2.高品質安定多収技術
(3)着果管理
b.適正着果量
棚仕立てに近い強制誘引樹と立木仕立ての変則主幹形樹における‘西条’の葉面積指数と10a当たりの収量の関係を、強制誘引樹の果実分配率を43%、変則主幹形樹を32%として試算してみたのが図3-17ある。収量は各仕立て方とも葉面積指数が高くなるにつれて増加し、葉面積指数が3.5の10a当たりの収量は強制誘引樹が3,356kgで、変則主幹形樹の2,497kgより1.3倍多くなった。
これらの式から葉面積当たりの着果量と葉果比を試算したのが表3-6である。‘西条’の強制誘引樹などの棚仕立てに近い樹では、葉面積1m2当たりの収量は0.97kgとなる。1枚当たりの平均葉面積を120〜150cm2、1果平均重を180gとすると、葉果比は12.3〜15.4枚となる。一方、変則主幹形などの立木仕立ての場合では、葉面積1m2当たりの収量は0.73kgとなる。1果平均重を180gとすると、葉果比は16.5〜21.7枚となる。このように、強制誘引をして棚仕立てに近づけた樹は、変則主幹形などの立木仕立てと比べて、果実分配率が高くなりやすいので、葉面積当たりの着果量が多くなると考えられる。
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