島根の史跡
田和山遺跡
【お問合せ】松江市埋蔵文化財調査室(電話番号:0852-55-5284)
山頂を囲む三重の環濠
宍道湖を見下ろす丘陵頂部に位置する,弥生時代前期~中期にかけての遺跡です。3重の環濠がぐるりと山頂を囲み,その外側に住居跡が広がっています。山頂部には神社建築のルーツとの説もある5本柱,9本柱の施設がおかれ、柵で囲まれていました。集落ではない山頂を厳重に囲んだ環濠は全国でも外に例がなく,信仰上の特殊な遺跡ではないかと考えられています。
(3重の環濠)
出土品
環壕およびその内外からの出土品は合計で数千点にのぼります。
石鏃,石剣,環状石斧,つぶて石などの武器類は3重環濠の防御的性格をよく示し,煮炊きや貯蔵用の土器類は集落遺跡としての性格や遺跡の継続時期を余すことなく示しています。遺跡の特徴である防御性の高い3重環濠や竪穴住居などの集落遺構は,その出土品にも性格がよく反映しており,遺構と遺物が一体となって遺跡の性格・価値を表す典型例と言えます。
さらに,国内初出土の楽浪郡製の可能性のある硯の存在は,北部九州経由で入手したものか,半島から直接入手したものかは不明ですが,弥生時代の東アジア圏域での交流を裏付ける資料として特筆に値します。
これらの出土品のうち特に重要なものは,平成30年(2019)に島根県の指定文化財(考古資料)となりました。
(出土した石硯片)
田和山史跡公園
田和山遺跡は平成13年(2001年)に国指定史跡となり、史跡公園として整備されました。山頂部では柵や柱の位置が復元され,眼下には宍道湖と島根半島を見渡す素晴らしい景色が広がります。
(復元された建物)
お問い合わせ先
文化財課
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