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昆虫類
ガのなかま
昆虫の中でガは非常に多くの種類があり、隠岐島では現在までに396種類ものガが見つかっています。
オキナワルリチラシ クスサン
(写真:野津幸夫)
カメムシのなかま
つかむと臭いカメムシの仲間には、ナガメ、クサギカメムシ、マルシラホシカメムシ、ツノアオカメムシなどがいます。
川の中の昆虫たち
谷川の石を拾い上げてみると、カメ型のものがくっついています。また、水の中に沈んでいる葉や枝にミノムシのようなものがありますが、こえはトビケラという幼虫の巣です。ほかにもカゲロウ、ドロムシ、トンボ(ヤゴ)、などが見つかるでしょう。また、生きた化石と言われるムカシトンボのヤゴを見ることができるかも知れません。
甲虫のなかま
オサムシのなかま
甲虫の仲間。飛ぶことができず、地上をはい回ってミミズやカタツムリなどを食べて生活をしています。オサムシの仲間は飛べないため、行動範囲が限られ、昔の生息分布がそのまま残されています。近年になり、その分布が注目され、各地で研究が進められています。
オトシブミの仲間
体長5〜6mmの甲虫の仲間。葉の上で産卵した後、その葉で卵を包み地表に切り落とすので、この名前が付けられました。オトシブミは30種類以上が知られていますが、種類によって卵を産む植物が決まっています。
カミキリムシのなかま
セミのなかま
ニーニーミーミーと鳴くニイニイゼミ、大きな体のクマゼミ、最も一般的なセミの声で鳴くのはミンミンゼミとクマゼミです。カナカナと鳴くのはヒグラシ、ツクツクホウシの声は、夏の終わりを感じさせます。
・エゾゼミ:晴れた日中、ジーと低い音でさかんに鳴いているのがエゾゼミです。北方系のセミで平地には少なく、山地に多く見られる種類です。
チョウの仲間
(1)アゲハチョウの仲間
大型で美しい黒、黄、青などの色とはねの模様に気をつけて観察しましょう。親は自分の食草以外には産卵しません。卵は普通4週ほどで親になります。黄色のものはは明るいところ、黒色のものは林を好んで飛びます。
・アオスジアゲハ:前はねから後ろはねを通して青い縦縞があり、食草はニッケイ、タブノキなど。
・カラスアゲハ:体は黒く、後ろはねに赤色の弦月紋があります。
・キアゲハ:はねの地が黄色で、縁に黒色の条や紋。幼虫の食草はニンジン、ミツバなど。
・ギフチョウ:アゲハチョウの仲間である美しいチョウ。アオイの仲間を食草にしていますが、近年その生息地が破壊され、絶滅の危機においやられています。
・ナミアゲハ:キアゲハに似て、地は浅黄で斑紋の色も地味。
アオスジアゲハ カラスアゲハ キアゲハ
ギフチョウ ナミアゲハ モンキアゲハ
(2)モンシロチョウの仲間
中形で白または黄色の地色をしたチョウ。足のつめが2つに分かれています。
・キチョウ:地が黄色で、前はねの前縁が黒く、食草はカワラケツメイ、メドハギなどのマメ科です。
・スジボソヤマキチョウ:珍しい種類のチョウですが、島根県では八重滝周辺が有数の多産地になっています。これは食樹のコバノクロウメモドキがたくさん生えているからです。このチョウは成虫で越冬し、雪解けまもないころ新芽の吹き出たこの木に紡鐘型の真っ赤な卵を産みつけます。
・モンシロチョウ:前はねに2つ、後ろはねに1つの黒紋があり、食草はダイコン、カブ、ナズナなど。
キチョウ スジボソヤマキチョウ モンシロチョウ
(3)ヒカゲチョウの仲間
中形で、地色は薄黒褐色。前後のはねの表裏に眼紋があります。
・ヒカゲチョウ:前後のはねに、各1つの薄い眼紋があります。日陰を好み、イネ、ススキ、タケ、ササを食草にしています。
・コジャノメ:前はねに2つ、後ろはねに1つの眼紋があります。
ヒカゲチョウ
(4)タテハチョウの仲間
この仲間にはたくさんの種類がいます。ヒョウモン類は、黄どう色の地色に、黒色の豹のような斑紋があります。
