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2.高品質安定多収技術

(2)整枝せん定

a.Y字形棚整枝の作り方

 Y字形は並木植えの2本主枝とし,Y字形の樹形は,2本の主枝を地上0.4〜0.6mから高さ2.5〜3.0mのY字棚の先端まで,地表面に対して約40〜60度の角度で伸ばし,連続したV字形の棚になるようにする.

  1. 植栽方法
    植え付け間隔は畝間5〜6m、株間3〜4mとし、株間の中間の位置に間伐樹を植え付ける。植え付け間隔は樹勢の強い‘西条’、平核無などはやや広めとし、‘富有’などの樹勢の弱いものはやや狭くする。
    樹列の方向についてみると、東西列方向はY字形棚の片面だけよく光が当たるのに対して,南北列方向ではY字形棚の両面ともほぼ同じように光が当たるので,樹列方向は南北向きが良い.

    図3の12Y字形棚Y字形の棚の様子

  2. Y字形棚の作り方
    隅柱は図3-12のように、パイプ2本をX字に,地上0.6mの位置で交差し,高さ3mで交わるように組み,上部の交差部分に幹線を張り固定する。樹の支柱は2〜3mおきにパイプを組み,地上0.6mと上部の交差部分を固定する。そして,地上約1mの高さで、隅柱と樹支柱に対して直角となるように横通しパイプを付け,さらに,縦横に棚線を張ってV字形の棚とする。中柱は樹支柱の1本おきに立てるが、スピードスプレヤーの移動に邪魔になるようであれば、省いても良い。棚の高さは、すべての作業が1m程度の脚立を用いて、安全に能率良くできるように2.5〜3mが良い。

図3の13Y字形の樹形のつくり方Y字形の若木の様子

3.Y字形の樹形の作り方
苗木は植え付け後,図3-13のように地上50〜60cmでせん定し、新梢が20〜30cm伸長した頃,数本の中から,最も生育のよい新梢を第1主枝とし,真っ直ぐに立つように支柱に誘引する。他の新梢はそのまま伸ばす。
1年目の冬のせん定時に、第1主枝は先端を軽く切り返し、全長の約半分が棚面に付くように寝かせ,その先が上向きになるように支柱を添えて誘引しておく。第2主枝は地上から50cm程度の高さで,第1主枝の反対方向で、第1主枝径の1/4程度のものであり,分岐角度が鈍角なものを選んで、先端を軽く切り返しておく。
2年目の春から夏にかけて,新梢が伸長してきたら,両方の主枝の先端の新梢を上向きに誘引する。主枝の上面から出た新梢はせん除し,他のものは棚面に誘引する。
3〜4年目になると、主枝は先端を上向きに誘引して、徐々に棚につけながら形成していく。そして、棚の先端から50〜80cm程度のところで二又に分岐させる。亜主枝候補枝は主枝の真横〜やや下部に発生し,主枝との角度が80〜90度のもので,径が主枝の1/2程度のものを選ぶ。

若木から成木まで永久樹は,主枝の先端を2分して伸ばし,棚面ができるだけ早く100%埋まるようにする。亜主枝は,成木で1主枝当たり2〜4本にする。また、Y字形の主幹の近くから発生した枝は切り落とし,返し枝を用いて,結果部位をやや高くする必要がある。
間伐樹は5年生以降になると,隣接樹と枝が交差してくるので,主幹に近い枝から切り,逆三角形の樹形にしていき、永久樹で樹冠が埋まるようになってから間伐する。こうすれば,一挙に間伐するより,樹冠占有面積率の低下が少なく,収量の減少もほとんどない。


関連資料
 ときめきNo.115「カキ‘西条’の棚仕立てY字形整枝法(1997.8)」


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〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
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