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船通山の植物3(ハ行〜ラ行が文頭の植物)

 ハイイヌガヤ(イヌガヤ科)
名前の頭のハイは「這い」の意味で、その名の通り、幹や枝は地表を這っています。雪の重みのため樹高を伸ばせず、地表を這うように進化したものです。さらに幹や枝の弾力を増して、雪深い環境に適応しています。

ハイイヌガヤ


 ハウチワカエデ(カエデ科)
普通に見られるカエデより、かなり大きな葉をしています。若葉のときに、葉柄、葉面、花序の柄に白い軟毛があるところから、天狗の羽ウチワに見たててこの名がつけられました。

ハウチワカエデ


 ハシリドコロ(ナス科)
鐘形で外側が暗紅紫色、内側が淡緑黄色の独特な花をつけます。ヒオスチアミン、アトロピン、スコポラミンといった猛毒成分を含み、日本の毒草の中でNo.1の位置を占めています。この毒成分を上手に利用すると重要な医薬品になりますが、素人が扱うのは大変危険です。ハシロドコロは全ての部位に毒がありますが、中でも地下茎が猛毒で、中毒を起こすと走り回って苦しむというところからこの名がつけられました。早春に山菜を思わせる若芽を出しますが、これを食べると幻覚症状をおこしたり、呼吸まひで死亡することもあります。

ハシリドコロ


 ハナイカダ(ミズキ科)
花や実が葉の中央につく風変わりな低木です。葉の中央脈は、花のついているところまでがずいぶん太くなっています。これは、花の下についている花柄が中央脈とくっついているためであり、このため、葉の中央から花が咲いているように見えるのです。実は、秋になると黒く熟し、いびつな球状となります。なお、この植物は、雌雄異株のため雄株には実がつきません。

ハナイカダ


 ハルニレ(ニレ科)
一般にニレといえば、ハルニレを指します。名前の通り、ハルニレは春に花が咲き実をつけます。5月のはじめ、ハルニレの新緑にカラスシジミというチョウの幼虫を見つけることができます。また、ニレの仲間には、秋に花をつけるアキニレがあります。


 ヒカゲミツバ(セリ科)
深山の日陰に生育する草本です。別名「かけぜり」といい、三杯酢で調理するとおいしい山菜です。


 ブナ(ブナ科)
日本の温帯の代表的な広葉樹で、北海道南部から九州の山岳地帯まで広く分布しています。幹はよく分岐し、高さは30mにもなります。花は、5月ごろ枝先にたくさんつけますが、高木のためにあまり目にすることはありせん。秋には、1.5cmぐらいの3稜のある実をつけますが、炒って食べると大変おいしいものです。ブナ材は、広く家具、器具、パルプなどに使われています。

ブナの写真


 ホオノキ(モクレン科)
落葉の高木で、5〜6月ごろ枝先によい香りのする花をつけます。葉は、古くから食物を包むために利用され、今でも柏餅をこの葉で包む地方があります。材は、やわらかく加工しやすいので、建具材、箱材、下駄の歯、ピアノの鍵盤、版画の板などに利用されています。また、昔は、刀のさやに使われていたので、この木のことをカタナギと呼ぶ地方もあります。

ホオノキ


 

ホソハウリハダカエデ(カエデ科)
ウリハダカエデの狭葉品種で、ウリハダカエデに比べ、葉の幅が狭く長いのが特徴です。横田町の丸山巌さんが発見された、島根県に2本しか知られていない大変貴重な品種です。


 ミズキ(ミズキ科)
ミズキとは、水木の意味で、春の開花期には水を吸い上げる力が強く、枝を切ると水が出てくるところから、この名がつけられました。同じ仲間にクマノミズキがありますが、ミズキの葉は互生(葉が互い違いについている)で、クマノミズキは対生(葉が両側に同じところから出ている)なので、すぐ見分けられるでしょう。

