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6.ハウス栽培技術

(2)作型の分類

 かきの自発休眠完了期は1月中旬頃であり,これ以前に加温を行っても発芽率は低く,発芽促進効果もみられない。したがって,自発休眠期より早く加温を開始する作型を導入するためには,休眠打破処理を行わなければならない。
‘西条’の切り枝を用いた実験では,11〜12月の休眠期にカルシウム・シアナミド(CX)剤の20倍液やメリット青の2倍液を塗布することにより,10日程度の発芽促進効果と発芽率の向上が認められている。このことから,11月〜12月上旬に休眠打破を行い,1月から加温して発芽期を前進させることにより,着色期を夜温の低い6月に迎えることが可能であり,成熟期の著しい促進が図れると考えられる。しかしながら,‘西条’における早期加温栽培は,いまだ研究段階で技術が確立されておらず,現地への普及は今後の課題である。
現在,農家で行われている最も早い作型は,2月10〜20日に加温を開始する普通加温栽培であるが,大半は3月上旬に被覆をする無加温栽培である。これは,加温栽培を行って開花期を早めても,成熟期が夏期の高温期に当たるため着色が進行せず,結果的に無加温栽培と収穫期がほとんど変わらないためである。
成熟期を11月下旬以降に遅らせる抑制栽培の検討も行っている。詳細は後述するが,現在技術確立のための研究が進行しつつある作型であり,現地への普及は行われていない。

 

図3の27西条の作型構成



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