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8.棚面の明るさと適正着果量
1)適正LAI
葉は太陽の光エネルギーで同化養分を作り、果実を成熟させる。したがって、葉が少なく棚面が明るすぎる場合には、収量は上がらない。逆に、葉があまりにも多すぎる場合には棚下の葉は陰になり同化養分を作るより消費する方が多くなるとともに、果実の着色が悪くなるなどかえってマイナスになる。すなわち、葉には適正な茂り程度が必要である。
葉の茂り程度を葉面積指数(LAI)という言葉で表す。これは、一定の土地面積へ隙間なく葉を並べた時の葉の重なり程度をいう。たとえば、土地面積と葉の面積が同じなら1であり、葉の面積が土地面積の3倍なら3ということになる。図8ー1はドラム缶を半分にした鉢に栽培したデラウェアを開花後20日から収穫期まで、無加温ハウス栽培のデラウェア園に持ち込んで栽培し、鉢を覆っているブドウ園のLAI(葉面積指数)と鉢栽培ブドウのNAR(単位葉面積・時間当たりの純生産量)との関係をみたものである。鉢を覆っているブドウのLAIが高くなるにつれて、鉢栽培ブドウのNARは低下しており、庇陰樹のLAIが3.2を越えると、その下にある葉の純生産量は0になった。また、着果量とLAIを変えて果実の品質や収量も加味した実験結果からもブドウの最適LAIは3に近いのではないかと考えられる(図8ー2)。
それでは、測定したい園のLAIを求めるにはどうしたらよいだろうか。新梢の葉面積はその長さに比例しているので、LAIは新梢の平均長とその密度を求めればかなり正確に推定できる。まず、LAIを測定したい園から、長さの異なる新梢を15〜20本採取し、各新梢単位に葉面積を測定し、新梢長と葉面積の回帰式を作っておく。次に、平均的な棚面の明るさの所に、10m2の枠を作りその中の20〜30本の新梢を測定して平均長を求め、さらに全新梢本数を測定する。この平均新梢長を回帰式に代入して、1新梢当たりの平均葉面積を計算し、枠内の全新梢本数を乗じて葉面積を求める。この値を枠面積で除すればLAIが計算できる。実際には、葉面積計がないと測定できないため、おおよそ表8ー1を用いればLAIを推定することができる。仮に1mの新梢が10m2当たり100本あればLAIは2.0ということになる。
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