いよいよ桜の季節。華やいだ雰囲気は気持ちも明るくしてくれますね。

　さて、桜にも銘木・古木はたくさんあるのですが、花の咲き具合でその年の豊凶を占うという桜をご存じでしょうか。その名も「世間桜（よのなかざくら）」と言い、隠岐の島町元屋にあります。

　この桜は、隠岐に配流された後醍醐天皇のお供で、臨済僧の三光国師が建立した建福寺跡（現在は石碑と古びたお堂などが残る）の裏山を登ったところにあります。

　樹齢六百年を超える二本の桜（男桜と女桜）を総称したもので、三光国師が手植えしたと伝えられています。

男桜は、幹周四メートル、高さ十五メートルで、四月上旬ごろから白い花を咲かせます。一方、女桜は幹周三メートル、高さ十三メートルで、男桜より十日ほど遅れて薄紅色の花が咲きます。

　古くから豊年には花が咲き、凶年には咲かないと言われ、地元では花の咲き具合を見てその年の豊凶を占っていたそうです。また、江戸時代には「世の中知らせ桜」という名前で江戸幕府にまで知られ、隠岐島巡礼時には必ず訪ねたそうです。

さて、今年はたくさんの花を咲かせてくれるのでしょうか。

　島根県の天然記念物にも指定され、周辺には「建福寺周辺自然観察路」もありますので、ゆっくりとご覧ください。

【お問い合わせ先】

◎開花情報などのお問い合わせ隠岐の島町役場観光課(08512)2-8575

　◎島根県の天然記念物に関するお問い合わせ島根県文化財課電話（0852）22-5880

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