しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ(11月20日発表)
平成19年11月20日に発表した「しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ」は次のとおりです。
PDF版とHTML版があります。また、概要版は下記のとおりです。
しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ(概略版)(PDF:13.1kb)
<PDF版>
しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ(PDF:251.9kb)
<HTML版>
しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ(平成19年11月島根県)
はじめに
地域経済が活性化し、若者が活き活きと働き、国内外との交流が盛んな「活力ある島根」を築くためには、産業振興が最も重要です。
このため、本年5月に設置した「しまね産業活性化戦略会議」において、これまで3回の会合を開催し、民間の企業活動の第一線で働いている方々から、実践的な知恵とノウハウなどに基づき、本県産業の活性化に資するための意見、提案をいただいたところです。
これらの意見等を踏まえ、本県の産業振興を戦略的に推進し県内産業の活性化を図るために当面進めるべき具体的な方策を、「しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ」としてまとめました。
この中では、「ものづくり産業の振興」「IT産業の振興」「地域資源を活かした産業の振興」を重点分野として、さらに「新産業・新事業創出に向けた研究開発」「県内企業の競争力強化への支援」「企業誘致の推進」「ソフト系IT産業の振興」「観光の振興」「県産品の販路開拓・拡大の支援」「中小企業の振興」を戦略の柱として掲げております。
製造業を中心とする「ものづくり産業」、自然や文化、農林水産物などを活かした観光や県産品の販売など「地域資源を活用した産業」の振興を一層強化するとともに、島根発のプログラミング言語「Ruby」の活用やソフト系IT企業の立地促進など「IT産業」の振興に、積極的に取り組みたいと考えております。
この「しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ」を産業振興の方向と位置付け、今後、予算編成や組織の見直しを通じて具体的な施策として実現してまいります。
平成19年11月
島根県知事溝口善兵衛
目次
Iものづくり産業の振興
1新産業・新事業創出に向けた研究開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(1)新産業創出プロジェクトで開発した技術・素材の事業化の推進・・・・・・・・・1
(2)新たな技術・素材の研究開発の検討・着手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2県内企業の競争力強化への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(1)企業の経営力・技術力・販売力の強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(2)産業人材の育成・確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
(3)第2創業・起業の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3企業誘致の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
(1)企業誘致による産業クラスター形成の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
(2)産業人材の育成・確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
IIIT産業の振興
1ソフト系IT産業の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(1)県内企業の育成・支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(2)新規企業立地の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
(3)産業人材の育成・確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
III地域資源を活かした産業の振興
1観光の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(1)観光交流ビジネス化の支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(2)広域観光の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
