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船通山の植物1(ア行〜カ行が文頭の植物)
アカモノ(ツツジ科)
北海道や近畿地方以北の亜高山帯にみられますが、隔離的に中国山地の一部に分布しています。
常緑の小低木で5〜6月頃に赤いがく弁と対照的な白い花弁(鐘状)の可愛い花を下向きにつけます。
アシウスギ(スギ科)
本州の日本海側の多雪地帯に自生するスギです。ウラスギとも呼ばれ、スギの変種として扱われています。アシウスギは幹の下部から大枝を出すことが多く、下枝は雪に押されて地につき、そこから根を出して独立します。
アセビ(ツツジ科)
やや乾燥した斜面などに生育する常緑の樹木です。早春にスズランに似た白く美しい花を咲かせます。有毒植物で、漢名を「馬酔木」と書きます。山の牧場などでは、家畜がこの葉を食べないために、アセビが点々と残っている光景がよく見られます。昔はアセビの毒を利用して農作物の害虫駆除や家畜の寄生虫駆除に利用していました。
アブラチャン(クスノキ科)
この木の材には精油の含有が多く、燃えやすいという特徴があります。生木でもよく燃え、山でのたき火の材料として古くから重宝がられていたことから、この名がつけられました。アブラチャンは、谷間を好んで生える性質があり、早春には黄色の花をつけ、秋には黄褐色の小さな実をつけます。
アワブキ(アワブキ科)
だ円形のかなり大きな葉を持っています。葉の側脈は、きれいに平行に走っているのでかなり目立ちます。材は割れや狂いが生じやすいので、薪ぐらいにしか用途がありません。材を火にくべると、木口から白い泡を吹く特徴があるので、この名がつきました。また、出てきた泡や葉を口に含むと酸っぱいので、スノキとも呼ばれ、秋には黄葉します。
イタドリ(タデ科)
「スカンポ」とも呼ばれ、道路脇や崖地などの荒れた地に多く生える多年草です。夏には高さ1.5mもなり、小さな白い花をたくさんつけます。太い若芽は、ゆでてあえ物、酢の物、炒め物などにして食べられます。
イタヤカエデ(カエデ科)
ほかのカエデのように、きょ歯(葉の縁のギザギザ)がないので、すぐに見分けることができます。日本に自生するカエデの中で最も大木になり、ブナやサクラとともに主要な広葉樹材とされています。カエデ材は、バイオリンなどの弦楽器の裏板、棹、ボウリングのピンやレーンなどに使われています。
イワガラミ(ユキノシタ科)
アジサイの仲間のツル植物です。7月ごろ、枝先に小さな白い花をつけます。この花は、がく片が大きくなった「飾り花」と呼ばれるもので、本当の花ではありません。イワガラミの飾り花は、花びらのようなものが一枚ずつしかありません。
これによく似たツルアジサイは、「飾り花」が4枚ありますので容易に区別できます。
ウツギ(ユキノシタ科)
漢字では「空木」と書き、幹の中心が空洞になっているのでこの名がつけられました。中空の幹は、笛作りに利用されます。春に枝いっぱい白い花をつける様子は、大変かわいらしいものです。別名ウノハナとも呼ばれ、小学唱歌の「夏は来ぬ」にも歌われています。
ウメバチソウ(ユキノシタ科)
山地の湿地に生える多年草です。
白い5枚の花弁を梅鉢の紋に見立ててこの名が付けられました。
ウリハダカエデ(カエデ科)
先が大きく3つに分かれた葉からはわかりませんが、実を見るとカエデの仲間だと納得できるでしょう。樹皮はなめらかな緑色で、マクワウリの実のはだに似ているでしょう。ウリハダカエデの名前は、ここからつけられたものです。
ウワバミソウ(イラクサ科)
別名をタキナといい、山菜漬や油いためなどにして食べられます。滝のまわりや水の湧き出しているような陰湿な場所に多く生育しているため、ウワバミ(大蛇)が出そうなところに多い草という意味からこの名がつけられたようです。
エゾユズリハ(ユズリハ科)
日本海側の山地によく見られる低木で、正月のしめ飾りやしめ縄によく使われています。ユズリハの名前は、新しい葉が出ると古い葉が落ちるので、親から子へと代をゆずるのにたとえてつけられました。
オニグルミ(クルミ科)
クルミの名のつく木には、このほかサワグルミ、ノグルミなどがあり、葉を見ただけで見分けるのは難しいでしょう。しかし、オニグルミは、夏ごろであれば、4〜5cmの実をつけるので簡単に見分けることができます。このように大きな実をつけるのは、オニグルミだけです。
