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古代出雲のタイムカプセル

〜積み置かれし神御財(かむみたから)〜斐川町・雲南市加茂町

 今回は、今年度中国自然歩道モデルコースに指定される「荒神谷・加茂岩倉コース」を紹介します。

 コースの見どころは、斐川町の大黒山(頂上に大国主命を祭った拝殿)を挟んでほぼ等距離に位置する加茂岩倉遺跡(1996年、39個の銅鐸発見)と荒神谷遺跡(1984年、358本の銅剣発見)です。さらに加茂岩倉遺跡の南には、1972年に三角縁神獣鏡が発見された神原神社古墳があります。ここ12年ごとに古代出雲の神宝が土中で浄化された姿を現しています。

 全長7・6kmのモデルコースを荒神谷遺跡から約2km歩くと、出雲霊場6番札所蓮台寺に到着します。さらに蓮台寺から2kmほど歩いて木橋を渡ると広場に出ます。広場は神庭谷を上り詰めたところにあり、広域農道から自動車で行くことも可能です。

 広場奥の菊通池の脇から入って行く山道は出雲霊場7番札所光明寺を経て、加茂岩倉遺跡まで続く約4kmのコースの入り口です。蓮台寺と光明寺の間は「一丁地蔵」と呼ばれる石地蔵の無言の案内で、迷うことなく歩けます。

 尾根の平坦地の転石からは人工的な設えを感じます。静謐な森に抱かれながら歩いていると、太古出雲王国の魂に共鳴するようです。

 枝別れして、尼子ゆかりの山城・高瀬城址への登山口からはやや急峻な階段が続きますが、頂上から見える簸川平野、宍道湖のパノラマは絶景です。

 このモデルコースは、永年、草刈り活動などに尽力されている小松原茂さんなど地元の方や自然保護レンジャーなど、たくさんのボランティアの皆さんの力で丸太階段や木橋などが整備されています。マナーを守って野に山に出掛けましょう。

 

島根県自然環境課0852−22−6517

 平成21年11月8日山陰中央新報りびえーる掲載

 中国自然歩道「荒神谷・加茂岩倉コース」地図画像

中国自然歩道「荒神谷・加茂岩倉コース」

 

 


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