2県産品の販路開拓・拡大の支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(1)商品の開発・改良・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(2)販路の開拓・拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
(3)商品、小売店情報等のデータベース化による販売促進・・・・・・・・・・・・・・・・9
3中小企業の振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
(1)県内企業の特色ある技術・材料を活かした新たな取組みへの支援・・・・10
(2)経営安定化への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
(3)県と市町村との連携による地域の特色を活かした産業振興・・・・・・・・・・・11
○しまね産業活性化戦略第1次とりまとめ(体系図)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
○しまね産業活性化戦略会議設置要綱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
○しまね産業活性化戦略会議委員等名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
Iものづくり産業の振興
1新産業・新事業創出に向けた研究開発
(1)新産業創出プロジェクトで開発した技術・素材の事業化の推進
1)県内企業への技術移転
○県が行っている新技術、新素材開発の成果について、それらを県内企業に技術移転することにより、競争力のある技術や製品を有した新分野進出、新事業展開を促進する。
【新産業創出プロジェクト】
・新機能材料開発プロジェクト(熱制御材料及びシステムの開発)
・新エネルギー応用製品開発プロジェクト(色素増感太陽電池の開発)
・プラズマ利用技術開発プロジェクト(プラズマ熱処理技術の事業化)
・バーチャル・リアリティ技術開発プロジェクト
(情報機器・システム・コンテンツの開発)
・健康食品産業創出プロジェクト
(県内企業の連携による健康食品群としての販売促進)
○各プロジェクトは、成果目標及びその目標達成年度について検証の上、それを踏まえた事業終期を設定する。
○複数の企業を構成員とする研究会等を主宰するとともに、産業技術センターに企業からの研修生の受け入れ等を行いながら技術移転を行っていく。
○技術面では産業技術センターが、経営面では(財)しまね産業振興財団が、支援の中核となり、連携しながら取り組む。
2)県外企業への売り込み・企業誘致
○開発した新技術を製品化・事業化するにあたっては多くの困難(時間面、資金面・技術面等での事業リスク)が伴うことから、県内中小企業等がこれらの負担に耐えられない場合は、県外企業を取り込みながら、県内での事業化等を条件に技術移転を行っていく。
○また、この場合に、県内中小企業等に対しては、県外企業の県内事業活動の中で具体的なビジネスをマッチングしていくことにより、県内企業への波及効果を生み出す。
3)技術・素材の研究開発の進展
○技術革新は日進月歩であり、新たな技術が陳腐化する恐れがあることから、技術の移転先企業に対し、産業技術センター等の公設試験研究機関や大学が連携してフォローアップする等、継続的に技術支援を行う。
(2)新たな技術・素材の研究開発の検討・着手
1)産業技術センターを主体とした新技術の開発
○製造業分野において激化する地域間競争、国際間競争に勝ち抜くためには技術革新が必須であるが、相応の時間、コスト、マンパワーが必要となる。このため、中小・零細企業中心の本県製造業の現状を踏まえ、県において先導的開発を行い、県内企業に成果を移転していく手法を引き続き進めることとし、新たな技術・新素材の研究開発の検討・着手を行う。
2)島根大学、松江工業高等専門学校等との連携による研究開発
○競争力の源泉である製品・商品開発において、本県中小企業に不足している試験研究資源や技術開発体制等の経営資源を、大学等の研究成果等外部資源によって補完する取り組みを促進する。
○産学官連携をコーディネートする県職員を配置し、企業の課題解決に対する大学等の協力や大学等のシーズの企業による実用化の取り組みを支援する。
[中長期的な取組み]
⇒次世代技術の開発
○大学等と連携し、国等の競争資金を獲得しながら基礎的研究を行い、一定の成果が出たところで企業を含めた研究会を組織して実用化に向けた取り組みへと発展させていく。
2県内企業の競争力強化への支援
(1)企業の経営力・技術力・販売力の強化
1)経営力革新
