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赤名湿地性植物群落
- 所在地
飯石郡飯南町下赤名福田
- 指定年月日
昭和52年11月1日
- 面積
30.18ha
特別地区8.01ha(うち野生動植物保護地区0.67ha)
普通地区22.17ha
概要
赤名湿地性植物群落は、飯石郡飯南町下赤名福田地内の山域にある用水溜池(名称長尾池)を中心に東西に広がる沼沢地に発達した県下最大のハンノキ林と、その林下に生育する貴重な湿性植物で特徴づけられています。
ハンノキ林は、古くは県下に広く分布していたものと思われますが、水分の多い平坦地に生息するため、古来からヨシ・アシ群落とともにその群生地を水田として開墾されてきたため現在では県下に数ヶ所しかハンノキの自生地が見られないほどになりました。その内でも最も規模の大きいのがこの赤名湿地のハンノキ林で大変貴重なものです。
ハンノキの林縁には、現在自生地最西限と思われるミツガシワが大群落を形成しており、中国地方では鳥取県三朝町の自生地とともに大変貴重な地域で、リュウキンカやハンカイソウ、サワギキョウ、ノハナショウブなどと共に四季折々の花をつけて私達を楽しませてくれます。
また、開放湿地にはサギソウ・トキソウ・カキランなどの野性ランやモウセンゴケ・ミミカキグサなどの食虫植物、さらに「幻のトンボ」といわれるハッチョウトンボやゴイシシジミ・ヒメシジミなどの貴重な昆虫も多数生息しており、まさに生きた自然の博物館といえる地域です。
貴重な植物
赤名湿地には貴重な湿地性植物がたくさん生育していますが、代表的なものの写真を掲載します。
ハンカイソウリュウキンカ
サギソウミツガシワサワギキョウ
赤名湿地のなりたち
このすばらしい湿性植物群落を形成させたのは、この付近一帯の地形・地質や気象条件が大きく関係しています。赤名地方一帯には花崗閃緑岩が広く露出しており、海抜450〜500メートルの小起伏山地を形成しています。また、希に花崗岩がこれを貫いているところもみられます。これらの上に約3万年以前の更新世時代の終り頃、三瓶火山の火山噴出物が降りそそいで、谷川を埋めつくし、この火山噴出物が帯水層となり地表水が地下水化したと思われます。花崗岩は花崗閃緑岩に比べ風化に対する抵抗力があり、やや硬化のまま残る場合が多く、ここでは湿地の部分を花崗岩が貫いているためこの部分が一種の堤防となり、谷のネックの部分で地下水が湧出しています。そして、ここにはミズゴケなどが繁茂し、気候が冷涼であったためそれらとなり、厚く積み重なって現在のような湿地が形成されたものと考えられます。
野生動植物保護地区における指定動植物
- 植物
- 動物
お問い合わせ先
自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)