事業について
管理・経営計画について
県有林では、5年おきに「管理・経営計画」を策定し、次に示す県有林の役割を基本方針に据えて森林整備を実施しています。
県有林の役割
1.県基本財政の育成
県有林を構成する土地ならびに立木とも県民の財産であり、適切な管理により資源の充実および健全な森林の育成に努めます。
2.民有林における森林整備・林業の先導的役割の発揮
適切な森林整備の実施だけでなく、低コストな木材生産や低コスト再造林など積極的に実践し、試験研究部門と連携しながら新しい技術の検討など、その先導的役割を果たします。
3.山地保全、水源のかん養、保健休養等森林の持つ公益的機能の発揮
木材生産だけでなく、公益的機能の維持増進を両立させた森林整備を実施し、将来にわたり多様な機能を持続的に発揮させるための適切な森林づくりを行っていきます。
4.森とのふれあいの場の提供
「県民の森」として県内外の多くの人が訪れ、人と森林が豊かな関わりを持てる自然とのふれあいの場として利用してもらえるよう努めます。
5.森林・林業教育、新技術の導入実践の場の提供
農林大学校林業科の学生、林業労働力確保支援センターの研修生や林業事業体など、林業の担い手がその基本的な技術を習得する場として、また新技術の導入に向けた研究フィールドとして提供します。
計画の基本方針
県有林においては、そのほとんどが水源かん養保安林、保健保安林に指定されています。
そのため、水源かん養や生活環境保全、保健文化機能などの森林の持つ公益的機能を高度に発揮させながら、持続的な木材生産を実施していきます。
1.森林整備
島根県では、将来ビジョンとして、利用期を迎えたスギ・ヒノキを中心とした森林の主伐を更に促進し、循環型林業の定着・拡大を図ることとし、令和12年の原木生産量の目標を80万m3としています。
また、「伐って、使って、植えて、育てる」循環型林業を実現するためには、島根県の民有林人工林の75%を占めるスギ・ヒノキのうち主伐期を迎え利用可能な59%の森林を積極的に伐採し、木材として利用し、再び造林することが求められており、島根県農林水産基本計画(令和2年度~6年度)における令和6年の原木生産量の目標は71.4万m3に設定されています。
県有林においても利用期に達したスギ・ヒノキの人工林の割合は年々増加してきていることから、令和2年度に和恵県有林内の人工林に循環型林業拠点団地(1団地)を設定し、令和4年度から主伐(皆伐)及び再造林を実施しており、今後は利用間伐も進めながら、毎年5ha程度の主伐(皆伐)、伐採跡地の再造林及び保育も並行して進めます。
なお、主伐や再造林の実施にあたっては、試験研究部門が行う森林経営の収益性向上や原木生産・再造林の低コスト化、新技術の導入等に向けた研究フィールドとして提供します。
2.路網整備
林道については、森林の適切な管理や効率的な林業経営を行うために必要不可欠であるとともに、「県民の森」へのアクセスや地域の交通網としても大きな役割を担っており、車両等が安全に通行できるよう維持管理に努めます。
また、低コストで効率的な木材生産を進めていくには、木材の運搬に特化した「林業専用道」および「森林作業道」の整備が必要であり、開設にあたっては「林業専用道作設指針」や「森林作業道作設指針」に準じ、施行予定地の地況、林況に応じ計画的な路網整備に努めます。
3.森林病害虫の防除
森林病害虫の被害については早期防除に努め、被害の拡大を防止し、被害が発生しにくい林の育成を図ります。
4.林業実証・展示林
和恵県有林内に林業実証・展示林を4団地設定しています。
- 才谷奥展示林(複層林)
- 上三郎展示林(複層林)
- 魚切谷展示林(列状複層林)
- 木地屋谷展示林(複層林)
5.林産物の利用
【木材生産】
間伐等で搬出した木材は、木材市場等を通じて県内に流通させ、小径木や低質木など市場に出荷できない材についても、土場売りでチップ・パルプ用として販売し、木質資源の有効利用に努めます。(主伐材については、立木売却を通じて、資源の有効利用を図ります。)
【特用林産物生産】
和恵県有林内では林内に自生している広葉樹を原木として利用し、生椎茸、乾椎茸、ヒラタケを生産・販売しています。「きのこ園」は、教職員や中学生等の椎茸原木のほだ起こし、椎茸の収穫等の作業体験を行っており、体験学習の場としての役割もあるため、引き続き木質資源の有効利用や「きのこ園」の適正な維持管理に努めます。
お問い合わせ先
中山間地域研究センター
島根県中山間地域研究センター 〒690-3405 島根県飯石郡飯南町上来島1207 TEL:0854-76-2025 FAX:0854-76-3758 Mail:chusankan@pref.shimane.lg.jp