○経営力強化のために良質な情報や助言等を経営者に提供する必要があることから、(財)しまね産業振興財団を中心に各支援団体との連携による個別企業支援を強化するとともに、セミナー等を開催する。
2)ものづくり生産革新
○多種な技術の組み合わせが求められる昨今の製品開発状況から、技術力の強化のためには、他社との連携や良質な情報・助言等を確保することが不可欠である。このため、産業技術センターによる支援の強化、技術や生産管理の専門家の派遣、研究会・セミナー等の開催や産学官の連携を推進する。
3)販路拡大
○県内企業の業容拡大には、首都圏等の大きな市場を対象とした販路開拓の継続的な実施が不可欠であり、従来の固定的な系列取引の変化や取引関係の多様化に対応したきめ細かな支援が必要である。
○伊藤忠商事(株)による販路斡旋や(財)しまね産業振興財団による企業の商品見本市出展、商談会への参加を支援することにより、販路拡大を図る。
○東京に販路開拓コーディネーターやアドバイザーを配置し、首都圏を中心とした取引の開拓を支援する。
○山陽地域の好況を県内に呼び込むために、(財)しまね産業振興財団、金融機関等の連携による、山陽地域企業と県内企業とのビジネスのマッチング(取引斡旋、企業連携、技術導入等)を行う。
[中長期的な取組み]
⇒産業群の形成
○地域を活性化させるためには、仕事や資金を地域外から獲得することが必要であり、そのためには、単体の企業活動のみでなく連携を前提とした産業群の形成が不可欠である。
(2)産業人材の育成・確保
1)産業人材育成コーディネーターの配置
○地域レベルでの人材の育成、確保を支援するため、企業OB等の産業人材育成コーディネーターを配置し、高校等と企業の橋渡し、地域企業への人材育成手法の指導、企業に対する制度等の情報提供、相談等を行う。
2)産業人材の育成・確保に向けた情報センターの設置
○労働関係機関が共同で、制度やセミナーの情報等を提供する「雇用・人材育成情報提供ウェブサイト」の立上げ、制度に関する相談の実施、産業人材育成コーディネーターとの情報交換会を行う。
3)高等技術校の再編整備
○県内産業振興に資する産業界のニーズに即し、効率的・効果的な訓練を実施するため、県内の高等技術校の再編整備を実施する。
4)新卒者の県内就職対策
○県内企業に対しては早期求人活動や高校等への積極的な情報提供等の実施を促し、高校生に対してはキャリア教育を充実させる。併せて、保護者及び教育機関への県内企業理解を促進する。
(3)第2創業・起業の促進
1)起業意識の醸成
○若年者や女性等の起業を促進するため、起業家スクールを実施するとともに、高等教育機関での講座開設等により、教育機関におけるキャリア教育を充実させる。
2)人材派遣による技術移転の促進
○県内の人材を県外有力企業に派遣し、技術移転を促進するとともに、新事業創出(起業、新分野進出)を推進する仕組みを検討する。
3)第2創業・起業者への支援
○具体的な事業の進め方や将来の方向性についての助言等を行うなど、事業者と共に検討していく第三者の存在は不可欠であることから、経営革新や起業の取り組みに的を絞った相談会の開催やフォローアップ体制の充実を図り、継続的かつ効果的な支援を実施する。
[中長期的な取組み]
⇒イノベーションシステムの研究
○新技術を創出し起業家を輩出する効果的なシステムの構築に向け、成功事例を参考として検討を行う。
⇒エンジェルファンドの創設支援
○事業者が負う資金的なリスクの回避による新規事業への挑戦的な取り組みを促進する。
3企業誘致の推進
(1)企業誘致による産業クラスター形成の促進
○県内産業の高度化や活性化などに波及効果の高い企業の誘致や、県内工場の生産拠点化を進め、産業クラスター形成の促進と産業活動の足腰の強化を目指す。
1)重点誘致対象業種の設定
○生産技術力、製品分野の成長性、本県の産業振興施策との関連性等を基準として、指定誘導業種を定め重点的に企業誘致を行う。
【指定誘導業種】
・「企業立地促進法」基本計画(策定中)に定める指定集積業種
(機械金属関連産業、IT関連産業、食品関連産業/県産品利用)
・新産業創出プロジェクト関連業種
・島根県産業振興プログラム重点領域(戦略4産業)
(環境・エネルギー関連、健康・福祉・安全産業、IT技術等)
・知事特認業種(その他の政策目的、産業振興寄与等)
2)県内工場の生産拠点化の促進及び協力企業の誘致
○県内誘致企業へのフォローアップ活動の徹底(ニーズ把握と支援、工場増設相談)、誘致企業本社との関係・人脈の強化、工場増設計画への支援(企業立地促進助成金等)、
誘致企業の関連業種への誘致活動、誘致企業と県内企業とのマッチング等を充実、強化する。
3)工業団地の立地環境等の向上
○県営工業団地の高速通信環境の整備を促進するため、企業向け高速通信回線(光ファイバー等)利用料の助成を行う(特定通信費補助金の対象業種を県営工業団地内の製
造業に拡大)。
○拠点工業団地土地取得助成の対象団地・業種の拡大、面積要件の緩和を実施する。
4)企業誘致体制の強化
○ワンストップサービス体制の整備(顧客満足度の向上)や企業誘致に関する情報共有・方針決定システムの見直しを行うとともに、金融機関等との連携を強化(成功報酬制度
