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三江線紀行
平成29年11月8日(水)雨のち晴れ
来年3月末で廃線が決まったJR三江線。最近名残を惜しむ乗客が増えていると聞きますが、私を含めセンターの職員3名が乗車体験を
してきましたので、その様子をリポートします。
とにかく、予期せぬハプニングやドラマの連続で、”最初で最後”の乗車体験としては思い出深いものとなりました。
広島県三次駅10:02分発の列車に乗ろうとすると、まだ発車時刻まで45分もあるというのに、ホームにはすでに行列ができていました。
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2両編成の列車の車内は出発時点ではもう満員状態で終点までたったままの乗車を覚悟しました。
天気はあいにくの小雨模様。所々が霧でかすみ、きれいな紅葉風景は望めませんでしたが、車窓には雄大な江の川や様々な形の橋梁の風景が
乗客を楽しませてくれます。
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と、最初のうちは満員列車でもカメラ撮影ができる状況だったのですが、途中の停車駅で団体客が多数乗り込んできたため、あっという間に
車内は東京の通勤ラッシュさながらの寿司詰め状態です。もうカメラ撮影どころではなくなってしまいました。ただし、東京のラッシュと
違うところは圧倒的に乗客の平均年齢が高いという点です。我々50歳代の男性などこの車内ではバリバリの青年団です。
ご高齢のお客さんには長時間立ったままの乗車はさぞかしつらかったことでしょう。
さらに邑南町口羽駅にも大勢の団体客が待っていましたが、結局乗り切れず約20分の停車ののち、積み残したまま、ようやくの出発となりました。
(もしかして、三江線史上初めての出来事だったのでは?)残された団体客用にバス等がを用意されるとのことでしたが、乗れなかったお客さん
にはお気の毒でした。
そんなこんなで最初の終点である石見川本駅への到着は約50分遅れの午後1時前となりましたが、昼食はあらかじめ駅前の新栄寿司さんに予約を
入れておきましたので、すぐに食べることができました。食べたのはお昼のサービスランチ。町特産のエゴマ入りコロッケは私には懐かしい味で
美味しくいただきました。
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ところで、今日11月8日は石見川本駅の開業記念日にあたるそうで、昭和9年の開業から数えること83歳。駅では、最後の誕生日を祝うイベント
もあり大変な賑わいでした。川本小学校の児童たちが町を紹介する手書きのPRパンフレットを配っていました。私は4年生の日野山蒔音くんと
幡陸人くんから”エゴマのスムージー”の作り方を書いたパンフレットをもらいました。また、休憩所では観光協会発行の”三江線乗車記念切符”を
いただき、いずれも観光客にとっては思いがけないうれしいプレゼントになりました。また、石見川本駅を発車する際にはホームで三宅町長や
小学生らが手を振って見送ってくれ、何よりの温かいおもてなしを受けました。
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石見川本駅を出発するころには天気が回復し、乗客の数も空いたところで気分的にも余裕が生まれてきました。江津に向けては江の川左岸を崖と
川に挟まれた狭い軌道を時速30キロでゆっくりゆっくり進んでいきます。そして、江津のシンボル日本製紙の煙突が見えるともうすぐ終点です。
江津駅の3番ホームに滑り込むように到着して、108キロメートルの三江線の旅が終了です。
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身勝手な意見ですが、こんなに人々に惜しまれるのなら廃線日をもう少し先に延ばして、三江線もっと楽しめないものかと思いました。
しかし、観光列車としては魅力がありますが、生活交通としてはスピードの遅さと利便性の悪いダイアは致命的であると改めて感じました。
始終立ちっぱなしの”鍛錬の旅”でしたが、良い思い出になりました。
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願わくば乗客の少ない列車にもう一度ゆったり乗れればと思います。
☆★☆所長嶋田☆★☆
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