カンピロバクターによる食中毒の予防について(出雲保健所)
近年、全国的に、居酒屋などの飲食店で鶏肉の刺身やタタキなどを喫食して下痢や発熱を発症する食中毒事件が多く発生しています。
牛や豚については、食品衛生法で生食が禁止されています。
しかし、鶏については法規制がないことから居酒屋などの一部の飲食店で提供されていることがあります。
「新鮮だから生で食べても大丈夫」と誤解されがちですが、鶏肉は高率にカンピロバクターに汚染されいて、
新鮮なものほど菌が活発に生き残っていることから、生食することによって食中毒を起こす可能性があります。
さらに、カンピロバクターによる食中毒は、下痢や発熱を起こすだけではありません。
一部は回復後ギラン・バレー症候群を発症するとも言われており、特に注意が必要です。
カンピロバクターは加熱に弱く、鶏肉の中心部が75℃1分間以上の加熱で死滅すると言われています。
家庭でも、外食でも十分に加熱された鶏肉を食べるように心がけましょう。
【カンピロバクターによる食中毒予防啓発資材】
- 出雲保健所チラシ
カンピロバクター食中毒の予防啓発チラシ[686KB]
- 厚生労働省チラシ
<飲食店営業者向け>
カンピロバクターによる食中毒を予防しましょう[873KB]
<消費者向け>
外食時にも要注意[205KB]
家庭調理の心得[198KB]
カンピロバクターによる食中毒
カンピロバクターとは
カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保菌しています。
ヒトや動物の腸管内でしか増殖しない、乾燥に弱い、通常の加熱調理で死滅するなどの特性を持っています。
また、数百個程度と比較的少ない菌量を摂取することによりヒトへの感染が成立することが知られています。
原因となる食品
平成28年に国内で発生したカンピロバクター食中毒のうち、原因食品として鶏肉が疑われるものが多く認められています。
たとえば、鶏レバーやささみなどの刺身、鶏肉のタタキ、鶏わさなどの半生製品、加熱不足の調理品などの食品があげられます。
症状
カンピロバクターによる食中毒の症状は、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などです。
多くの患者は1週間ほどで治癒します。
死亡例や重篤例はまれですが、乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性もあり、注意が必要です。
潜伏時間は一般に1日から7日間で、やや長いことが特徴です。
また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。
食中毒の予防方法
健康な家きんであっても、腸管内などにカンピロバクターやサルモネラ属菌などの食中毒菌を保有している場合があります。
したがって、生や十分に加熱されていない鶏肉を食べないよう、食べさせないようにしましょう。
また、鶏肉を取り扱う際には、以下の4点に注意しましょう。
(1)食肉を十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)する。
→未加熱又は加熱不十分な鶏肉料理を避けることが最も効果的です。
(2)食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行う。
(3)食肉を取り扱った後は十分に手を洗ってから他の食品を取り扱う。
(4)食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行う。
お問い合わせ先
出雲保健所
〒693-0021 島根県出雲市塩冶町223-1 島根県出雲保健所 TEL :0853-21-1190 FAX :0853-21-7428 E-mail:izumo-hc@pref.shimane.lg.jp