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八百年もの世を見守る「本宮神社の大杉」

 しっかりと大地に根を下ろし、ずっと私達を見守ってきた巨木。足元で見上げると優しく包み癒してくれるその魅力。今回は大田市三瓶町志学の「本宮神社の大杉」(県指定天然記念物)をご紹介しましょう。

 

 三瓶温泉の街を東に抜け、4km程山道を越えると西上山公民館の左前方に本宮神社があります。小高い土地に最初に見える杉もかなりの大きさですが、参道を登りきると太い幹を「どうだ」と言わんばかりに構える巨樹が、「本宮神社の大杉」です。

 平安末期にこの地の豪族矢野隆義が紀州熊野から分霊を勧請したときに移植したとの言い伝えが地元に残っており、樹齢八百年と言われています。幹周8.85m、根周り13mは、隠岐の玉若酢命神社「八百杉(やおすぎ)」に並ぶ県下有数の巨木です。

 

 さて、三瓶地区で杉の巨木と聞くと真っ先に思い出すのが、「三瓶小豆原埋没林公園(外部サイト)」。ここに埋もれていた杉は、本宮神社の大杉と肩を並べる大きさですが、更に約3000年先輩です。当時はこのような杉が立ち並ぶ太古の森が存在し、三瓶山の火砕流にも耐えて、しっかり立ったまま埋もれてしまったのです。本宮神社の大杉を観賞すると小豆原の埋没林が耐え残ったのがうなずけます。数十年前、落雷を受け、上部が折れてしまいながらも、力強い生命力で今日まで残っているその勇姿は、観るものに何か奮い立たせるパワーを与えてくれるのです。

 

 「大切な郷土の宝を守り将来に継承する」。本宮神社の杉は、そのような思いを改めて感じさせる巨木です。三瓶小豆原埋没林公園とともに是非この大杉をご覧下さい。

山陰中央新報りびえーる「出掛けよう野に山に」

 平成22年3月14日(日)掲載

 

 

 

本宮神社大杉の写真地図画像

 本宮神社の大杉と地図

 


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