6.ハウス栽培技術
(10)炭酸ガス施用技術
- 炭酸ガス濃度と光合成速度
‘西条’の炭酸ガス濃度と光合成速度との関係を図3-34に示した。360ppm(大気中濃度)と比較し,200ppmでは約半分に低下した。これに対し,炭酸ガス濃度が900ppmになると光合成速度は360ppmの約2.5倍に高まり,さらに炭酸ガス濃度が1,500ppmになると360ppmの3倍以上に高まることが明らかとなっている。 - 炭酸ガス施用の効果
ポット栽培の‘西条’を用いて,収穫期約2か月前より1,500ppmの濃度で炭酸ガス施用を行った結果,各器官とも無施用区と比較し乾物増加量が多く,特に果実で顕著であった。さらに,果実の着色及び糖度の向上が認められ,根の呼吸活性も高まった。実際のハウス栽培において,LPガス燃焼方式では,燃焼時に水分が出てくるため湿度が上昇する。したがって,成熟期まで施用を行う場合,ハウス内湿度が低下してから行わないと波線状汚れ果の発生を招きやすい。また,生ガスの施用も有効であるが,コストがかかりすぎるため,現段階では利用は難しい。今後,低コストで効果を最大にするための施用時期及び施用時間帯などの検討を要する。
関連資料
農試だよりNo.86「カキ‘西条’のハウス栽培における炭酸ガス施用効果(1998.12)」
農試だよりNo.74「カキ‘西条’の光合成特性(1997.3)」
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