6.ハウス栽培技術
(6)着果管理
- 人工授粉
ハウス内は,露地栽培と異なり訪花昆虫がいないため,人工授粉を行い着果を安定させる必要がある。禅寺丸などの受粉樹を10a当たり3樹程度植栽しておき,開花直後の雄花を採取して花粉を収集する。人工授粉は,花粉を石松子で5倍に希釈して丁寧に行う。さらに,人工授粉を補うため,ミツバチを10a当たり2群程度放飼する。 - 摘蕾・摘果
露地栽培と同様に,摘蕾と早期摘果で果実肥大を促す。摘蕾の程度は,母枝先端新梢など勢力の強い新梢では2〜3蕾,20cm以下の新梢では1蕾となるようにするが,生理落果や奇形果の発生により着果不足になるおそれがあるため,過度な制限は避け短果枝にも1蕾残す。
摘果は,生理落果が終了しだい奇形果,傷害果,小玉果について行うが,摘果後も日焼けなどの障害を受ける可能性があるため,目標着果数の1〜2割程度は余分に残し,随時摘果を行う。露地栽培より着果期間が長くなるため,少々の着果量増加は樹勢低下にはつながらない。逆に着果数が少ないと,樹勢が強くなるため注意が必要である。
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