の見直しなど)する。
[中長期的な取組み]
⇒高速道路・港湾等物流インフラの整備
(2)産業人材の育成・確保
1)産業人材育成コーディネーターの配置[再掲]
2)産業人材の育成・確保に向けた情報センターの設置[再掲]
3)新卒者の県内就職対策[再掲]
4)UIターンの促進
○県内の立地企業等が、県が選定した有料職業紹介事業者を介して県外から専門的・技術的人材を確保する場合の支援を行う。
○県庁内に無料職業紹介所を設置し、県内の立地企業等の求人と求職者とのマッチングを行う。
IIIT産業の振興
1ソフト系IT産業の振興
(1)県内企業の育成・支援
1)Ruby、組込みエンジニアの育成・支援
○多様化、高度化する顧客ニーズに対応できる情報産業群を形成する支援体制が必要であることから、IT技術者を養成するためのIT技術者研修(組込みソフトウエア分野、Ruby分野の技術者養成)を実施する。
2)デジタルコンテンツ分野の育成・支援
○インターネットや携帯電話などによるサービスの広がりとともに拡大してきているデジタルコンテンツ市場に着目し、エンジニアやプロデューサーの育成を図る一方で、その受け皿となるコンテンツ制作企業の誘致や育成を図る。
3)ソフトウエアプロダクツ分野の育成・支援
○特色ある製品の開発支援を行うとともに、商品の販売促進について支援を実施する。
4)大都市からの業務獲得支援
○本県IT産業には官公需、下請依存体質からの転換が必要な企業が多く、企業体質の改善が必要であることから、ビジネスマッチングや取引先確保のための見本市出展等の支援を実施する。
5)Ruby特産化に向けた支援
○「Ruby=しまね(松江)」の認識を確立していくことにより県内企業の受注機会の拡大を図るため、Rubyの普及と発展のために設立された合同会社Rubyアソシエーションの支援、Rubyに関する会議の誘致支援等を行う。
6)情報産業アドバイザーの配置・充実
○情報産業の支援に関わる県施策を充実し、ビジネスマッチングに対応できるよう、国内外の情報産業の動向に精通した専門家を配置する。
[中長期的な取組み]
⇒研究開発機能の充実
○高等教育機関、産業技術センター等におけるRuby等の島根県の状況に対応した研究開発機能の充実を図る。
(2)新規企業立地の促進
○ソフト系IT企業の認定要件を緩和し、立地に伴う初期コストを低減する助成制度の創設や賃貸オフィスの整備を行うことにより、首都圏等からの企業立地を促進する。
1)ソフト系IT企業向けの優遇制度の創設
○ソフト系IT企業を対象とした立地計画認定の特例制度を創設する。
【制度の概要】
・対象業種:ソフトウエア業及びデジタルコンテンツ業
・適用要件:・首都圏等で事業活動をする企業の県内への新規立地
・技術やビジネスモデルに優れる企業の県内創業
・認定要件:正規雇用増3名以上(設備投資要件なし)
・助成内容:雇用助成、家賃補助、航空費補助、通信費補助
2)ソフト系IT企業向けの賃貸オフィスの整備
○誘致交渉における企業立地の需要を把握し、中小企業基盤整備機構や民間等の資本導入を前提に、ソフトビジネスパーク島根に執務環境の優れた島根オフィスの整備を検討する。
(3)産業人材の育成・確保
1)Ruby・組込みエンジニアの育成・支援[再掲]
2)高等教育機関における講座の開設
○本県情報産業を担う技術人材を育成するために、島根大学、松江工業高等専門学校、島根県立大学等での講座開設、研究開発を支援する。
[中長期的な取組み]
⇒人材育成機能の充実(島根県立大学での関係学科の設置)
III地域資源を活かした産業の振興
1観光の振興
(1)観光交流ビジネス化の支援
○地域資源を活用した着地主導の観光創出、これにビジネスとして携わる人材、組織の育成・連携を支援する。
・観光支援プロデューサー(専門家)による観光商品化の促進、それを担う人材へのノウハウ支援
・観光関連産業、市町村観光協会等のレベルアップ支援
・着地型観光を担う旅行業への支援、新規参入の促進
○豊富な自然や歴史、文化、食等地域資源を活用した地域発旅行商品と消費者を結ぶ仕組みを構築し、ニューツーリズムの創出に関するノウハウの蓄積・普及、地域等と旅行会社とのマッチング活動などを行う。
・旅行会社とのタイアップ(マッチング)によるモデル事業の実施
(例)神楽見学ツアー、ヘルスツアー、製造現場見学ツアー
(2)広域観光の推進
○県内各地域の特色を広域的に繋ぐことにより、より魅力の高い旅行商品の開発を進め、ターゲットに応じた情報発信を行い、国内はもとより国外も含めた誘客を促進する。
○旅行者の動機は、性別、年齢、居住地などの要因により異なることから、地域の特色や旅行者の動機に合わせた効果的な情報発信を行う。
○(社)島根県観光連盟を、観光交流ビジネス化の支援やターゲットに応じた情報発信の機能を担う全県的な組織として強化する。
○国外からの誘客(インバウンド)の強化のため、英語圏、台湾、韓国、中国を対象として、国、他県等と連携し広域で誘客を行う。
[中長期的な取組み]
⇒来県しやすく滞在しやすい一次・二次交通体系の形成
⇒観光地利用の電子マネー(地域通貨)導入
