カンピロバクター食中毒に注意しましょう!(浜田保健所)
カンピロバクター食中毒は、細菌性食中毒の中で最も発生件数が多く、特に生(刺身)・半生(湯引き、タタキなど)・加熱不足の鶏肉料理が原因となる事例が多発しています。また、鶏肉の取り扱い不備によって、調理器具や手指などを介して他の食品を汚染する二次汚染による事例も発生件数の多さにつながっていると考えられています。
カンピロバクターの特徴や予防法を知って、カンピロバクターによる食中毒を防ぎましょう。
カンピロバクターとは?
動物の腸管内に常在菌として生息し、市販されている多くの食肉(特に鶏肉)や内臓はカンピロバクターに汚染されているとの報告もあります。また、以下の特徴があります。
○少量の菌(数百個程度)で発症してしまう
○食べてから発症までの期間が長い(1~7日)
→食べた日が数日前とは限らず原因が特定しにくい
○乾燥にきわめて弱い
→カンピロバクターにとっては新鮮な肉のほうが生き延びやすく、新鮮だから安全ではない
○通常の加熱処理で死滅する
→中心部まで十分に加熱すれば死滅しますが、湯にくぐらせる程度の湯引きや表面を炙るだけでは不十分です
食中毒になるとどんな症状?
下痢、腹痛、嘔吐、倦怠感など、他の食中毒と酷似した症状が主ですが、特に乳幼児や高齢者、その他抵抗力の弱い方は重症化することがあります。感染して数週間後にギラン・バレー症候群(手足の麻痺、顔面神経麻痺、呼吸困難等を起こす)を発症することもありますので注意が必要です。
予防法は?
食中毒予防の観点から、外食時を含めて生や十分に加熱されていない鶏肉料理を食べないことが最も効果的です。
【調理時に気をつけること】
〇中心部まで十分に加熱しましょう(中心部を75℃で1分以上)
〈二次汚染対策として〉
〇食肉と他の食品では調理器具や容器の使い分けをしましょう
〇食肉を取り扱った後は十分に手を洗ってから他の食品を取り扱いましょう
〇食肉に触れた調理器具などは使用後に消毒・殺菌しましょう(熱湯消毒が有効です)
【外食の時に気をつけること】
〇外食の際、メニューに生肉料理(鶏の刺身やタタキなど)があるお店もありますが、現状、100%安全な生肉メニューというものはありません。
〇外食メニューの鶏肉が特別に安全な処理加工をされているということもありません。お店でも生肉料理は食べないようにしましょう。(認定工場で安全に処理された牛ユッケなど、法令で定められた基準を守っている食肉もあります。メニューなどで確認しましょう)
〇「自己責任で食べるのだから自由だ」と安易に考えてはいけません。食中毒を起こすと、重い後遺症が残ったりするおそれがあるほか、お店でも営業停止となり「食中毒を出したお店」としてずっと世間の記憶に残ってしまうことになります。
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