ミズキ


 ミズナラ(ブナ科)
コナラによく似た高木ですが、葉はコナラのものより大型で葉柄がないので見分けがつきます。また、コナラより標高の高いところに生育します。

ミズナラ


 ミヤマカタバミ(カタバミ科)
4月中ごろ、清楚な白い花を咲かせます。民家のまわりなどで黄色い花をつけるカタバミに似ていますが、より大型で花は白く、山中に自生しています。花にある赤い筋と、ややとがったハート形の葉が特徴です。

ミヤマカタバミ


 モミジガサ(キク科)
葉の形がモミジに似ているところから、名づけられた草本です。若芽は、山菜として食べられます。

モミジガサ


 ヤブデマリ(スイカズラ科)
花のように見える部分(花序)は、中央部にある両生花と周辺の大きくて目につく無性花(雄しべ、雌しべの両方がない花)の2つの部分からできています。庭木のオオデマリは、ヤブデマリの花序をすべて無性花に改良し、マリのような大きな花にしたものです。ヤブデマリの実は、はじめ赤く9〜10月ごろに黒く熟します。

ヤブデマリ


ヤマウルシ(ウルシ科)
有毒植物で、はだの弱い人がふれるとかぶれることがあります。その反面、漆塗りの材料にもなる有用樹でもあります。ウルシは、15年以上たった木の幹に深く傷をつけ樹液をとります。古墳の外棺にも塗られていたほど古くから利用されてきました。ウルシの名は、うるしる(潤液)からきたものとも、物を塗って麗しくするからとも言われています。現在も八雲塗や輪島塗などはこのウルシを使っていますが、90%以上は輸入品となっています。

ヤマウルシ

 

ヤマザクラ(バラ科)
サクラの仲間の落葉高木で、日本の野生桜の代表です。樹皮は滑らかで、光沢があります。幹は堅く密で、貴重な加工材です。春に開花し、紫黒色の実をつけます。

ヤマザクラ


 ヤマシャクヤク(ボタン科)
5月ころ、白い花を咲かせます。秋には実がさけ、中の種子が顔を見せます。この種子には実の稔らない真っ赤なものと、るり色の成熟したものとあり、とても鮮やかです。庭木のシャクヤクは、中国や朝鮮半島が原産のもので、最初は、薬用として日本に持ち込まれたといわれています。

ヤマシャクヤク


 ヤマツツジ(ツツジ科)
山野に見られる普通のツツジで、庭木としても人気があります。5〜6月ごろ、赤紫色のきれいな花を枝いっぱいにつけます。

ヤマツツジ


 ヤマノイモ(ヤマノイモ科)
ハート形の葉が、秋には黄色に色づくツル性の植物で、葉はツルに対生についています。畑で栽培するナガイモの仲間で、自然の山野に野生するところから、「自然性(ジネンジョウ)」とも呼ばれます。葉の柄のつけ根のところから、茎が変形したムカゴと呼ばれる球状のものをつけます。このムカゴも食用にされます。

ヤマノイモ


 ヤマボウシ(ミズキ科)
5〜6月ごろ、白く大きな花をたくさんつける高木です。しかし、花のように見えるのは、総苞というもので、本当の花は総苞の中心部に集まっています。ヤマボウシの名前は、白い総苞を帽子に見立ててつけられたと思われます。材は、堅くてねばり強いので、小槌の柄や薪炭材に使われます。また、赤く熟した実はとてもおいしく、この実を見つけるのが山歩きの楽しみのひとつともなります。

ヤマボウシ


 ユキザサ(ユリ科)
林下などに生育する多年草です。5〜6月ごろ、白色の花をつけます。葉がササに似ているので、この名がついています。

ユキザサ


 リョウブ(リョウブ科)
やや乾燥した斜面や尾根部によく見られるツツジ科の植物です。葉は、枝の先端からまとまって輪状に出ているので、ほかの樹木とはかなり違った感じがします。芽立ちのころは、まるで緑の花のようにさえ見えます。若芽は食用となり、昔は飢饉のときの非常食とされていました。

リョウブ


 リョウメンシダ(オシダ科)
葉の表と裏の区別がつきにくいので、この名前がつきました。ぜひ葉の表と裏を見比べてみましょう。



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