カタクリ(ユリ科)
この植物の麟茎から採取したものが本来の片栗粉です。二枚の幅広い葉には模様があり、5月ごろに咲く花は、美しい紫紅色をしています。6枚の花被片はそり返るという特徴があります。
カンスゲ(カヤツリグサ科)
島根県の横田地方では方言名でふろりと呼んでいます。横田地方では、カンスゲをみの、脚はん、背負いかごなどの材料に利用してきました。これらは、柔らかく強じんで、水を通さないので古くから愛用されてきました。
カンスゲを製品化するには、初秋のころ伸びきったものを採ってくることから始まります。カンスゲを加工池に約50日漬けて葉肉を腐らせます。葉肉が腐ると取り出して水洗いをしますが、用途によってその方法が違います。みの用は板でたたきながらさらし洗いをし、脚はん用は加工池からあげたまま水流でさらします。洗い終えると乾燥させて製品を作ります。
キバナアキギリ(シソ科)
秋の林床を代表する、多年草で黄色い花を咲かせます。葉がキリの葉に似た特徴のある形をしているので、花のない時期でも簡単に見つけられます。
キブシ(キブシ科)
枝の先の垂れ下がった部分に、春はかんざし状の黄色い花、夏には小さな丸い果実を付けているのが見られます。秋から冬にかけては、春に開花するための花序を付けており、比較的いつでも見つけることができる木です。
クサソテツ(イワデンダ科)
シダの仲間で、全体の姿がソテツに似ていることから名付けられました。山間部の河畔などに群生しており、庭園にも植えられます。若芽は「こごみ」とも呼ばれ、食用にされます。
クマシデ(カバノキ科)
温帯気候の中でも比較的温かいところ(中間温帯)を好むシデの仲間で、葉脈が美しく平行にそろっているのが特徴です。島根県の山の中腹では、イヌシデとともに大規模な自然林を形成しているクマシデを見ることができます。
クマノミズキ(ミズキ科)
秋にノブドウほどの小さな実をたくさんつけ、熟すと黒くなります。名前の由来は、熊野地方のミズキという意味です。ミズキは、漢字で書くと水木で、春に枝を切ると切り口から樹液がたくさん出る木です。
クリ(ブナ科)
同じブナ科のクヌギとよく似ています。葉を太陽に透かしてみて、葉緑体があるのがクリで、ないものはクヌギです。
クロモジ(クスノキ科)
北海道から中国地方までに分布している落葉低木です。4月ごろ、黄色の小さな花をつけます。秋には、葉はみごとな黄色に色づきます。また、クロモジ材には特有の油が含まれており、芳香があることから和菓子用の楊枝、漢方薬の材料などのさまざまな用途に利用されています。
ケヤキ(ニレ科)
街路樹や盆栽などに多く用いられており、用材としても有名な樹木です。谷間の肥沃な土地に多く見られます。葉を手に取るとザラザラしており、葉の縁には規則正しいきょ歯が並んでいます。この樹木は、大きくなると扇を半ば開いたような独特の樹形になるので、遠くからでも見つけることができます。秋になると美しく色づきますが、木によって黄葉したり紅葉します。材は美しくて狂いがなく湿気にも強いので、建築、彫刻、船舶などの材料として幅広く利用されています。
コアジサイ(ユキノシタ科)
葉は光沢があり、きょ歯(葉の縁のギザギザ)が大きいという特徴があります。淡い青紫色の小花をたくさんつけますが、花には飾花がなく、ちょっと見たところアジサイの仲間とは気づきにくいかも知れません。
コブシ(モクレン科)
コブシの名は、つぼみまたは果実の形が拳に似ていることからつけられたと言われています。コブシのつぼみに日光が当たると大きくふくらみ、白い花びらをのぞかせます。この時、花びらの先は必ず北をさします。これは太陽の当たる南側が暖められて北側より早く成長しふくらむため、北端は北をさすことになるのです。コブシの花の咲き始めを見れば、どちらが北かすぐにわかります。このような植物を方角指標植物と言います。
コマユミ(ニシキギ科)
庭木のニシキギによく似た低木です。ニシキギとの違いは、枝の稜の上にコルク質の翼がないところです。ヤマニシキギとも呼ばれるこの木は、秋に美しい紅葉を見せてくれます。果実は暗紫色で、裂けると中から赤い種子が顔をのぞかせます。最近は盆栽にもよく使われているようです。
お問い合わせ先
自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)