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西谷川オオサンショウウオ繁殖地
- 所在地
安来市広瀬町西谷
- 指定年月日
昭和57年11月9日
- 面積
5.0ha(特別地区5.0ha)
オオサンショウウオについて
オオサンショウウオは、俗にハンザキとも呼ばれる日本特産の有尾目両棲類中最大級の動物です。また、地質時代に生きた特色をそのまま残した原始的形態を有しており「生きた化石」とも呼ばれています。スイスの国境に近い西ドイツの第三紀の地層から、オオサンショウウオの祖先型を示す化石が発見され、かつてはヨーロッパ大陸にも生息していた事実も明らかになっています。
サンショウウオのなかまは、我が国に2科45種生息していますが、大型のものはこのオオサンショウウオの1属1種に限られ、他のものは大きくなっても全長20センチメートル程なのに対して、オオサンショウウオは全長1メートル以上にまで及ぶのが大きな特徴です。
オオサンショウウオは、戦前まで食用や薬用として乱獲され、その個体数が激減したため昭和27年に国の特別天然記念物に指定され、保護が図られています。また、国際間の保護運動も活発化し、ワシントン条約で保護されている貴重な動物です。しかし、その生息地については保護対象となっておらず、近年の河川改修や林道建設等に伴いその生息環境は急激に悪化し絶滅の危機に瀕している動物です。
西谷川オオサンショウウオ繁殖地の概要
この地域は、飯梨川上流にある布部ダムから約5キロメートルさかのぼった支流の西谷川最上流部に当る地域です。
地域一帯は、花崗岩もしくはその風化物の砂質土層からなっています。西谷川の水温は最低が5.1℃(3月下旬)、最高が17℃(7月下旬)で9月下旬の産卵期になると急に下降し、16.2℃から16.5℃となります。また、酸素の溶存度も高く汚染も全くみられない等、オオサンショウウオの繁殖に大変適した自然環境を有している地域です。
この地域は、オオサンショウウオの生息密度が高く、また、昭和50年に県内で初めて産卵が確認された場所であり、その後も同じ産卵穴で卵が発見されました。
このように、本地域はオオサンショウウオの保護や生態の研究に大変重要な地域であることから、昭和57年に島根県自然環境保全条例に基づく島根県自然環境保全地域に指定し、その保全を図っている地域です。
オオサンショウウオの生態
オオサンショウウオの生態等については、これまであまりよくわかっていませんでしたが、最近の研究によりその生態がある程度確かになってきました。これまでに明らかとなったオオサンショウウオの分布や生態等については、次のとおりです。
分布
岐阜県以西の本州各地と九州北部に分布しており、中国山地に多い。
生態
- オオサンショウウオを除く他の多くのサンショウウオが、成体になると陸上で生活するのに対し、本種はほとんど水中で過ごす。
- 繁殖期を除けば定着性が強く、同じ巣穴を利用することが多い。
- 夜間に活動することが多い。
餌
- トノサマガエル・ニホンアマガエル等のカエル類、カワムツ・タカハヤ等の魚類、カワゲラ・ヤゴ等の水生昆虫、カワニナ・サワガニ等を主な餌としている。
- 時にはヒミズなどの哺乳類も餌とすることがある。
産卵行動
- 繁殖期には遡行したり、産卵場へ集中する傾向がみられる。
- 産卵場への集合は、産卵日の10〜20日前から始まり、産卵後3〜5日で離散する。産卵は1つがいにより行われる場合もあるが、産卵中の巣穴の付近には多数の個体が集合している場合が多い。
- 産卵巣穴は、上流部に2ヶ所以上あることがあり、それをわたり歩くことがある。
- 産卵された卵は、オス1個体により保護されるが、この個体は群れ中最大のものであることが多い。
数珠状の卵塊
生後1年(飼育)
お問い合わせ先
自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)