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5.果実障害と対策

(4)日焼け

日焼け果の様子

 

各果樹には,それぞれ適した生育温度の範囲があり,その範囲を超えた低温あるいは高温条件に遭遇した場合の様々な障害が発生する。各果樹の生育適温は,生育時期,栄養条件などによって異なる。日焼け果の発生原因は,気温のみでなく,高温条件に付随する湿度,日射強度,風などが関与する。また,果実の水分含量や受光条件によっても障害の発生程度が異なる。

 ‘西条’の日焼け果は,真夏の直射日光を受けて果実中の温度が異常に高くなり,組織が枯死する現象をいう。直射日光が当たった果実では,果実温が40℃以上に達する場合もある。日焼け果は一次的には強い日射によって発生するが,袋かけした果実にもみられることから,異常高温も引き金になることが考えられる。

 ‘西条’の日焼け果は主として,樹冠周辺の直接太陽光が照射される部分に発生する。特に,近年着色向上を目的とした反射マルチを設置する園が増加してきた。設置時期が8月の高温期であるとマルチからの太陽光の照射がより強くなり,日焼け果の発生を助長する。また,梅雨明け時期で果実に水滴が付着している場合,急激に太陽光が照射されると,水滴がレンズとなり,果皮が著しく高温となって発生する場合もある。

 対策としては,反射マルチの設置は9月に入ってから行い,日焼け果はできるだけ早く摘果する。



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