2県産品の販路開拓・拡大の支援
(1)商品の開発・改良
1)コーディネータ−の配置等による商品の開発・ブラッシュアップ
○商品開発・企画、流通・販売促進、広告・PR、デザイン等の専門知識を有する県産品支援コーディネーターの指導、助言による商品の改良、新商品の開発を支援する。
2)共同アンテナスペースを活用した商品のブラッシュアップ
○高級百貨店等の共同アンテナスペースでの販売、PR、消費者モニター調査等を通じた商品のブラッシュアップを支援する。
(2)販路の開拓・拡大
1)高級小売店等での「島根フェア」開催をきっかけとする商品の定番化
○島根県及び県産品の認知度向上、県産品の定番化を図るため、首都圏等大消費地の高級スーパーマーケット等で「島根フェア」を開催する。
2)にほんばし島根館の活用
○消費者に島根の魅力を伝えるために、にほんばし島根館におけるミニフェアやイベントを通じて島根の旬の商材の紹介、食べ方等を提案する。
3)飲食店等業務筋への販路開拓
○業務筋への販路開拓を目指したホテル・料理店での島根フェア(食材の定番化)、製菓専門店・製菓材料卸へのアプローチ(スイーツ製品、ジャム・コンフィチュールなどの加工品)を行う。
4)通信販売、ギフト販売の販路開拓
○通信販売、ギフト販売を活用した新たな販売チャネルを開拓する。
5)首都圏等大消費地での「商談会」の開催
○県産品の販路拡大を目指して、首都圏等大消費地において、小売店・卸売のバイヤーとの商談の場を創出する。
6)東アジア、ロシア極東地域をターゲットとした販路の開拓
○海外取引に取り組もうとしている、又は拡大したいと考えている県内企業に対して、(財)しまね産業振興財団が構築した国内外のネットワークを活用して、経済状況・貿易制度・投資環境等の海外情報の提供を行う。
○浜田港を活用して、民間の在来船ロシア航路と連携しながら、ロシア極東地域をターゲットとした食品、建設材料等の売込みを行う。
○台湾・上海などの東アジア地域をターゲットとした農産物等の販路開拓を推進する。
・海外現地コーディネーターの設置、海外現地商談会の開催、テスト輸出等
(3)商品、小売店情報等のデータベース化による販売促進
○これまでに蓄積した商品情報をもとに小売店・業務筋の求める商品情報検索システム「こだわり産品等データベース」を構築する。
[中長期的な取組み]
⇒産地商社による販路の開拓・拡大
3中小企業の振興
(1)県内企業の特色ある技術・材料を活かした新たな取組みへの支援
1)石州瓦等地場産業への支援
○石州瓦は地場産業として地域に定着した歴史ある産業であり有力な雇用の場である。本県で数少ない域外市場で戦える企業群として、厳しい産地間競争や市場の変化に対応できる商品開発など経営戦略の構築を支援する。
○販路開拓や新商品の研究開発を支援するために、経営者を対象にした競争力強化セミナーや産業技術センターによるデザインや技術指導、(財)しまね産業振興財団による商品開発の研究会等を実施する。
2)地域資源産業活性化基金を活用した企業支援
○地域資源を活用した新商品・新サービスの研究開発・販路開拓など、県内の中小企業者・NPO・創業者等の初期段階の取り組みに対し、島根県商工会連合会に組成した基金により、助成や事業化に向けた助言等の支援を行う。
(2)経営安定化への支援
○企業経営の基盤となる財務、生産、組織、マーケティング、販売など経営の諸機能の維持・充実、強化に向けて、経営の基礎力の強化、資金調達の円滑化などの支援を行う。
1)商工団体を通じた県内企業に対する経営相談、経営指導
○商工団体に配置した経営指導員による経営改善普及事業(金融斡旋、税務・経理・経営に関する相談・指導)を推進する。
2)専門家による経営改善に向けた支援
○専門的で幅広い知見を有する専門家(コーディネーター、経営改善アドバイザー等)による経営改善、新分野進出等の支援を行う。
3)企業ニーズに沿った融資制度の運営
○企業の体質改善、経営安定、設備の近代化等に必要な資金を円滑に供給する(中小企業制度融資、環境資金、中小企業高度化資金等)。
4)支援体制の強化
○経営改善を必要とする中堅企業等に対して、経営基盤強化や再建に向けた調整、検討を行う県の組織体制を充実させる。
[中長期的な取組み]
⇒商工団体の合併
⇒中小企業制度融資枠の見直し
(3)県と市町村との連携による地域の特性を活かした産業振興
○地域の中小企業に最も近い市町村がその地域の実情に適した産業振興を図ることが効果的であり、地域の産業ビジョンの策定とそれを実施する体制構築を支援する。
○駐在員派遣等により派遣市町村の産業振興ビジョンの策定を支援するとともに、ビジョン策定自治体に対しては計画実行のための相談に対応するなどの支援を行う。
戦略とりまとめ一覧会議設置要綱委員名簿
お問い合わせ先
商工政策課
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 TEL:0852-22-5282 FAX:0852-22-6039 E-mail:shoko-seisaku@pref.shimane.lg.jp