。
一 猶予期間
二 猶予期間にした新感染症法第五十六条の六第一項本文の許可の申請についての処分があるまでの間
三 前項の規定により滅菌譲渡をするまでの間
3 前項の規定により二種病原体等を所持する者は、二種病原体等の保管、使用、運搬(船舶又は航空機による運搬を除く。以下同じ。)又は滅菌等をする場合においては、新感染症法第五十六条の二十五の技術上の基準に従って二種病原体等による感染症の発生の予防及びまん延の防止のために必要な措置を講じなければならない。
4 厚生労働大臣は、二種病原体等の保管、使用、運搬又は滅菌等に関する措置が新感染症法第五十六条の二十五の技術上の基準に適合していないと認めるときは、第二項の規定により二種病原体等を所持する者に対し、二種病原体等による感染症の発生の予防及びまん延の防止のために必要な措置を命ずることができる。
5 この法律の施行の際現に二種病原体等を所持している者は、新感染症法第五十六条の二十七の規定の適用については同条第一項の二種病原体等許可所持者と、新感染症法第五十六条の二十八、第五十六条の二十九及び第五十六条の三十七の規定の適用についてはこれらの規定の特定病原体等所持者とみなす。
6 新感染症法第五十六条の二十二第二項及び第五十六条の三十六の規定は、この法律の施行の際二種病原体等を所持する者がその二種病原体等の滅菌譲渡をする場合について準用する。
第九条
 前条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 前条第四項の規定による命令に違反した者
二 前条第六項において準用する新感染症法第五十六条の二十二第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 前条第六項において準用する新感染症法第五十六条の三十六の規定による命令に違反した者
3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各項の罰金刑を科する。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の適用に関する経過措置)
第十条
 この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第   号)の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の規定の適用については、新感染症法第六十七条(一種病原体等の発散)、第六十八条第一項から第三項まで(一種病原体等の輸入等)、第六十九条(一種病原体等の所持等)及び第七十条(二種病原体等の輸入)の罪は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律別表に掲げる罪とみなす。
(条約による国外犯の適用に関する経過措置)
第十一条
 新感染症法第七十八条の規定は、この法律の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされる罪に限り適用する。
2 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約が日本国について効力を生ずる日がこの法律の施行の日前である場合には、前項の規定にかかわらず、新感染症法第七十八条の規定は、同条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされる罪についても適用する。
(検討)
第十二条
 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第二十四条
 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条ただし書に規定する規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第二十五条
 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二〇年五月二日法律第三〇号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。
(検討)
第二条
 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(研究の促進等)
第三条
 国は、新型インフルエンザ等感染症(第一条の規定による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症をいう。次項において同じ。)に係るワクチン等の医薬品の研究開発を促進するために必要な措置を講ずるとともに、これらの医薬品の早期の薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による製造販売の承認に資するよう必要な措置を講ずるものとする。
2 国は、新型インフルエンザ等感染症の発生及びまん延に備え、抗インフルエンザ薬及びプレパンデミックワクチンの必要な量の備蓄に努めるものとする。

島根県感染症情報センター