・ウスイロヒョウモンモドキ:ウスイロヒョウモンモドキは、草原性のチョウです。国内では、中国山地の東部(岡山、鳥取)に点々と生息地が残されているのみであり、県内では、三瓶山女三瓶山山頂付近にのみ生息が確認されています。
以前は適度な放牧により維持されてきた三瓶山の草原で広く見ることができましたが、その生息に適した草原が減少したことにより個体数が減少したと考えられています。
・オオムラサキ:日本の国蝶。エノキの葉を食草としているため、伐採によるエノキの減少にともない数を減らしています。そのため各地でエノキや樹液を吸うためのクヌギの植栽といった保護運動が行われています。
・ゴマダラチョウ:エノキの葉を食草にしているチョウ。エノキの減少に比例して、数を減らしています。
・ツマグロヒョウモン:雌の前はねの前縁に、黒色地に白紋があります。スミレやイチゴを食草にしています。
・メスグロヒョウモン:雌は青黒色なので雌雄の区別ができます。豹紋が3列に整然と並んでいます。
・テングチョウ:中形で黒褐色地にだいだい色の紋があります。口器が前に突き出し、天狗のような鼻のように見えます。春から夏に多発し、エノキを食草にします。
・アサギマダラ:日当たりのよい、草地などで見られる大形の美しいチョウで、名前の通り、はねには美しいマダラ模様があります。観察する時には、驚かさないように静かに見守りましょう。一度驚かすと空中高く飛び去ってしまいます。
薄青色の地に、紫褐色の条が目立ちます。後ろはねの後ろあたりは赤茶色でぼかしになっています。食草はガガイモ、クワ科のイヌビワ、イタビカズラなどです。
ツマグロヒョウモン テングチョウ アサギマダラ
(5)シジミチョウの仲間
小形で触角に白黒のまだら模様があります。幼虫は扁平の楕円形をしています。
・アイノミドリシジミ:ブナ、ミズナラ林を代表するミドリシジミの仲間。森の宝石にたとえられる美しいはねを持つチョウです。
・アカシジミ:前はねの地色は黄赤色、黒斑があり縁も黒色をしています。後ろはねの縁には赤黄斑があります。食草はカシワ、コナラなど。
・ウラクロシジミ:マンサクを食樹とするチョウ。5月ごろ、丸い穴をあけた若葉の近くを捜すと、緑色の愛らしいワラジ型の幼虫を見つけることもできます。
・ベニシジミ:地色が黄紅色で、前はねの前縁に黒色部があります。ギシギシ、スイバなどを食草にしています。
・ミドリシジミ:ハンノキを食樹とする、親指ツメほどの小さなチョウ。雄のはね表は、緑色に輝いていますが、雌は黒地に赤や青などの斑紋をもった4型があり、メンデル式の遺伝をすることが知られています。
ミドリシジミは年に一度しか発生しません。夏に母チョウがハンノキの小枝に産んだ卵はそのまま冬を越し、春に卵からかえった幼虫は新芽や若葉を食べて成長します。小枝の伸長がとまる7月ごろ、羽化してチョウになります。
・メスアカミドリシジミ:6〜7月ごろ、こずえの先で日光浴をしているメスアカミドリシジミは、ほかの個体が近づくと追い払い、またもとの位置にとまります。これはなわばりを守るためで、雌との出会いを獲得しようとする意味があると考えられます。
・ルリシジミ:地色は瑠璃色で、裏面に黒点列が3條あります。カタバミを食草にしています。
ベニシジミ
(6)セセリチョウの仲間
小形で触角は紡鐘状に曲がり、蛾と同じく食草で繭をつくります。
・イチモンジセセリ:黒褐色で後ろはねに4つの白紋がほぼ一列に並んでいます。イネ科の植物を食草にしています。
・ダイミョウセセリ:前はねが黒褐色で大小いくつかの白紋があります。食草はカタバミです。
イチモンジセセリ ダイミョウセセリ
つかむと臭いカメムシの仲間には、ナガメ、クサギカメムシ、マルシラホシカメムシ、ツノアオカメムシなどがいます。
お問い合わせ先
自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)