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千丈渓の地形

千丈渓のある地域は、流紋岩質火砕岩と呼ばれるとくに硬い岩質からできています。そのため側方への浸食が進みにくく、谷も幅狭くなっています。ちょうどアルファベットのV字に似ているということで、V字谷と呼ばれています。このような谷は、現在も少しずつ浸食され続けています。
  

千丈渓にはゆるやかな流れと急流、滝が交互に現れます。現在の地形になったしくみは次のように考えられます。
地形・地質千丈渓の画像

  

川が浸食して水平に近い状態になったころ、土地全体が隆起し、再び河口側から浸食が始まります。河口側からはじまった浸食は、海水面と同じ高さになるように土地を削っていきます。やがて新しい川床と隆起前の川床との間に大きな落差が生じ、そこに急流や滝ができるのです。

  

この新旧の川床の境目は遷移点と呼ばれています。遷移点と考えられる部分では、川の流れが急に変わります。これは、この部分に断層があったり、断層によって生じたもろい部分や節理面に沿って浸食がおこりやすいことによるものです。
  

このように滝の多いところでは、流れの近くにある岩におう穴と呼ばれるくぼみが見られます。かめの底に似ているので、かめ穴とも呼ばれます。これは石ころや砂が、川底の岩盤を長い年月をかけて削った天然のロクロ細工で、川の流れはここにくると渦巻きます。

  

千丈渓できれいな甌穴を見るなら、白藤の滝から1.4km上流の一の滝まで行く必要があります。

  


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