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コウゾ蒸し

令和元年12月26日(木)雨

 

 

12月は和紙原料のコウゾを蒸す季節です。

 

コウゾが蒸し上がるとサツマイモのような匂いが広がります。

原木が冷めるとうまく樹皮が剥けなくなるので、なるべく大人数で手際よく剥きます。

 

皮剥作業の写真

皮剥ぎ作業の様子

 

 

剥き方一つ取っても地域によって違い、表皮が自然に剥がれるよう樹皮を裏返しに引っ張って剥く産地、

樹皮が裂けにくいように剥く産地というように、それぞれの流儀があるのが面白いところです。

 

最近では、この施設のように金属性の蒸籠(せいろ)を使い、ボイラーの蒸気で蒸すことが多いようです。

 

蒸籠の写真

箱型の蒸籠

 

 

昔ながらの甑(こしき)と呼ばれる木製の釣り鐘状の蒸籠を使う産地もあります。

 

こしきの写真

甑(現役のものでは日本最大級と思われ、その大きさは人がすっぽりと入ってしまうほど)

 

 

石見神楽で舞われる大蛇(おろち)が3段にとぐろを巻いた姿を、その形から甑と言うそうです。

 

キイチゴの仲間にコジキイチゴ(乞食苺)という種類があります。

形が甑に似ており、甑イチゴが訛ってコジキイチゴになったという説が有力です。

 

鹿児島県の甑島列島には、甑のかたちをした巨岩、甑大明神があるそうです。

 

今ではあまり知られていない甑ですが、色々なものにその名前が残っているのは面白いですね。

 

 

**きのこ・特用林産***

 

 

 

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