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クマゼミ体感温度上昇

平成27年8月20日(木)天気曇りのアイコン画像のち雨のアイコン画像

 

 

 盆を過ぎてもまだ暑い日が続きます。体感温度を更に上昇させてくれるのが、

蝉(セミ)の鳴き声です。

 この時期、中山間地域研究センターの周りでは、ニイニイゼミ、ヒグラシ、

アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシそしてエゾゼミの6種類います。

それぞれ独特の音色を発していますが、ここに、数日前から新たな音が加わりました。

 クマゼミです。シャーシャーシャーシャーシャーと、風情の無い(個人的な思い)

他の種に比べてひときわ大きな音です。

 

 本種は南西諸島・九州・四国、本州は太平洋岸沿いに神奈川県あたりまで産しています。島根県では

益田・浜田地域沿岸部でその声を耳にできます。

 近年、北へ分布を広げていますが、単純に温暖化と結びつけるのは早計のようで、幼虫が土中で木の

根から樹体液を吸って生育している間に、人間の趣向で他の地域に植木だの街路樹用として掘り取られ、

移植されることによる拡大が多いようです。

 

 古代中国では、土中から出て羽化し、天空に飛び立つ蝉の姿は、蘇生の象徴とされたそうです(エジプト

のフンコロガシみたく)。そして、蘇生への願いから、含蝉(がんせん)という、死者の口に蝉の石彫を

入れる風習があったそうです。

 中国の石彫には「蝉」をモチーフにしたものがしばしば見られ、日本で催される中国物産展などでも、

蝉グッズが販売されているのを目にします。

 

 日本では、地上に出た後の躍動ではなく、短期間で死んでいく様が「もののあはれ」、「無常観」を想起

させたようで、民族・地域によって、同じものに対しても感じ方が異なる。というのは面白いものだと思います。

 

(写真)

センター構内、コナラ樹上のクマゼミ。

かましく鳴きながら、樹上をせわしなく移動。見ていると音に加えて一層、体感温度が上がります。

 

 

(写真)

クマゼミ。黒色の身体で本州最大種。透明な翅の前縁には落ち着いた色調の緑色部があり、

唯一、清涼感が得られます(私見)。

 

 

(写真)

お土産でいただいた中国産セミの石彫。大小、二頭が彫られています。

 

 

***森林保護育成科福井***

 

 

 

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島根県中山間地域研究センター
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