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12.栄養診断と対策


ブドウ樹の生産能力を判断する基準として,新梢の密度,伸びなど外見的な樹相による診断も重要であるが,潜在的な能力を把握するためには,樹体内に含まれる無機成分の濃度及び含量を把握する必要がある。しかしながら,樹体内に含まれる無機成分を瞬時に測定することは不可能である。したがって,葉色,葉の大小などによって判断しているが,多量要素の過不足の判断はある程度できるが,微量要素までの判断は不可能でる。ここでは,栄養診断を行うに当たっての判断基準と留意点について述べる。

 

1)栄養診断を行うに当たっての留意点


的確な栄養診断を行うには,これまでの施肥を中心とした栽培管理の経過を十分振り返ることが重要である。また,観察による樹相診断を十分行うことも重要である。樹相診断は各生育期ごとにその診断項目が違う。一般的には,各生育期とも新梢の伸び具合を目安とする。そして,成熟期に近づくと葉色,葉の大きさ,果粒及び果軸の色などがあげられる。いずれにしても,栄養診断は樹相も併用して行うことが大切である。
また,要素の過不足症状を判断する場合には,これまでの施肥・土壌管理の経過を十分に解析して的確に行う。



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