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『佐野ラウンドアバウト』の安全性向上に向けての取組について

・島根県では、浜田市佐野町に位置する(通称)佐野交差点について、利用者の安全性及び利便性向上を目的として環状交差点への改良工事を実施し、令和2年11月に完成し供用を開始した。

・当該HPでは、島根県で実施した環状交差点の安全性向上等の取り組み状況について紹介する。

 

 

検討の経緯

・佐野ラウンドアバウトは、環状交差点としては島根県内において2例目、県道事業では初めての事例であり、また全国的にもまだ事例が少ないため、通行方法や交通ルールなどの認識不足からの混乱や事故等が危惧されていた。

・そのため、供用開始前においては、安全性向上に向けた安全施設検討や交通ルール周知のための活動を行い、また供用後においても供用状況を整備効果の検証を行い、安全性向上に向けた取組を行っている。

 

 

検討の流れ

1.工事着手~供用開始(直後)まで

安全対策の検討・整備効果検証フロー

・検討の流れは以下の通り。

安全対策の検証フロー

安全施設整備(ハード整備)の検討、安全運転講習会、効果検証調査の実施

・供用にあたっては、全国のラウンドアバウトの先進整備事例について情報収集・整理を行い、当該ラウンドアバウトに対しての安全対策の整備(案)を作成、また3D映像も作成利用し所内において検討会を立ち上げ検討・意見集約を行った。また公安委員会に対しても協力を求め意見聴取を行いハード整備を実施した。

・上記に並行して、交差点を利用する地域住民を対象にラウンドアバウトの通行方法を記載したビラを配布すると伴に、実物大を模した形での交通安全運転講習会を複数回実施するなど、警察の協力も得ながらソフト対策についても実施した。

・また、供用開始後においても安全対策に対する整備効果を検証するため、通行状況の把握を行うと共に、利用者に対してアンケートやヒアリング調査などを実施した。

 

安全運転講習会の風景の画像1安全運転講習会の風景の画像2

 <安全運転講習(運転体験)の状況><安全運転講習会(座学)の状況>

 

※その他、具体的な安全対策の内容については下記をクリックして下さい。

<主な安全対策:PDF版1.28MB>

 

 

環状交差点(ラウンドアバウト)の整備効果及び課題点

・整備効果の検証のために、供用後に交通量調査、速度調査、躊躇挙動調査及びアンケート・ヒアリング調査を実施した。

・整備効果としては『走行速度の低下』『安全性の向上』『利便性・快適性の向上』などがあった。一方で、「交通ルールが守られていない」「通行方法に慣れていない」などの意見があり、危険(ヒヤリハット)を感じた利用者も2割程度見られるなどのアンケート結果もあり、交通ルールの周知徹底が課題としてあがった。

 

整備効果等の詳細については下記とクリックして下さい。

<環状交差点の整備効果と今後の課題:PDF版1.18MB>

 

 

 

2.供用開始(半年後)~現在(R4.3)まで

供用開始から半年後の状況と課題解決に向けた取組について

・実施している安全対策の効果検証の結果の課題解決検討にあたり、供用半年後の交通状況等の経過観測を実施した。

・その結果、一部走行速度の上昇傾向がみられるなどの新たな課題点が生じた。

・これらの結果も踏まえ、環状交差点の安全性向上に向けた課題として、以下の3点について検討を行うこととした。

 

【安全対策検討に向けての主な課題】

(1)走行速度抑制効果が低い方向への対策

(2)交通路ルールの周知徹底

(3)歩行者に対する注意喚起・安全対策

 

課題解決に向けての「安全対策検討会」の立上げ・開催

・上記の課題解決に向けては、ハード整備のみならず、ソフト対策も含めて実施して行く必要があり、そのためには道路管理者のみでは対応困難である。また環状交差点(ラウンドアバウト)自体が比較的新しい整備手法であることから、以下の1~3を図ることを目的として、道路管理者・交通管理者・地域住民・地元自治体・学識経験者などをメンバーとした安全対策検討会を立ち上げて議論を進めた。

 

1.多様な立場における視点からの意見反映

2.関係機関での協力体制の構築

3.新たな取り組みに向けた知見の集約・共有・向上

 

安全対策検討会の状況1安全対策検討会の状況2

 <安全対策検討会(第1回)の状況><安全対策検討会(第3回)の状況>

 

<安全対策検討会の構成:PDF版512KB>

<安全対策検討会の開催内容の概要:PDF版623KB>

 

 

 

安全対策の実施方針

・安全対策検討会では、更なる速度抑制効果として、物理的な対策であるスムースハンプについても議論がなされたが、当該対策については事例も少なく、整備にあたっては社会実験や利用者等への周知など、様々な検討が必要であり一定の時間を要することとなる。一方で、環状交差点の安全性向上に向けて出来うる対策は早期に行うべきであることから、方針として段階的(ステップ分け)に対策を実施することとした。

 

・安全対策検討会での議論を踏まえて、以下の対策を実施する。

 (課題1)速度抑制対策⇒段差舗装の追加、注意喚起看板(本設)の設置

 (課題2)交通ルールの周知⇒映像(動画)を活用した広報、WEB・SNSの活用

 (課題3)歩行者安全対策⇒横断旗の設置

 

段階的な対策の実施ステップ1の安全対策

 

 

 

 

3.今後に向けて

安全対策の実施、整備効果検証のモニタリング(予定)

・安全対策検討会での方針に従い、各種安全対策を実施します。

・また、各種安全対策の実施後、効果検証に向けたモニタリングを予定しています。

 

 

各種安全対策の実施状況

段差舗装(全景)

 <段差舗装:全景>

 

段差舗装(接写)

 <段差舗装:接写>

 

 


お問い合わせ先

浜田県土整備事務所

浜田県土整備事務所
〒697-0041
島根県浜田市片庭町254
電 話 0855-29-5654
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   0855-29-5623(農林工務部)